魔剣使いは極度の苦労人   作:詠海だよ

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また遅れてしまい申し訳ありません。
そしてそれはそれとして、UAが2500を突破しました!
こんな小説を見てくださり、ありがとうございます!


魔剣使いと苦手分野

 

「うっし…行ってきまーす!」

 

俺は今日も制服を着て、自転車に乗り、学校へと向かう。

ここ数日で日差しも強くなってきて俺の寝不足の目を刺激してくる。

痛い。眩しい。

 

「あー、眠いなぁ…」

 

そう。俺は昨日、というか今日は寝ていないのだ。

何故なら、完全に忘れていた結構な量の課題を一夜漬けで全て片付けたから。

 

 

「はぁ…今日は授業中に寝ないように頑張ろっと」

自分に言い聞かせるように言ってから、あまり近くは無い学校に向けて愛用の自転車を走らせた。

 

 

 

 

 

 

そして学校に着くと、自転車を止め、教室に入り自分の席に着いて――

 

 

 

 

 

 

 

速攻で寝る。

 

そうだ。さっきも言ったが、授業中じゃなければいい。

ホームルームが始まるまでならいいもんね!と心の中で叫び、机に突っ伏する―――

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、雨宮君?」

 

ーーーー寸前に声をかけられた。

(ちくしょう誰だ俺の安眠を邪魔する人は!?)

直ぐに話を終わらせて寝たいと思ったが、その野望は話しかけて来た人の顔を見た瞬間に音を立てて砕け散った。

 

「な…何?白峯さん」

 

この時、俺が思ったことはたった1つ。

 

 

 

 

 

よりにもよってあんたかよ。

 

 

 

 

 

「話しようよ。Νew World Onlineの話。楓と一緒にさ」

 

「今眠くてさぁ…大事なお話だったら聞くよ?」

大事な話じゃないことを願う。頼む!頼む!

 

「そうそう!大事な話だから聞いてよ!」

 

ガーン。…まぁ、聞くだけならいいでしょ。大事らしいし。本条さんもいるし大丈夫大丈夫!

 

 

 

 

と思っていた時期が俺にもありました。

 

 

この二人…揃うとめっちゃうるせぇ…

 

あとは聞こえたのだが、今日から白峯さんはゲーム開始らしい。

 

回避盾…をやるって言ってたな。

 

敵の攻撃を引き付けて回避することで攻撃を無力化するやつ。

 

どんな戦いでもノーダメージってカッコイイとか二人で騒いでいたのだが。

 

1つ気になることが。

本条さんは防御力。

白峯さんは回避力。

二人はそれでノーダメージを目指す訳だが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺、どうすれば?

 

 

 

 

 

 

 

 

俺、回避技術も凄い訳じゃないし防御力に至っては低いんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?俺もしかしてハブられた?

 

 

 

ちなみにその後、俺は授業中に寝てしまい、みっちり先生に怒られ、白峯さんに笑われた。覚えてろよ…!

 

 

 

 

放課後。速攻帰ってログインして宿屋に来て。と言われたから、自転車飛ばして家に帰り、ログインして今は宿屋に向かっている。

 

宿屋の人に要件を説明し、メイプルさん、白峯さん――おっと。キャラネームはサリーっていう名前にしたらしい――が居る部屋のドアを開けると。

 

「遅いよ!」

 

「呼び出しておいてそりゃないでしょ…」

枕投げられた。

 

とりあえずフレンド登録し、メイプルさん、サリーさん、俺でパーティを組むと、俺達二人にステータスを見せてくれた。

 

 

サリー

Lv1

HP 32/32

MP 25/25

 

【STR 10〈+11〉】

【VIT 0】

【AGI 55〈+5〉】

【DEX 25】

【INT 10】

 

装備

頭 【空欄】

体 【空欄】

右手 【初心者の短剣】

左手 【空欄】

足 【空欄】

靴 【初心者の魔法靴】

装飾品 【空欄】

【空欄】

【空欄】

 

スキル

なし

 

 

「色んなステータスに振ってるんだね〜」

 

「「これが普通だから!」」

いや当たり前だから。

普通じゃないみたいに言ってるけど普通じゃないの君だから。

 

「それで?今から何処か行くの?」

青いパネルを閉じながらサリーさんが尋ねる。

「えっとね、新しい盾を作る為に素材が必要なんだけど、その素材に南の地底湖にいる魚の鱗がいいらしいからそれを取りに行きたいなぁって」

なるほど地底湖ね。魚か…そういえば【釣り】スキルがあったな。取ってないけど。

 

「じゃあそこに行こう!」

 

「人数分の釣竿買って行こうか」

そこまで考えたら後は行動するだけ。

そう思い、部屋から出た。が…

 

「ちょっ!待って、速いよ〜!」

あ。忘れてた。一人遅い人がいるんだった。

「これでも速かったか…う〜んそれじゃあ…」

 

 

俺は地底湖方面へと爆走していた。

 

そして、あの二人はと言うと。

 

「わ〜!凄い!さすがAGI(アジリティ)200越え!」

 

「もうちょっと丁寧に運んでくれない?」

 

「文句垂れないでよ、降ろすよ?二人も担ぐの大変なんだからさぁ!」

 

そう。俺が担いでます。とてつもなく辞めたいです。今すぐ。

 

「降ろすのは勘弁して欲しいかな!」

どうしてこうなった?

 

まぁ理由は明らかだ。単純に俺が一番AGIが高いからだろう。

 

「あぁもう、掲示板とかに出ないといいなぁ…」

切実な願いである。

 

 

そして到着。

「おおおお!すっごい速かった!」

メイプルさんが装備を付け直して嬉しそうに言う。

嬉しそうで何よりだけどもう二度としたくねぇ.........

だって女子ってなんかいい匂いするし!ドキドキする!もう嫌だァ!

「次からもよろしくね〜」

ええぇ…またやんのかよ…

「あーハイハイ分かりましたよーだ」

 

もう自棄だ!やってやる!

でもサリーさんのAGIが俺より高くなったら絶対辞めるからな!

 

 

 

そんな茶番もそこそこに、俺達は釣りを始める。二人も自分の釣竿を買ってきたので三人で並んで湖面に糸を垂らして待つ。

そして釣り始めてから一時間。

 

「や、やっと三匹目!」

 

「お、またかかった!」

 

「よっと…これで十匹か。」

釣果はメイプルさんが三匹。

サリーさんが十二匹。

俺が十匹である。

 

「ううぅ、私はまだ3匹なのに二人はもう十匹以上って…」

 

「DEXがゼロだし仕方ないよメイプルさん」

 

「私は始めたばっかりだから、釣り上げた魚に止めを刺すだけでレベルが上がる上がる〜」

 

「今レベル何?」

 

「6」

 

とても楽しそうに釣りをしているサリーさん。

 

『スキル:【釣り】を取得しました』

 

「初スキルが釣りかぁ…メイプルのこと変って言えないなぁ…」

 

 

そんなことを言いながらもう一時間釣りを続ける。

メイプルさんの釣果は変わらず。

しかし、スキル【釣り】を手に入れたサリーさんの釣果は二十匹となった。

ちなみに俺もスキル【釣り】を手に入れ、釣果は十八匹。負けた…

 

 

「どう?これで足りそう?」

 

「うーん…もう一時間だけ…いい?」

 

「いいよー!でも、私も一つ試したいことがあるから…釣りじゃなくて素潜りで狩ってきてもいい?私、現実(リアル)でも泳ぎ得意だし!」

あー、そういえば白峯さん水泳成績良かったな…

 

「AGI足りないからメイプルは無理だけど、レイン君もどう?」

何故か俺を水辺へ押しながら聞いてくるサリーさん。ちょ待てよ。

「え、遠慮しとくよ。そういう気分じゃないし?」

 

おいちょっと待て。待ってちょっと待ってほんとに待ってください押さないでお願いします!

 

「まぁまぁ、そんなこと言わずに…さっ!」

 

どーん。

俺は見事に、水に向かって突き飛ばされた。

…俺があんなに心の中で待ってって言いまくった理由。

単純な事だ。

 

 

 

 

俺、とてつもなく重度のカナヅチなんだよ。

 

つまり。

 

 

 

為す術なく溺れる。

「ボボボボボボボボババ」

二人は驚いた様子でこちらを見ている。

え!?この人泳げないの!?みたいな目を向けないでくれないかなほんとに。

 

オボボバババボバボボボボババボバ(出来れば早く助けて欲しいんだけど)

川の中の石を拾いに行って溺れた某ボ○ちゃんの気分だよコノヤロー!

 

 

そう。自慢では無いが俺は重度のカナヅチである。

学校の通知表の体育の数字が水泳の授業だけで出るならば間違いなく5段階中1だろうと断言出来るほど苦手である。

ここで勘違いしないで欲しいのだが、別に運動が出来ない訳じゃない。

水泳だけが出来ないのだ。本当に。

 

 

結局暫くして助けられたが、サリーさんは俺に向かって憐れみの目を向け、すぐに水中へと潜って行った。

 

 

…1つ言いたい。

 

 

 

 

その反応が一番心に刺さる!

 

いっそ笑ってくれたほうが何倍も楽だよこんちくしょう。

 

 

 

〜約一時間後〜

 

 

メイプルさんと微妙な空気になりつつも、釣りは続行。

 

すると、サリーさんが水から上陸してきた。

「【水泳I】と【潜水I】のスキルが手に入ってからは簡単になったかな!」

そう言ってサリーさんはインベントリから真っ白い鱗を数え切れない程出した。

 

「こ、これ貰っていいの?」

 

「私はいらないし…今度私の手伝いをしてくれるのと引き換えで」

 

「じゃあ、それで!手伝うって約束する」

メイプルさんは恐ろしい数の鱗をインベントリにしまい込んだ。そこでサリーさんが神妙な面持ちで話し始める。

 

「ねえ、メイプル。確か、今見つかっているダンジョンって三つだっけ?」

 

「えっと…うん、そうだよ」

 

「地底湖の底に、小さな横穴があった」

 

「…!それって!」

興奮を隠し切れない様子でサリーさんが頷く。

 

しかし、メイプルさんは水の中を覗き込み、

「私は無理かなぁ…」

 

「あー、レイン君?さっきは…」

 

「どうかしたの?大丈夫だよ俺サリーさんに突き飛ばされて溺れかけた挙げ句憐れみの視線を向けられたことに怒ってなんかいないよ?」

 

((絶対怒ってるぅぅぅ!))

 

 

「冗談だよ。別に怒ってない。気にしてない気にしてない!」

 

嘘である。

 

この俺、雨宮菜月ことレインは、突き飛ばされたことはともかく、憐れみを向けられたことには怒っている。ここに二人がいなかったら怒りに任せて攻撃系スキルを壁に向けて放つぐらいには怒っている。

しかし、唇を噛み締めてその衝動を堪えた。

後で思いっきりやればいいからな。

 

 

「じ、じゃあ明日から毎日ここに来よう!借りは即返すってね!」

移動の度に担ぐの俺だけどね。

「そう言ってくれると思ってた!さっすがメイプル!」

 

「えへへーそれ程でもー!」

まぁ、そういうことで、【水泳】スキルと、【潜水】スキルのレベルを上げる日々が始まった。

 

 

ちなみに俺はログアウトした後、部屋にあるサンドバッグを木刀で殴りまくり、母さんに怒られた。

 

なんでや。




なんか終わり方変だな…
二週間近く期間が空いてしまい申し訳ありませんでした。
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