超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth3&VⅡ Origins Exceed   作:シモツキ

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第五十九話 ベストを目指して

 いーすん…というか、捜索してくれている人達から伝えられた、黄金の塔発見の報告。それを受けたわたし達はセブンスジーニア社の工場を出て、まずは一度教会に戻った。戻って、教会でもっと詳しい話を聞いて……今はネプギアとピー子の三人で、その発見された地点へと向かっている。

 

「んーと…あれがあそこにあるから…たぶんこっち!」

『えぇ……?』

 

 びしっ、とある方向を指差して飛ぶピー子。場所を言われても分からないわたし達は、ピー子に案内される形で塔の発見された場所へと向かっているんだけど…知っての通り、女神化したピー子はロムちゃんやラムちゃんと同じ位、或いは二人より低い精神年齢の持ち主。…ちゃ、ちゃんと辿り着けるかしら……。

 

「ねぇねぇ!おーごんのとーってどんなかんじ?かっこいい?」

「え?う、うーん…普通のビルとか電波塔とかよりは、格好良いかも…?」

「そっかぁ…どれくらいきらきらかなぁ…」

 

 黄金の塔。わたし達が付けたその名称が琴線に触れているのか、ピー子はさっきからずっと興味津々。まぁ、ピー子の女神としての名前はイエローハートだし、色的に惹かれるものがあるのかもしれないわね…。

 

「…ピー子。言っておくけど、見つけてもすぐに近付くのは駄目よ?」

「ほぇ?どして?そのとーを、ねぷてぬたちはぶっこわすんでしょ?」

「最終的には、ね。でもこれまで塔を何事もなく破壊出来た事はないし、むしろ二回共大きな戦いになったのよ。…まぁ、わたしは片方参加していないけど…そういう事があるから、まずは塔の確認をするだけ。いいわね?」

「んー…うん、ねぷてぬがそういうならそうするっ!」

 

 早く壊すに越した事はないけど、またダークメガミとの戦闘になるとしたら、可能な限り準備を整えてからにしたい。そしてその意図が完璧に伝わった…ようじゃないけと、「ねぷてぬがそういうなら」と納得してくれた。幼児退行しちゃった時といい、初対面の時といい…ほんとに好かれていたみたいね、超次元のわたしは。

 そうしてわたし達は飛び続け、先頭を行くピー子が「うーん、いってたのってここだよね…?」と呟いた時、ネプギアがあるものを発見する。

 

「…あ!お姉ちゃん、ピーシェさん、あれ!」

「……!」

 

 声を上げたネプギアが指差した先。そこにあったのは、軍用車両。更に目を凝らしてみれば、近くには軍服を着た数人の人がいて…って、事は……!

 

「わぁぁっ!?きゅーにとうが出てきた!?」

「やっぱりね…!」

 

 そのままその人達へ近付くように飛んでいた直後、不意に現れる黄金の塔。見えた塔も、この唐突に現れたような感覚も、前の時とほぼ同じ。

 

「…間違い、ないみたいだね」

「えぇ。わたしが周辺確認をするわ。ネプギアとピー子は、あの人達に見つけた時の事を訊いてもらえる?」

「うん!」

「まかせてっ!」

 

 近付き過ぎてダークメガミ出現、なんてなったら取り返しが付かないから、わたしは塔との距離を保ちつつ周囲を旋回。流石にそこそこ離れているから細部まではっきりくっきりとは見えないけど…やっぱりこの塔も、前に破壊した物と同じに見える。

 

(…マジェコンヌの姿も無いのね…まぁ、今はいないだけで関係はあるのかもしれないけど……)

 

 高度も変え、時間をかけてじっくりと確認をしたところで、わたしも二人と軍人達の方へ。着地と同時に女神化を解いて、まずは挨拶。

 

「お待たせー。皆もよく見つけてくれたね!ボーナス期待しちゃってもいいよ〜?」

「い、いえ!自分達は任務を全うしたまでです!」

「うんうん、謙虚なのも流石はプラネテューヌ国民って感じだね!でも、ちょっとは胸を張ってくれていいんだよ?皆が見つけてくれた事を、わたし達はほんとに感謝してるんだから」

「…恐縮です」

 

 ちょっとトーンを落として、真っ直ぐ見つめる感じでわたしが言うと、ちょっぴりだけど照れ臭そうな顔をする軍人さん達。まぁ、見つけられたのは運が良かったってのもあるんだろうけど…運があったって、それをものに出来るかどうかはその人達次第だもんね。

 

「ねぷてぬ、何か気になるものはあった?」

「ううん、存在感バリバリ出してるだけで特に何もないよ」

「そっか。なら悪いけど、もう少しここで監視していてもらえる?すぐに別の部隊も来る筈だけど、その前にうっかり事情を知らない人が近付いちゃっても困るし」

「了解です。…ところで、その……」

「うん、何?」

「…い、いえ。女神様のお時間を取らせる程の事ではありませんでした。今のは忘れて下さい」

「…本当に?些細でも、訊きたい事があったから言いかけたんじゃないの?」

 

 何かを言いかけて、でも自分からそれを取り下げる軍人さんの一人。けどピー子の方がそれじゃ納得出来ないみたいで、その人をじっと見つめてもう一度訊く。

 見つめるピー子と、その視線で迷うような軍人さんとで、沈黙する事数秒。それでピー子の気持ちが伝わったのか、やっぱり訊きたいって思ったのかは分からないけど…軍人さんは、こくんと一つ頷いて言う。

 

「…あの、前に比べると…アイリスハート様の姿をお見受けする事が少なくなったといいますか、それこそ一時期は…あの災害前後辺りまでは、色々起こっていた事もあってか目にする事もそこそこありましたので……」

「…それなら、大丈夫だよ。確かにそういう機会は減ったけど、ちゃんとぷる…ううん、アイリスハートはいるから」

「あ、は、はい…それは、十分理解していますので…お気遣い、ありがとうございます…」

「…うん。じゃあ、行こうか。それか他にも質問があるなら答えるけど、どう?」

 

 頭を下げた軍人さんに頷いて、ピー子は全員を一度見回す。で、質問はなかったから、わたし達はもう一度女神化して空へ。

 

「皆さん、ありがとうございました!何があるか分かりませんので、どうかお気を付けて!」

「危険を感じたら、自分の身を守る事を最優先にね。これは女神からの指示よ?」

『はっ!』

 

 軍人さん達の敬礼を背中に受けながら、わたし達はプラネテューヌの教会へと戻る。帰ってからするのは、信次元への連絡と…作戦会議。

 

(そういえば、あの災害…って言ってたわね……)

 

 天災か、人災か。事故か、故意か。今のプラネテューヌを見る限り、まだその影響が強く尾を引いている…って事はないと思うけど、頭の隅には置いておこうかしらね。

 そうして帰還したわたし達は、教会の敷地内へ着地。正面の出入り口から中へと入ろうとして……

 

「…あれ?ピー子、何か気になってる事があるの?」

「へ?…どうして?」

「だって、そんな感じな顔してたから」

 

 わたしは気付いた。なんとなーくだけど、思うところがある感じの顔をしてるなー、って。

 

「…ねぷぎあ、わたしそういう顔してる…?」

「え?え、っと…多分もう違う顔付きになっちゃってるので、今は何とも……」

「あ、そ、それもそっか…はは、鋭いねねぷてぬ…」

「じゃあ、ほんとに何かあるんだね。…悩み事?」

「ううん。…ほら、さっきの人、ぴぃに大丈夫って言われても明るい表情になってなかったでしょ?だからもしかすると、来たのがぷるるとじゃなくて良かった…って思ってるのかな…って」

 

 足を止めて、わたしの質問に答えてくれるピー子。むむむ、これは予想以上に重い事を…なーんて、茶化す気にはなれないね…。

 

「…でも、そうだとしても仕方ないよね…他でもないぷるると自身が、アイリスハートとしての自分を好きじゃないんだもん。それに、プラネテューヌにいるからって、全員がその国の女神を好きって訳でもないだろうし…」

「それは…そう、ですね。女神じゃなくて環境や産業が好きでその国にいるって人や、そこで生まれたから住んでるだけって人もいる訳ですし、そもそも女神が複数人いたらシェアが分かれるって事もありますし…」

「うん。だから、二人共気にしないで。好き嫌いは一人一人の自由だし…ぷるるとが前に進めれば、皆の抱く印象が変わるかもしれないしね」

「そっか…うん、ピー子がそう言うなら気にしないよ。でも、ちょっと重めの空気になっちゃったし…会議の前に、ブレイクプリンでもしとく?」

『ブレイクプリン…?』

「プリンで一息つこうって事だよ!それにプリン食べる約束もしたでしょ?」

 

 気にしないでって言ったピー子が浮かべたのは作り笑い。でも後半の言葉通り、前向きな感じはあったから、わたしはこくんと頷いてプリンを提案。だってわたし達は女の子だもん。甘い物を食べれば、ちょっと位の空気はすぐに明るくなっちゃうなっちゃう!

 

「あぁ、そういう…あはは、わたしプリンをブレイクするとか、ブレイク系の何かかと思っちゃった…」

「いやいやそんな事しないって。プリンをブレイクなんてしたら……あれ?砕いたプリンと牛乳入れたコーンフレークと混ぜたら美味しそうじゃない?ねぇねぇ、一回やってみようよ!」

「ちょっ、そんな唐突な…というか、コーンフレークなんて確か今はない……」

「え?でも優勝して一年分を贈呈されたって……」

「M-1優勝者やないかい!…じゃなくて、それぴぃ達じゃないから!そもそもぴぃ達コンビもトリオも組んでないし!」

「おー、ナイスノリ突っ込み!ただ乗るんじゃなくて、突っ込みという形で乗るなんて…クレバーだね、ピー子!」

「え、そ、そう?…って、いやそれはどうでもいいから…いい加減中に入ろうよ……」

 

 そんなこんなで速攻空気の回復に成功したわたしは、予想以上の反応もあってご機嫌で中へ。ふふん、食べるどころか話題に出すだけで愉快な空気にしてくれるなんて、やっぱりプリンは偉大だね!よーっし、早速プリン&コーンフレーク食べてみよーっと!

 

 

 

 

 信次元から来た二人の目的、黄金の塔を発見出来たという事で、緊急の会議が開かれる事になった。勿論ノワール達はそれぞれ自国にいるから、言葉を交わすのは画面越し。

 

「…では、全会一致で塔の破壊は式典後。それまでは監視と警戒に留め、式典の実行及び安全確保を優先とする…で、宜しいですね?( ̄^ ̄)」

 

 女神全員、それに信次元からはイリゼも参加する会議。…と、表現すると大仰だけど、実際には普段からよく会う相手だし、イリゼはわたしにとって毎日話してもまるで飽きないような相手だから、特別何かがある訳じゃない。加えてこの話…塔を発見出来た場合の事は、予め大まかに話し合っておいたから、今回したのはどちらかと言えば対応の確認。出来る事なら、もう少し前か式の終了後に見つかってほしかったけど…まぁ、仕方ないわね。見つけてくれた人に功績はあっても罪はないもの。

 

「悪いわね、三人共。こっちの都合を優先させちゃって」

「ううん、大丈夫だよセイツ。何かあった場合被害を受けるのはそっちなんだから、むしろ破壊にも協力してくれて感謝してる位だし」

「感謝なんて要らないわよイリゼ。次元の衝突はこっちにとっても避けなきゃいけない事なんだから、協力するのは当然の事。そうでしょ?」

「…うん、ありがとセイツ」

「ふふっ。だから、感謝は不要って言ったでしょ?でも、その気持ちは喜んで受け取るわ」

『…………』

 

 

「相変わらず仲良しだねぇ、イリゼとセイツは…」

「お二人の性格を考えれば、仲良くなるのは不思議じゃないけど…ほんとにそうだよね……」

 

 自然と浮かぶ微笑みと共に、言葉を交わすわたしとイリゼ。ふふふっ、イリゼは真面目だししっかりしてるし、でも節々で可愛げのある言動を見せてくれるから、ほんとに話していると楽しいっていうか、嬉しくなるのよね。はぁ、出来れば画面越しじゃなくて直接話してみたいわ…。

 

「…二人共、話が進まないんだけど……」

『あっ…ご、ごめんなさい……』

「…話には聞いていたけど、確かに似ているわね…超次元のわたし達が全く同じレベルの外見だった事を考えれば、やっぱり同一人物ではないと思うけど……」

「ともかく今は、残るもう一つの問題…マジェコンヌの事ですわね。塔と関係があるのか、ないのか……」

 

 呆れ気味なノワールの指摘で我に返ったわたし達は、意図せず声を揃えて謝罪。誰かと声がハモる事は時々あるけど、イリゼとハモるのはそれだけで…っていけないいけない。今は会議に集中しないと……。

 

「無関係…というにはタイミングが合い過ぎていますね。確証はありませんが、塔…それに猛争モンスターとは関係があるものと見て動いた方がいいかもしれません( ̄ー ̄)」

「わたしもそう思います。特に猛争モンスターと関係がある線は濃厚なので、信次元のわたしが言う通り、別々の問題として考えていると足元をすくわれてしまうかもしれませんね(。-_-。)」

「ですわね。けれど、関係あるものと思い過ぎて視野狭窄になるのも危険ではなくて?」

「…そもそもさ、塔っていつからあったのかな…?ねぷてぬ達の次元に異常が起きたのと同じ瞬間から?それとも、もっと前…?」

『それは……』

 

 言われてみれば確かに、塔がいつあの場に発生したのかは分かっていない。何となくわたしもピーシェと同じように考えていたけど、逆にもっと後…それこそつい昨日発生した、なんて事もあるかもしれない。

 そしてそれは、マジェコンヌも同じ事。状況は前に、良い方向に進んではいるけれど、はっきりしていない事が多いのもまた事実。ネプテューヌの言う「本人を見つければ」はシンプルながらもその通りで、無闇にごちゃごちゃ考えるよりかは現実的でもあるとはいえ、果たして何かが起こる前に見つけられるのか…。

 

「…あ、あの…皆、一個…いい…?」

「……?ぷるると、何か気になる事があるの…?」

「う、ううん。そうじゃなくて…マジェコンヌさんの事は、出来れば早くなんとか出来た方がいいよね…?式よりも前になんとか出来たら、それが一番…だよね…?」

 

 全員が考え込む事で静かになる中、おずおずと発される声。その声の主は、プルルート。

 続けてプルルートが口にしたのは、確認の形の問い。何故今それを?…と思ったわたし達は、顔を見合わせ…それからノワールが首肯し答える。

 

「…そうね。塔と違って自分から動いてるでしょうし、式前に何とか出来れば大きな懸念が一つ減る事になるもの」

「だよ、ね…。…それなら…ぴーしぇちゃん、セイツちゃん、ねぷちゃん、ねぷぎあちゃん…皆は、マジェコンヌさんを探して」

「え…?…ぷるると、それって…」

「…うん。女神のお仕事は…あたしに、任せて」

 

 強い意志の込められた、瞳と言葉。その言葉を聞いた瞬間、わたし達は揃って息を呑み……ピーシェからの訊き返しに、プルルートは頷く。

 

「…いいの?プルルート…貴女は……」

「大丈夫だよ、ブランちゃん。…あたし、女神だもん…あ、じゃなくて……女神なのに、いっぱいいっぱい、皆に迷惑かけちゃったもん…心配もかけて、色々してもらって…でもね、やっと思えるようになったの……あたしも何か、しようって…あたしのできる事を、しなくちゃって…ちょっと前までは、そんな事も思えなくて…ただただ、皆に酷い事をしないようにって事しか…思えなかったから……」

『プルルート(さん)……』

「だからね…あたし、頑張る…女神として…皆の、お友達として…あたしにも、頑張らせて……!」

 

 きゅっと胸の前で両手を握って、頑張らせてと言い切るプルルート。でも、その手はほんの少し…よく見なきゃ分からない程僅かにだけど震えていて……だからこそ、伝わってきた。プルルートの思いが、気持ちが、願いが。そして……

 

「…うぅ…プルルートさん、よくぞそこまで……。・°°・(>_<)・°°・。」

「ふぇぇ…!?い、いーすんどうしてそんな「うぅぅ…ぷるると、ぷるるとーーっ!」ふぐぅぅ…っ!?ぴ、ぴーしぇ…ちゃん…苦し……」

「……プルルート…やっぱりわたし、貴女のその柔らかな優しさ…大好きよ…」

「せ、セイツちゃんまで…!?…ぅ…うきゅう……」

 

 不安を内に秘めながらも前に進もうとしているプルルートの心に触れて、ここにいる何人かが感極まってしまった。プルルートが女神になった時からずっと支えてきたらしいイストワールは絵文字で涙を流し、ピーシェは得意(?)のボディースマッシュハグを放ち、わたしは気付けば呻いているプルルートを抱き寄せていた。はぅ…イストワールやピーシェの心も今は素敵に揺れているし、こんなの感じさせられたらこのまま三人共持って帰りたくなっちゃうじゃない……。

 

「な……っ!?せ、セイツ…!?」

「あー…あんまり気にする事はないと思うよイリゼ。イリゼと同じで、セイツも皆が好きってだけらしいから」

「あ、そ、そうなんだ…っていや、私はあんな感じに抱き締めたりはしないよ…!?」

「…………」

「…………」

「また話が脱線してしまいますわね…ノワール、ブラン。貴女達まで参加されては収拾が付かなくなってしまいますし、我慢して下さるかしら?」

「な…っ!?し、しないわよ参加なんて!」

「わ、わたしは呆れて言葉を失っていただけ…!」

「…まぁ、そう言うならそうしておきますわ」

 

 イストワールが心を打たれ、わたしとピーシェがプルルートをホールドし続ける事数分。呆れと苦笑い全開のベール達に声をかけられわたし達が我に返った時、プルルートはよれよれになっていた。

 

「ご、ごめんぷるると……」

「わたしもごめんなさい…わざとじゃないとはいえ、貴女の逃げ道を塞いじゃって……」

「だ、だいじょーぶ〜…あはは……」

 

 二人で並んで反省する中(っていうかわたし、我を忘れるの二度目じゃない…)、プルルートもまた苦笑い。

 でもそれは気を遣った作り笑いなんかじゃなくて、素直な気持ちから来てる事が分かる笑み。だからわたしとピーシェは顔を見合わせ、小さな微笑みを浮かべ合う。

 

「…こほん。それじゃあ、他ならぬプルルートがそう言ってくれるなら、わたしはそれに乗ろうと思うけど…皆はどう?」

「ぴぃも勿論、ぷるるとの言う事に賛成だよ」

「同じ国の長として、ぷるるんの気持ちは応援したいからね。という訳で、わたしもだよ!」

「わたしもです。…けど、無理はしないで下さいね?今は式の準備で普段より忙しいと思いますし……」

「そこはご安心を。プルルートさんには、わたしが付いていますからd(^_^o)」

「いーすん…でもいーすん、乾電池をちょっと多く買っただけで中々帰って来られなく……」

「ち、力仕事以外の事を言ってるんです!というかそれ、かなり前の事じゃないですかー!(>_<)」

「…イストワールさん、イストワールさんも……」

「うっ…わ、わたしの本分は世界の記録者ですから…それに、この小さい身体だって事情があるんですからね…?(´д` ;)」

 

 訊くまでもなかったのかもしれないけど、三人の回答は心強い肯定。イリゼと信次元のイストワールも何やら会話をしていたけど、わたしが見るとイリゼも肩を竦めて頷いてくれる。

 

「そういう事なら、何か人手が…というか、戦力が必要になったらいつでも言って。私も信次元の皆も、呼んでくれればいつでも行くから」

「うんうん、万が一の時は頼むよイリゼ。でもこっちだって十分戦力が揃ってるし、何ならマジェコンヌだって来てるし、その心配はないんじゃないかな?」

「…ネプテューヌ。それ、もしや私達の事も勝手に戦力に計上してる?」

「ううん、ノワール以外を計上してるから大丈夫」

「ちょっと!?な、何で私だけはぶられてんのよ!?私も頭数に入れなさいよ!?」

「ほらね?ノワールなんてこんなにやる気なんだから、ボス戦の一つや二つどんと来いだよ!」

「んな……っ!?こ、この私を乗せるなんて…!」

 

 ふざけながらも戦闘になった際の協力をノワールから取り付けた(まぁ、皆元から協力するつもりだったとは思うけど)ネプテューヌは、にこりと信次元の二人へ笑いかける。…とはいえ、マジェコンヌの力がわたし達の想像通りなら、戦いになった場合一筋縄じゃいかない筈。塔を破壊する際にも一戦交える事になる可能性は高いらしいし、出来れば偶発的な遭遇からなし崩し的に戦闘を…っていうのは避けたいわね。

 

「えっと…そういう事なら、単独行動中のマジェコンヌさんとも連携するのが一番ですよね」

「それでしたら、今夜一度これまでの捜索結果を皆と話したいと話していましたし、その時どう動くかを決めるのはどうでしょう?(・ω・`)」

「そだね。じゃあマジェコンヌと話して、なんか良いアイデアも出して…目指すは式前のマジェコンヌ撃破だね!…うん?でも悪い事してるって決まった訳じゃないし、速攻撃破はアウトかな?」

「調子良いし適当って…ぷるると、ねぷてぬにはあんまり期待しない方がいいかもよ…?」

「大丈夫だよ、ぴーしぇちゃん…。ねぷちゃんは、それがいつも通りだもん」

「わー、ピー子酷〜い。それに引き換えぷるるんは優し…ってあれ!?ぷるるんフォローしてるようで追撃してない!?」

「……?」

「しかも全然気付いてない!?さ、流石会って一日で分かる程の天然……」

 

 きょとんとした顔をしているプルルートを見て、なんか妙な慄き方をするネプテューヌ。その漫才の様なやり取りで笑みが零れ、その笑いを聞いたネプテューヌは満更でもない表情に変わる。…たとえ笑われても『笑顔』に繋がるのなら良しとする辺り、ネプテューヌも芯が強いわよね。

 そうしてその夜、予定通りに戻ってきたマジェコンヌへわたし達はこの件を話し、式の前に見つけ出す事を目標に話し合った。功を焦れば失敗する。ベストばかりを求めていたら、何も上手くいかなくなる事だって世の中じゃ往々にある。でもだからこそ大切なのは、妥協する事じゃなくて、現実を見た上でベストも視野に入れておく事。そしてその為にわたし達は……目標を目指す。




今回のパロディ解説

・ブレイク系
ドラクエシリーズ(特にモンスターズ系)なら登場する、モンスターの系統の内の一つの事。マ素に侵されたプリン…それを食べたせいで、カオスパープルハートに…?

・「M-1優勝者やないかい!〜〜」
お笑いコンビ、ミルクボーイの事及び代名詞的なフレーズのパロディ。一年分贈呈された、というのも勿論パロディ(実際あったらしい事)の一部です。

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