オーダー、アバウト、ガーリーエアフォース   作:弧蒼 ソタ

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変異

用語解説

 

ロール(機体を機首と噴射口を軸に回転させること)

ヨー (機体を傾けずに左右に向きを変える動き、機体を傾ける行動と一緒に行うことが多い)

ピッチ(操縦かんで言う上や下に倒すことで機首を上下させること)  

 

 

いよいよ、台湾奪還作戦の日。

 

「よし、みんな大丈夫だろうな?特にポーター。あのじゃじゃ馬の制御はついたか?」

「大丈夫です、一応。前日たっぷり寝だめしたので。」

 

正直に言えばファントムはもう見たくないほどの地獄をもってコントロールできるようになった。

翼の形、迎え角(翼の角度)フラップ、すべてをコントロールしたうえで操縦桿と各種スイッチを押すことは常人には無理な話だった。それを無理やり頭にインプットしたのだから俺の努力は押して図るべしだ。、、、自分で言うのもなんだが。

 

「これより作戦行動を開始する。時計合わせ!.........今!」

 

作戦が始まった。人類の人類によるアニマを伴わない切り口の反逆が始まるのだ。そう思うと俺は自分が最初に宇宙に出たガガーリンか月に行ったニール・アームストロングのような感覚に陥った。

 

 

 

戦闘機たちを起こし、飛び立って台北上空。

 

「いよいよ上空だな。ポーター、ココからは戦闘機動だ、俺たちも援護するひまはねえ。」

「わかってます。一つ、お願いが。」

「なんだ。」

「もし俺が死んでも、俺の事を忘れないでください。」

「バッキャロイ、死ぬのは年寄りからって決まってるんだ。俺より早く死んだらレンジャー訓練五回だ、死んでもたたき起こしてやる!」

「.......ハハッ、やっぱりそう来ますか。だからこういう湿っぽいのは嫌いなんだ。」

「そうか、じゃあ行くぞ!」

 

「ダイハード、エンゲージ!」

「各機、戦闘態勢に着け!」

 

各機が戦闘機動を行う中、俺は翼の可変を行う。まずは機動力の高い前進翼にする。

上からザイが振り落ちるように攻撃を仕掛けてくる、ほどほどに上昇してスピードを落としながら左右に振って機関銃を避ける、ザイが下に降りたのを見て、宙返り(一回転)して急降下、後ろに回り込んで1・2機落とす。そこで3機が急減速を行ってくる、続けて上昇、普通ならここで異常な加速力でザイが追ってくるがこちらも化け物マシン、機関銃の射程外を維持しながら上昇する。ロールしながらピッチを起こして回転しながら渦巻きを描きつつ目標を観察する。目標の地上3メートルあたりが細くて倒しやすそうだ。そう思いながら通信に耳を傾ける。

 

「各機、聞こえるか?とりあえずミサイル機構をつぶしてくれ!、一番射程が長い武器をつぶすんだ!」

 

ザイの建造物の合間を縫って左に曲がるように左にロールしてピッチを上げて上を見上げノーロックでミサイルをぶつける位置に機体を持っていく。ミサイルと爆弾を落とし、半回転してその遠心力で爆弾を放り投げる。右側に傾けた機体を戻しつつピッチを上げて高度を取る。と、不意に操縦かんを倒し、その一撃を避ける、後ろを見ると中央の建物からビームを打ちまくっている施設が見えた。

それと同時に高度を上げたからか、ミサイルが次々に打ちあがってくる。この場合上下してミサイルを蛇行させ速度を落とさせて揚力を失わせるのが普通だが、ザイのミサイルはそんなことでは落ちないだろう。安定した矩形翼に変形し、必死に左右に振ってまず様子を見る。よくついてくるミサイルとあまりついてこないミサイルを見分け地上へと真っ逆さまに落ちながらミサイル同士がぶつかるようにできるだけ大きく蛇行しながらフルスロットルをかける。

 

「上がってくれよ、、、」「グッ、、、ギギギギ、、」

 

きしむような音とともに渾身の力で操縦桿を起こし、眼前に広がる青一色の壁面から少しだけ薄い青色の空へと浮き上がり、Gを耐えながら安定させる。それでもよく食いついてくるミサイルはまだ追いすがる。

あ500メートル、あと200メートル、20メートル、起爆しないギリギリまで近づいた瞬間爆弾を切り離しミサイルどもに水の大瀑布をプレゼントする。爆弾とミサイルが誘爆して爆風を機体を振るわすが、事前に矩形翼にしておいたおかげか難なくバランスを取り戻す。海上からスロットルを上げ上昇し、インメルマンターン(機体が背面飛行するまでピッチを上げてUターンする方式)で目標側へと戻る。

 

「もってけ、全部だ!」

 

中央の建物に全段ロックオンし、目標に向かったことを確認して右側のミサイル施設をバルカンで徹底的に破壊する。

 

「ハートブレイク、シグナルロスト!」

「なんだって!?」

 

あの人が、死んだ!?いや、いまはこの基地を落とすことが最善だ。そうすればまだ、助けに行ける。

 

上からバルカンで最後のミサイルを撃破して一息つく、どうやら中央の建物も機能停止したようだ。

 

「聞こえるか?ハートブレイク02!OKだ、上々だよ、ジャパニーズボーイ!これなら進撃できる!地上部隊!前進せよ!この基地を焼き尽くせェ!」

 

おおおおおおおという歓声、いや鬨声とともに火炎放射戦車が基地に突っ込んでいく。

俺はハートブレイクのことが気ががりでしょうがなかった。

 

 

その時。

 

 

「中国方向から不明機一機!」

「え?」

 

見れば水色の機体が一機、近づいてきている。F-18のような機体だ。その機体にマウントされているのは―――――――――ヘルファイヤーミサイル!?

 

「HQマズイ!あいつヘルファイヤーミサイル(対戦車ミサイル)を積んでいる!まずいぞ!」

「わかってる!だがあいつを止められるのはお前だけだ!ハートブレイク小隊は全機撃墜された!」

ドクン、自分の心臓が止まったかと思えた。全滅?あいつらが?二度と会えない?そんな、、、そんな、、、、、

 

「おい、英雄!どうにかしてくれ!おい!?聞いてるのか!」

 

自分の手が震えて止まらない。何も感じない。それならばいっそ、英雄としてここで死んでもいい。そうだ、英雄なんてくそくらえだ。自分は、英雄になんてなりたくない。ただ自由でいたいんだ。

そのどうしようもない怒り、嘆き、どうしようもなさを、、、、、、、、、水色の機体にぶつける。

「落ちろおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

撃った破片が自分の機体に当たるのを無視してひたすらにガトリングをたたきつける、。小規模な爆発が連続して起きる、最後に大きな爆発が起こった。

その時、キャノピーが割れて青い破片が飛んでくるのがはっきりと見えた。その破片はすぐに見えなくなり、代わりに赤色の視界を手に入れる。キャノピーを貫通して破片が自分の頭に突き刺さったのだ。

 

記憶がシャットダウンして、遠くがよく見えるようになったかと思った矢先閃光とともに意識を手放した。

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