冒険者、という職がある。

名の通り彼らは険しきを冒す者。
栄誉、金銭、名声、あるいは好奇心、はたまた己の心に課した責務。
それらを求め、満たし、果たすために困難に挑む者たちの総称である。



ここにも一人、それを志した者がある。
魔獣に挑む背に憧れ、村を飛び出し剣を取って戦士を目指し。

……しかし、駆ける者に才があるとは限らない。

挑戦の果てに得た物は不具の体。
鍛錬の先に成果は掴めず、心を満たすのは失意と嫉妬。
夢叶う道理は最早無く。
それでも、剣を捨てるには愚かに過ぎた。

これはそんな男の話。

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