広瀬康穂が四部で頑張る話 作:ジョジョラー
キング・クリムゾンしました。
レポートが終わらないのにジョジョを見てしまい、大変なことになっております・・・。
──「おい、仗助、答えてもらうぜ! 俺は敵だ! なんで傷を治した……?」
億泰の全てを削りる右手をもつ恐ろしいスタンド、ザ・バンドに苦しめられた仗助だったが、本体である億泰の頭の弱さを利用して自滅に追い込むことに成功した。
これでようやく康一の治療を出来る──と思ったが、康一は既に兄貴に引きずられ屋敷の中に連れ去られ、血の跡が残るのみだった。
慌てて後を追った仗助と康穂だったが、追いかけてきた億泰が兄の謎のスタンド能力によって攻撃を受け倒れたので、治療をするためにも3人で一旦屋敷の外まで避難したのだ。
億泰はなぜ敵である仗助がわざわざ怪我をしてまで自分を助けたのか理解出来ず、仗助に怒鳴りつけたのだった。
「……深い理由なんてねーよ。なにも死ぬこたあねー……さっきはそう思っただけだよ……」
「……っ」
「おれは今から康一を助けに行く……康穂、お前はここで待っててくれ。危ないからな……」
しつこくわけを問う億泰に、仗助はそう言って壁を伝い警戒しながら屋敷の中に忍び込んで行った。後に残されたのは、呆然とした様子の億泰と、康穂のみ。
「……」
当然会話はない……と思って黙っていたが、意外にも億泰は康穂に話しかけてきた。
「おい……なぜあいつはおれを助けた時にうけた自分の傷を治さねえんだ……? おれを治した時みてーに治せばいいのによ……」
「それは、仗助くんのスタンドは自分の傷は治せないから。あと、死んだ人間を生き返らせる事も出来ないの……」
康穂の言葉を聞いて、億泰は俯いた。何やら迷っているようで、冷や汗をかいて体を揺らしているが、どこに行こうか、どう行動しようか考えあぐねている様子だ。
「仗助くんが気になる……? 敵なのに助けて貰って、借りを作ったから」
「……」
億泰はなにも答えなかったが、仗助に助けられた事を気にしているのは誰の目から見ても明らかだった。だが、彼は仗助への恩と兄のとの間で板挟みになってどうすればいいのか分からなくなってしまったのだ。仗助は兄に役たたずと言われ攻撃された自分を治療してくれたが、一方で兄を裏切るようなことは出来ない──
康穂はそんな億泰に、臆すことなく言葉を続けた。
「あの、私なんかが言えたことじゃないけど……自分の心に従ってみたらいいんじゃないかな。今見た限りだと、お兄さんに言われたことをしているだけで、自分がやりたいことをしてた訳じゃないよね? そうじゃなくて、今自分がどうしたいか、その心に従うままに動くの……」
「……」
またしても億泰は答えなかった。──だが、康穂の言葉を聞いて目の色が変わった。ここ数日で何度か見た、何かを決意した、覚悟を決めた男の目だ。億泰は屋敷に向かって力強く歩を進める途中、立ち止まって少しこちらを向いた。
「……ありがとよ」
「ううん……さ、行こう!」
康穂も億泰を追い越して屋敷の中に入って行こうとしたのだが、何故か焦った様子の億泰に肩を掴まれて止められた。急な事だったので体がガクンと揺れ、危うく転びそうになる。
何故止められたのか分からなかったので億泰の方を向くと、彼は早口に喋り出す。
「おい、ちょっと待て! お前はここに残るんじゃあねーのかよ、さっき仗助に言われてただろ」
「敵なのに心配してくれるの? ……私も、心に従って動いてるだけだよ。康ちゃんが、家族が危ない目にあってるのにさっきはなにも出来なかったから……だから、せめて役に立てるように行くの。もちろん怖いけど、私だって一応スタンド使いだもの、何か役に立つかもしれないでしょ」
「……そーかよ、言っとくがおれはお前を助けねーぞ。借りを返しに行くのはあいつだけだ」
億泰はそれ以上は何も言ってこなかった。
「ほら、じゃあ今度こそ行こうよ」
☆
仗助は男を追って慎重に扉を開けた。古くなって金具が錆びたドアは軋むような音を立てながらゆっくりと開く。できるだけ顔を出さないように気をつけながら中を除くと、床に血を流しながら倒れる康一の姿を確認することが出来た。
(くっそ〜〜、完全にワナだぜ……こいつは康一に近づいたらどっかから攻撃してくる気だ……しかし)
まだスタンドの正体は明らかになっていないが、攻撃されてみて殺傷能力が高いものだということは分かっている。だが、早く治療しないと康一は助からない──
「ワナだと知ってても行くしかねー! 康一にはもう1秒たりとも時間がないッ!!」
そう言って飛び出そうとした時の事だった。
「!!」
気配を感じて振り返ると、なんと先程治療して外に置いてきた億泰が、空間を削り取る右手を振りかぶっていたのだ!
「億泰、貴様っ」
「仗助ぇ〜〜〜ッ!」
ガオンッ!
──億泰は仗助ではなく、仗助と康一の間の空間を削り取った。
当然無くなった分の空間がくっついて元に戻り、康一の体が仗助の目の前にワープする。
訳が分からない仗助に、億泰は気まずそうに背中を向け、少しだけ仗助の方を向いて言った。
「
「……グレートだぜ、億泰!」
どうやら康穂が何か言ってくれたようで、億泰は仗助に1度だけ借りを返して康一をこちらに引き寄せてくれた。仗助はクレイジーダイヤモンドで素早く康一を治療する。
「……ハッ」
「よお、グレートに危なかったな康一……気がついてくれて嬉しいぜ──」
「良かったぁ、康ちゃん! 死んじゃうかと思った……」
「ああ、ほんとだぜ…………って、おいっ!! お前なんでここにいるんだよ!」
康一が気がついたことで気付くのが遅れたが、外で待っていろと言ったはずの康穂が、何故か涙を浮かべながら康一の手を両手で包み込んでいるではないか!
「だって、心配で……それに、私だってスタンド使いなんだから、少しは役に立てるかもしれないでしょ!」
「……まあ、来ちまったもんはしょうがねーな、役に立つか立たないかは置いておいてよぉ〜」
「ちょっと、2人ともどういうこと……? ぼく、どうしてこんな所に?」
起きたばかりで混乱しているだろうが、今は康穂と言い合っている場合でも、康一に1から説明している場合でもない。とにかく、一刻も早くここを離れて承太郎に学生服の男を見つけたことを知らせなければならないのだ。
「やばい状況ってことは変わってねぇぜ、康一……とにかく、早くこの家から出ねぇとまずい」
だが、億泰の兄貴が無事に帰してくれるはずはない。
パタ……パタパタパタパタ…………
「「!」」
「やばい、暗くてよく見えねえが、何かがいるぜ……天井の闇に紛れて移動してる! ──康一はよくわかんねえだろうが、とにかく2人とも俺のそばに寄れ!」
仗助は康穂と康一を背中にかばい部屋の隅まで移動しながら、懐からライターを取り出して火をつけた。オレンジ色の光で照らされて、天井の梁を移動する小さな人影が見える。
「仗助くん、あれは……小さい人……?」
「ああ、すばしっこいようだが、力が弱そうなチビだぜ……この戦い、あいつがもう一度こちらに姿を見せたら終わりだぜ」
小人が顔をのぞかせたのを見計らって、仗助はクレイジーダイヤモンドを繰り出した。クレイジーダイヤモンドのパワーを知っている康穂も、仗助本人も勝利を確信した。
──だが、そんなに簡単にはいかない。
ガシャン! ガシャン! ガシャン! ……
「え!?」
「なんだ!? たくさんいるぞ……! それにその服装は……」
小人は一体だけではなかった。天井の梁を数え切れないほど大勢の、軍服を着てこちらに銃を構えた小人が埋め尽くしている。
「ま、まずいわ! 仗助くん、逃げないと──」
康穂が言い終わらないうちに、小人たちは一斉に仗助が持つライターに向かって引き金を引いた。
「……ッ! や、やべえ! 康穂、康一! 部屋の奥へ行け!!」
仗助の手から血が吹き出し、辺りに飛び散る。2人をかばいながらもクレイジーダイヤモンドが素早い動きで小人を2、3体殴りつけたが、それだけではダメージにはならないようだ。数が多い分、ダメージも分散されてしまうらしい。
「億泰のやつが余計なことをして康一とかいうガキを助けたからほんの少し作戦が狂った……しかし! この館からは決して出さん! 規律正しい我がスタンド、
小人が隊列を組んで3人に迫ってくる……
本物の軍隊のように1人が声を掛けると、それを受けて他の小人達も3人に向けて銃を構えた。沢山の銃口がこちらを向いている──
「撃てぇ────────!」
合図を受けて、一斉に射撃が始まった。
3人は急いで隣の部屋に移り、ドアを閉める。無数の穴が空いて向こうの部屋の明かりが漏れてはいるが、何とか逃げ延びた──と思ったが、その部屋では既にヘリコプターが待ち構えており3人を包囲していた。
「……グレート、ヘリコプターまでいんのかよ……」
「こ、こっちには戦車もいるよ!」
康一が指さした先には、本物の軍が使っている戦車を、そのまま小さくしたような物が少なくとも10は確認できた。
それらが一斉に攻撃を仕掛けてくるが、仗助のクレイジーダイヤモンドは全て防ぎ切るだけのパワーがある。康一が知らせてくれたおかげもあって、何とか凌ぐことに成功した。
喜ぶべきことなのだが、康穂には1つ引っかかることがある。
「──ねぇ、康ちゃん、今戦車って言ったの?」
そう、おかしいのだ。康一はスタンド使いではないから、戦車が襲ってきているのが見えるはずはないのに……
「お前、見えるのか? 康一、まさか……お前スタンド使いになったのか!?」
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時系列がおかしい事に気が付き、ストック分を大幅に書き直し中。
次回更新は未定です。