朝から心がもう持たないのでSS作って供養します……。
幸せになってね……。

1 / 1
来世でまた会いましょう

__絶対に君を幸せにする。今度こそ死なせない。必ず守る……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長い長い夢を見ていた気がした。

幼い頃からずっと見ている夢。

 

「…私、泣いてる?」

 

頬を伝う涙。

髪も少ししっとりしてる。

どれくらい泣いていたんだろう。

 

「って、何時!?しのぶちゃんと約束!!」

 

今日は幼なじみのしのぶちゃんと動物園に行くって約束してたんだった。

案の定遅刻ギリギリの時間…。

 

『ごめんなさい。今起きちゃったの。』

『適当にぶらぶらしますから大丈夫ですよー』

『…ちょっと怒ってる?』

『……いいえ?怒ってませんよ?』

 

うぅ……これ絶対怒ってる。

そもそも、動物が少し苦手なのに私が

 

「珍しいヘビが来ているらしいの!

ね!?しのぶちゃん、行きましょう!?」

 

なーんて言うから……。

 

 

しのぶちゃんが待つ駅まで行くとむっすりとしたしのぶちゃんがいた。

 

「もう、遅れすぎにも程がありますよ?」

「ごめんなさい……。」

「さ。動物園に行くんでしょう?」

「そういえばかなえちゃんは?」

「姉さんなら今日はかなをと遊びに行ってる。」

 

ちょっぴり拗ねた顔でそういうしのぶちゃん。

今日も姉妹仲がいいのね。良い事だわ。

 

「……蜜璃はどうなの?」

「どうって……?」

「ほら、前に言ってたじゃないですか。

運命の殿方と出会って、生涯を添い遂げたいの!って。」

「……お見合いすら上手くいかないの。

私の運命の殿方は何処なのかしら。はぅ…。」

 

お見合いをすれば

「大食いはちょっと……」とか「髪色派手だし……」とか

 

もう……ひどいわ……。

 

ちょっとくらい私に惹かれてくれる人は居ないのかしら…?

 

動物園は賑やかでいろんな動物がいた。

 

「…蜜璃さん、ちょっと疲れたからここで休んでもいいかしら?」

「あら、連れ回しすぎちゃったかしら。

次のヘビは私だけで見に行くからゆっくり休んでて?」

 

 

ヘビの展示場は少し遠くて道に迷ってしまった。

 

「…君、どうしたんだ?」

 

そんな時、どこか懐かしい声が聞こえた。

 

「え?」

「何か困ってるように見えたから。

俺で良ければ話を聞こう。」

「あわわわ……その……ちょっと迷ってしまいまして……。」

 

振り向くと黒髪がよく似合う綺麗な人が目の前に立っていた。

 

「どこへ行きたいのか?」

「へ、ヘビの展示場…です……。」

「なんだ、奇遇だな。俺もそこに行こうと思っていたんだ。」

 

なんでだろう。

 

なんでこんなに懐かしいんだろう。

 

「ねぇ、私たち……はじめましてよね?」

「……あぁ。」

 

おかしい。

 

なんだかおかしいの。

 

胸がドキドキする。

 

この人にずっとずっと会いたかった気がするの。

 

 

 

 

 

 

「あのね。私……夢で貴方によく似た人に会ったわ。本当よ。

 

傷だらけでボロボロな貴方に抱きしめられながら生き絶える夢。」

「俺も同じ夢を見たよ。

君がわんわん泣きながら、生まれ変われたら私をお嫁さんにしてくれる?そう言ったから。」

 

「その続きは私が言ってもいいかしら?」

「あぁ。」

 

あぁ……やっぱりそっか……。

 

ちゃんと思い出した。

 

はじめましてではじめましてじゃないのね。私達。

 

「勿論だ、君が俺でいいと言ってくれるのなら。

絶対に君を幸せにする。

今度こそ死なせない。必ず守る……。」

 

そう言うと優しく抱きしめられた。

 

「やっと会えたな。」

「…うん……うんっ。」

 

きっとこれから何が起きてもこの人が一緒なら何も怖くない。

 

「ねぇ、伊黒さん…。伊黒さんでいいのよね?

 

私を貴方のお嫁さんにしてくれる?」

 

「勿論だよ。蜜璃。」

 

 

 

 

 

 

きっと…きっとよ。

 

死ぬまで私の側にいて。

 

死ぬ時はまた一緒に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私達…今世では幸せになりましょうね。

 




甘露寺蜜璃が、大好きです。
だから……幸せになって……お願い……幸せになって……。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。