この素晴らしい世界にApo組を!(一部のみ) 作:食卓の英雄
あとなんか評価バーに色ついてた…。何で?
つい最近このファン始めました。
友人に誘われてやり始めたんだけど、その友人はストーリーとかエピソードとか全部見ないのがちょっと悲しい。ヤツもこのすば、Fate好きの貴重な仲間なのに…
「朝早くにすみません、突然で悪いのですがドラゴンの買取価格というのはいくら位が相場なのでしょうか」
「はあ、ドラゴンの買取価格ですか?そうですね、種類や状態にもよりますけど傷がついていてもかなりの価格ですからね。それに、ドラゴンの肉は経験値も豊富ですからね。欲しがる冒険者も数多くいますし、貴族の方々の御用達ですよ」
・・・
「ここで一番大きな荷台を借りたい?そりゃこっちとしては儲かるからいいけど、高いぞ?五十万は下らないんだが……」
「ここに、確かめてください」
「おぉ……持ってんのかい、毎度あり。いやぁ、お金持ちだねお兄さん。そんで、一体何を運ぶ気なんだい?」
「そうですね。ドラゴン…といったらどう思います?」
「あっはっはこの辺にゃそんなのは滅多に出ないよ。もっと人里離れた鉱山とかを探すんだね。まあいいさ、教えたくないんならそれでいいのさ。さっきのはちょっとした好奇心ってやつだ、お詫びと言ってはなんだが、少し割引してやるよ」
「それはそれは、ありがとうございます」
「裏手にあるからちょいと待っててくれ」
◇◆◇◆◇◆◇
『緊急クエスト! 緊急クエスト! 街の中にいる冒険者の各員は、至急冒険者ギルドに集まってください! 繰り返します。街の中にいる冒険者の各員は、至急冒険者ギルドに集まってください!』
それは二人の「冒険者」の交流から翌日、街中でアナウンスが響く。
「何だ何だ?強力な魔獣…いや、モンスターだったか。そいつでも攻めてきたのか?」
突然鳴り響いた大音量の警告に、獅子刧達はギルドへ向かう足を早める。街には人が出歩いているわけではなく、何処かもの寂しく感じさせる。途中、ジーク達とも合流したが彼らもよく理解できていない様だ。
「分からない。だが緊急というからには急いだ方がいいだろう」
何やらギルドには既に冒険者が集まっているようで皆が拡声器の様な魔道具を持つ職員―ルナ―に視線を注いでいる。
「皆さん、突然のお呼び出しすいません!もうすでに気づいてる方もいるとは思いますが、キャベツです!今年もキャベツの収穫時期がやって参りました!今年のキャベツは出来が良く、一玉の収穫につき一万エリスです!すでに街中の住民は家に避難して頂いております。では皆さん、できるだけ多くのキャベツを捕まえ、ここに納めてください!くれぐれもキャベツに逆襲されて怪我をしない様お願い致します!なお、人数が人数、額が額の為!報酬の支払いは後日纏めてとなります!」
………何だと?
言葉の意味を理解できていない彼らとカズマを置き去りにし、事態は進んでいく。
街の外で歓声があがり、見てみると、そこには多数の武装した冒険者、そしてこちらに飛来してくる大量の緑色の球体の姿があった。
訳も分からず立ち尽くしていると、近くの女冒険者であろう人物が何者かに説明しているが、タイミング的にもう終わりの言葉で締めくくられ、詳しい内容を知る事はできなかった。
「俺、もう馬小屋に帰って寝てもいいかな」
そう呟いた男の後ろ姿には見覚えがある。なぜなら昨日短い間とはいえ、印象深い話をしたのだから。
「おい、サトウカズマ。この騒ぎは一体何だ。キャベツって、農家の手伝いでもすんのか?」
そう話しかけるとこちらに気がついたようで、疲れたような無気力な表情で振り返る。
「あっ!アンタ達は…獅子刧さんと…確かジーク達…。だったよな」
「ああ、先日の。名はサトウカズマだったな。それで、これは一体どういうこと何だ?」
ジークが辺りを見回すが、そこは既に混沌としていた。飛来する緑の玉に冒険者達が群がり、群がられ。打ち落とし、吹き飛ばされる。そんななんとも言えない闘争が繰り広げられていた。
「あ、ああ。大量のキャベツが飛んで来ててだな。何でも、この世界のキャベツは動くんだと。しかも反撃してくるらしい。ただ、何か今年のは出来が良いらしくてな、一玉一万エリスだってよ。……はあ、自分で言ってても頭がおかしくなりそうだ」
理解は出来る。出来るのだが、全くもってそれが納得いかない。入ってきた謎の情報にはもはや疑問点しか見つからない。…ある主従を除いて…
「凄いぞライダー!キャベツとはああやって取られていたのだな…!ユグドミレニアの彼らもキャベツを獲っていたのだろうか」
「うん、凄い!見てみて!このキャベツ目があるよ!しかもキャベキャベ〜だって!どっから声出してるんだろ?」
片や無知、片や阿呆。自分の中の常識ではそもそもキャベツの栽培を知らなかった者。知ってたけど忘れてる者。これだけで大きな違いはあるが、どちらがマシかは語るべくもない。
「…お前さんらは元気だな」
「ところで獅子刧さん達はどうするんだ。参加するのか?」
「まあ、一応参加しとこう。一玉一万エリスならやらない選択肢は無いしな。…カズマはどうするつもりだ?俺は参加したほうがいいと思うぞ。金欠なんだろ?」
「はあ…やっぱそうですよねぇ。……しょうがない、不本意だが、ヒジョーに不本意だが金のためならしょうがない」
苦労人の冒険者二人は、ようやくキャベツ収穫へと勤しむ。
そして最前列では、
「キャベツが飛んでやがる。っつうことは収穫も農地もいらねぇってことか…?まあいい、どうせ優等生の好きそうなゲテモノなんだろうしな!うし、いっちょ小遣い稼ぎと行くか!」
勝ち気な笑みを崩さず、早口にそう告げるとモードレッドは我先にと飛び出し、キャベツに掌底を食らわせ次々と回収していく。
「ほらー!キャベツ飛ぶじゃん!僕なんにも間違ってなかったでしょ…ってあーっ!抜け駆けなんてズルいぞー!」
「……先の説明を聞いた限りでは、出来るだけ逃さないほうがいいのだろう。俺は彼等が取り逃した物を回収するとしよう。フランケンシュタイン。君はどうする?」
「…う」
先に駆け出した二人とはまた別に、向かってくるキャベツを掴みながら参加するジークフリート。問われたフランケンシュタインはメイスを構え、周辺のキャベツたちを殴打していく
そしてキャベツにボコボコにされる騎士と昨日にも見た爆裂魔法。
過剰戦力な気もしなくもないが、こうしてキャベツ収穫祭は始まりの鐘を鳴らしたのであった。
◇◆◇◆◇◆◇
「「納得がいかねえ…」」
キャベツ回収も終わりを告げ、冒険者達はホクホク顔で報酬への期待を顕にしている。しかしそんな浮ついた空気とは裏腹に、そこには如何にも不承不承ながらにキャベツを貪る者達がそう呟いた。
「「ん?」」
一言一句違わぬ言葉が揃い、お互いに顔を上げ、言葉の主を探す。それはすぐに見つかった。綺麗な金髪に勝ち気な碧眼の騎士鎧の少女と、緑のジャージを着た青年。
特に青年側、カズマは一言「悪い」と言い残し、我が意を得たとばかりにそのテーブルへと近づいていく。
「だよな!アンタもそう思うよな!」
「誰だテメェ?…ってああ、お前がアレか。日本からの転生者か」
急に近づいて話しかけてきた男に怪訝な目を向けるも、すぐに納得したように首を振る。
「な、何のことでしょう」
「あー、とぼけなくてもいい。オレのマスターが教えてくれたんだよ。あ、マスターってのはそこにいる厳ついオッサンの事だな。昨日話したって聞いたぜ」
「あっ、獅子刧さんか!そういえばアンタパーティーに居たな!」
名前を呼ばれたからか、話を切り上げて獅子刧が戻ってくる。
「何だカズマか、どうしたんだ?」
「いや、あんな巫山戯たキャベツが美味いのに納得出来なくて…。そん時たまたまハモったからこの人とその気持ちを共有したくてだな…」
「だよな!何だよコイツ、オレんとこがどんだけ苦労したか分かってんのか!何で収穫だけでいいんだよ。そんだけならあの脳筋共でも十分じゃねえか。メシマズ王国…ゲテモノ…食えればいい…何で体の資本を作る飯を疎かにしちまうかなぁ…。大体あのゴリラの飯なんか土もついてるポテトを握りつぶしただけじゃねえか、舐めんな!美味い飯とかは期待してないからせめて調理する姿勢を見せろよ!あんなもんが料理に入るか!ウチの奴ら全員馬鹿か!死ね!」
どんどんとヒートアップしていき、まさに怒り心頭といった様子で怒鳴り散らす。その声はギルド全体に響いていた様で、ギルド中の視線がこのテーブルに集中する。見れば、カズマも目を丸くして驚いている。
「お、おう…。まさかお前がそこまで食に拘る奴だったとは…まあ落ち着け。見られてるぞ」
「…おう、悪い。ちょっと言い過ぎた節は……無いとも、言えなくも…ないっ…!」
(凄い形相で歯軋りしてる!?どんだけ嫌なんだよ!?)
その念のこもった視線だけで簡単に人が射殺せるだろう。さらに、悔しそうに認めているように聞こえるが結局殆ど認めていない。
「ってメシマズ王国?もしかしてアンタ、イギリス人か?」
「まあそうだな。オレの名ははモードレッド、セイバーだ。どん位の付き合いになるかは知らんが、まあ宜しく頼むぜ」
「俺はサトウカズマ。職業は冒険者だ。よろしく。痛っ、イタタ!もうちょい手加減を!」
バンバンと背中を叩きながら挨拶をするモードレッド。カズマにとっては痛すぎるようで悲鳴をあげている
「わ、私が今から入ろうとしているパーティーのリーダーがほかのパーティーに…これが放置プレイというやつか…!」
「おや、あの人達は…確か少し前に騒ぎになったパーティーの人ですね。確か先程も大活躍だったとか。…何を話しているのでしょうか?」
「何よー、そんなのどうでもいいでしょー?そんなことよりもダクネス参加のパーティーよ!」
「はい、それもいいですけどアクア。あまり飲み過ぎないでくださいね?お金もそんなに大量にあるという訳ではないのですから」
「大丈夫大丈夫!これからたんまりとキャベツの報酬が出るんだもの。ちょっと位ツケたって問題無いわよ。そうよ、めぐみんも一杯だけどう?」
「で、では失礼して…」
「駄目だぞめぐみん、小さい頃から酒を飲んでいたら頭がパーになってしまうぞ」
「ほう、私の何処が小さいと?自分がそんな大きなものを持っているからって調子に乗らないでください!私だってあと一つで結婚だって出来る年齢なんです。子供扱いしないで頂こう!」
女三人寄れば姦しいとはいうが、ここまで性質が違う者同士が揃うのも珍しいだろう。そんな他愛もない話を続けていると、何やらギルドの外が騒がしいことに気づく。
「――すみません。素材の買い取りをしてもらいたいのですが」
ギルドの戸を開け、入ってきたのは褐色肌の青年。当時ギルドに居たものは「あのアークプリーストか」と納得するが、青年――天草四郎は周囲の視線など気にもとめていない様子でギルドのカウンターに向かう。対応するのは赤組の受付を担当していた女性。
「はい、素材の買い取りですね。どちらにあるのですか?よろしければ回収もギルドの方で請け負いますが」
「いえ、既に回収しているので大丈夫です。しかし何分大きいもので、このギルドの外に台車ごと置いています。それで、悪いのですが外で査定して頂くとありがたいのですが」
そう言うと、受付嬢と共にギルド外へと歩んでいく。そして姿が見えなくなって直ぐ、甲高い悲鳴が響き渡る。騒ぎを聞き付けた冒険者達は何だ何だと野次馬根性で一斉に外へとなだれ込んでいく。ギルド内にはもはや殆どの人が外へでており
「なあ、獅子刧さん、モードレッド。俺達もちょっと見に行ってみないか?」
そして何かを中心に通路は人でごった返している。何とかくぐり抜けて前列へと追いつく。そこにはアクア達もいるようだった。
しかし何より、一際目立つモノがあった。
「…ドラゴンだ」
誰が呟いたかは分からないが、ストン、と心にそのフレーズが浸透する。そして査定を引き継いだのか、茶髪の受付嬢からルナさんと話している男は、ドラゴンを誇るでもなく淡々と死骸の状態を説明している。
「これは…グリーンドラゴン。それも何てきれいな状態…!」
そう、本来強力なものほど傷は多いのだ。強いから中々斃れない、強いから一点集中が難しい、強いから素材の為の加減が出来ない。しかしこれはどうだ。少し血に濡れた胸と両断された首以外の外傷は見当たらない。
「ここまできれいな状態にほぼ全身ですと…すみません。そこは詳しく見ないと把握できませんが……恐らく、2000万は下らないでしょう」
「「2000万!!?」」
そのあまりの額に冒険者達は色めき立つ。始まりの街アクセルは国内で最も魔王城から離れた位置にある。応じて、危険なモンスターや賞金首なども居るはずがなく、ここの冒険者達の懐はとても潤っているとは言えない。そんな中に突然の大金がきたのだからその驚きもひとしおだろう。
「それでは解体所へ運びますね。報酬は後日、ということになりますがよろしいですか?」
その冒険者はルナさんの案内に従い、ドラゴンを乗せた台車を一人で引いていってしまった後、興奮冷めやらぬと言った様子の冒険者達。そしてそれを羨むカズマ。
(俺だってマトモなチートだったら馬小屋生活じゃないし、空飛ぶキャベツなんておかしなのをやんなくて良かったのに…!)
これがきっかけかは分からないが、しばらくアクセルの街での依頼受注率が5割上がったらしい。その分失敗も増えたらしいが……。
やっとキャベツまで辿り着いた。後は楽勝だな()
尚、テスト期間に入ったからしばらく執筆すら出来ないという