会話だけの淡々と描かれた地霊殿での突発ラジオ収録です。
ストーリーも何もない本当にゆる~いお話ですので暇なときに読みたい方どうぞ。


本作は台詞のみを書いてるので、それも考慮していただけると幸いです。
クスッと笑えるようにはしているつもりです。ほのぼのとした作品にしました。
思いつき9割、やってみたかった1割で出来た作品。テンションのみで頑張って書いた作品といえばいいのだろうか……。
続編は……みなさんが楽しんでもらえるのならってやつですね。希望があるようでしたら。

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セッティング中での会話

さ「最近外の世界ではミカンが旬の食べ物らしいわね」
こ「そうなの? ミカンってこたつの中で食べるあれだよね」
さ「別にこたつの中で食べないわよ……。まぁ何でもアイチーとかエヒメーとかワカヤマーとかいうミカンが有名なようよ」
こ「へー。色々あるんだねー」
さ「何が違うんでしょうね? 複数あるから、どう違うなのか分からないし」
こ「酸味一体っていうから一緒だよ」
さ「……なるほどね」



東方音声録

――――地霊殿――――

幻想郷より遥かに広く、大きな昔にあった都市。その中心に存在する建物のことである。

洋風な外観の大きな場所ではあるが、そこに住んでいる多くはペットと呼ばれる動物の妖怪たちである。

しかし人型の妖怪もいる。これはそんな人型のさとり妖怪が残した(?)録音である。

 

 

「……初めまして。古明地さとりです」

「同じく古明地こいしです!」

「今回は記念すべき第一回。東方ラジオ、地霊殿からお送りしたいと思います。拙い部分もあるかと思いますが、よろしくお願いしますね」

「よろしくお願いします!」

「でもまさかこんなことをするなんてね……」

「本当にねー。最初お姉ちゃん猛反対して『やるぐらいなら私死ぬ!』って言ってたもんね」

「そこまでは言ってない」

「でも、それぐらいの意気込みだったじゃん」

「当たり前よ。こんなことしたらまた他の妖怪に奇怪な目で見られるんだもん」

「見られる機会も少ないくせにー」

「……それは言わないでください」

「でもお姉ちゃんが最後に納得して、うれしいよ」

「そう? まぁ、たまにはこいしとこんな風に出来るのもいいかな」

「うん。これも妖怪に好かれるためだよ! 頑張っていこう」

「好かれるか微妙だけど……まぁ、そうね」

「で、どうするのー?」

「まずは簡単な自己紹介でもしていくべきかしら」

「適当に喋ってたらいいんじゃないの?」

「そういう訳には……うーん、どうしたらいいのかしら……」

「お姉ちゃん緊張してるね。珍しいなー」

「まぁ、こうやって不特定多数の人や妖怪に聞いてもらうというわけだし……」

「地霊殿で博麗の巫女さんとやり合う時でも緊張しなかったのに?」

「あれとは別。色々と違うところがあるのよ」

「へぇ…………別にお姉ちゃん何も成長してないよ?」

「ねぇこいし。どうしてそこで私の胸を見るのかしら? 違うからね? そこは成長するから……きっと…………多分」

「じゃあ何が違うの?」

「うーん。私はさとり妖怪だから。第三の目が使えない今、相手の心が分からないのよ」

「でも、お姉ちゃんは私の心は読めてないよ? いつもほったらかしだもん!」

「こいしは第三の目を閉じたからよ、心も閉ざしているし」

「酷い! こんなに積極的なのに!!」

「積極的って……ただ能天気の間違いじゃ……」

「私は分かるよ! お姉ちゃんのこと!」

「あ、嬉しい。そうなの?」

「今日の晩御飯のこと分かるもん! 200パーセント言い当てられる!」

「私の予想を超える発言なのね……。じゃあ、当ててみてもらおうかな?」

「お燐!」

「……え?」

「お燐だよ!」

「あ、あのねこいし。いくら昨日のおはぎ食べたという容疑がかかっているからって、そんな予想の斜め上……」

「お燐の手作りだよね! 今日の当番だもん!」

「あ……あー。…………驚いたわ。というよりこいし、それって私のことを知っているということにはならないと思うんだけど」

「そういえば当番で思い出したんだけどさ」

「相変わらず話が飛ぶわね。はいはい、何かしら?」

「お空がトイレを掃除しようと第三の足を使ってたんだけど」

「ちょっと待ってこいし。トイレ掃除で核融合させてた理由を聞きたいわ」

「その時に、水道管が壊れちゃってね。お空がびしょ濡れになってたんだー」

「壊した? え、ちょっとお空とトイレは大丈夫なの!?」

「トイレに大丈夫ってどういう意味なの? お空と同じ妖怪だったの?」

「いや、そうじゃないわ。でも色々と、こう、状況を知りたいのよ!」

「なんか親指立てて『全部きれいさっぱりになりましたね! おトイレだけに!』とか言ってた」

「何が綺麗で何がさっぱりなの!? え、こんなことしてる場合じゃないんだけど!」

「ねぇねぇお姉ちゃん」

「あぁ……今度は何? 今修理のことで頭一杯なの……」

「私、夢があるんだー」

「いきなり!? しかもちょっと興味がある」

「これからはコメディアンになる」

「ちょっと待って」

「コメディアンになってお空と一緒にトイレで料理を作るの」

「落ち着いてこいし、おかしなことが混ざり過ぎてる」

「お姉ちゃん。コメディアンになるためにはどうしたらいいのかな?」

「……ねぇ、こいし。あなたが言いだして始まったラジオなのだけど?」

「うん」

「このままだとラジオじゃなくてただの漫才になってしまうわ」

「甘いよ、お姉ちゃん!! 昨日食べたおはぎよりも甘いよ」

「犯人見つけた!」

「それよりも世の中は(笑)だよ!」

「それだと世の中を馬鹿にしているように見えるから!」

「世の中って馬鹿なの?」

「馬鹿じゃない!」

「チルノさんは馬鹿なの?」

「あれは……えっと、その……⑨よ」

「⑨は馬鹿じゃないの?」

「……まぁ、多くの妖怪はそう認識しているけど」

「お姉ちゃんもそう思ってるの?」

「…………そんなことないわ」

「あ、お姉ちゃん。目を逸らした」

「そ、それよりも最近外の世界では新たな年を迎えたようね!」

「話題も逸らした!」

「話題逸らしたならこいしもそうよ!」

「どうして?」

「いきなりコメディアンをやるなんて無理に決まっているわ……」

「そんなことないもん! ツッコみとしてやっていけるもん!」

「どう見てもこいしはボケだと思うわ」

「呆けてないもん! まだそんな歳とってないもん!」

「それ典型的なボケのフリだと思うんだけど……」

「ツッコみをしたいの!」

「……えーと」

「やりたーい!」

「…………はぁ。言い出したら聞かないところはこの子らしいわね。じゃあ、分かった。私がボケるからツッコみをやってみて」

「何でやねん!」

「えぇッ!?」

「お姉ちゃんって驚く時に、えぇッとかへッとかよく言うよね?」

「まさかやる前にツッコみを入れられるとは思わなかったから……」

「ナンセンスだよ! そんなんじゃ一生霧雨のマリオさんに勝てないよ!」

「誰それ!? 霧雨魔理沙さんだから」

「驚くときはもっとリアクションを取らないと、ツッコみにならないよ!」

「……へー、そうなの?」

「うん!」

「じゃあこいし。話があるんだけど」

「何、お姉ちゃん?」

「実はね、今日の晩御飯はこいしの分はないのよ」

「うん……うん?」

「残念だけど、お燐が勝手に食べてしまったようでね。私の分はあるのだけれど。あなたのはもうないって話なのよ」

「……」

「さぁリアクションリアクション」

「次のコーナーに入って、こいしの人生相談!」

「ちょっと待ちなさい!」

「もうお姉ちゃんがツッコんでどうするの?」

「そりゃあ色々言いたいわよ! 何で驚いてくれないの!?」

「ワァーイ」

「適当!」

「だって飽きたんだもん!」

「あぁもう。相変わらず空気を……。それよりも何よこいしの人生相談って」

「お便りを送ってもらうんだー」

「ふーん。え? でも手元にお便りないんじゃ……」

「本読んで気になったことがあるんだけど」

「あ、こいしが人生相談なの? ……それってラジオ的に大丈夫なのかしら」

「空気を読むってあったんだけど」

「今あなたに足りないものね」

「実際空気を読むって分からないよねー。どうやって何も書かれていない空気を読むのかな?」

「それは雰囲気を察してというか、状況をよく見てっていうことよ。実際に空気を読めってことじゃないわ」

「ふーん……」

「でも、それって人生でもなんでもないような相談ね。そんなので……って何で私の胸を見るのよ」

「壁かぁ……そういえばトイレの壁を直さないといけないんだねー。お空に弁償してもらわないと」

「何で唐突にそんな話? ねぇこいし、ねぇ」

「お姉ちゃん……霊夢さんみたいで怖い……」

「笑ってるわよ、私は寛容だからねー。……こいしにどんなおしおきで済ませようかを考えてるだけよ」

「……」

「何よ」

「お姉ちゃん。今日は一段と綺麗だねー」

「今更空気読まれても」

「いやいや。二段三段ぐらいも……それとも五段?」

「逆に今までの私はどれだけ酷かったの!?」

「さて冗談はこれくらいにして」

「それは口にしてはいけないわ」

「これからもアイロンはしっかりとかけるべきだね。きっちりとした姿に見えるもん」

「……え? どこから服装の話に変わったのかしら?」

「ずっとそうだったよ?」

「そこは冗談でも顔って言って……」

「だってお姉ちゃん。冗談は口にしたらダメなんだよね?」

「ぐっ……人の揚げ足を取るわねぇ、もう」

「お姉ちゃん。渋柿みたいな顔になってる」

「せめて渋柿を食べたときの顔って言いなさい! それじゃあしわくちゃな顔と言われてる気がするわ!」

「だってお姉ちゃん。冗談は――――」

「あー、聞きたくない! 分かった、私が悪いわよ……もぅ」

「お姉ちゃん……」

「うぅ……今更慈愛に満ちた目で見られても悲しいだけよ……」

「どうするのお姉ちゃん。まだラジオ的に時間があるんだけど」

「それはまだいじり足りないと解釈していいのかしら?」

「大体ラジオは30分やってるんだもん」

「……まぁ確かに約30分やるわね。私としてはもう終わらせたい気持ちでしかないけど」

「でもどうしようか、文字数的にまだまだ全然足りないんだけど。具体的に言えば500文字で1分とするとあと11000文字ぐらい必要だよー、うん」

「そんなメタな発言しないで……まぁ、私たちにそんな時間を作ることも出来ないと思うわ」

「やっぱり見切り発車は駄目だねー。全然コーナーとかネタもないし」

「誰のせいでこうなっているのか分かる? 鏡持ってきましょうか?」

「やっぱりお空に脚本頼んだのがまずかったかなぁ……」

「まぁ、それもあるわね。何よ冒頭の『今日の天気はなんと満点の空!』って……。漢字違うし、そもそも天候なんて私達地底に住んでいて分からないし……」

「お空に渡されてから30秒でゴミ箱に入っちゃったよねー」

「だからこうして困っているのだけれど……さて、どうしましょう」

「お姉ちゃんが書けば良かったじゃん。趣味で色々書いてるんだし」

「こういうのは苦手なの、台詞だけを抜き取っただけの本とか」

「お姉ちゃんも我が儘だねー」

「悪かったわね……それよりもどうするの? 喋るネタがない場合」

「うーん。こういう時は私の生活でも語ったら聞いてる人は興味出るのかな?」

「あ、それは私も気になるわね」

「そうなの?」

「あなた無意識だから。いつも家の中でどんなことしてるのか、分からないもの。多少の興味はあるわよ」

「そうなのかー」

「それ別のキャラの持ちネタだからやめておきなさい」

「ネタじゃないと思うなー」

「で、どうなのよ? あなたの生活を是非聞いてみたいわ」

「うーん……そんな大したことしてないけどなー」

「そうなの?」

「まずお賽銭箱の中から起床するでしょー」

「とりあえずそこに入っている理由が分からないわ」

「それから霊夢さんの朝ご飯を食べて、紅魔館に遊びに行くでしょ」

「ここで霊夢さんに宣戦布告するとは大した度胸ね」

「道中チルノさんの首のねじを回してあげてー」

「そこ頭にしないと地獄絵図しか想像できないわ」

「それから紅魔館でレミリアさんがカリスマの練習してるのを横で見ててー」

「涙ぐましい努力がそこに……」

「フランさんの部屋に入って、一緒に笑いながら人形を壊してー」

「首のねじでも回すの?」

「部屋を出て門まで行って紅美鈴さんと昼寝するでしょー」

「仕事してください、美鈴さん」

「起きたら昼ごはんのために霊夢さんのところに戻ってー」

「やめて、もう霊夢さんのライスはゼロよ!」

「それで寝た」

「はや……え、まだ昼過ぎて間もないんだけど」

「因みにお賽銭箱の中に入ったのもその時だよー」

「常時開いてるの、そこ?」

「常時空いてるね」

「それは霊夢さんが悲しむからやめなさい」

「そんな感じで永遠亭とか、八雲家に行ったりしてるなー。毎日みんなの観察をしてるー」

「……相変わらず気儘に動くわね」

「えへへー」

「因みに最近地霊殿には帰ってきてるの?」

「昨日はいたよー。ずっとお姉ちゃんの後ろをニヤニヤしながら憑いてた」

「怖いからこれからはやめて!?」

「私はお姉ちゃんが成長日記をつけていることに戦慄としたよ」

「こいし、それ以上言うと一生地霊殿から出られないようにしてあげるわ」

「そんなコンプレックスになってるならやめたらいいのにー。……うーん、どんな成長日記か言わないであげる」

「そうしてちょうだい。……で、またいなくなるの?」

「うん」

「……そう。ならまた今度、些細なことでもいいから教えてちょうだい」

「うん?」

「最近あなたがいないからってお空もお燐も心配しているわ。元気にしてますか、無茶していないかなって。そんな2人に少しは安心させられるようにしてあげたいから。あなただって紙に書くぐらいは出来るでしょう? それに、ご飯だって用意できるかもしれないし」

「分かった」

「驚いた……すんなり聞いてくれるの?」

「うん。だからおはぎの件を許して」

「いや」

「えー。お姉ちゃんのけちー」

「二個食べた罪は重いの、今度からはやめて」

「ちぇー」

「さて、今回は試験的な意味も含めてるしそろそろ終わりましょうか」

「そうなのー?」

「…………実際は疲れただけなんだけど(ぼそッ」

「何か言った?」

「いいえ。では締めに入りましょうか」

「じゃあ私やりたーい」

「え? あなたがやるの?」

「次回予告的なことをすればいいんだよね?」

「……これって次回が存在するのかしら」

「存在するよ! お姉ちゃんの胸並みに!」

「それってどういう意味かしら?」

「望み薄だけどってことだよ!」

「こいし、これが終わったら話したいことが山ほどあるわ。胸のこととか成長のこととか」

「次回『お姉ちゃんの胸日記後悔』お楽しみに」

「もう次回なんてない!」

 




収録後の会話

こ「そういえばお姉ちゃん」
さ「何よ……もう」
こ「ラジオの時いっぱい言ったけど」
さ「もうやめて……私をどうしたいっていうの?」
こ「それでもお姉ちゃん大好きなんだー!」
さ「……こいし」
こ「楽しいし、一緒にいて飽きないもん!」
さ「……」
こ「地霊殿のみんなに好かれてるもん。純粋なお姉ちゃんは私の誇りだよー!」
さ「……そう、ありがとう。私もこいしのことは大切に想っているわ」
こ「だから信頼の証に日記ちょーだい☆」
さ「仕方な……くない! 絶対にいやだからね!!」

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