この素晴らしい世界にApo組を!(一部のみ) 作:食卓の英雄
一ヶ月近く更新せずにすみませんでした!
この一ヶ月は基本FGOしてました…。せっかく霊脈石あるんだしね?あとクリスマスイベントのBOX回収が…。
やっとアトランティスクリア出来た。
オリュンポス途中ですか一言。
無限ループって怖くね?
「そういえばジークくんって魔法は何を覚えてるの?」
「あ、そういえば聞いてませんでしたね」
クエストを受けて暫く、目的地へ向かっているとリーンが聞いてきた。ジークはそういえば話していなかった、と思い、懐の冒険者カードを見る。
「俺は…初級魔法と中級魔法、それと炸裂魔法だな」
「へー、上級魔法はとってないんだ……炸裂魔法?」
「ああ、上級魔法は扱いが難しいと言われてな。取り敢えずは中級魔法で慣れてからの方がいいと思ったんだ」
「炸裂魔法ですか!?」
カードに書いてあるとおりに言うと何故かゆんゆんが食いついてきた。それは問い詰める様な表情ではなく、かなりの驚きを含んでいた
「あ、ああ。知り合いのリッチー…」
「リッチー?」
「いや、リ、リッチなアークウィザードに教えてもらったんだ。この炸裂魔法は爆発系魔法だけあって高威力な割には消費魔力も少なく、使える機会も多いらしいから覚えてみたんだ」
「ふぅ〜ん、リッチなアークウィザードかぁ…。やっぱし上級職は稼げるんだねぇ……」
「……え、あれ、何か思ってたのと違う。炸裂魔法使いって普通はもっと珍しいと思うんだけど…。ここ初心者の街だし…」
ゆんゆんは自分の思う反応との違いに戸惑っており、そんなゆんゆんを見てリーンはあはは…と苦笑し、
「ほら、最近毎日の様に爆裂魔法を使うウィザードがいるからね。感覚がマヒしちゃったのかな〜、なんて」
その原因は紛れもなく自分のよく知る人物な訳で……
「すみません!めぐみんがすみません!」
実に見事な礼だった。とだけ言っておく。
◇◆◇◆◇◆◇
「ここが例の森か」
「はい、確かにここです。木の上のスライムや茂みに隠れているモンスターに注意しましょう」
目の前には深く広い森、木々が生い茂って少し暗い。
ここはゆんゆんが以前に来たことがある森らしく、対策もしてあるとのこと。
何故こんなところに来ているかと言うと、ここが依頼の場所だからだ。
ジーク達がこの世界に来る以前の話だが、最近ここにはかなりの力を持った上級悪魔がいた。そいつは既に退治されたとはいえ、あれ程の力を持つ存在というのは少なからず影響がある。だから、今現在の森の様子を調査するというのが今回受けた依頼の内容である。
「でも調査ってどこまでやればいいんだろ。ゆんゆんさん分かる?」
「あっ…」
「えっ」
問われたゆんゆんはピタリと沈黙し、口をパクパクと開閉させ、目が忙しなく動き出す。誰が見ても分かるほど狼狽していた。
ここでその反応を見せるということは即ち依頼を受けたゆんゆんすらも把握していないと言う事であり…
「「「………」」」
これは不味いんじゃないか?皆がそのような雰囲気を醸し出したところでゆんゆんがハッと何かに気づいた様に自らの荷物を探り出す。
隙間に何やらチェス盤のような物が見えたが何に使うつもりなのだろうか。
「あった!ありましたよ!」
取り出したのは一冊のノート。表紙はピンクで可愛らしい見た目そこには堂々と『友達会話ノート』と書かれていた。
「これに確か書いてたんですよ。お、お友達とのお話を忘れない様にするためでしたが偶々書いてたんです!」
パラパラとめくるとびっしりと会話が写し取られており、正直この努力を他の方向に向けた方がいいと思う。
中にはどう見てもたかっているようにしか見えないものや、詐欺の常套手段等の会話すらも記録されていたが気づいていない様だ。
「「あぁ…うん。ありがとう」」
「え!?ちょ、なんでそんな可哀想なものを見る目を向けるんですか!?」
涙目で訴えるゆんゆんだが、実際にそうなのだから擁護のしようもない。
―――――…
「『ブレード・オブ・ウィンド』!」
「『エナジーイグニッション』!」
薄暗い森の中、吹き荒れる風の刃と内部から焼き尽くす蒼い炎がコボルドの身を骸へと変える。
「これで最後か。『ライトニング』」
その雷撃により、最後に残ったコボルドも撃破し、戦闘を終えた一行は少し離れた場所で小休憩をとる。
「やっぱりゆんゆんさんの魔法は強力だね。私なんかとは全然違うや」
「いえいえいえいえ!リーンさんこそ対処の仕方が私よりも上手で、私は冒険者としてはまだまだだなって思いました!」
「えへへ、ありがと。でも私だってまだ新人だからね。すぐにゆんゆんさんの方が上手くなるよ」
「あ、ああありがとうございます…」
お互いに褒め合い、何だか気恥ずかしくなり会話が途切れた。
そこへガサッと茂みで何かが音をたてる。二人は即座に警戒するが、出てきたのは付近の警戒を終えたジークであり、肩の力を抜く。
「大丈夫だ。少なくともこの辺りにはいない。だが俺が見落としているだけかもしれないので念の為に気は抜かない方が良いだろう」
「ジークくん。せめて何か一言言ってから来てよね。モンスターかと思ったじゃんか」
「悪い。配慮が足りなかったか」
ジークもその場に腰を下ろし、ゆんゆんの持ってきた紅茶を頂く。ユグドミレニアのものと比べるとやや劣るが、それでも市販のものとしては中々良い品質のものを使っているらしい。
「それにしても、ジークさんも魔法に慣れてきましたね」
ほう、と息を吐きゆんゆんが一言。それにカップを置いて返す。
「ああ、やはり話に聞くのと実際に見るのとでは大分違うな。ありがとうゆんゆん。俺なんかに時間を使ってくれて」
「い、いえそんな。私もヒマでしたし…誘ってくれて嬉しかったです。私って人見知りで…今回誘うのも断られたらどうしようって思ってて…。こんなことができるなんてえへへ…ちょっと、嬉しいです」
そう言って、ゆんゆんは上機嫌に紅茶を注ぎ、リーンは普段味わえない紅茶を堪能する。そんな彼女たちの何気ない事でも新鮮味を感じるのはここが異世界だからか、それとも…
「さて、では休憩ももう十分だろう。そろそろ依頼を続けよう」
重い腰を上げ剣を腰に下げ、声をかけると、異論は無いのか二人とも直ぐに立ち上がる。
暫く探索するが、これといって異常は見当たらない。モンスターには襲われるが十分に対処可能であり、またこの森に生息が確認されているものばかりだ。
そろそろ帰ってもいいだろうと判断し、探索を打ち切る。
「いやー、前衛がいなくても案外何とかなるもんだね。これもゆんゆんさんが率先して倒してくれるからよね」
「ああ、そうだな。近接戦がウィザードは不得手だと聞いていたが、そうとは思えないほどの戦い振りだった」
手放しに称賛する二人に恥ずかしくなるが、自分だけ言われてばかりではいられないと、こちらも言い返す。
「い、いえ、それを言うならリーンさんだって。魔法で木を切って足止めと撃退を同時にするなんて考えもしませんでした!」
「いや…あれはダストにやったのがたまたま使えただけというか……」
リーンも褒められるが、その発想の元が元だけに素直に喜べない。
「ジ、ジークさんも的確に炸裂魔法を使えていたじゃないですか!」
「あれは君の教え方が良かったからだ。俺は指示に従っただけに過ぎない」
自爆。コイツに振ったのが間違いだった。無駄に素直に返す為に問いかけた方が恥ずかしくなる始末。
結局ゆんゆんの望み通りにはならず、顔を羞恥に震わせ俯き加減の姿勢になるのであった。
「おや、カワイイな。初めて見たが、あれは兎だろう?角が生えているが…あれもモンスターか?」
「あ、本当だ。すごいこっち見てるね。私野菜スティック持ってるしあげようかな?」
茂みの影より現れたのは一本の角がはえた可愛らしい兎。その兎は赤く円な目で首を傾げている。
その愛らしい仕草に、ジークとリーンは警戒心を緩め、リーンに至っては野菜スティックを上げる為に手招きをしている。
「ほら、ゆんゆんさんも見なよ。かわいいよ〜?」
その言葉に現実に引き戻されたゆんゆんはリーンの指す方向を見て顔を綻ばせ…その直後に血の気が失せる。
「リーンさんっ!危ないっ!!」
その切羽詰まった声にいち早く反応したジークは、しゃがんでいる彼女の首根っこを掴み、こちらに素早く引き寄せる。
その直後
バスッ!
鈍い音を立てて木屑が舞う。見ればさっきの兎が角を木に深く突き刺していた。角は根本まで刺さっているらしく抜け出せないのか、足は宙をかく。
「イテテ…ちょっと!急に何を…」
するの……そう続く筈の言葉は打ち切られ、被害を見たリーンの顔はみるみるうちに青褪めていく。
「そ、それは一撃ウサギって言うモンスターで、その見た目から油断したところを額の角でグサッといくギルドでも指定されされていた危険な肉食のモンスターで十匹位の群れをつくっています。…以前私も見た目に騙されて酷い目に合いました…」
ゆんゆんの解説が終わった直後、またもや茂みからガサガサと音がする。
音を立てないように覗き込むと、そこには穴だらけになって死んでいる一撃熊の群れと、それに群がり死肉を貪り喰らう一撃ウサギ達。その数はパッと見ただけでも百はいるだろう。
見た目は愛らしい真っ白なウサギが血に濡れながらミチミチと音を立てて肉を咀嚼する姿は軽くトラウマもの。
(……多くないか?十匹の群れではなかったのか?)
(し、知りませんよこんな数!?こんなに群れるなんて聞いたことありません!)
あまりの光景に言葉を失う三人。そういう事に慣れていたジークと耐性のあったゆんゆんは兎も角、これを見たリーンは思わず後ずさりしてしまい枝を踏み折ってしまった。!ギョロリ、食事をしていた彼らの目がこちらに向けられる。
「ご、ごめん」
そうしている間にも一撃ウサギ達はこちらに狙いを定めており…
ギンッ!
「逃げるぞ!」
第一陣が雨あられの様に飛来するのを捌きながら固まっている二人に指示を出した。
―――――…
「はあっ、はあっ…『カースド・ライトニング』!!…っ全然減らないっ!」
「『ライトニング』!……は、走りながら詠唱するのキッツい…!『ブレード・オブ・ウィンド』!」
逃げる、逃げる、寄られたら一貫の終わり。鎧すら貫くその角は魔法職かつ軽装の彼女たちには文字通り一撃で命取りとなるだろう。
迎撃はしているが数が数、焼け石に水もいいとこだ。近づいてきたものはジークが斬っている為に未だに傷こそないものの、延々と湧いてくる一撃ウサギは勢いを止めることは無い。
いくらジークでも一度に捌くことのできる数は限られている。ましてや今のジークの身はホムンクルス。彼とて疲労は蓄積するし、当たったらタダでは済まないのだ。
「ど、どんだけいるのよ!?」
「もう体力が…!」
一撃ウサギは一向に減る気配を見せず、その様子は中々に心に来るものがある。ジークはまだ大丈夫だが生粋の魔法職である彼女らは既に体力が尽きかけている。この状態では追いつかれるのも時間の問題だ。
「すまない、あと少しだけ耐えてくれ!そうすれば打開できる筈だ!」
「本当ですか!?」
「ああそうだ!だから今は走ってくれ!」
それはきっと嘘ではない。短い付き合いとはいえそんな嘘を言うようには見えない。
そして瞳は澄んでいる。
これは何かを信じる人の目だ。
そんな人物がこうまで信頼しているのだからきっと本当なのだろう。口に出さずとも二人には分かった。
「分かった!でも限界もあるからね!」
「が、頑張ってみます!」
それを信じ、ペースをあげる。追いつかれまいと必死に逃げる。続々と出てくる一撃ウサギを跳ね除けながら走り続けると、とうとう木々が途切れる。どうやら森の出たようだ。
森を抜け出せたことに安堵した二人だが、直ぐ様逃げ出そうと前を向くと――
「ウソ……何でこんなところに…」
「リーンさん下がって!」
「
――それは、曲がった嘴を持ち、確かな知性を感じさせる黄金の瞳の大鷹。しかし通常の鷲と違うのは大きさだけではない。人間如き簡単に引裂けそうな鋭い鉤爪、そして下半身には獣の肢体。
現れたそれは、ただ静かにこちらを見下ろしていた。
一撃ウサギって怖くね?
リゼロの大兎感すごい…。実際容姿とかほぼクリソツだし。
クリスマスなので一時間後にもう一本出します。はい