全てを失った僕が守るもの   作:かとやん

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A組男子で切島が一番好き
女子は耳郎ちゃんすこ


戦闘訓練…の前半

「と、いうことで本日はこれ! 戦闘訓練だ!!」

 

作画が一人ちがうオールマイトに沸き立つ教室。

ナンバーワンヒーローの登場に歓喜する人もいれば、突然の教科内容に戦々恐々とする人もちらほらと……。

後はかっちゃんがあくどい笑みを浮かべているぐらいだろうか。

 

そんな彼らを眺めながら、僕は啜れた髪の毛を弄ってため息を溢した。

理由は単純……僕の保護者? というかプロヒーローたちが原因だった。

 

 

 

 

 

 

数日前、ナイトアイの事務仕事を手伝っている最中のことだった。

 

「おっス、ナイトアイ!! 相変わらず湿気た面してんなぁ!!」

 

そう言って扉を割って入ってきたのは、ラビットヒーローこと、ミルコだった。

彼女の登場にナイトアイはさして驚いた様子もなく、眼鏡の奥で瞳を光らせていた。

 

「一体なんのようですか。そもそもあなたは今北陸へ行っている予定では?」

 

固定した事務所を持っていないフリーのミルコは、全国各地を跳び回ってヴィランを退治している。

数日前に届いたメール(事後報告)では北陸でのヴィラン事件に興味を持ったようだったが。

 

「おう! あっちはなんか片付いたらしくてな! 暇だから弟子の様子を見に来たぞ!」

 

快活な笑みでそう返すミルコに、ナイトアイは頭痛のする頭を抑えて首を振った。数か月で彼女に何を言っても無駄だと気づいたようだ。

僕はそんなナイトアイに苦笑を送りながら、まとめて置いた資料を置いてミルコに向き直った。

 

「お久しぶりです」

 

「おう! イズク! 鈍ってねえだろうな!」

 

「はい」

 

「よし! なら軽く動くか!!」

 

そう言ったミルコに連れられて、僕は近場の堤防沿いへと向かうと、軽い組手をさせられた。

風を切るミルコの足技をいなしながら、僕は近況を聞くというのが彼女と出会った時からの恒例になりつつある。

 

「フッ! よっと!」

 

「ッ…それにしても、今日は本当はどうしたん、ですか?」

 

適当に彼女の話を聞いたところでそう切り出せば、彼女はニヒルに笑って鋭い蹴りを放ってきた。

僕がそれを弾くように躱せば、彼女は若干ムキになって連撃を放ってくる。

 

「生意気な……ま、いっか。お前は私の弟子だからな。同じクラスの奴に後れを取るなよ!」

 

「弟子になった覚えはないんですけど…」

 

「これも避けるか! そら! もっと上げてくぞ!!」

 

それからしばらく付き合った後、彼女は満足したのか、

 

「今年は生意気な奴がいるみたいだからな! 力でねじ伏せとけよ! しっかり上下関係を叩きこんどけ!!」

 

言いたいことだけ言って颯爽と帰ってしまったのだった。

 

 

 

 

 

一方的な約束ですらないものだが、一応身分を保障されている身だし、彼女には恩義がある。

……それに、もし手を抜いたりしてそれがバレれば、ミルコさんは絶対怒る。何なら嫌いな人参料理が出された時みたいに面倒くさくなる。

 

まあ、早めに力関係をはっきりさせておけば、後の強化訓練は楽になるはずだ。

ただそれをどの程度はっきりさせるのか、にもよるが……。

 

そんなことを考えている間にも授業は進み、ヒーロースーツに着替えた面々は既に更衣室を出て行ってしまった。

 

「……まぁ、なるようになる、かな?」

 

 

 

 

 

 

 

ミルコさんの楽観主義が映った気がしないでもないが、せっかくの場面だ。

 

彼等には、自身の無力さを知ってもらおう(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なん、だよ、これッ!?」

 

呆然とした声音が待機室に木霊する。

かく言う僕「飯田天哉」も、目の前の光景には絶句せざるを得なかった。

モニターに映るのは、全体が凍結したビル…………そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気絶した轟君と爆豪君だった。

 

二人を無力化した張本人であるイズク君は一年の首席であり、先日行われた体力測定ではどれも他者とは一線を画する成績を保持していた。

幼いころから戦闘の経験があるとは言っていたが、これほどとはッーーーー。

 

僕は終始笑顔だったイズク君に薄ら暗いものを感じながら、頬を垂れる汗をぬぐった。




次回は戦闘シーン

+αかな?
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