説明調になっていないかわかりませんねこれ。
素人に小説は難しいですね。
理科準備室の1件から数週間。特に日常の生活に変化はなくカレンダーは5月のページへと捲られていた。そして驚くことなかれ、ゴールデンウィークも何事もなく過ぎ去っていた。なんという事だ。どこへ行った俺のゴールデンウィーク。
だが転んでもタダでは起きない男、比企谷八幡。次の土曜日に小町ちゃんと東京わんにゃんショーに行く予定が出来ました。えぇそうです。世界で一番可愛いと評判の小町ちゃんとです。あぁそうだよ妹だよ悪いか。世界で一番可愛いんだからしょうがないだろ。ちなみに今日はその土曜日です。毎度の事ながら急なお誘いに優しく応じる兄です。どの道ほぼ毎年行ってる定例行事なので行く事になるだろうとは思ってました。これが未来視か!違うな。
「もぉーごみぃちゃん遅いよ!犬も猫も逃げちゃうよ!」
「犬も猫も逃げたら幕張メッセ大混乱起きるわ。慌てなくても逃げはしませんよ小町ちゃん」
「あーはいはい。そういうのいいから。ほらさっさと支度する!」
最近小町が俺に冷たいのは気の所為?そっか!最近じゃなくて大分前からだから気の所為だ!ふぅー焦った焦った。
「八幡も小町もわかってると思うけど、カマクラの時みたいに駄々こねてもウチじゃ飼えませんからね」
「はいはーい!見るだけで満足します!」
「お前それ絶対満足できないやつだからな。泣き落としとかするなよ?俺が親父に土下座で頼み込むことになるんだから」
「お父さんが許しても私が許しませんから」
「大丈夫だって。小町ならいざ知らず、俺の頼みを親父が聞くはずがない」
「うっわ何その後ろ向きな信頼・・・。だからごみぃちゃんはごみぃちゃんなんだよ」
「いいから行ってきなさいよ。犬と猫逃げるわよ」
欠伸をする母親にお昼ご飯代と現金を渡され、兄妹仲良く幕張メッセへ向かうのであった。いや、逃げないんだよなぁ。
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頑張れば我が家からも歩いても辿り着けてしまう距離にある大型イベントホール『幕張メッセ』。そこで行われる東京わんにゃんショーは犬や猫を初め、少数ではあるが爬虫類など家でも手頃に飼育することが出来るペットの見本市のようなものだ。
何を隠そうカマクラもここで飼うことになったのだ。幼き小町の泣き落としで親父がお袋に土下座をする珍事件が発生したのも今となっては良い思い出だ。いや良い思い出ではない。想像してみろよ。公衆の面前で母親に土下座する父親だぜ?俺じゃなきゃ見逃しちゃうね!いや、見逃したかったよ。
「まずは犬ゾーンからね!」
「猫じゃないのか?」
おかしい。去年までは猫まっしぐらだった小町がまず犬のコーナーに向かうだと?これは事件です。
「猫見た後だと他の子が霞んじゃいそうだから 」
「さいですか・・・。ここ猫派以外の人沢山いるからそういうのは控えようね」
ふと足元から視線を感じ目を落とすと、そこにはこちらを見上げるダックスフンドの姿が。少し離れたところに立ち犬が走り回る柵を覗き込んでいる派手目な茶髪の女の子が飼い主とみた。だってリード繋がってますし。
え、あれ繋がって・・・?え、こっちに走って・・・?でもリードは握られてて・・・?なんてことは無い、首輪からリードが切れちゃったんだね!
わふんと1鳴きしてダックスフンドは飛びかかってきた。これがモテ期か。人ですらないのかよ。
「すいませーん!ウチのサブレがご迷惑を!」
そして駆け寄ってくる飼い主の女の子。なるほど、これがモテ期か。違うんだよなぁ。
「首輪壊れてるみたいですよ」
「あ、ホントだ・・・ってヒッキー!?」
「え、何誰怖い。なんで名前知ってるの?」
いや、そもそもヒッキー名前じゃないから。あとヒッキーやめろ。
「クラスメイトの顔くらい忘れないでよ・・・」
「むしろ話したことも無いクラスメイトを覚える理由はないだろ。そのリソースを勉強に使う方が有意義だ。学校は勉強するところだしな」
「なんかよく分からないけどキモイ・・・」
「キモイってお前それ女子が男子に言っていい言葉じゃないからな?下手したら死人が出るぞ」
「でも1人でここに来てるって結構キモイよ?」
「おい待て。話を聞いていたか?それともなんだ、俺に死ねと?暗に死んでくれってことか?あと俺は1人じゃない。世界一可愛い妹と一緒に来ているんだ」
あっれれー?小町ちゃんがいないよォ?いや、これダメだ。俺の場合だと、見た目は大人(高校生)素顔は子供!になっちまう。しょうがないだろ。プリっとしてるアニメもアイカツしてるアニメも面白いんだから。
「ヒッキー妹いるんだ!どれどれ!私見てみたい!」
こいつ馴れ馴れしいな。クラスメイトってだけでここまでグイグイ来るか普通?俺に普通とか聞くなよ!分かるわけないだろ!この人のこれは普通なのか・・・?
「いや、はぐれたみたいだ」
先程まで小町がいた位置を探してみたが、その姿は見つからない。まぁ俺も小町と2人で歩いている時に小町の友達が絡んできたらそっとその場を離れるが。ち、違うんだからね!小町が何も言わずいなくなって寂しいことをそれっぽい理由をつけて誤魔化してるとか、そう言うんじゃないんだから!
「そっか。私がいたら気まずいか。妹さんからしたら知らない人だもんね」
その後も新しい首輪は何色にしようか、などと答えようの無い質問をぶつけたかと思えば、急にあの犬可愛いだとかひたすら反応に困りつつ相槌を打っていた。そこでふと妹がいるという話を思い出したのか、あんま気を使わせても悪いしそろそろ行くね!と別れを告げ謎の女生徒とサブレは去っていった。なんだよ。気遣いのできるいい子じゃねぇーか。
「ほんっとにごみぃちゃんはごみぃちゃんだね・・・」
「急に出てくんなよびっくりするだろ」
「普通あー言う雰囲気の時は2人で回ろうか、とか声かけるでしょ。普通なら、ね」
「それどこの世界の普通ですか・・・。あとなんか怖いです・・・」
俺に普通を問われても、解は分からないとしか出てこない。空白で答えるよりかは、幾分かマシだろうと、分からないと言う他ないのが現実だ。
「それに俺あの人の名前すら知らないし」
「学校じゃ絶対お近づきになれないんだから!こういう時に!お近付きになるの!普通は!」
「お、おぉぅ、普通ってすげぇな・・・」
お近付きになると気安く言うがそんなことが出来たらぼっちはやってない。そもそも相容れない人種なのだ。それこそ交通事故に遭いそうな彼女を助けたとか、そういう劇的な出来事でも起きなければ向こうは関心すら持たないだろう。同じクラスだった男子。それがいい所だ。大体は忘れられるその他大勢でしかない。
それにもし、そんな出来事が今後起きたとしても、俺は歩み寄ることなんか出来はしない。俺だけが勘違いをして、俺だけが傷つく。それはあまりにも痛い。心の傷は癒えないというが、まさにその通りだ。もう傷だらけなんだ。これ以上傷つきたくない。だから例え彼女と友人と呼べるような関係になったとしても、俺は1番傷つかない選択しか選べない。ーーー関係のリセット。助けられた事に後ろめたさを感じ、同情心から仲良くなろうとしてくれているのであれば、それは俺には必要が無い。期待をしたくないから、勘違いをしたくないから、傷つきたくないから。だから俺は語りたくないんだ。
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普通周りの人間の会話に興味を持ったりはしない。それが周りに友人がいる場合であれば尚更だ。私も例外なく周りの知らない人達の会話になんて興味はない。
クラスメイトと上手くやるため、休日に特別仲良くなりたいと思ってる訳では無いグループの誘いに付き合うのも慣れたものだ。興味のないテレビ番組を必死で見て話題を探し、自分が可愛く見えるように努力する。女の子なら誰もがしている努力。自分で言うのもなんだが、私は顔立ちが良い。何もしなくても可愛いと言われる側の人間だと自負している。自覚があるからこそ、素の良さを理由に努力を怠らず、人並みの努力は出来ているはずだ。今回の東京わんにゃんショーもその努力の一環。
私を含め男女6人からなるこのグループは男子3人と女子3人の構成となっており、恐らくではあるが男子は3人共私の事を狙っている。男子は男子同士で牽制をしているし、女子は女子でこの状況が面白くないのか私を疎んでいる。女子同士で仲良くなくても仲のいい体裁は保ちたい。誰かを弾き物にしている女の子より、自分より可愛くても分け隔てなく仲良くする女の子の方が男子ウケがいいからだ。
だから私は1人疎外感を感じている。このお友達グループには私の友達は1人も居ないのだ。入学してまだ1ヶ月ということもあるが、クラスの男子は私とお近付きになりたいけどみんな牽制しているから一定以上踏み込んでは来ない。クラスの女子は早くもグループ作成は完了しており、私に興味のない地味っ子グループと私のことが妬ましい派手っ子グループの2種類に別れている。私の周りには沢山の人がいるように見えて、その実は誰もいないのだ。私はただみんながしているように努力をしているだけなのに。
そんな日々のストレスが少しでも癒されるかと思い、東京わんにゃんショーには多少の期待を抱いていた。だが実際はこのグループの空気感による疲労が遥かに優ていた。だからだろうか。隣で起きた1匹のダックスフンドが起こしたちょっとした騒動に気を取られたのは。
普通の人はすぐに意識の外に追いやってしまう様な小さな、本当に小さな騒動。女の子の犬が走り出し、男の子に飛びついたら実は2人はクラスメイト。こんな恋愛小説の書き出しみたいな出来事はなかなかお目にかかれない。自然と耳を傾けてしまったが女の子が一方的に知っているだけで、男の子はクラスメイトとすら認識していないとのことだった。
ふと目をやると女の子はとても可愛かった。クラスメイトの誰にも感じなかった可愛さがあった。コロコロ変わる表情は相手によく見られようとしているのではなく、心の底から気持ちが溢れだしているようだった。いいなぁ。最初に脳裏を過ったのは羨望だった。きっとこの人は誰からも疎まれることなく、青色に輝いた春を送っているのだろう。だからこの人は可愛いんだ。
そして次に脳裏を過ったのは驚愕。話してる相手の男の子。オシャレとは程遠い服装に猫背。そして目が死んでいた。衝撃だった。この男の子が必死に仲良くしようとしてるのならまだわかる。だけど友好的な態度を示しているのは女の子だけだ。男の子は早くここから離れたいとすら思っているようだった。
最後にもうひとつ驚愕。女の子が去った後、どこからか女の子が近づいていき男の子に話しかけていた。状況から察するに先程男の子が一緒に来ていると言っていた妹だろう。あまりにも似ていなかった。今日1番の驚きだ。性格は真逆。そして子供らしさが残りつつもオシャレを意識したコーデ。あまりに懸け離れている2人が兄妹。どうしてこうなった。
ここでグループの女子が猫も見たいと言い出し、私の意識がグループに戻る。今日はまだ始まったばかり。ここからまだこの空気に晒されるのかと辟易していたが、不思議と心は少し軽くなった。
「変なの・・・」
気付くと小さなつぶやきが零れる。すると少し口角が上がった。
もう一度心の中で呟く。変なの。すると心が少し暖かくなった。
来てよかったな。心の底からそう思う。あぁ、きっと今の私ここ数日で一番可愛い笑顔できてる。この顔を誰も見ていないのが残念。私はもっと可愛くなれる。いつかきっと出会う誰かに恋をした時、今よりももっと可愛い私を見せれるように頑張ろう。
わー八幡の隣にいたのは誰なんだろー。
僕には分かりません。
誰か教えてください。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
お見苦しい点多々あるかと思います。
お時間があればご指摘ください。
勉強になりますのでぜひお願いします。
誤字脱字も見つけ次第修正しまふ。
それでは次回もまたお付き合い頂けたら幸いです。