レインが土下座を敢行する少し前。
現実世界にて、【New World Online】を運営する社会人たちは今───
「なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?
理解できません。なぜ?」
「考えるな、感じるんだ」
「もうダメだぁ…おしまいだぁ…勝てるわけがないよぉっ」
精神的にやられてしまっていた。
唯一現実を直視しているのは課長。
しかし同時に、このギルドの『ヤバさ』を理解していないのも課長だった。
「ふぅ…そんなに大変なのか?メイプルは集団対集団では力をあまり発揮できない。広範囲の毒が主体だからな、周りを巻き込んじまう。メイプルの対人火力を抜きにしたらあまり…」
「さてはあんたバカでしょ、バカですね」
「頭おかしいっすね課長」
「君たちは立場の差をもっと恐れて?君たち平社員だよね?」
課長が温厚でなければ物凄く怒られるところだ。
「あのですね、まぁ確かにメイプルたちだけなら別にいいです。そりゃギルド作ることもあるでしょう」
「ふむ」
「問題はレインとリンです。あの2人頭おかしすぎるんですよ」
「ふむふむ」
「まずレイン。攻撃力、敏捷性ともに全プレイヤートップクラス。めっちゃ強いです」
「ほうほう」
「そして例のあのクエストを全クリしたリン。こいつに至っては頭がおかしいとしか言えません。しかもノーダメでクリアしやがりました。害悪そのものです」
「うっ…!胃が!」
突然胃が痛み始め、腹を押さえ蹲る部下を見て課長は──
「なるほど。だが大丈夫だ、俺たちには心強い味方がいる」
「心強い…味方…?」
「そいつは…一体…何者なんだ…!?」
「そいつは体が褐色で頭がオレンジでな、趣味はラッパなんだ」
「───バカッ、それラッパのマークの正露○じゃねーか!」
「それは心強い味方じゃなくて敗戦処理だよ!このアホ課長が!」
「やってられっかァァァァッ!」
「君たち立場分かってる!?」
───と、もはや全員が落ち着きを無くした瞬間。
「……え?…………え!?」
「ど、どゆ…どゆこと!?」
「レイ…レイン!?」
そう。モニターの中でレインがDO☆GE☆ZA☆を敢行したのだ。
…………運営がプレイヤーを見るために設置されているカメラから角度が180度ほどズレていたが。
「こ、こいつ…なんて美しいDO☆GE☆ZA☆なんだ…!…尻しか映ってないけど」
「あぁ、全くだ…!…尻しか映ってないけどな」
「こいつ…さぞかし名のある将と見た!…尻しか映ってないけど」
「やめてあげて!レインくんのライフはもうゼロよ!」
結果的に、レインのお陰でやる気を取り戻した運営たち。
「課長」
「ん?なんだ?」
「正露○ください」
だが運営の受難はまだまだ終わらないのだった。
やめて!『楓の木』による過度のストレスで、レインの胃に負担がかかりすぎてレインの精神が燃え尽きちゃう!
お願い、死なないでレイン!あんたが今ここで倒れたら、ストッパーを失った『楓の木』はどうなっちゃうの!?
ライフはまだ残ってる。これを耐えれば、『楓の木』を止められるんだから!
次回、『レイン死す』。デュエルスタンバイ!
嘘に決まってんだろ!!!
最後に。感想、お気に入り登録、評価付与などその他もろもろ。
批評でもいいのでくれるとありがたいです。
批評の場合は参考にできる意見をくれるとなおありがたい。