この素晴らしい世界にApo組を!(一部のみ)   作:食卓の英雄

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あけましておめでとうございます!
新年初の投稿でーす!

オリュンポスクリア!
感想を纏めると
キリシュタリア…お"ま"え"どい"っ"じょ"に"だびを"じだがっ"だ!!
カイニス…即オチ神霊とか言ってごめん…。お前こそ神霊だよ…。
マカリオスー!アデーレー!昨日と違う明日を見せたかった!
ペペさんスゲー!サイコー!カドックゥゥ!
リンボ、ベリル…。てめぇ等絶対許さねえ!
最後の礼装でもう……。



報酬金と魔王軍幹部?

「――なるほど、んー、まあそりゃあ確かに異常だな」

 

 早朝、ジークは彼の住まいである共同墓地を訪れていた。

 理由は勿論、先日感じた違和感―宝具使用時の魔力―について話していた。

 

「これは天草四郎には伝えたのか?」

「いや、まだだが…伝えた方が良かったか?」

 

 獅子刧は、んー、と唸り述べる。

 

「いや、別に必ずって程じゃあ無いんだが、最近の魔術についてならともかく、純粋な魔術なら向こうのアサシン。サーヴァントについてなら60年調べ尽くし、実際に大聖杯にまで触れたヤツだ。アイツに分からんなら、それこそあのシステムを構築したマキリやアインツベルン、トーサカにでも分からんだろうさ」

 

 それは獅子刧では分からないと言う事のようにも聞こえて、少し落ち込み、そして本場の魔術師(獅子刧は魔術使いだが)にすらそう評価される程の天草四郎の執念に思いを馳せる。

 

「そう、か。すまない。邪魔をした」

「悪いな。詫びといっちゃなんだがこれをやろう」

 

 渡されたのは青い宝石をあしらったペンダント。中々魔力も籠もっている。

 

「これは…」

「魔力よけのアミュレット。サーヴァント相手じゃ気休めにもならんがここじゃそれなりに通じそうだからな。お前さん、セイバーになれないんじゃ魔術対策ができてねえだろ」

 

 手渡されたそれの質量を確かめる様に強く握りしめ、懐に仕舞う。

 

「ああ、ありがとう。大切に使わせてもらう」

「なんだそりゃ…身につけとくだけでいいんだからな?ああ、ついでにコレもだ。片方は天草四郎に届けてくれ」

 

 それは骨で造られた書見台のようなものとそれに付属したアームのようなもののセットだった。

 

(これは…zeroで遠坂時臣が使っていたアレと似ている…という事は)

「これはだな―「連絡用の限定礼装。だろう?」…なんだ、知ってるのなら話は早い。こっちじゃ便利な電子機器が使い物にならんからな。直接言うほどでもない事や伝言にも使える」

 

 二セット渡されたが、獅子刧の手にあるソレを見つめ、受け取るのを躊躇する。それは彼の魔術特性と、それを構築する材料からだった。

 怪訝に思った獅子刧はジークの何とも言えないような表情を見て納得する。

 

「ああ、これは近くにいた吸血鬼の骨だから心配するな」

「吸血鬼…というと黒のランサーか死徒の様な?」

 

 霊体化していたジークフリートが口を出す。突然現れた巨躰に眉を上げるが、それだけだ。

 

「何だ、いたのか?吸血鬼っつってもこの世界のだな。向こうの死徒程化け物じみては無かったがな。オレの自慢のサーヴァント様に掛かればあっという間って訳だ。こっちは堂々と魔性の者がいるからな!人間よりも良質な上に人の死体なんぞよりよっぽど手に入りやすい。死霊術師としてはやりやすいったらありゃしないぜ」

 

 そう言ってニヒルに笑う彼は成るほど、魔術使いに向いている。

 

「ありがとう。ではまた」

「またな」

 

 地下を出ると、堂々と寝そべっていたタイガー号が寄ってくる。ポケットの中のものがお目当てらしい。

 

「これはクコの実というのだが…食べたいのか?」

 

 クコの実を差し出すと直ぐに平らげてしまった。しかしこれだけでは足りないらしい。

 

「すまない、俺はこれ以上持っていないのだ。次に訪れるときに用意しておく」

 

 獣に人の言葉は分からない。だがこいつは目を閉じて、元の位置に座り直した。きっと伝わっているのだろう。そう信じてアクセルの街へと帰って行った。

 

 

――――――…

 

 

「ええ、勿論知っていますが」

「本当か!」

 

 協会前の広場、そこに天草はいた。

 天草四郎はいち早くこれに気づいており、独自に検証してみたという。

 

「はい、異常というものでも無い。サーヴァントにとっては、まあ一般的な事ですよ」

 

 まずそのサーヴァントという存在自体が一般的なことでなく超常の者なのだが、そこは一旦無視する。

 

「ホムンクルスのあなたも知っているでしょう。事の原因は『魂喰い』、あるいはそれに限りなく近しいものです」

「それ、は…」

 

 浮かぶ情景、濃霧に潜む悲しき幼い殺人鬼。

 言い淀むジークを尻目に淡々と語る。

 

「聖杯戦争において、英霊の魔力は基本的にマスターより供給されるが、中には人の魂を喰うことで満たす者も存在する。……ですが、今回に至っては貴方の心配するような事はありません」

「何?」

 

 堂々と言い切るからには根拠がある筈だ。それを問うと懐から名刺程の大きさのカードを取り出した。

 それはジークも所持している冒険者カード。

 天草は冒険者カードの討伐欄を指し、「思い出して見なさい」という。

 

 カードを貰った時、冒険者カードの説明では、身分証明にもなる。レベルが上がると強くなる。ポイントを使ってスキルという異能を習得できる。そしてレベル上げの為の経験値は生き物の魂を何らかの形で吸収しているということ…。

 

「あ」

「はい、今考えている事こそがそのままの答えでしょう。この世界では殺害、捕食により魂の一部を自動的に自らの肉体に蓄積させている。そうして吸収された魂の一部を使用している。と、そういう事です」

 

 確かに…これなら効率は落ちるがその分ただの人間よりも質のいい上に量もあるため気にならない。冬木のキャスターの様に死なないように絞り取る必要もないのだ。

 

「つまり、無害で益のあるものだと?」

「ええ、今の所害らしい害は無いので、そう気に留める程も無いでしょう」

 

 連絡用礼装を受け取った天草四郎はギルドへ足を進める。

 

「どこへ行く気だ」

「先日の報酬が出るのでしょう?あまり混まない内に貰っておこうかと思っただけだ」

 

 報酬といえば…あのキャベツか。確かに、大勢参加していた為、少々時間も掛かりそうだ。

 部屋に残っているライダーとバーサーカーにも念話で伝え、ギルドで集合とする。

 

 そうして気を抜いた直後、背後から液体が滴り落ちる。

 

「っ!」

「…はあ…はぁ…はっ!」

 

 咄嗟に地に転がり回避することが出来た。先程まで立っていた場所の石の道が融けている。もしも触れていたかと思うとゾッとする。

 そしてその下手人、赤のアサシン(セミラミス)は納得したような顔で佇んでいる。

 そこへ霊体化していたジークフリートが庇うように俺の前に立つ。

 

「何のつもりだ、アサシン」

 

 ジークフリートの剣呑な視線は生半可な幻想種ですら襲うのを躊躇う程だったが、相対する相手も只者ではない。

 その視線すらそよ風の如く流し告げた。

 

「そう睨むな、今のは試しただけよ。先の反応速度、うむ。ホムンクルス、貴様はあの時の様な一時的な強化ではなく、恒常的にその力を発揮出来るとな…。これも竜種の恩恵か?」

 

 天草を見るが、首を竦め目を閉じる。どうやらこれはアサシンの独断らしい。

 

「試したのは分かった。だがこういうのは止めてくれ。今度からは一言告げてから行ってくれ」

「は?」

 

 何処かズレた指摘をするジークに思わず声が漏れる。

 これにはジークフリートも天草四郎も同感のようで、目を丸くする。

 

「フ、フフフ、フハハハハハ。ふん、此度は我の気まぐれだが、中々面白い事を聞けた。我がマスター同様、貴様もおかしな性質をしているものだ。そうだな……愉快な事を聞けた褒美と先の謝罪代わりに、これでもくれよう」

 

 投げ渡されたのは小瓶に詰まった液体。

 

「これは…?」

「かの大英雄すら死に至らしめたヒュドラの毒。その劣化品よ。売るなり使うなり好きにするがいい。所詮は本物に及ばない物故な」

 

 そう言い残すと霊体化し、気配も感じられなくなった。それと同時に、何か空間の違和感が消えた。どうやら認識阻害の結界を張っていたらしい。解除するまで気づかれないとは恐るべき魔術の腕だ。

 

「セミラミスがすみません。……さて、ギルドに向かいますか」

 

 そう締めくくられ、共にギルドに向かうことになった。

 

 

――――…

 

「はい、こちらが賞金になります」

 

 あれから少し後、無事混みいる前に賞金を受け取る事が出来た。

 

 俺が40万、フランとアストルフォが53万ずつ。ジークフリートは100万だ。

 どうやらキャベツに混ざっていたレタスはキャベツより遥かに安いらしい。そして俺が捕まえていたのはキャベツとレタスが6対4だった。

 

「よお、稼いでるか?」

 

 ギルド併設の酒場で待っていると獅子刧界離が話しかけてきた。

 

「ああ、稼がせて貰っている。仕事とはこんなに楽しいのだな」

「…それは少し違うと思う」

 

 ジークフリートはそう呟いたが、ジークの耳には入っていない。

 

「それで、どれ位だ?」 

 

 素直に計246万エリスだと告げる。

 

「何だ、お前さんらにしては低い気もするが…まあ、キャベツだしな」

 

 ジークフリートとフランケンシュタインは取りこぼしたものや他の冒険者の手助けをメインに行い、アストルフォは途中からキャベツで遊んでいた為、この位で済んでいた。

 

「おや、モードレッドの姿が無いが…」

「あいつは外に行ってるよ。何でも魔王軍の幹部とやらを倒しに行くとかでな。もらい次第直ぐに出てっちまったよ」

 

 魔王軍の幹部…。確か少し前から噂されていて、郊外の廃城にいるというやつか。モードレッドなら心配はいらないだろうが…。

 果たしてどのようなモンスターなのだろう…。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「よっと、…あそこが魔王軍幹部がいる城か」

 

 獅子刧達の会話から暫くして、モードレッドは遠くに見える廃城を眺めていた。

 何を隠そう、その城こそ魔王軍幹部の住まいし城。実はもう一つ廃城はあったのだがモードレッドはこちらにいると踏んでいた。直感スキルとは便利なものである。

 

「へっへっへ、どこのどいつだか知らねえが報酬金はオレのモンだ」

 

 表情、笑い方、内容、三つ全てが盗賊の物言いだが、構図だけは凶悪な魔王軍幹部に独りで挑む勇敢な騎士なのだから笑えない。

 

「うし、あと1キロ位か。そうだな…この辺でちっとだけ休むか。『騎士たるもの、剣の手入れは我が魂の研鑽と思え』か。お固い奴だったが、忠誠心だけは本物だったな。……アッくん。……プッ」

 

 苦手だった騎士に思いを馳せるも、fgoユーザーのあだ名が何とも痛快で思わず吹き出してしまった。

 

「フ、フフ…!ハッハッハッハッハッハ!あー!腹いてえ!アッくん…。あいつがアッくんなんてタマかよ!クフフ!……ふー、笑った笑った!んじゃ、そろそろカチコミだ!」

 

 よいしょと身を起こし、丘の上の廃城へと向かっていった。

 

―――…

 

「へえ、近くで見ると中々デケェ城だな。ま、キャメロットと比べればORTと元5位、ゼルレッチとウェイバーだな!」

 

 今さり気なく時計塔のカリスマ☆プロフェッサーが貶められたが気にしない。

 

「へーえ?下からも気配がするな…。成るほど、徐々に攻め込むってことか。ゲームみたいで分かりやすくていい。…へっ、首でも洗って待ってやがれ!この俺がTAS以上の速度でクリアしてやるぜ!!」

「んじゃ行くッ!?チッ!」

 

 今まさに突撃しようとした瞬間、直感スキルが警鐘を鳴らした。それは英霊ですらキズを負う程の魔力の高まり。

 廃城を中心に大規模な魔法陣が出現する。

 既に加速し始めていたモードレッドは急には止まれず、また止まったとしてもその何かに巻き込まれるのは分かりきっていた。

 もはや一刻の猶予もない。仕方が無いためこのまま突っ切った。

 

 そしてそれは発現する。

 一筋の閃光が走る。鼓膜に損害を与える爆音が轟く。廃城は衝撃波と共に爆裂した。

 

 そして、崖の淵に立っていたモードレッド。崖の端で何とか止まれていたが、これ程の爆発ともなればその土地も無事では済まず…。

 

 ガラッ

 

「あ?…ヌオオオォォォッ!!」

 

 当然、先端部分は脆いためモードレッド共々崩れ落ちた。

 

(チッ…どうする?今からでも丘の上にはいけるが…)

 

 落下しながらも、冷静な考えは止めない。しかし脳裏に浮かぶのは先程の一撃。見てからでも十分に避けられる速度ではあるが、それでも範囲といい厄介だ。

 

(先に術者を潰す!)

 

 当然、あれ程の魔力。発生源が分からないはずも無く、場所は見据えている。

 

「ドラァッ!!」

 

 落ちる岩を足場とし、赤雷纏いし音速の砲弾が射出された。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「『エクスプロージョン』ッッッ!」

「おお…やっぱり爆裂魔法はすげぇな…。……威力だけは

 

 魔王軍幹部のせいで簡単なクエストが無くなってしまい、やることも無くなった俺は、めぐみんの日課、一日一爆裂に付き合う為にアクセルの街から離れていた。

 

 そして丁度良さそうな廃城を見つけて爆裂魔法を放ったのだ。

 めぐみんは全魔力を使い果たした為倒れ伏し、それの回収係が俺だ。

 

「よし、帰るか。ほら、おぶさってやるからもうちょっと姿勢何とかしろ」

「いえ、無理です。指一本動きません。全魔力を使ったんですよ?」

 

 さも当然の様に語るめぐみんに一瞬置いていこうかと考えたが、止めた。付き合うと言ったのは俺だ。

 めぐみんを背負い、さあ帰ろうかとした途端、めぐみんが何かを見つけた。

 

「あれ、カズマ。赤い光がこっちに向かって――」

「ん?何だア――」

 

 言い切る前に、凶星は墜ちる。

 轟音と共に堕ちたそれは木々を枯らし、地を抉り、途轍もない衝撃波を生み出した。

 

「――レ」

 

 先程の轟音とは全くの逆、静寂が訪れた。

 砂煙の立ち込める中、目の前に人影が浮かぶ。が、めぐみんでは無い。めぐみんは俺が背負っているのだ。そして何より、殺意というものが明確に感じられる。素人だがはっきりと分かる。

 

 徐々に砂煙は晴れ、姿が見える。

 

――赤い意匠をあしらった白銀の鎧、貌の見えないフルフェイスの兜からは悪魔の様な角が生えている。体から放出される赤い稲妻がより一層迫力に拍車をかける。そして伸びている剣は俺の首の前、紙一枚程の隙間もない場所で止められている。

 

 肌が粟立つ。全身の毛穴という毛穴から汗が噴き出す。ビリビリと形の無い電撃が走る。寒い。俺の生存本能が全力で訴えかける。それと同時に本能で理解する。

 

(これが……魔王軍幹部…!)

 

――これは戦ってはいけないものだと。

 

(そりゃあ、チート持ちでも一向に魔王が倒せない訳だ。生物としての格が違う)

 

 もはや背中のめぐみんの事を気にかける余裕など無い。

 

(あ、死んだわ)

 

 ただ淡々と、自らが死にゆく事だけを理解した。

 

「あ?何だ、テメェ等かよ」

 

―――その声が聞こえるまでは。

 

 今まで掛かっていた殺意は靄のように消え失せ、聞こえた声には大変聞き覚えがあり…。

 

 ガションガションガションッ!

 

 平常時であれば目を輝かせ興奮する様なカッコイイギミックが働き、その素顔が目に入る。

 

「モ、モードレッドさん…?」

「おう、モードレッドだ。お前ら、こんなとこで何やってんだ?」

 

 舌が乾いてうまく喋れない。それをどう解釈したのか、背負っているめぐみんを見てしたり顔で頷く。

 

「ハハァーン、お前らもあの城をやろうって算段か。そこのソイツがさっきの魔術、いや魔法の使い手だろ?…そこに俺が入り込んだって事か…」

 

 納得したように頷くと、訝しんだように尋ねてくる。

 

「おい、サトウカズマ。どうして立たない?」

「………腰が抜けた」

 

「「「………」」」

 

 情けない一言にモードレッドが同情の目で見てきた。

 お、俺だって抜かしたくて抜かしたわけじゃないわい!




幹部と間違えられるモードレッドw
実際相対するのってヤバいと思うの。
いつ死んでもいいような覚悟ガンギマリの戦闘、戦場慣れしてるやつですら恐怖に怯えて泣きわめくしか出来ないケースだってあるんだぜ?
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