美食の白兎 作:ドラ民具
ウージャングルにて【ロキ・ファミリア】とゴブリンプラントが戦闘に入って
それもゴブリンプラント以外にも食獣植物が襲い掛かってくる上に動物の体に寄生してくる寄生植物の種を降らせてくる鳥獣類に手間取っている。
更にはジャングルという環境が【ロキ・ファミリア】の魔導士であるリヴェリアとレフィーヤの動きを制限してくる。
後衛職である彼女達の魔法は主に広域殲滅魔法となっている故に下手に此処で魔法を使えばウージャングルの一部を消し飛ばしてしまうと考えてのことだ。
しかし、彼女達はベルの話を聞いて理解をしているつもりだったが違う。
そもそもの話、基準が違うのだ。
リヴェリアとレフィーヤは凄まじい速さというのを一般的な植物の成長よりも早いと考えているが、このウージャングルは成長速度が異常に早い故に一部が消し飛ぼうともすぐに再生してしまうのだ。
レフィーヤには
第一級冒険者の攻撃すら意に返さないゴブリンプラントは猛攻を仕掛け続けてくる。
「チィッ、うざってぇな!!」
ベートが苛立ち混じりに声を荒げる。
「ちょっとベート、突っ込みすぎよ!!」
「うるせぇ!!さっさと片付けんぞ!!」
「ティオネ、あたしも行くね!!」
「!!」
いくら蹴り折っても、バラバラに切断しようとも、粉砕しようとも、ゴブリンプラントは再生し続ける。
更には末端の部位が周囲の景色を同化しているため、それが冒険者達にとっていつ来るのか解らない攻撃となっていて警戒しなければいけないため神経を削られている。
「不味いな、このままだとアイテムも底をつく上に解決策が見当たらない」
指揮にとともに後衛の護衛を担っているフィンがそう言った。
「どうするフィン、一旦このジャングルから出るか?」
「それも視野に入れなければいけないな⋯」
前衛として出ているガレスの問いにフィンがそう返す。
「ふざけんな、みすみす退けるかよ!!」
「クソ狼テメェ、団長の指示が聞けないっての!?」
「うるせぇぞ、馬鹿ゾネス!!」
その言葉に反応したのがベート、そしてその態度に食って掛かるのがティオネ。
しかし、言い争っていても状況は一向に好転はしない。
故に⋯。
「総員てった⋯」
「その必要はありませんよ、フィンさん」
『!?』
突如聞こえた声の方向を見ると、そこにはヴァロドとの再会を済ませた僕ことベル・クラネルがいた。
「ベル、撤退する必要がないというのは一体⋯?」
「やり方は簡単です、魔法で焼いてしまえば良い」
『はぁ!?』
あまりの衝撃発言に全員が声を上げる。
「ま、待って下さいベルさん!! そんな事したらこのジャングルの一部が消し飛びますよ!?」
僕の言葉に反応するのはレフィーヤさん、
「このウージャングルはこの先にある火山・ウール火山の豊富な栄養を受けて成長し続けているんです。ですから、一部を消し飛ばした所で何の問題もありません」
サラッと
「本当に良いんだな?」
「えぇ、でもゴブリンプラントは木なので食材にはなりませんけど
リヴェリアさんが確認の言葉を投げかけてくるのに対して同意しながらゴブリンプラントの情報を伝える。
「目玉を回収した後、リヴェリアの魔法で仕留める。かかれ!!」
フィンさんの号令に【ロキ・ファミリア】全員が動き出す。
「がるるるるぅあああああああああああああああああっ!!」
ベートさんが雄叫びを上げながら双剣と蹴りの連撃でゴブリンプラントの枝を刈り取っていく。
「おらぁあああああああああああああああああああああっ!!」
「いっくよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
ティオネとティオナは双子ならではの連携で枝を伐採していく。
「はぁっ!!」
アイズも風の魔法を纏った
「【焼き尽くせ、スルトの剣】【レア・ラーヴァテイン】!!」
枝が一掃され、むき出しとなった本体にリヴェリアさんが魔法を叩き込むのだった。
魔法を受けたゴブリンプラントはまたたく間に焼けた木に変わってしまう。
魔法を撃った結果、それを中心に周囲は焼け野原となっていた。
「ものの見事に焼け野原になってしまったね」
「まぁ、威力が相応のものだったからでしょうね。でも、すぐに再生しますよ、ほら」
そう言って僕が指さした方向を見ると、そこには既に植物の芽が出てきていた。
「これは凄いな」
「この世界の土地の豊かさには驚かされる」
「全くじゃ、儂らの世界にも欲しいくらいだのう」
この光景を見た【ロキ・ファミリア】の面々はそう言うのだった。
「さて、肝心の依頼食材BBコーンの捕獲に行こうか」
『おぉ!!』
そう、意気込む【ロキ・ファミリア】の面々だった。