それによって途端に騒がしくなる世間に対して、とある新聞投稿が冷や水を浴びせるお話し……の、走り書きのようなモノ。
アンチ・ヘイトは一応保険として。
性転換タグも念のためつけてますが、ほぼ息してません。
女性にしか扱うことのできないという致命的な欠陥をもちながらも、その能力によって既存兵器を軒並み過去のものとしたインフィニットストラトス、略称IS。
ISを扱える初めての男性、織斑一夏の存在は世界に衝撃を与えた。
さあ、全男性を対象とした全国一斉検査だ、いやそんな予算がどこにあると、おりしも年度末の予算審議がさらに混迷を深め、それをマスコミが面白おかしく歪曲するなか、とある投稿が米朝新聞の読者欄に掲載され、世論に一石を投じた。
『織斑一夏がIS学園の入学試験会場に迷い込んであげく、ISに触れて起動に至った。
それは紛れもない事実であり、これによって全男性の検査を叫ぶ男女平等論者やISという既得権を守らんとする女性保護団体がアレコレと騒がしい。
だがちょっと待ってほしい。
アレコレ論ずる前に、当事者が織斑一夏、つまり初代ブリュンヒルデの二つ名を冠する織斑千冬の弟であることを思い出してほしい。
そう、織斑なのだ。
そしてISコアには意思がある、と言われている。
ISの適性とは、つまりISのコアに気に入られたかどうかの結果であると言えないだろうか。
ISが世に出て今まで、世の男性はISは使えず、織斑一夏には反応を示した。
その間、ただの一度も男性が触れたことがないということはあるのだろうか。
私はない、と答える。そして事実、ISの開発者や整備士には優秀な男性も加わっているのだ。
ゆえにISが織斑千冬と織斑一夏を誤認、あるいは「まぁ、こいつでもいいか」と妥協した可能性を掲げたい。
まず世の女性でもISを扱えないものが多くいる。
その差がどこにあるのか?
今回の騒動で、織斑一夏がその答えの一端を示してくれた。
私はIS適性のない方々にこう告げたい。
「あなたは織斑千冬ではない」
世界初のISである白騎士の操縦者がだれか。
それをあえて論ずる必要はないだろう。
世界最高峰のIS乗りの名を列挙しろと言われて、その中に織斑千冬の名があることに異論はないと思う。
だが、織斑千冬は1人であり、搭乗できるISも1機しかない。
織斑千冬に選ばれなかったISが「こいつでいいか」とどこか似た人物を選ぶ。
ありえないと否定できるだろうか。
ISの妥協を数値化した結果がIS適性ではないだろうか。
答えてほしい。
すべての女性が使うこともできない戦闘用パワードスーツごときを金科玉条が如く崇め、女尊男卑を叫ぶ女性保護団体もお笑い草だが、たった一つの例外にすがる世の男性や政治家もだらしがないと言いようがない。
むろん、それを無駄に煽るマスコミ諸兄も軽率の謗りを免れぬだろう。
当然、織斑一夏がISを使えたことに対する科学的な検証は必要であろう。
本稿における意見も学術的な根拠を持たず、ただの素人の思い付きであることを否定しない。
しかしすべての男性を検査するだけに巨額の税金を投じて確実に2人目を見つけられる保証はないのだ。
見つかったとして、その男性に言われるがままに命を懸けて戦え、あるいはモルモットになれと、告げることができるのだろうか。
我が国は個人の人権と職業選択の自由を認めている。
その自由を奪う未来へとつながりかねない一斉検査にどれほどの正当性があるのか。
ISに乗れる男性がいたとして、「彼」が搭乗を拒否すれば結局はいないのと同じことである。
しかしその身柄は諸外国やテロリストに狙われ、「彼」の将来を結果的に奪うだろう。
強制的にIS学園へと進む織斑一夏はたとえ保護の名目があろうとも、本人の意に沿わぬ進路であったことは想像に難くない。
既に1人の少年がその未来を歪められた。
だがそれはいい。
2人目の犠牲者を作れと騒ぎ立てるマスコミや女性保護団体、政治家はその責任をとれるのだろうか。
もちろん、検査をしなければ発見はできないが、そこに多大な費用をかけること、空虚な議論に血道をあげ空転する国会を見ることにむなしさを覚えてならない。
結局のところ、戦う覚悟があり試してみたいと志願する男性から、いくらかの費用を取って検査すればいいのだ。
ただ「男性であるから」と簡易検査も受けられない現状よりよほど「男女平等」であると言えるだろう。
女性にしたところで、簡易の適性検査はともかくとして、実地にISを触れるには超高倍率の入試を突破しなければならないのだ。
なぜたった一つの例外ごときで、すべての男性に無償でISに触れる機会を与えねばなない。
やるならば、男女問わずその機会を設けるべきだろう。
しかしそれは忌むべきことだと世界に告げたい。
文武両道かつ眉目秀麗、誰もが讃える優秀な女性がISに適合するとは限らない。
ISを使うに足ると判断されたエリートたちは、その変革、いや、革命を許すだろうか。
既にISを認められ、世界を征服するに足る戦力を自在に操る「彼女たち」が認めぬ変革は世界を壊しかねないのだ。
そして名も知らぬ男性たち。そしてISを望まぬ女性たち。
あなた方は織斑でない。
そして戦いを望む女傑ではないのだ。
それは恥ずべきことだろうか?
私は声を大にして否であると叫びたい。
そんなあなた方に「織斑になれ」「命をかけて戦え」と強いるIS適性一斉検査を、「たかがISに乗れるだけの人物」あるいは「織斑のようなモノ」が無駄に反発するリスクを負ってまでなすべきことなのか。
改めて問おう。
ISに深くかかわっている織斑千冬の弟がたまたまISに認められた。
彼にとっては不幸なことだが、ただそれだけのことにどれだけ騒ぐ価値があるのだろうか?
確実なリターンが見込めない、一斉検査とやらに貴重な税金を使うことに警鐘を鳴らすものである。
慎重な議論を期待したい。
最後に。
女の園に放り込まれる織斑一夏には個人としては同情するが、世の非モテ男には羨ましく思えることだろう。
この騒ぎの根本はそこかもしれない。』
読者欄への投稿としては異例の長文でありながら、ほぼそのままに掲載されたそれはネットを通じて瞬く間に拡散。
投降者は誰だと、掲載した米朝新聞の公式SNSが炎上したりもしたが、少なくとも世論に一石を投じる結果にはなった。
全男性を対象とした一斉検査は時期尚早と見送られ、対応に忙殺される可能性があったIS学園関係者は一様に胸をなでおろしたという。
「えらい反響あったけど、IS学園に行く私が言っても説得力がねー」
とか
「天〇人誤(あえて誤字)メイカー侮りがたし」
などと嘯いた(IS乗りとしては)平凡なTS転生モブキャラ風の新入学生がIS学園にいたとかなんとか。
とまぁ、適当に思いつくまま。
天声〇語っぽいにおいだけでも感じてもらえれば成功かなという習作です。
ネタとしては適性B~Aぐらいのちょっと優秀?程度の平凡な転生者が原作を横から見てほんのり引っ掻き回すぐらいのよくある二次を書こうと思ったのですが、原作読むのを途中で断念しまして。
思いついてた天〇人語っぽい部分のみを短編として放り出してみました。
ご笑読ください。