彼は自身の貞操を守るために日々鍛練に身を置いていた…!
そんなコメディの話
目覚ましが鳴る
目覚ましを止め寝巻きから学校の制服へと着替える。
洗面所で顔を洗い歯を研き髪の毛に申し訳程度のブラッシングをしてバッグを持って通学
久しぶりの早起きだ、今日はゆったり歩きながら飯を食おう。パンをくわえてもしゃもしゃと貪る
玄関を開けるとそこにはいつも通りの静かで、平和な日常が──
『ンハッ♥あっ、イク!イっちゃう!』
『あぁ!出る!イクぞ!中に出すからな!』
『だめぇ♥今出すと……ンアッー♥』
……無いんだよなぁ
そこらかしこから聞こえる嬌声に耳を塞ぎたくなる、と言うか耳を塞ぐ。
ゆったりなんて出来ねぇ、全速力で走るしかねぇじゃんかYO!
ここの島に引っ越してきて一年、高校二年になってもこの環境には慣れない。
この島は日本列島から少し(50㎞)離れた場所にある最大5㎞程の大きさの島だ。住民も結構居るし外とは違い自給自足の生活もできる。
どこぞの人工要塞島よろしくここも昔は要塞として作られた人工島らしいがソレらしいものを見たことはない。勿論探して、だ。
そしてここは戦争が終結した後「日本列島の総理大臣が話し合いをしようとして数ヵ月後匙を投げた」で有名な島で他の国も小さいこの島に資源があるわけがないので攻めることはしない。
つまり現在の日本列島よりも安全という理由で俺はこの島に引っ越してきたのだ。
しかし変わりに情報が入手できずここの科学力もまだガラケーをよく使っている時点でお察しだ。
だが逆に興味深いことも多く昔の歴史書等がとても多く保管されている。しかもこの島の事も残っていたりするがそれは有料だ。さすがに生活がカツカツの今無駄なことに使うことは出来ない。生活が安定すれば給料がたまって買えるかもな。
さて、現実逃避を止めてこの
学校に向かうために身につけたと言う理由が情けない俺の最高の技。
パァンッ!
俺がいなした彼女の体が
一年間、この島は俺を一年間でここまで成長させたのだ。恐怖から来る逃避は技術の進歩になり俺は世界最高の技術を手に入れた
一瞬
「くぅ!いつも通り激しいわぁ…興奮するほどにねぇ!」
「悪いが俺は簡単には食われんぞ」
彼女は直ぐに立ちあがり俺を追い詰めようとする。俺は自慢のジャンプ力と空間認識能力を使って背面の二メートル程のコンクリート壁をのぼり屋根を使って逃げる。
そうだ、彼女は重度のドMだった。彼女は苦痛を餌に生きている人種だ、相手するだけ無駄
屋根の上ならしばらく追っ手は…
「うふふ…来たわね
「勘弁してくれ委員長、俺は闘争の無い世界で平穏に生きたいんだ」
しばらく学校に向かっている最中同じ屋根の上に仁王立ちして待ち伏せをしていた委員長
彼女は、いや……彼女達はかなりの肉食で
真正面から逝くな、逃げるのがこの島で生きるのに必要なのだ。
申し遅れた、俺の名前は
勘のいい君たちなら分かるとうりここは転生した後の世界だ。君たちの世界にこんなエロゲみたいな島があるわけがないだろう?いやあったらあったで怖いけどな。
ここはランダム転生世界で引き当てた世界だ。こんな世界で生活することになったのは本当に運がなかった。
だけどその代わり特典が豪華だったよ。
『身体能力限界突破』文字通り身体能力を鍛えると引っ掛かるであろう肉体の限界が無い。アニメの技すら鍛えれば使えるようになるかもしれない
『早熟』鍛えるとその二倍経験値が溜まる。技術なら経験値二倍だが雑な動きだと肉体のレベルも上がらない扱いづらいスキルだ。
『高速化』その名の通り思考や動体視力がずば抜けて早くなる。どんな超一流の手品師の早業も見切ってしまうほどに活性化するスキルだ。
この無敵の能力を手に入れられた事で舞い上がっていた当時の俺は中学二年生、アイタタタで有名な年頃の頃だった。
最初は猛特訓したさ、大人なんて技を使わなくても吹っ飛ばせるほどには強くなった。
だがこの世界は俺の知っていた世界よりも危険だったのだ。
激化するレジスタンス、国内での反発が多く日本は世界の全面戦争に巻き込まれようとしていた。
アメリカは血の気が多く直ぐに挑発する、あのままなら核戦争も机上の理論では終らないだろう。他の国は比較的温厚だが日本ほどじゃない。
全ての国の頭が血に餓えており体が争いを求めているのだ。国民はそれに引っ張られどこかの世界よろしく「企業だけで国を解体、しよう!」なんて事も考えられている。
医療だけが発達したこの世界で死者は幸い居ないがそれでも死者が出るのは時間の問題だ。いくら科学が発達して生体部品を使った義手や義足があろうがそれは部品の話だ。
頭を潰されれば、撃たれれば、心臓が止まれば、血液が頭に行かなければ、それだけで人は直ぐに死ぬのだ。それを奴らは何故理解しない?
だから俺は詳細不明でもいい、平和を求めどこかの殺人鬼よろしく「植物の心のような平穏」を探してこの島に行き着いた。
ここも医療が発達している。特に“産婦人科”に注目されておりピルが有名だ。
俺はその時、平和なら何でもいいと考えていた。その先に待ち受けている苦労を知らずに、ね…
「おう名雲、今日もギリギリだな。いい加減お前も諦めてセックスしてやったらどうだ?」
「冗談は寝ていってください」
やっぱり引っ越してくるんじゃなかった
走る、走る
時に車顔負けの速度で走る
時にオフロードバイク顔負けの速度で坂を上る
時に柔道の超一流程の動きで相手をいなす
横に跳び、さらに避けて、いなして転ばす。
初日からこれだ、彼は来たことを後悔した
最初いなしまでに五秒はかかった。さらに登校するまでにかかった時間は約一時間。初日から遅刻をして怒られた事も踏まえて彼は独自の技を編み出すことにした。
相手を引き寄せ、構えていなす
この動作もまた五秒かかったがそれでも『技』であり彼のスキル「早熟」が発動した。肉食系女子達は童貞の彼を狙い続けその数を増やしていった。
彼は五秒、また五秒と肉食系女子達をいなし続け有り余った体力を消耗させた
彼が登校までに使った時間は約二時間
かなりの時間を費やした彼は翌日はもっと早くなるだろうと早起きを目指し就寝した。
次の日にはやはり一時間になっていた。
がしかし急激に技のレベルアップが途絶えたのだ。次の日も次の日も何十人もいなしても技レベルが上がらないのだ。
彼はここらがこの「技術」の限界かと諦めかけた。限界突破は肉体限りで技術には恩地が与えられない。限界なのだと諦めかけた
しかし彼は特訓をやめなかった。たとえ遅刻しようとも食われるよりはマシだと技術に研きを掛けて肉体レベルを成長させていった。
服の上からは分からないが彼の肉体はどんどん引き締まりまるでではなく本当に鋼のような筋肉になっていた。
特訓を続けて半年した頃、彼はふと気付いた
登校しても遅刻ギリギリになっていないことに
技術は磨かれついに頂点へと到達したのだ。通算一年と二ヶ月、彼は成し遂げたのだ
彼のいなしは相手を傷つけることなくいなして地面へと転ばせる
その動作はついに
パァンッ!
音を、置き去りにした