転生オリ主のテンプレ特盛ダイアリー    作:昨日辛雪

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高評価及び、感想・お気に入り登録ありがとうございます。
また、誤字報告して頂きとても助かっております。ありがとうございました。

以前指摘されていた。ハルカの入学年が一年早まっている理由を追記しました。読み直してもらうのも酷なので簡単にここに記したいと思います。
六年は来年中等部に上がるため、学問に専念させたいという署名が届く。学園長はそれを了承するも、木乃香とオリ主をペアに出来ないことに気付き、別荘で修行していることを理由にに入学時期を繰り上げた。

なお、本話もオリ設定だらけなので、ご注意ください。


オリ主日記(12)

1999年5月2日

 

 俺は今、図書館島の地下最深部、父の旧友であるアルビレオ・イマの居住区へと来ている。

エヴァと千雨も一緒だ。

 ダンジョンと化している図書館島の地下部分は千雨には危険なため、彼女を守るために抱きかかえて移動していたのだが、その時に聞こえた

「落ち着け私。コイツはアイツじゃないし私は私だ。これはあの女の気持ちであって私のじゃない。だから大丈夫」

という言葉の意味はなんだったんだろう。妙に顔も赤かったし。

 

 昨日は錯乱する千雨をエヴァが魔法で眠らせた後、爺さんにアポを取りタカミチを呼び出した。クラスメイトを心配する木乃香をタカミチに頼んで、俺とエヴァは眠ったままの千雨を背負って学園長室へ移動することに。

 千雨の様子を聞いた爺さんは、ガタっと机に手をついてえらく驚いていたな。

「なぬ! 認識阻害が効いておらんじゃと!?」

あの反応、千雨はやはりイレギュラーか。というかホントにあったんだな認識阻害の結界。

 

 改めてだが、麻帆良学園都市には二種類の結界が張られている。

 一つ目は対魔結界。エヴァのような魔に連なるモノの力を抑え込むもので、魔力と電力を用いたハイブリッド形式で運用されている。これは原作でも明言されていた。

 もう一つが認識阻害の結界だ。前世において「ネギま!」ファンの間でまことしやかに囁かれてはいたのだが、爺さんの話から実際に存在していることが判明した。

 これは簡単に言えば、効果範囲内では異常を異常と感じられなくなる魔法だ。

 

 麻帆良学園の設立コンセプトの一つが魔法と科学、二つの異なる分野を融合させた新たな技術の開発であるそうだ。そのため、麻帆良では現代科学ではオーバーテクノロジーとしか言えないようなシロモノが日々開発されている。

 もしこれが衆目にさらされるようなことになれば、世界は産業革命なんて目じゃない程の衝撃に見舞われるだろう。

 さらに、麻帆良には忍者や魔法使いといった一般常識からかけ離れた人物が沢山暮らしている。彼等の存在が公になれば、世間がその排斥に動くことは想像に難くない。

 そのため麻帆良の敷地内でどれほど非日常的なものを目にしようとも、スゴイの一言でかたづけるか、各個人の常識に当てはめて処理するように脳に働きかける魔法結界が麻帆良を覆っているのだ。

 樹高270メートルを超える世界樹がマスメディアなどに認知されていないのもこのためである。

 

 麻帆良学園内の至る所に認識阻害魔法の術式が刻まれており、世界樹の魔力を利用して効果を増幅し、学園全体を影響下においている。魔法先生の校内巡回は不審者の発見以上に、この術式に異常がないかを確認するのが主目的なのだそうだ。

 ちなみに、この認識阻害魔法には日進月歩改良が加えられており、現在は人々の認知に干渉することで、学園側が秘匿したい情報にだけピンポイントに効果が働くのだとか。一色理論だとか認知訶学だとか言っていたけど、メメントスとかないよな。

 

 でだ、結局爺さんにも千雨が認識阻害をレジストしている原因は分からないらしい。千雨個人は説得すれば魔法の隠匿に協力してくれるかもしれないが、なぜレジストできたのかを解明できなければ今後の結界の運用にも支障をきたす。

 いくつか仮説を立てては、ああでもない、こうでもないと頭を抱えていた俺達の前に、投影されたホログラムのように、胡散臭い白ローブの変態イケメン、アルビレオ・イマが突如現れた。

 彼は千雨の症状の原因に心当たりがあることと、知りたければ翌日指定した場所に訪れるようにと一方的に宣言して消えてしまったのだ。

 その後は目が覚めて少し冷静になった千雨に、彼女が感じている違和感には理由があること。それを日を改めてちゃんと教えることを約束して解散した。

 以上がこれまでの経緯である。

 

「まさか貴様がこんな所で油を売っているとはな、お前のことも散々探していたのだぞ!」

 エヴァがアルビレオを詰問している。原作を知っている俺としては後の展開が読めているだけに止めたかったんだがな。

 予想通り彼はエヴァの質問をのらりくらりと躱している。しまいには「えう゛あ」と書かれたワッペンをつけたスクール水着まで持ち出す始末。

「千雨さんに関する情報をお話してもいいのですが、その代わりあなたにはこれを着てもらいましょうか」

「待てぃ! 何だソレは!!」

 アルビレオさんはエヴァをからかって遊んでいる。普段は俺を振り回すエヴァとは違う彼女の一面を見られたのは得だが、その表情を引き出したのが俺ではないことに少しだけモヤモヤする。

 嫉妬しているのか俺は? 今からこれでは親父が復活した時が思いやられるな。

 

「ほらハルカ君もキティのスクール水着姿を見たがっていますよ」

「だから貴様! その呼び方は止めろと何度言わせ――何? それは本当か!?」 

 オイ、ふざけんな変態男。俺まで巻き込むんじゃねーよ。俺にそんな歪んだ嗜好はない! たぶんだけど。よって答えは「NO」だ。

 あれ? エヴァが薄っすらと頬を染めてチラチラとこちらを覗っている。もしかして、期待しているのか? 普段は大胆なクセにそんなしおらしい姿を見せられたら俺は……俺は……!

 

「それを着たエヴァも魅力的だと思う」

 別に俺が特殊性癖を持っているわけじゃないからな。あそこで否定するのはエヴァの可憐さに対して失礼だと思っただけだからな。

「ム……お前がそう言うのなら、今度二人きりの時にでも……」

 心なしかエヴァが嬉しそうに、千雨の俺に向ける眼差しが冷たくなったような気がする。

 アルビレオさん。もうアルでいいな、あの変態は。そっぽを向いた俺を見てニヤニヤしてやがる。コイツ俺で遊んでやがるな。ったく、どいつもこいつも人を玩具にしやがって!

 一つだけ良かったのは、先ほどまでガチガチだった千雨の緊張がほぐれていることだろう。まさか今までの茶番はこのために……

 いや、ないな。

 

「フフフ、エヴァンジェリン。まさかあなたのそんな反応を見れるとは思いませんでしたよ。どうです? オプションで眼鏡と猫耳とセーラー服を着ていたければ、サウザンドマスターの情報もおつけしましょう」

 ここで親父の情報を餌にするのか? そりゃエヴァにとってみれば喉から手が出るほど欲しいものだろうけど。

「いつまでも私が貴様に踊らされると思うなよ。与太話はもういいだろう。さっさとあの小娘について知っていることを吐け」

 そう言うとエヴァはアルからスク水をふんだくって、いそいそとバッグにつめた。なんだか予想外な反応だな。原作だともっと狼狽していたけど。

 アルも目を見開いている。彼にとっても想定外の返しだったんだろうか。アルはしばし呆然とした後、オレとエヴァを何度か交互に見て

「エヴァンジェリン、あなた本当に……フフフフフ、これは傑作ですね。もうショタコンというレベルでは――ぐふぅ」

 突然歓喜の声を漏らして何かを口走り、エヴァのボディーブローで沈められた。

 原作と違ってエヴァは封印を解かれているから、普通に攻撃通るのな。からかうのも命懸けなのによくやるよ。

 

「ゲホ、ゴホ、長年生きてきたからこそ、新鮮な発見というのは嬉しいものですね。お礼に私の知っていることをお話ししましょう。ですが、その前に千雨さん」

 急に話をふられた千雨が息を呑んでいる。見れば肩が震えていた。無理もないよな、気丈に振舞っていても彼女は普通の女児小学生だ。突然こんな場所に連れてこられて平気なはずがない。

 俺はせめてもの気休めに「俺がついている」という意思を込めて、肩に手を添える。俺にエヴァ教えてくれたように、一人じゃないと千雨に伝えたかった。

 すると、彼女はジト目で俺を見たあと、朱がさした頬を隠すようにアルに向き直る。

「まずは私達に話して欲しいのです。あなたが見た夢の内容を」

 

1999年5月3日

 

『ハルカくんありがとうな。千雨ちゃんのこと教えてくれて。うちメッチャ心配だったんよ』

「気にする必要はない。友達を思いやるのは当然のことだからな。それじゃぁ、お休み」

 木乃香へのフォローの電話を終え、受話器を置く。魔法関連のことはぼかしてだが、千雨はもう大丈夫だと伝えておいた。

 木乃香の声からは安堵の色が見てとれた。本当に友達思いの良い娘だな、彼女は。

 一息いれて、昨日のことに思いを馳せる。流石にあの展開は考えてもいなかったよ。

 

 千雨の夢の内容。お姫様として生まれたところから語られたソレは、初めこそメルヘンチックな夢だと思ったが、時系列が進むにつれ俺の中である疑念が生まれた。

 そして、戦争を止めるために傭兵としてナギ・スプリングフィールドを雇ったという話を聞いたことで、疑念は確信に変わった。

 千雨は夢を通して母の人生を追体験していたのだ。見た目だけならネギの方が親父に似ているが、俺はよく雰囲気が親父とそっくりだと言われることが多い。だからこそ、あの時千雨は夢の中の親父と俺を重ねたのか。

 千雨が俺にとっていた不可解な言動にも得心がいった。母の感情と自分の気持ちがゴチャ混ぜになって混乱していたんだな。

 

 千雨の夢は母が反逆者として国を追われ、親父を自分だけの騎士としたところまでで終わった。

 アルは

「千雨さん。あなたに話していただいた夢の内容は、ある女性が実際に体験した記憶です。その女性こそ、今あなたの隣にいるハルカ君の母君。アリカ・アナルキア・エンテオフュシア様なのです」

 と衝撃の事実を口にした。

 千雨と母の間には何らかの理由で霊的なパスが繋がってしまっており、それを通して母の記憶が彼女に流入しているのだと言う。

 確かに夢を通じて「魔法」を知ったのであれば、そういった事象に対して認識阻害が正常に作用しなかったことには頷ける。

 だが、全ての疑問が氷解したわけではない。今の説明では千雨がエヴァの幻術を見破った理由にはならないはずだ。

「千雨さんにはアリカ様の記憶だけでなく、その力の一部も渡ってしまっているのでしょう。認識阻害の無効化、幻術の看破、そのいずれもがアリカ様の『王家の魔力』によるものと考えられます」

 まるで俺の問いを予想していたかのように、こちらが口に出すのに先んじて、アルが答えた。

 

 「王家の魔力」か。原作では単語だけで詳しい説明がなかったけれど、ここにきてそれがどういうものか漸く分かった。

 始祖アマテルが持っていた「完全魔法無効化能力」。それが異なる魔法体系を有する異世界渡航者=彼女の魔法使いの従者となるオリヴィエ・ゼーゲブレヒトの血と混ざり合うことで突然変異した「固有能力」。それが「王家の魔力」なのだそうだ。

「オリヴィエ・ゼーゲブレヒト。謎の多い人物ではありますが、太古の文献によりますと、彼は『ベルカ』なる土地から魔法世界に降り立ったとあります。」

 ちょっと待て、アル。今さらっと「ベルカ」って言ったよな。やはり「リリカルなのは」の要素が混ざっているのか。

 

 少し話が逸れた。魔法世界最古のウェスペルタティア王国、その王家であるエンテオフュシアの一族には稀に虹彩異色の瞳を持つ者が生まれる。

 彼等は一様に「完全魔法無力化能力」ないし「王家の魔力」を有しており、王位継承権を優先的に与えられるという。

 発現する「王家の魔力」の性質は各人によって違っているが、共通する特徴として魔力そのものに何らかの影響を及ぼすことが挙げられる。

 そして母の「王家の魔力」は「魔力絶対優先権」というものらしい。どのような魔法に対しても、込められた魔力の多寡に関係なく母の魔力的な干渉が優先されるという能力だ。政治の世界に身を置いていた母は、幻覚や洗脳といった知覚に作用する魔法への防御術式を無意識化でも使用できるようにしていた。

 だから千雨にも魔法による幻覚は通じず、認識阻害魔法も意味をなさない。原作で母だけが魔力消失現象の渦中でも魔法を行使できたのもこのためか。

 

「何を隠しているアルビレオ・イマ。ハルカの母親は行方不明の筈だろう。それが何故、麻帆良にいるその小娘とパスで繋がることができる?」

 エヴァの疑問ももっともだ。親父が世界樹の根本に造物主と一緒に封印されているのは原作知識で知っているが、母がどうなったかは分からずじまいだ。

 さぁ、どう答える? 

「それは彼女が世界樹の下で眠りについているからですよ。あなたの探し求めたサウザンドマスターと一緒に、ね」

 

 なっ‼ もうそんなところまで情報を明かすのか!? いや、待て。母もあそこにいるだと! 原作とはだいぶ違うじゃないか!

 アルが指を鳴らすと、結晶体のなかで母が背後から親父を抱きしめるような形で封印されている映像が映し出された。

 エヴァも息を呑んでいる。

「十六年前、『紅き翼』は始まりの魔法使い『造物主』の討伐に失敗し……六年前かろうじて封印に成功しました。三人の英雄の犠牲によって」

 アルは「造物主」の説明を続けた。その内容は前世の記憶と相違ないものであった。

 造物主は「不死」ではなく「不滅」の存在。

自らを倒した相手の肉体を乗っ取る「報復型憑依能力」を持った精神生命体だ。

 先代の依り代を倒した親父に憑依し、現在は諸共に封印されているのは分かる。しかし、三人の犠牲とは……?

 

「教えてくれ、アルビレオ・イマ。三人の英雄の犠牲とはどういう意味だ?」

「いい質問ですねハルカくん。あなたは知らないでしょうが、かつてナギには一人の師がいました。彼の名はゼクト、『造物主』の先代の依り代でもあります。ゼクトは『造物主』に完全に支配される最後の瞬間まで、自身の体を調べ上げ、その研究成果を我々に託しました」

 ゼクトか、原作ではあまり描写されていなかったが、「造物主」封印のキーパーソンだったとはな。

「私とアリカ様で、ゼクトから得られたデータをもとに一つの術式を完成させました。それはアリカ様自らが封印具になり、ゼクトを倒して新たに『造物主』に憑依されたナギを縛る楔となる魔法です。もうお分かりでしょう、今の魔法世界はゼクト、ナギ、アリカ様……彼等三人の犠牲の上になりたっているのです」

 おかしいな。母自身が封印具となるのであれば、造物主の封印が解けた後は役目が終わり、母も自由の身になるはず。原作で母が登場しなかった理由にはならない。

 

「あんたは母がその身を封印具に変える魔法を作ったと言ったな。その魔法を使ったら母はどうなる? まさかとは思うが……」

「ご安心を、彼女は今も生きています。もしも、あなたが将来『造物主』を討滅する方法を編み出したのなら、貴方の元へとアリカ様は戻ってきますよ」

 よかった。母は魔法を使った時点で死んだわけではないのか。ならば、原作では別の方法を使ったのか。

 

「別の方法ですか? 王家に古くから伝わる魔法『ヨルダの御手』をもってすれば、あるいは可能かもしれません。ですが、それをしてしまえばアリカ様は生命力を使い果たしてしまう。おそらく半年も生きられなかったでしょう」

 

 それが原作で母がいなかった理由か? どうして原作ではこの世界でとった方法で封印しなかったんだ……?

 そうか!この世界と原作では半年ほど時間にズレがある。造物主封印時にまだネギを妊娠中だった母は、命を捨ててでも出産することを選んだのか!

 

 アルの話を聞いた後、千雨の存在が外部に知られれば危険だと俺達は判断し、本人も同意したことで、ログハウスに新たな住人が増えることになった。

 エヴァがセプ子に電話して、帰ってみればもう離れが作られていたのには驚いたよ。光の人工精霊有能すぎるだろ。

 ベッドに体を沈めて己の手を見つめる。エンテオフュシアの血にオッドアイ。俺にも『王家の魔力』が眠っている可能性が高い。

 もしその力を扱えるようになれば、今よりもっと強くなれるのだろうか?

 目を閉じればアルと別れ際に交わした会話が思い出される。これほどの機密事項を話してよかったのかと尋ねた俺に

「どうして教えたのか、ですか? それは私がハルカ君。あなたに期待しているからですよ。私はずっとあなたの成長を見てきました。あなたは我々の想像をこえる魔法をいくつも編み出してきました。だからでしょうか、あなたならばあるいはと思ってしまうのですよ」

アルはそう答えた。

 前世では誰かに期待されたことなど一度もなかった。俺はもうあの頃とは違う。

「応えたい。いや、応えるんだ」

 ベッドの中で、俺は静かに誓った。

 




ゼクトさんのファインプレーによりアリカ様に生存フラグが立ちました。一度も登場していないのに、一番原作をブレイクしています。

千雨ちゃん。オリ主と同居開始。アンチ・ヘイトのタグ付いてますし、ハーレムに入れてしまっても構わんのだろう。

謎が多い『ヨルダの御手』と『王家の魔力』のオリ設定、「UQ HOLDER!」で謎が明かされるのが楽しみでもあり、生じる矛盾が不安でもありますね。
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