広瀬康穂が四部で頑張る話   作:ジョジョラー

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康穂ちゃんは康一くんが公式で157センチとの事なので、153〜155センチくらいを想定して考えています!
でも、おそらく漫画にしたら鈴美さんより顔半分低いくらいに描かれそう。
見た目はまんま8部の康穂ちゃんを小さく、幼くした感じです。


Crazy Noisy Bizarre Town
空条承太郎! 東方仗助に会う その①


 

 

 

 

 

 

 

 

 1999年も──春を迎えた。

 

 私の名前は──(まー……覚えてもらう必要はないですけど)広瀬康穂 15さい……(そして隣にいるのは双子の兄康一)

 私たちの場合は……受験の合格とこれから通う新しい学校への期待と不安で頭がいっぱいの3ヶ月だった。

 ……2人の奇妙な男に出会うまでは……

 

 

 

 

 

 

ドシィン──

 

 

「うわっ!」 バラバラバラ……

「康ちゃん!」

 

 

 今日は新入生として高校初めての登校日。入学式もオリエンテーションも特に問題なく無事に終えることができ、その帰りの出来事だった。康穂のドジな双子の兄は、よそ見をしていて、誰かとぶつかってしまったらしい。康一はぶつかった衝撃で派手に尻もちをつき、カバンの中身をぶちまけた。

 

 

 ところが……

 

 

(えっ!?)

 

 その時、康穂は見たのだ。

 康一の地面にぶちまけたはずのカバンの中身が、どこからか出てきた青い腕によりきれいに元に戻され、再び康一の手に戻されるところを。おまけにすっ転んでいた康一はきちんと自分の足で立っている。

 

「あれぇ〜……? おかしいな……今ぶつかってころんだと思ったのに……? カバンの中身もブチまけたと思ったのに……???」

 

 康一には見えておらず、また訳が分かっていない様子でキョロキョロしていたが、康穂は口をあんぐりあけて動くことができずにいた。

 

(い、いったい……何が起きたの!? さっきの青い腕は……??)

「よそ見しててすまなかったな……この町の地図を見ていたんでな」

 

 男が深みのある声で謝罪をした。康一と康穂は双子なだけあって、全く同じタイミングで声の主を見た。

 

(お、おっき〜〜っ190以上はありそう……)

 

 男は190以上はありそうな巨体の持ち主で、おまけに彫りが深く精悍な顔立ちをしており、威圧感があった。康穂は男がぶつかってしまったことをキチンと片割れに謝ったにも関わらず、小さな体をさらにちぢこませた。男は萎縮した様子の2人を気に留めることなく尋ねた。

 

 

「ひとつ尋ねたいんだが……この町で<東方>という姓の家を知らないか? この家をたずねてこの町に来た……」

 

「「東方……?」」

 

 ここでもまた、康一と康穂は同時に答える。示し合わせたのかと疑われるほどに咄嗟に出てくる言葉はいつも同じなのだ。

 

 

「え〜……ちょっと知りません……。町の人口が5万3千人もいますから……」

「なるほど……。ならば、住所ではどうかな? <定禅寺1の6>」

 

 

 男は茶色い革の手帳を取り出してページをめくりながららさらに続けた。

 

 

(空条 承太郎……?)

 

 

 康穂は反射的に手帳の表紙に記された男の名らしき文字を読んだが、男が口にした住所に聞き覚えがあったため、直ぐに思考をそちらに持っていかれる。

 

 

「定禅寺なら、あそこから3番のバスに乗れば行けます。この時間タクシーはあまり来ませんよ」

 

 康穂はこの強面の男から早く解放されたいのと、先程の奇妙な青い腕を見てしまったこの場から早く立ち去りたいという気持ちから、すぐに男の質問に答えた。幽霊の類はあまり得意ではない。

 

 

 そう──ひとり目はこの男だった。

 空条 承太郎……あとで知ったところによると、年齢は28、職業は海洋冒険家。学界では、クジラだかサメだかの生態調査で有名な人らしい。この人に私は最初は恐怖を感じたが、接するうちに徐々になくなっていった。ワイルドな風貌はしているが、知性と物静かな態度があった。

 

 しかし、私がさらに恐怖を感じたのは、この人が訪ねてきたというもうひとりの男……<東方>という男だった。

 

 

「こらっ一年坊ッ! あいさつせんかいッ!」

「「さっ……さよならですッ! 先輩ッ!」」

 

 

 康一と康穂はガラの悪い上級生達に目を付けられないように、精一杯ペコペコと頭を下げあいさつをする。あまり褒められたことではないが、気が弱いところまでもそっくりなのだった。

 

 

「よしッ! いい声だッ!」

 

 

 不良たちは双子の挨拶の声量に満足したようで、ゾロゾロと連れ立って、最後に男をジロリと睨みつけてから去っていく。

 

 

「大丈夫ですよ……あの人たちは5番のバスで違う方向へいっちゃいますから」

 

 康一は男のコートを少しひっぱり、安心させるように言った。康穂にはこの男が先程の不良たちに怖気付くようなタマには見えなかったが、双子の兄のこの優しいところは小さい頃から好きだったので少し穏やかな気持ちになることが出来た。芯が通っていてなんだかんだで頼りになる男なのだ。

 

 

「何しとんじゃッ! なんのつもりだきさまッ!」

 

 

 突如聞こえてきた大声に動じることなくバスの時刻を時計で確認する男とは違い、気の小さい双子は何事かと声のした方をうかがう。何やら先程の不良たちが、噴水の近くでしゃがみこんでいる男を囲んでいるようだ。いまさっき自分たちに絡んでいったばかりだというのに……彼らは呆れてしまうほどに誰かに突っかかっていかないと息もできないらしい。

 

 

「なにってその……この池のカメが冬眠からさめたみたいなんで見てたんです。カメってちょっとニガテなもんでさわるのも恐ろしいもんで……その、恐さ克服しようかなァ〜〜と思って」

「……なこたァ聞いてんじゃあねーッ 立てッ! ボケッ!」

 

 

 不良たちにそう言われて、しゃがみこんでいた男はユラりと立ち上がる。しゃがんでいるうちはあまり分からなかったが、ガタイもよく長身で、今どきにしては珍しい髪型をしていた。一昔前の不良が好んでしていた髪型だ。

 

 

「ほほォ〜〜、一年坊にしてはタッパあるっちゃ〜〜っ」

「おいスッタコ! 誰の許可もらってそんなカッコウしとるの? 中坊ん時はツッパってたのかもしんねーが!」

「うちに来たらわしらにあいさつがいるんじゃあッ!」

 

 

 不良のひとりが、先程苦手だと言っていたカメをリーゼントの男に近づけながら詰め寄る。

 

「ちょっ、ちょっと、爬虫類ってやつはニガテで、こ……こわいです〜〜」

 

 どうやら見た目の割に本当にカメが怖いようで、リーゼントの男は眉尻を下げて少し後ずさっていた。人は見かけによらないとはこのことか、と内心少しだけ面白く感じていたが、短気な不良のせいで状況はすぐに変わる。

 

 

「ウダラ 何ニヤついてんがァーッ」

 

 

 パァン! と音がして、思わず康穂は身をすくめた。隣の康一が少し心配そうにこちらを伺っているのを感じる。不良のひとりがリーゼントの男の頬を張ったのだ。

 しかしこれまた意外なことに、リーゼントの男は殴られたことに怒ることはせず、すぐに頭を下げて不良に謝った。

 

 

「ゴメンなさい、知りませんでした先輩!」

「知りませんでしたといって最後に見かけたのが病院だったってヤツぁ何人もいるぜ……てめーもこのカメのように……」

 

 

 不良は思い切りカメを持った手を振りかぶり……

 

 

「してやろうかッ コラ──ッ!!」

 

 

ドギャアッ!! 

 

 

 思いっきり近くの柱に投げつけた。

 カメは甲羅が割れて出血し、ヒクヒクと力なく動いている。康穂はかめが可哀想で見ていられなくなって、顔を手で覆った。

 

 

「さ……さいてェー」

 

 康一の声に心の中で同意した。動物の命を粗末にして、不快な気分にならない人はそうそう居ないだろう。周りにいた生徒たちも視線を下に向けてそそくさと帰っていく。

 

 

「ケッ! 心がけ良くせーよー、今日のところはカンベンしてやる」

「その学ランと、ボンタンを脱いで置いていきな。それと銭もだな。献上しててってもらおうか」

「はい! すみませんでした!」

 

 

 リーゼントの男は再びおじぎをして、謝った。ずっと黙って見ていた男が、ここで口を開く。

 

「自業自得ってヤツだ。目つけられるのがいやならあんなカッコウするなってことだ……。逆にムカつくのはカメをあんな風にされて怒らねぇあいつの方だ」

 

 男は少し眉間に皺を寄せて言った。動物の命を大切にする主義のようだが、元々が強面なので、なかなか迫力のある表情だ。失礼ながら、康穂はこの男に人を殺したことがあると言われても驚きはしないだろうと思った。

 

 

「おい! 腰抜け! きさまの名前を聞いとくか!」

「はい。1年B組、東方……仗助です」

 

 

 ピクッ

 

 康穂の前に立っていた男が反応を示した。康一と康穂も、今聞いたリーゼントの男の名前に反応を示す。

 

 

「「えっ?」」

「なにィ……東方 仗助……!」

 

 

 男は振り返り、東方仗助と名乗ったリーゼントの男の方を向いた。

 

 

「仗助……? ケッ! これからテメーを仗助(じょうじょ)! ジョジョって呼んでやるぜ!」

「はあ……どうもありがとうございます」

 

 

 東方仗助は興味なさげに不良たちに礼を告げる。気持ちがこもっていないのは誰の目から見ても明らかである。しかし不良たちは気づかずに相変わらず仗助に絡み続けていた。

 

 

「コラッ! さっさと脱がんかいッ! バスがきちょったろがッ! チンたらしてっとそのアトムみてーな頭もカリあげっど!」

 

 

 自分の乗るバスが来てしまい焦った不良が怒鳴りつけた瞬間、東方仗助の制服を脱ぐ手がピタリと止まった。

 

 

「おい……先輩。あんた……今、おれのこの頭のことなんつった!」

「え?」

 

 

 何やら雰囲気が変わり、東方の体がユラりと揺れた瞬間──

 

 

(!!? ──また腕! 今度はピンク……!?)

 

 

 東方の背後から今度はピンク色の腕が現れ、不良の顔面を殴り飛ばしたのだッ! 

 

 

バチィィイイイン

 

 

 

「ボゲェ──ッ! うわーッ、(ハガ)がッ! ハガがッ!」

 

 不良は鼻血を辺りに撒き散らしながら、殴られた衝撃で無惨にもぶっ飛ばされた。

 

 

「おれの頭にケチつけてムカつかせたヤツぁ何もんだろう──と許さねぇ! このヘアースタイルがサザエさんみてぇーだとォ?」

「え! そ……そんなこと誰もいってね……「確かに聞いたぞコラ──ッ! 

 

 

 東方は不良の言葉を遮り、後頭部を踏みつけた。どうやら髪型の話は彼にとって地雷だったらしく、不幸にもそれを踏んでしまった不良はみじめに地面を舐めさせられることとなった。

 

 

「ひぇぇぇぇぇ」

 

 

 他の不良たちはその光景を見て恐れをなして逃げていく。

 

 

(今の腕! 東方仗助という男の背後からあらわれたように見えたッ! もしかしたらさっきの青い腕は……)

 

 

 康穂は東方の方に睨みをきかせている男をじっと見ていたが、片割れの「あっ!」という声につられて東方仗助の方へ視線を戻す。東方は先程苦手だと言っていたカメを持ち上げた。……墓でも掘ってやるのだろうか? しかし虫の息だったはずのカメはノロノロと動き出し、彼はそれをチャプンッと水音を立ててもとの場所に戻してやっていた。

 

 

「? あ……あれ? お……おかしいぞ。カメの……カメの傷が治っているぞ。甲羅がイタイタしく割れていたのに」

 

 康一が言うように、先程まで弱々しかったカメが元気に水の中を泳いでいた。

 

 

(もう……何が何だか、ワケが分からないわッ! どうしてこんな……)

 

「なっ」

 

 先程東方にやられた不良が、急に顔を上げた。なにやら自分の顔をぺたぺたと不思議そうに触っている。

 

「なんだぁ〜〜っ、今殴られた顔のキズがどんどん治っていくッ」

「鼻がさけて血がドボドボ出てたのにもう治っちまったぞッ」

「で……でもなんか、変な感じに治ってないか……? 前の顔となんか違うぞ」

 

 不良の顔は、傷が治ったはいいがブタのような、以前よりも不細工な形になってしまっていた。

 

(か……かわいそうかも……)

 

 

 康穂が心の中で同情していると、いつの間にか東方が未だに騒いでいる不良たちに詰め寄っていた。

 

「てめーのおかげで触りたくもねーのに……カメに触っちまったぜ……そっちの方はどうしてくれるんだ? ァ?」

「「「うわぁぁぁ────!」」」

 

 

 不良たちは情けない悲鳴を上げながら逃げていく。殴られた不良は、最後まで自分の顔がどうなっているのかわかっていない様子だった。きっと帰って鏡を見たら絶望することだろう。

 

 

「やれやれ……こいつが……」

 

 

 男は仗助の方を鋭い目で見ながら言った。

 

 

「こいつがおれの探していた……()()()の身内だとは!!」

 

 

(ぜ……ぜんぜん分からない……いったい、何が起きてるの……??)

 

 

 康穂は男の声に反応してこちらに視線をよこしたリーゼントの男、東方仗助を見つめながらこれから起こる出来事に不安を抱き、べソをかきそうになった。

 

 

(……理解できないことが起こってるわ。誰か説明してくれないかなぁ……)

 

 





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私のガソリンなので・・・

番外編ですが、あと2、3話は続きそうです。アンジェロに飽きて書き始めたのですが、原作の中でも最後の方の出来事なのでかなり先の出来事になります。本編(原作沿い)をキチンと進めるのと番外編(オリジナル)を先に終わらせてしまうのどちらがいいと思いますか?ご協力お願いします。

  • 本編(原作沿い)
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