広瀬康穂が四部で頑張る話   作:ジョジョラー

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今までで1番ヒロインっぽい気がする第3話スタート!


空条承太郎! 東方仗助に会う その③

 

 

 

 

「こいつが……おれの町に……?」

 

 

 仗助は承太郎に渡された写真を見て呟き、承太郎はそんな仗助に更に複数の写真を手渡した。どの写真にも同じ凶悪な顔つきの男が写っており、康穂には間違ってもそれが善いものだとは到底思えなかった。

 承太郎は未だに写真をじっと見ている仗助に対し続ける。

 

「じじいは息子のお前を念写しようとしたらこいつが写った。偶然か……なぜこいつが写ったのかは分からない。とにかくてめーには関係ねーことだが一応写真を見せた。用心しろってことだ」

 

 そして、今度はこちらを見て続けた。

 

「ところで康一くん。康一くんにはなんの事だかわからんだろうが……先程から思っていたことが、君は我々のスタンドが見えていたな?」

「は、はい……」

 

 

 康穂は自分の心臓がとんでもない速さで泊を打つのを感じた。承太郎がこちらをじっと見ている気配を感じるが、そちらを見る勇気は持ち合わせていない。

 先程見たものが疲れによる幻覚ではないということが承太郎の言葉で確定し、本当に見間違いだったのかもと少し期待した心はダメージを受けていた。

 

「ちょっと待ってください! 見えるって一体……? スタンドって……」

「スタンドとは、精神のエネルギーが具現化したものだ。人型のものや、なにかほかの物体の形をしているものもあり能力も様々だが……共通して言えることは、スタンドはスタンド使いにしか見えないということだ」

「えっ、それじゃあ……」

 

 康一は康穂の方を見た。仗助も少し驚いた様子だ。先程までは気にも留めていなかった女が、自分と同類だったことに驚いた様子だ。

 

「ああ。彼女はスタンド使い、ということになるな」

 

 スタンド使い。康穂はこちらを見て目を丸くする康一の表情を見て、自分は彼とは違う人種になってしまったんだと悲しく思った。生まれた時からずっと一緒で頼りにしてきた康一、平凡だが争いとは遠いところにある平和な場所から、自分だけが遠ざかってしまったのではないかと錯覚した。

 康穂が不安になって俯いていると、自分より遥かに高いところにある承太郎の口から言葉が発せられる。

 

「だが、君は自分がスタンド使いだという自覚は無いようだし、おれと仗助の戦いを見てあれほど恐怖していたのにスタンドも出てこない。何かしらの能力を持ってはいるようだが、今のところはただ本当に見えているだけ……のようだな」

 

 

 彼は写真を懐にしまいながら仗助、康一、そして康穂という順番で視線を配り、続けた。

 

「とにかく、こいつを見かけることがあったら決して近づくな……危険なやつだ、警察に行っても無駄だ。おれはこいつを見つけるまでこの町のホテルに泊まることにするぜ」

 

 

 承太郎はそう言って踵を返しこの場を去ろうとするが、その説明だけでは満足しない仗助に呼び止められる。

 

「ちょいと待ちな。この男はいったい……?」

「明日また会おう。仗助! てめーの能力はすげえ危険だ……。無闇矢鱈とカッとなって使うんじゃあねーぜ、いいな。そして君はなにか体に異変でも起きたりしたら直ぐに仗助に相談しろ。おれも協力する」

 

 

 承太郎はそう言い残すと、今度こそ去っていった。

 

(相談するっていったって……)

 

 

 康穂は仗助の方をチラッと見てみる。

 すると向こうもちょうどこちらを見ていたようで、慌てて視線を逸らした。

 

 

(まだ一言も喋ったこともないんですけど〜〜〜っ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「押すな! にいちゃんッ! 人の足ふんでんじゃあねーよボゲェッ!」

「はあ……すみません」

 

 

 

 

 ──現在、康穂は康一と仗助と共に帰り道を歩いていた。

 承太郎が去った後何となく気まずい空気になりかけたが、そこで康一の空気を読む能力が発揮された。

 

 

「ぼくも……ぼくもまだ頭が混乱しているけど、康穂はそのスタンド使いってやつだってことなんだよね?」

「そうみたい……。でも、なんでだろう? 今まではこんなことなかったのに……」

「承太郎さんが持ってたあの写真のヤツに、なんか関係があんのかもしんねーな……」

 

 ここで仗助が初めて口を開いた。

 

 

「とにかく、ただならぬことが起きてるって感じだぜ。あの人も言ってたが、なにかヘンだと思ったらおれに言えってことらしいから、その……」

「あ、ありがとう」

 

 

 仗助も康穂が自分のことを怖がっているのは感じていたので、あまりはっきりと自分に相談しろとは言えなかった。あまりビクビクされるとこちらも気を使う。

 

 

「とにかく、早く家に帰った方が良いかも。あの写真の男にできるだけ会わないようにするには、その方が良さそうだし……」

 

 

 康一の言葉に仗助もそれはそうか、と返し、またまた康一の提案でせっかくだからとこのまま3人一緒に帰路に着くこととなった。優しくて気遣いのできる康一の事だ、康穂が少しでも仗助に相談しやすい様にという気遣いも含まれているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、押すな!」

「危険だから下がって下がって!! 

 

「2人とも! これじゃあ通れないなぁ、なんの騒ぎだろ?」

 

 

 康一は人混みにもみくちゃにされながら声を張り上げる。

 康穂は小柄なので人の波にもまれていたが、ふらついた所をすかさずがっしりとした仗助の腕に支えられ助かった。一瞬承太郎に殴りかかった彼の鬼気迫る表情が思い返されたが、助けて貰ったので素直に礼を言う。

 

 

「ありがとう」

「おう……」

 

 

 仗助は後頭部をかきながら視線を逸らした。こうして優しくされると自分が彼にまだ少し恐怖心を抱いていることに罪悪感を覚えるが、康穂にはどうしようもないのだった。

 ひとまず状況を把握するために辺りの会話に聞き耳を立てたところ、どうやらコンビニ強盗が店員の女性を人質にとり立てこもっているということらしい。

 

 

「みろッ! 出てきたぞッ!」

 

 

 警察官の叫び声に懸命に背伸びをして前方をうかがうと、ちょうど女性の首にナイフをつきつけた男がコンビニから出てきたところだった。女性は涙を流しており、男は警官の説得に応じることなく辺りに怒鳴り散らす。

 

 

「あ……あの女の人からぼく買い物したことがある」

「ありゃやばい目してるゼ……逆上したら絶対やるって目だな」

 

 

 康一と仗助の会話を耳にしながら、康穂は目の前の状況を固唾を飲んで見守っていた。男は唾を撒き散らしながら怒鳴り続けている。ああいう追い詰められた人間は、何をしでかすか分からないから怖いのだ。

 

 

「車にのんだからよ、てめーらさがってろッ!」

 

「ヒイイッ! や、やばいよ仗助くん! さがってさがって!」

「あ、ああ。そうだな。こえ〜〜〜っ」

 

 

 3人は男が乗ろうとしている車の近くに来てしまっていたので、急いで後ろにさがろうとした時のことだった。

 

 

「そこの()()()()()()ガキィ! 車から離れろって言ってるだろッ殺すぞボゲェッ!」

 

 

 男が持っているナイフで仗助の方を示しながらそう言ったのだ! 

 

 

「あっ」

「も、もしかして……ヤな予感……」

 

 

 康一と康穂が恐る恐る仗助を見上げると……

 

 

「アァ?」

 

 

(キャーッ! も、もうダメだわ!)

 

「仗助くんッ!」

「や、やばい、出たァ〜〜〜ッ! こんな時、こんな状況で……承太郎さんがカッとするなとあれほど言ったのにッ!」

 

 

 2人が止める間もなく、仗助は下がるどころかずんずんと男の方へ歩いていく。警官たちが仗助に止まれと叫んでいるが、彼が止まる気配はない。

 

 

「なんだてめーは──ッ! 近づくな──ッ」

 

「ヒィぃぃぃぃ────ッ」

 

 

 興奮した男が叫ぶが、仗助は全く動じない。

 

 

「チクショーッ! 頭きたッこの女にナイフぶち込むことに決めたぜッ!!」

 

「そうかい……」

 

 

 ──ボッ

 

 

 

「キャーッ!」

「ああっ!」

 

 

 康穂は叫び声をあげ康一にしがみつく。

 なんと仗助のスタンドが人質の女性ごと犯人の腹を突き破ったのだ。

 目の前で起こった目眩がするほどのショッキングな出来事に、帰る時この道を選んでしまったことを深く後悔した。

 

 

「頭にきただと? そいつはおれのセリフだッ!」

 

 

 仗助のスタンドが拳を引き抜き、仗助は人質の女性を自分の方に引き寄せた。不思議なことに、風穴があいていたはずの女性の腹はどこも傷ついてはおらず、本人も理解出来ぬ様子であるべきものがない腹をぺたぺた触っている。そして犯人の男の腹は、男が持っていたナイフの形に皮膚が盛り上がっていた。

 

 

「うああああああ! アッ、アッ、アッ、アーミーナイフがはっ、腹の中にぃ──ッ!! な、なんでェ──!!?」

「外科医に取り出して貰うんだな。刑務所病院で」

 

 

 仗助がそう言い放つと、突然男の様子が変わる。目を見開いてうめき、口からはなにか目のついた腕のようなものがとびだし不気味な声をあげながら何かが吐き出された。

 なんとそれは倒れた犯人の男の体の上に乗り、しゃべりはじめたのだ。

 

 

「こんな所に! オレの他にスタンド使いがいるとは……! この男にとりついて気分よく強盗をしてたのに……よくも! 邪魔してくれたな!」

「こいつ、あの写真のッ!」

 

 

 それは、先ほど承太郎が見せてくれた写真に写っていた凶悪な顔をした男のスタンドだった。スタンドは素早い動きで道路の排水口の中に潜り込み、目だけを覗かせて言った。

 

「これからはおめーを見てることにするぜ。おれは何時だってどこからかおめーを見てるからな。……ククク、良いな!」

 

 そう不気味に言い残し、スタンドは消えていった。

 

 

 

 

 

 ──最後に康穂の方を見た気がしたが、それは気の所為だと思いたい。警官に取り押さえられる仗助の声を聞きながら、そんなことを思っていた。

 

 

 

 





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番外編ですが、あと2、3話は続きそうです。アンジェロに飽きて書き始めたのですが、原作の中でも最後の方の出来事なのでかなり先の出来事になります。本編(原作沿い)をキチンと進めるのと番外編(オリジナル)を先に終わらせてしまうのどちらがいいと思いますか?ご協力お願いします。

  • 本編(原作沿い)
  • 番外編(オリジナル)
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