イナズマイレブンRTA 雷門ルート   作:nrnr

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 イナイレの日も過ぎて燃え尽き気味なので初投稿です。そろそろGOの方の執筆に専念するかもしれないので次は遅くなる可能性があります。

 また、GOの執筆と並行して、過去投稿分を文体を統一させるために改稿予定(内容変更なし)です。あらかじめご了承下さい。作業開始は来月上旬以降を予定しております。
 改稿前(現行)のバージョンについては後日プライベッターか何かで再度公開予定となっておりますので、今のバージョンが好きだと思って下さる方は個別に保存するか、そちらでの再公開をお待ちくださればと思います。
 なお、再公開分に関しては前話までの投稿を予定しており、今話以降をそちらに投稿する予定はございません。あくまでアーカイブのようなものとしてご利用下さい。
 


パート44 完璧と万能

 

 ようやく雷門イレブンの心が一つになりだすRTA、はーじまーるよー。

 

 

 今回はイプシロン改を撃退し、エイリア学園最後のチーム・ダイヤモンドダストのガゼルと邂逅したところから。

 メタ視点のないホモくん達からすると戦いはいつになったら終わるのかという気持ちでしょうが、とはいえいつまでも引きずるわけにはいかず、かつ雷門イレブンにとっての良いニュースとしてホモくんの復帰があったため、ショックはそこまででもありません。あとは不動の生意気な発言とそれに反応する鬼道という(恐らく)日常を挟んだことも大きいです。

 

 そんなこんなで、ひとまず雷門イレブンは復帰したホモくんを交えて練習をすることになりました。おかしい……最初のジェミニストーム戦を経て戦力増強を求めて旅立ったはずなのに結局ミニゲームができるくらいの人数しかいない……(風丸と栗松と未復帰の吹雪を見ながら)。

 合流時に風丸や栗松について言及しないと好感度が下がるんじゃないの〜?と思う兄貴姉貴もいるかもしれませんが、離脱→沖縄で合流のルートを辿った場合、特に言及せずとも好感度に変動はありませんでした。まあ鬼瓦刑事からの連絡とかテレビ越しとかで知ってるからね。

 というか、ここで言及してしまうと特に新しい情報もない会話が垂れ流されるだけなので非常にまず味です。特に今回のように風丸負傷離脱√だとあの時庇われたことを思い出して吹雪のメンタルと好感度が若干ゃ低下してしまうためロスからはああ逃れられない!(カルマ)

 

 

 さて、そんな話よりサッカーやろうぜ! ということでミニゲーム開始です。今チャートにおいてはマジでサッカーバトルを挑む機会が皆無なのでこうやって試合形式でプレーすることによる取得経験値がうめ うめ うめ……。

 一回目のチーム分けは相手側が円堂・壁山・鬼道・豪炎寺・染岡、こちら側が立向居・綱海・不動・ホモくん・リカです。ホモくんはミニゲームである都合上FWに行きましょう。ちょっと戦力の偏りが酷すぎんよ〜となる構図ですが、これにはちゃーんと理由があります。

 

 まず、立向居のGKとしての育成が急務なこと。実はこの後円堂がGKから転向してリベロとなるイベントが発生するため、メインのGKが立向居にスライドしてしまうのです。

 立向居はなんと属性一致の林属性【ゴッドハンド】と【マジン・ザ・ハンド】を習得しているため、必殺技だけなら決してGKとして使い勝手が悪いということはありません。何なら円堂が弱点を取られる風属性シュート技を防いでくれる他、まだまだ成長の可能性を秘めているため、非常に心強いとすら言えます。

 しかし、いかんせん今の彼には試合経験が圧倒的に足りていません。そら(陽花戸中は弱小校故に練習試合もほとんど組めてない上に独学の【ゴッドハンド】習得なんだから)そうよ。必殺技を発動できる状態ならともかく、咄嗟の判断が求められる状況には非常に弱いと言っても過言ではありません。だからこうして火力が高い組を相手に回してレベリングする必要があったんですね。

 

 そしてもう一つ、そうですね、不動のレベリングですね。

 不動は行動を共にしているだけで未だ雷門イレブンと和解したわけではないため、愛媛で別れて以降は一度も試合に出場できていません。それどころか普段の練習でもやや距離を置かれがちなため、とにかく取得経験値が少なく、結果他のメンバーに比べてややレベルが低くなってしまっているのです。

 そんな状態で他のメンバーの中に混ぜたとしても、活躍の場が回ってこない上、不仲なこともあって不動がチームプレーをしたがらず、すぐに険悪になってしまって経験値を稼げない上にロス発生という事態になりかねません。じゃけん真・帝国戦にいなかったことで軋轢が少なめのメンバーで固めましょうね〜。そしてホモくんを投下することで上手い具合にチームに馴染めるようにするって寸法よ。

 

 

 では、練習(デュエル)開始の宣言をしろ‼︎ 瞳子監督ぅ!

 

 まず先行はこちらから、ホモくんのキックオフでスタートです。というわけで不動にバックパス! 頑張れオイ! そしてホモくんは豪炎寺をマークします。

 

「言われなくても!」

「ッさせるか!」

 

 ま、すぐに鬼道と競り合いになるんですけどね、初見さん。

 これは不動加入後にホモくんがいる状態で対鬼道の場を作るとほぼ確定で発生するイベントです。真・帝国でのタイマンのリベンジみたいな感じなのかと。

 

 翻弄する不動、それに食らいつく鬼道。レベル差があるのにこれって……勲章ですよ? 勢いの激しさもあってここに介入するのは至難の業です。というかそれをやるとせっかく上げた不動の好感度が「こいつやっぱり本心では自分のことを認めてないんじゃないか?」となって低下してしまいます(1敗)。

 また、このイベント、本来であれば第三部で覚えるはずのとある必殺技の習得イベントも兼ねており──。

 

「くっ……まだだ!」

「このっ……しつこいんだよ!」

 

 完全に二人の世界となっている中、とうとう両者の脚がボールを挟んで激突します。ここまでは真・帝国の時と同じですが……ウワッ何だ今のパゥワー⁉︎

 

 はい、紫とも黒ともつかない光と共にボールがとてつもないエネルギーを発し、周囲に衝撃波を放ちました。あまりのパワーを至近距離でまともに食らった染岡とリカは吹き飛ばされてしまいます。シュートでもないのに何だこの超次元はたまげたなぁ(今更)。

 弾かれたボールは……ヨシ! 予想通りこちらに飛んできました。この時のボールの行き先は不動VS鬼道の発生位置から大体絞り込めるため、あの光が発生した時点で豪炎寺のマークから外れ、先んじてボールの落下位置に滑り込みましょう。はいトラップ。

 

 リカは……う〜ん、まだ体勢が整っていませんね。鬼道と不動は両方ともその場で受け身を取ったものの、こちらもまだ動くのは難しそう……難しそうじゃない? というわけでここはホモくんが上がっていくことにしましょう。

 

「今のは……!」

 

 豪炎寺が何か閃きを得たようなふいんき(何故か変換がry)を醸し出していますが、それに構うことなんてフヨウラ! 今は不動が繋いでくれたボールを点に繋げるのが先です。ほらいくどー、【フローラルデスペアー】!

 

「行くッスよ、ザ・ウォール改! ……わあああっ!」

「後は任せろ! 正義の鉄拳!」

 

 お、初手から【正義の鉄拳】が飛んできました。熟練度的にうま味ですね。とはいえ、ホモくん側からすると属性不利になってしまうため、いくらステータス差があるとはいっても【ザ・ウォール改】を経ている以上通るかはんにゃぴ……。

 

「ぐ、ぐぅ……うわあああああああッ‼︎」

 

 よっしゃ勝ったな風呂食ってくる。

 とまあこの通り、今のステータスなら七割程度の確率で通ります。一点決めた頃には不動達も復帰しているため、軽く声をかけておきましょう。おっ、大丈夫か大丈夫か?

 

「当たり前だろ」

「ああ、平気だ。……だが、今のは…………」

「とてつもないパワーだった。これが実際の試合で使えるなら……」

「絶対に強い必殺技になる! 見てるだけでもすっげえ力が伝わってきたぜ!」

 

 豪炎寺や円堂の台詞から予想できる通り、こちら、新必殺技取得のためのフラグイベントとなっております。そうですね、原作既知兄貴姉貴ならお馴染みのあの必殺技、【キラーフィールズ】ですね。

 ほんへにおいては第三部・世界への挑戦‼︎編における韓国代表戦で初披露であったということを踏まえると、この時点でフラグが立つことがいかにRTAにおいて有難いかがわかると思われます。

 

 ……とはいえ、ここでフラグが成立したからといってはい習得とはならないのが悲しいところ。理由はもちろんお分かりですね?

 

「…………はっ、だから何だってんだ? こいつとお仲間ごっこなんざゴメンだな」

「何だと⁉︎ 今がどういう状況かわかっているのか、まだエイリア学園との戦いは続くんだぞ!」

「んなもん、鬼道クンの力を借りるまでもないって言わなきゃわかんねえか? 俺は俺のやり方でやる、誰かさんもそれで良いって思ったから俺を認めて勧誘したんだぜ?」

 

 いきなり口論にホモくんを巻き込むのはやめてくれよ……(切実)。あと別に不動に対して全肯定ペンギンになった覚えはないんですがそれは。

 とはいえ、こればかりはホモくんが口出ししたところで現状ではどうにもなりません。第二部中での【キラーフィールズ】習得には実は不動との好感度イベントを進める、もといメンタルを安定させる必要があるため、ここで話に割って入ったところでロスになるだけです。こ↑こ↓は場を収めるだけに徹しましょう。

 

 二人とも一旦落ち着いて、どうぞ。どの道お互いに息が合わなければ必殺技を生み出すなんて不可能なんだよなぁ。

 鬼道先輩としても不動さんとしても思う所があるのは分かるけど、ひとまず今はスキルアップと連携強化のために練習に戻ってクレメンス〜。

 

「…………わかった、今は飲み込もう。だが、俺はこいつを認めるつもりはない。星崎、お前がなんと言ったとしてもだ」

「言われなくてもこっちからお断りだ。悔しかったら一点取り返してみるんだな」

 

 だからホモくんを一々巻き込まないでもろて……。

 

「なんや感じ悪いなぁ。ホンマにこれで大丈夫なんか?」

 

 (全然大丈夫じゃ)ないです。とはいえ、こればっかりは今すぐ解決できる問題じゃない……なくない? 

 ホモくん達は今の自分に出来ることをするしかないってそれ一番言われてるから! 今はこの先不動が試合に出てきても問題ないように調整を重ねていくのが最善なんだなぁ。ホモを。というわけで全員練習再開のための準備をあくしろよ。

 

「なんつーか、お前、大変だなぁ……」

 

 それは本当にそう(真顔)。

 

 

 では、険悪な空気の中練習再開です。こんなんじゃ練習になんないよ〜、と思う兄貴姉貴もいるかもしれませんが、何を隠そうここでメンバーチェンジをしようとしても基本的に瞳子監督がOKを出しません。悲しいなぁ。

 瞳子監督としては、潜在能力としては申し分ない不動を一刻も早く実戦にぶち込みたい心があったりなかったりラジバンダリ。雷門イレブンとの橋渡しができそうなホモくんが戻ってきたこともあり、基本的に不動抜きでの練習にはなりません。え、うさん臭い不動を押し付けた時のツケを払わされてるだけ? ポッチャマ……(難聴)。

 

 あっ、そうだ(唐突)。

 【キラーフィールズ】についてですが、原則として第二部での練習中にはどれだけ二人のわだかまりが解けたとしても習得には至りません。先程のフラグを立てた上で不動・鬼道の双方を負けられない試合に出場させる、というのが習得条件となっております。今チャートだと最短でダイヤモンドダスト戦ですね。

 そのため、この練習はとにかく不動の好感度を上げる、かつ不動のワンマンプレーにならないようにチームプレーへと修正していくのがホモくんの仕事となります。

 

 ……余談ですが、不動はストレス値がマッハになると仮にも今は味方である雷門イレブンに対しても【ジャッジスルー2】を使ってしまいます。そうなったら当然リカバリーに多大なロスが発生するため再走です。くれぐれもチームプレーを強要するような言動は避けましょう(3敗)。

 とはいえ、不動はMFなこと、そしてある程度気を許しているホモくんがFWなこともあって過度なワンマンプレーに走ることは今チャートではまずありません。なんだかんだで試合中や練習中は冷静さを失わない傾向にあるため、確実に相手から点を取るためであればこちらにボールを渡してくれます。後はそれをリカに横流ししたりすればある程度のチームプレーが結果的に成立するってワケよ。

 

 第二部における不動の好感度の上昇値は不動にパスを出した、及び不動との連携を成功させた回数に比例するため、適度にパスを出しさえすれば不動の好感度イベントを発生させることが可能です。

 後はリカと綱海と立向居の経験値・熟練度稼ぎですね。リカは適度にパスを出して【ローズスプラッシュ】、あるいは今走においては既に習得してくれていた【通天閣シュート】を打たせれば問題なし。立向居はあちらにシュートを打たれれば問題なく経験値と熟練度を稼げます。ただし豪炎寺相手だと属性相性や【爆熱ストーム】の威力もあってほぼ突破されることを念頭に置くのを忘れずに。

 ここで気をつけるべきは綱海です。彼はまだ【ツナミブースト】というシュート技しか習得しておらず、現時点でのDFとしての性能は……ナオキです。加入後に一定レベルに達する、あるいは規定数の経験値を稼いだ上で壁山と試合に出せば【ホエールガード】を習得してくれるのですが、現在のステを見る限りカオス戦にワンチャン間に合うくらいなため、ここは体を張ってブロックしてもらうしかありません。くれぐれもGPの残量に気を配っておきましょう。だからあんまり練習でGPを消費させすぎると好感度が下がるって第一部から言ってるだろ!

 

 

 では、解説も終わったところでミニゲーム終了です。いやあ……【爆熱ストーム】は強敵でしたね(属性不利かつ不一致シュートブロック技持ち並感)。そろそろ山属性のシュートブロック可能な必殺技を習得したいんだけどな〜俺もな〜。どうしてあの演出の【ディープミスト】はシュートブロック可能なのに【トラクタービーム】は不可能なのか、コレガワカラナイ。

 ひとまず一ゲーム分不動の介護を終えたことで不動の好感度イベントの発生は確実になりましたし、次の一ゲームは他のメンバーで回してもらうことにします。そして、こうして少し休む姿勢になると……。

 

「ごめん、星崎くん。……ちょっといいかな?」

 

 あ、いいっすよ吹雪さん。

 

 というわけで、ここで吹雪がログインです。基本的にこの段階ではまだ試合どころか練習にも復帰できていない吹雪ですが、一定条件を満たすとこうして彼の方から話しかけてきます。

 この条件というのが、豪炎寺が離脱していないかつ染岡が残留していることでメンタルデバフが本来よりも軽度になっていること、ホモくんのプレイスタイルが最低でもFW・DFとしてそれなりの活躍ができるものに仕上がっていること、この両方を満たしている場合となります。お前重いんだよ!(条件)

 一応、条件を満たしていない場合でもこちらから話しかければ対応してくれるのですが、その場合は会話によるメンタルケアが確実に効果があるかと言われるとんにゃぴ……。それにプラスして豪炎寺のファイアトルネード治療法が発動すれば確実に復帰するくらいです。だからユーティリティプレイヤーなんてクッソ面倒臭いチャートを組む必要があったんですね。

 

 では、あまり人前で話すことでもないということで……まず大海原中さぁ……離れてるベンチ……あんだけど、一旦みんなと距離取らない?

 

「うん……ありがとう」

 

 では、場所を移して。

 

「いきなりごめんね。でも、どうしても聞きたいことがあったんだ。……君と僕はプレースタイルが似てると思ったから」

 

 おっ、そうだな。

 

「こんなこと突然言われても困るだろうけど……僕の中にはもう一人、弟のアツヤがいるんだ。僕がDFでアツヤがFWで、二人で完璧なサッカーをやるんだって、ずっとそう思ってサッカーを続けてきた」

 

 えっ、それは……(困惑)。

 ちなみにもうお忘れの視聴者ニキネキもいるかもしれませんが、ホモくんはあくまでテレビや鬼瓦刑事越しに雷門イレブンの状況を把握していただけのため、選手個人の詳しい背景や事情についてはミリ知ら状態です。つまり試合中になんか様子変わってんな……くらいは把握していても二重人格云々については知りません。一時離脱する場合はそういった情報量の把握を間違えないようにしましょう。うっかり会話でガバってこんな所からリセなんて事態はヤメルルォ!(7敗)

 

「でも、エイリア学園と戦うようになってから、だんだん勝てなくなっていった……そんな僕を庇って風丸くんがあんな目に遭った……自分が目指していた完璧がなんだったのか、わからなくなったんだ」

 

 えっ、風丸先輩が負傷離脱したのはエイリア学園のせいであって吹雪さんはほとんど関係ないでしょ。エイリア学園みたいに他人を傷付けたり蹂躙したりするためにサッカーをする方が悪いんだよなぁ。

 

「……ありがとう。そうだね、そうだって思いたい。でも、僕があの時ちゃんとワイバーンブリザードを打ててたらって……ちゃんとゴールを守ることができていたらって、どうしても考えるんだ」

 

 はえ^〜すっごい引きずってる……。まあちゃーんとチャート通りに進んでるからこその引きずりようなんですけどね。吹雪がメンタルボドボドでいらっしゃるよ、話を聞いて差し上げろ。

 ここら辺の話題は吹雪としては何かしらの声掛けが欲しいというよりも吐き出したい気持ちの方が強めなため、基本的には聞き役に徹しておきましょう。とはいえ、間違っても「そう……(無関心)」なんて態度を取ってはいけません。好感度メガトンコインとかは……勘弁して下さいね(棒読み)。

 

「完璧になるためにサッカーをしているはずなのに、サッカーを続ければ続けるほど完璧から遠ざかっていくんだ。それが怖くて……最近はもう、ボールにも触れてなかった」

 

 余談ですが、ここでボールに触ることができていないという発言が出ない場合、この後のホモくんによるメンタルケアだけでは復帰できない可能性があります。弱音を吐けるのはそれだけのメンタルの余力がある人間の特権だってはっきりわかんだね。

 

「──でも、そこに君がきた。僕が目指す完璧なサッカーに一番近い君が」

 

 へええっ⁉︎ ホ、ホモくんがですかぁ⁉︎

 

「教えて欲しいんだ。どうすれば君みたいになれるのか……完璧なサッカーができるのか」

 

 なんのこったよ。ホモくんは完璧なサッカーができた試しなんて一度もないんだよなぁ。

 

「え? で、でも……」

 

 ホモくんがユーティリティプレイヤーになったのは初期雷門の選手層の薄さをカバーするためであって、(ただの器用貧乏でしか)ないです。それを特訓でカバーしてるだけ定期。ステータスも「そうだ そうだ」と言っています。

 FWとしてもDFとしてもやろうと思えばホモくんを超えられる吹雪さんがなんで参考にする必要なんかあるんですか(正論)。

 

「ッでも! 君はイプシロン改から二点も取った! グングニルだって防いでみせた! 何もできなかった僕なんかとは違う‼︎」

 

 イプシロン改とザ・ジェネシスとでは実力差がある(らしい)以上、あの試合だけじゃ参考にならないのは当たり前だよなぁ?

 とはいえ、これ以上口でどれだけ言ったとしても今の吹雪さんを立ち直らせるにはダメみたいですね(諦観)。こんな言葉だけじゃ何か足んねぇよなぁ? じゃけん後はサッカーで語り合いましょうね〜。

 

「そ、れは……僕は、ボールには……」

 

 実はホモくんはぁ、GKとしての役割、果たせるらしいんすよ。

 別に練習だからシュートの成功とか失敗とか考える必要もなし、ただボールに触るための場って考えてよ。どんなシュートでもちゃーんと受け止めるから大丈夫だって安心しろよ〜。

 それにほら、サッカーは好きぷり?

 

「…………うん」

 

 じゃあ大丈夫! できるぷり!

 サッカーは選手の全てを語ってくれるぷり! 自分の全てを込めて、思いっきりボールを蹴るぷり! フィールド(ここ)では全てのサッカー選手に、それが許されているぷり‼︎

 

「自分の……全てを込めて……」

 

 おう打ってこい打ってこい。

 では、すいませへぇぇ〜ん! 吹雪さんのシュート練に付き合うので予備のグローブ貸してクレメンス!

 

「……わかったわ、許可します。みんな、片側のゴールを開けてちょうだい」

 

 (話が)早いぞぉ⁉︎ やはり瞳子監督……瞳子監督のスタンスは全てを解決する……!

 では、予備のGKのユニフォームに身を包み、いざ鎌倉! くれぐれも必殺技の編成を変えるのを忘れずに、今回は【ゴッドハンド】と【冥界の門】を編成に加えましょう。【ゴッドハンド】一本だと【エターナルブリザード】に属性不利な都合上突破されやすく、ほぼ確実にこの後のイベントの進行上ロスになります。

 

 

 では、いよいよ吹雪の復活まで秒読みというところで今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

* * *

 

 

 

 ゴールの前、星崎くんが予備のグローブをはめ、感覚を確かめるかのように手を開閉させるのを半ばぼんやりとした頭で見つめる。

 

 足元のボールが怖い。これを打って、あっさりと止められることが。みんなの期待に応えられないことが。

 だけど、同時に彼の言うことの正しさも理解していた。自分はどこまで行ってもサッカープレイヤーだ。サッカーこそが自分を語る全てになる。例えそれがどんな結果を生もうとも。

 

 どんなシュートでも受け止める、全てをぶつけてきてほしい。そう彼は言った。

 全てって何だろう。今の僕にはエターナルブリザードを打てない。アツヤに託すしかない──でも、果たしてそれは全てと言えるんだろうか? 本当に、自分の全力だと胸を張って言えるんだろうか?

 

『……仕方ねえな。なら、一発目は譲ってやるよ』

「アツヤ……?」

『二発目はオレが打つ。今度こそ邪魔すんなよ』

 

 アツヤがそう言って、僕の奥へと下がっていく──待って! 僕を置いていかないで! そう言いたいのに口の中がカラカラになって声の一つも出やしない。

 そして、知らず知らずのうちに踏み出した一歩の感覚に、意識が現実に引き戻される。……あと一歩進めば、ボールが自分の脚に触れる。それに気づいて、ひくりと喉が引き攣った。

 

「……吹雪さん」

 

 目の前、ゴールの真ん中で、星崎くんはただ真っ直ぐな眼差しで僕を見つめる。僕が蹴るボールを待っている。

 どうする、どうすればいい。だって、アツヤは表に出てこない。そんな状態で、またザ・ジェネシスの時のようにシュートを打とうとして失敗したら、今度こそ僕の価値なんて。

 

「──吹雪さん!」

 

 星崎くんが大声を上げる。いつの間にか俯いていた顔を反射的に上げれば、立つ位置を変えないまま、しかし先程よりも鋭い視線を向ける星崎くんと目があった。

 

「言ったでしょう、受け止めると! どんなシュートだっていい! 一度僕を破れなかったからってなんですか、それならゴールを決められるまで何度でも打ち込めばいいでしょう!  今の僕達は何も背負っていない、ただ自分を語るためだけに立ってるんですから!」

 

 ──その言葉を聞くと同時に、ふと、背中を風に押された気がした。

 分からない。まだ僕には答えが見つからない。今の言葉の何かを否定する気持ちが湧き上がる。

 それでも……それでも、今この瞬間、このボールを僕が蹴ることを誰も否定しない。誰も失望しない。それだけは、確かな事実として胸にストンと落ちてきた。

 

「うん。……いくよ」

 

 まずは一発。……エターナルブリザードはまだ打てないけれど、それでも全力を込めたシュート。これに今の自分の悩みを、辛さを、もどかしさを、そしてまだ答えの出ない“完璧”を探し求める思いを込める────!

 

「ハァッ!」

 

 軌道は真っ直ぐに、余計なパワーを必要としない分強力なシュートがゴールに向かって突き進む。

 そして。

 

ゴッドハンド──!」

 

 円堂くんや立向居くんのそれとはまた違う、薄紫のオーラに輝くゴッドハンドが僕のシュートを危うげなく受け止めた。

 ……すごい、と。真っ先に出たのはそんな言葉だった。おかしな話だ、だってシュートを決められなかったのに。あんなにも自分に言い聞かせた“完璧”が今にも崩れ落ちようとしているのに。

 

『はっ、中々やるじゃねえか。……ほら、次はオレの番だぞ』

(……うん)

 

 二番目はアツヤが、さっきそう言っていた通りに体の主導権を譲る。あの試合の時には怖かったことが、不思議と今は怖くない。

 

「さあ、ここからが本番だぜ。吹き荒れろ……エターナルブリザード!」

 

 氷の息吹と共に、慣れ親しんだ必殺技が自分達の脚から放たれる。ゴッドハンドは確かにすごかった、でも自分達はもっと上を行けると全力の更に向こうを目指して蹴ったボールに、今までで一番の手応えを感じて──。

 

 

 

 ────視線を向けた先、ただ祈るような姿で佇む星崎くんから、圧倒的なまでのオーラが立ち昇るのが見えた。

 

「な、んだ……⁉︎」

 

 そのオーラが、堅牢な扉を形作る。それだけならエターナルブリザードに敵わない、その筈なのに何故か頭の中に警鐘が鳴り響く。

 そして、それは正しく役割を果たしていた。ただ堅牢なだけだった扉がひとりでに開く。何故? 防ぐためならわざわざ開く必要なんて──そんな疑問は、扉の内側から溢れ出る無数の腕の前に霧散した。

 

「────冥界の門

 

 星崎くんのその声と共に、一つ一つの腕が明確な意思でもってボールに襲いかかる。共闘なんてものじゃない、我先にと獲物を奪い合うかのように。……そう、扉によって隔たれた先、冥界へと引き摺り込むように。

 そうして無数の腕に掴まれたボールは、鈍い音を立てて再び亡者の腕を冥界へと押し戻した扉と共に姿を消し──気が付けば、何の力も失くした状態で、ふわりと星崎くんの手の平に収まっていた。

 

「これが……星崎萌太……!」

 

 アツヤが震える声で目の前に立ち塞がる脅威の名を呼ぶ。

 ──強い。思っていたよりも遥かに。これで本来は自分達と同じフィールドプレイヤーだなんて、さっきの試合を見ていなければ一体どうして信じられただろう。自分よりも背丈が低い彼の姿を、目の前に聳え立つ圧倒的なまでの高さの壁に幻視する。

 

「は、ハハッ……ハハハッ……!」

 

 それを前に──自然と、自分達は笑っていた。

 止められた。だから何だ。次は自分達が破る。次がダメでもまたその次がある。他でもない彼自身がそう言ったんだから。

 

 そうだ、どうしてこんな簡単なことを忘れていたんだろう。一度止められたのなら今度はそれを上回るシュートを打てばいい、ただそれだけの話だったんだ。

 それに──簡単に破れるゴールキーパーよりも、何度も立ち向かってやっと一点を取れるゴールキーパー相手の方が、ずっとずっと挑戦し甲斐がある!

 

「次だ!」

(……今度は僕の番だよ、アツヤ!)

 

 こんなにも楽しい、こんなにも熱いサッカーを独り占めなんてさせられないとばかりに、再び主導権を僕に戻す。

 

「さあ、もう一回行くよ! エターナルブリザード‼︎」

「──冥界の門

 

 さっきのアツヤに比べたらどうかなんて、そんな細かいことを一々気にしてなんていられない。だってほら、また止められている。今はとにかくこの星崎萌太というゴールキーパーから一点をもぎ取りたくて仕方がない!

 打って、止められて、また打って、また止められて。お互いに段々と体力の限界が近づいてきて、それでもまた必殺技を繰り出す。……ふと後ろに気配を感じて振り返ると、別に練習をしていたはずの雷門イレブンのみんなが揃ってこちらを見守っているのが見えた。

 

 ──そして気付く。さっきの僕が思ったこと、それが何だったのか。

 

「……ねえ、星崎くん」

「なん……です、か?」

 

 お互いに息切れした状態で、それでもお互いにシュートを打とうとするのを、ゴールを守ろうとするのをやめない。それは確かに、楽しくて、どこまでも自由な、僕達の愛するサッカーの形だけれど。

 

「さっきの君の言葉、一つだけ間違ってるよ」

 

 星崎くんはこの練習を始めた時、「今の僕達は何も背負っていない」と言った。でもそれは違うと、今の僕ならわかる。

 

「僕達はいつだって、みんなの期待を背負ってる。何も背負わないなんてことがあるわけない。時々それを重く感じることもあるけど……それはつまり、それだけみんなが僕を信じてくれているってことでもあるんだ」

 

 こんなことに気付くためだけに、随分と遠回りをしてしまったけれど。ようやく胸を張って言える結論を出せたことが、今はただ誇らしい。

 

「みんなが僕を信じて、僕もみんなを信じる。──それが、“完璧”なサッカーだ」

 

 アツヤと僕だけじゃ完成しないもの。チーム全員が揃って初めて生まれるもの。

 FWも、DFも、他のメンバーがいるからこそ自分の役割を果たせるんだ。そしてそれは、お互いを信じてこそ最大限の力を発揮できるという意味でもある。

 

『──ようやく分かったかよ、バカ兄貴』

(うん。……今まで心配かけてごめんね、アツヤ)

 

 心が砕けそうになったあの日、側に寄り添ってくれた染岡くん。試合を通して、エースストライカーとしての役割を果たすと同時にチームの仲間を信じることを教えてくれた豪炎寺くん。今日に至るまで、こんなにも不甲斐なかった自分を見守ってくれたみんな。……そして、目の前に立つ、出会ったばかりの自分のために言葉を尽くし、こうして本当の“完璧”を手に入れるのを助けてくれた星崎くん。

 みんなの気持ちに応えたい。そのためにするべきことは──もう、とっくに分かっていた。

 

「だから、見てて。僕が出した答えを──全力で受け止めて!」

「…………はい!」

 

 その答えを聞くと同時に今までずっと手放さなかったマフラーを脱ぎ捨て、神経を限りなく研ぎ澄ませる。さあ、吼えろ。爪を、牙を研げ。完璧になるということの答えを、この世界に、みんなに示すんだ!

 

ウルフレジェンド────‼︎」

冥界の門ッ‼︎」

 

 数多の爪と牙、咆哮のエネルギーを纏ったシュートがゴール目掛けて突き進む。さっきまではずっと高い位置にいた気がする星崎くんと、今、ようやく同じ目線で立っている。

 無数の腕が次々とボールに群がる。けれど、その結末はさっきまでとはまるで違った。腕に、あの扉に、次第にヒビが入っていくのが見える。

 

 ────そして。

 

「……完敗ですね」

 

 星崎くんのその言葉と共に、全てを粉々に砕いたシュートがその勢いのままゴールネットを揺らした。

 




 
 この裏で滅茶苦茶土方が差し入れした。


・ホモくん

 冥界の門(ビジュをやたらと敵寄りにしたムゲン・ザ・ハンド的な何か)というG進化技を変装なしで出会ってから数時間の仲間のために切った漢。
 実は【ウルフレジェンド】がクリったから突破されただけで普通であればギリギリ止められていた。その場合でももう吹雪は折れないしイベントは似たような感じで進むのでオッケーです!

 不動と雷門イレブンの仲の取り持ちに吹雪のメンタルケア、やることが……やることが多い……! なおそれでも豪炎寺離脱回避・染岡残留があったことでかなりの短縮になっている模様。


・不動

 相変わらずコイツちょろいな。それはそれとしてまだメンタルがよろしくないのでそろそろ何とかしてほしいところ。
 最後の吹雪見守りシーンでは一人だけ周囲から距離を置いていた。お前一番態度悪いって言われてるぞ。


・吹雪

 事前の染岡・豪炎寺によるメンタルケアがあったため、ホモくんとの会話とシュート練を経て復活するまでに至った。これでダメだったらファイアトルネード治療法が飛んできていたのは言うまでもない。
 
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ハァイ、南雲原。サッカー楽しんでる?(作者:エヴォルヴ)(原作:イナズマイレブン)

(首を横に振る)▼Oh……楽しいのに。▼これは、口を開けば胡乱な言葉しか吐かないし常に暴走して嵐竜巻ハリケーンすら楽しむような男が腐れ縁のサッカー大好き少年率いる南雲原サッカー部たちと共に進むヴィクトリーロードである。▼「雲明も頑張ってたし!俺も頑張らないと!」▼「サッカーボールしか持ってねえ……!!」▼「青春おでん食ってる場合じゃねぇ!!」▼ヴィクトリーロ…


総合評価:1987/評価:8.9/連載:26話/更新日時:2026年08月03日(月) 23:11 小説情報

これもきっと妖怪のせいに違いない(願望)(作者:R1zA)(原作:妖怪ウォッチ)

▼リハビリ作。▼最近事故で死にかけた時に見た走馬灯で妖怪ウォッチがやりたくなったので久々にやった結果、『妖怪ウォッチって改めて見るとめっちゃヤンデレ適性高いな?』と思って書いた怪文書です。▼以下あらすじ▼妖怪ウォッチ世界でケータ君に転生した人が無印から3までを死に物狂いで駆け抜けた結果、繋いだ縁でがんじがらめにされる話。▼※匿名解除しました(2025/1/1…


総合評価:10141/評価:8.93/連載:4話/更新日時:2026年08月16日(日) 02:24 小説情報

死んでもいいデスゲーム(作者:夜深夜)(原作:ソードアート・オンライン)

 今頃、リアルの身体はどうなっているのだろう。▼ 色んな線に繋がれて生かしてもらっているのかもしれないな。▼ この仮想空間の中では、どこへでも駆けて行くことができるというのに。▼ ▼ 死んだら、死ぬ。▼ 当たり前のようだがそうではない。▼ ここはゲームの世界の中。▼ ふつうのゲームは死んでも死なない。▼ しかし、その常識は覆された。▼ ▼ 死にたいわけではな…


総合評価:3668/評価:8.6/連載:14話/更新日時:2026年08月28日(金) 05:11 小説情報

ポケモン語の理解はぶっちゃけデバフ(作者:ぽこあDLCやってる人)(原作:ポケットモンスター)

転生をしたらポケモンの世界でポケモンの言葉を理解できてしまった引きこもり(ポケモントレーナーになるかも?)の話。別の作品を書いてるのですがアニポケなのでこっちはゲームベースで書きたいと思い勢いに任せました。あと途中でギャグコメになると思います。▼タグは随時追加予定です。▼基本アンケで先を決めようと思っているのでできればポチってくれると嬉しいです。他作品を書い…


総合評価:4886/評価:8.23/連載:7話/更新日時:2026年08月27日(木) 00:56 小説情報

何!?ズァークとは「もう1人のボク!」ではないのか!?(作者:辛味噌の人)(原作:遊戯王)

A.そうとも言えるしそうでもないとも言える。▼ トマトに転生したOCG次元のARC-Vミリしらオリ主が次元戦争を駆け抜けるお話。▼ 揺れるママママインドの代わりにOCG知識と遊戯王語録を詰め込んだ男はデュエルでみんなに笑顔を届けられるのか?


総合評価:6220/評価:8.56/連載:17話/更新日時:2026年08月27日(木) 01:18 小説情報


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