「ふっ!」「ほっ!」「ッ!」
湿度のある暗い部屋で一人、明日は踊る。
四連ジャブ、二連ストレート、キック、回し蹴り。サンドバックに対して裏拳、反動を作った掴み膝蹴り。きれいな白い肌に汗とともに青い髪が暗闇で光り、振り回される。そう長くはないが邪魔をしないようにさらに割りばしでまとめられた髪はどこか和の雰囲気をもたらしていた。振り回されるたびに汗は幻想的なプリズムの役目を果たしプラネタリウムのような風景を貨物船の中に作り出し、見るものの心をつかむ。
「おーい、明日。もうご飯ができたとよ。」
「はーい。」
あたしはほぼいらないけれどブラジャー、衣服・ドックタグを腕でかき集め、急いで着用してドアを開ける、通路の床を足で轟音を響かせながら駆け、突き当りの階段も駆け上がる。
「来たよー、今日のご飯はなんなのかな?」
「聞いて驚くなよ、、、、、、肉なしチンジャオロースだ。」
「また!?ココの人たち疑問を抱かないのかな?うーん、まあ、いただけるものはいただこうかな…….」
フォークで一つ一つ肉を取っていくと突然オードリクセン隊長は笑い出した。
「何がおかしいのかな?どうしたんだよ?」
「いや、まるで昔見たアニメそっくりだと思ったのさ。カウボーイビバップ。いつか日本に行ってみたいと思ったからこの際だから俺もお前についていく言い訳を作ったんだ。あーそうだ、なんで日本に行きたかったのか思い出した思い出した。いやーすっきりしたよ。」
と言うか必要に追われてきたんじゃないんだ。アニメのためって、、、、、、、、ちょっと軽率過ぎない?あ、そうだ。あたしの部隊は全滅したって言われてたけどどうも無事に脱出してたみたい。心配して損した。ダイハードの容態だけちょっと難ありらしいんだけど、今日中に日本にたどり着けるはずだ。
突如船が揺れる。
「え?今何か揺れなかった?」
「ああ、何か揺れたな。ちょっと上に確認を取ってくる。」
しばらくしたのち、艦内が大騒ぎしだした、しかしあたしは重要参考人みたいなものなのでうろつくわけにもいかない(と言うか、銃持った付き添いがずっとそばにいるしな。)、そうこうしているうちに隊長が帰ってくる。
「その、、、なんだ、、、、なんでも飛行機が突っ込んできたらしい、幸い、船には当たらなかったし水没したらしいがいま、水没した機体を引き上げてる。しかも聞いてくれ!アニマらしいぞ!」
「は?色は?」
「黒!しかもSu-25UTG!」
「名称で言われてもわからん。なんだそりゃ?」
「ロシア版廉価A-10だ!ま、今回のは練習機をさらに水上で使えるようにフロートを現地回収で付けたタイプらしい!」
「はぁ........」
そんなこと言われても訳が分からない。なんでロシアの機体が、日本にいるのだ?それもアニマ。少なくともわかるのは。
「また厄介事が増えるんだな..........」
「はーい!Su-25UTGだよー!愛称はグラーチュ!好きなものはあやとりとゲーム!嫌いなものはサッカーとアイスホッケーでーす!あははははははは!」
「なにわろてんねん」
「あははははは!どうしても緊張しちゃってねー!!」
「アホかこいつは。」
「まあそういうな、お前。どこの所属だ。」
「中国!」
「中国.............?しかし、それはおかしいじゃないか?ザイは”中国が謎の侵略を受けて”認識されたはずだ。中国が壊滅状態なのにアニマを作る余裕も予算も、ましてや最も惜しい研究時間もなかったはずだ。おまえ、なんなんだ?」
「そそそそ損なこと言われても困りますよだってそういえって記録に残ってるしそもそも私は訳が分からないんですよなんで笑って緊張が解けるんですk
.......早口すぎてわからない。とにかく聞き取れたのはこの子は所属を求められたら中国で作られたと言えと条件付けされていること。そして全く飛んでくるまでの間すら記憶がないこと。そして。
「あ、でも一つ覚えてることがあるよーーー!!!」
「なんだよ。」
「革命は永遠に。勝利とはつまり戦い続ける事。この身潰えどわが革命終わらず。」
この言葉は俺の上司、香港の革命隊長のイノセンスと呼ばれた男の掲げたものだ。つまり俺たちは彼にまたかかわることになるのか?この時、俺の記憶には東京の朝は奇妙なまでに暑いことが印象に残っていた。