広瀬康穂が四部で頑張る話   作:ジョジョラー

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今回も短いです。


東方仗助! アンジェロに会う その②

 

 

 

 

 

「男の名前は片桐安十郎(あんじゅうろう)、新聞ではアンジェロとあだ名される日本犯罪史上最低の胸くそ悪くなる犯罪者だ。この杜王町で生まれ、IQは160。12さいのとき早くも強盗と強姦罪で施設送りになり、その後日本全国を転々とし刑務所を出たり入ったり。あらゆる犯罪を繰り返し、34歳までで合計20年。その青春のほとんどが刑務所の中だ。やつの最後の犯罪は便所のネズミもゲロを吐くようなドス黒い気分になるようなもので、判決は死刑。そして去年10月に執行されたが、やつは20分間ロープにぶらさがっていたのに生きていた。死刑は延期され、その翌週脱走した。やつは……死刑の時なんらかの原因でスタンド使いになったと見ている。……なぜかは分からんが」

 

 

 承太郎が運転しながら喋った内容に康穂はゾッとした。思ったよりも承太郎が話をしてくれたので気まずさはなかったが、まさか自分が昨日見たスタンドの持ち主がそこまで危険な男だったとは……想像の遥かに上をいっていた。

 

 

「だが、先ほど仗助の母親に取り憑こうとしていた所をあいつが捕まえた。俺が今からあいつの家に行くのはそういうわけだ」

「そうですか……しれじゃあ、ひとまず安心ですね」

「どうだかな」

 

 

 経験豊富な承太郎は、ここで決して油断してはいけないことを知っていた。いくら仗助のスタンドが強力でアンジェロのスタンドにパワーが無いとはいえ、能力を駆使すれば力の差など簡単に覆される。

 

 

「悪いが、送ってやれるのは仗助の家までだ」

「はい。それで大丈夫です」

 

 

 

 

 

 

 

 

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チュドォオオオォーン! 

 

 

 爆発音がして、操作していたキャラクターが死んだ。

 仗助は承太郎が来るまでの間テレビゲームで暇を潰していた。テーブルの上を見ると、何かの液体が入ったビンが置かれており、仗助はそれを手に取り思いっきり振り回す。

 

 

「おーい、バックれてんじゃあないっスよ! もしもぉ〜〜し!」

「グバァ──────────ッ!」

「よしよし、ちゃんといたのね」

 

 中に入っていた液体がスタンドの形になりビンの中から仗助に向かって禍々しい叫び声をあげた。

 

 

 

 

 

 ──その頃、仗助の家の近くに潜んでいたアンジェロは、歯ぎしりをしてイラつきを隠せずにいた。せっかくあの仗助の美人な母親の体の中にうまく入り込むことに成功したのにあっさりと捕まり、その上高校生になったばかりのガキに舐められたままでいるのは我慢ならない。しかも仗助をブッ殺すためにはまずあのビンの中から逃げ出さなくてはならないが、その方法が思いつかない。頭を掻きむしりたい衝動にかられていると、初老の男性が自転車をおりそれを仗助の家のガレージに入れるのが目に入った。警察官の格好をしている。

 

(あの野郎はッ)

 

 腰をさすりながら欠伸をし玄関の扉を開ける男の姿を睨みながら、アンジェロは拳を血が滲むほど強く握りしめた。呑気な男を睨みつけ、ふつふつと怒りを沸き立たせる。

 

(あのおまわりィィィィ、よ────く知ってるぜッ! 東方……そういやあ同じ姓だ……この町でまだおまわりやってたとはなぁ〜〜!!)

 

 アンジェロが12歳の時に初めて捕まり、そして施設送りになった時アンジェロを捕まえたのが東方巡査、東方仗助の祖父にあたる東方良平だったのだ。

 

(懐かしいぜぇ、おめーのことは何から何まで知ってるからよォ……てめーは夜勤明けに必ずッブランデーを1杯やんのが楽しみだったよなぁ〜〜)

 

 

 アンジェロはニヤリと笑った。彼の優秀な頭脳は、ビンの中から抜け出す方法を思いついたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ありがとうございました」

「ああ……」

 

 康穂は車から降りて承太郎にお辞儀をした。そしてチラリと仗助の家の方を見る。おしゃれできれいで大きくて、なんとなしに仗助に似合っているという感想を抱いた。

 ここからなら余裕で学校に間に合うのでゆっくりと歩き出した時、後ろからガチャりと音がして振り返る。

 

「お前……」

「おっ、おはよう、仗助くん」

「おう」

 

 窓から顔だけを覗かせた仗助と目が合ってしまったので、康穂は少し緊張しながらもあいさつをした。悪い人では無いのは重々承知だが、怖いものは怖いのだ。

 

「仗助、ビンを持って車に乗れ。人気のない所へ行こう」

 

 送ってもらって時間に余裕もあったので最後にもう一声かけていこうと思った矢先、ビンを持ちに家の中に引っ込んだ仗助の叫び声が聞こえ康穂は何事かと目を見張った。

 

「……! すまない、なにかアクシデントが起きたようだ。急いで家の中に入れ!! 俺と仗助の近くにいる方が安全だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「きゃっ」

 

 康穂は思わず尻もちを着いた。承太郎と共に仗助の家にお邪魔させてもらうと、床で耳と目と口から血を流した初老の男性が倒れていた。

 アンジェロが擬態した姿をブランデーと間違えて、ビンの栓を開けてしまったのだ。その男性の前に仗助かしゃがみ、焦ったようにまくし立てる。

 

「ビンの蓋をうちのじいちゃんが開けちまった。しかし心配ないぜ、ちょっとしたキズだ。こんなキズくらい、俺のスタンドなら簡単に……」

 

 仗助のスタンドが現れ男性に手をかざすと傷がみるみるうちに治っていく。しかし、完全に傷が塞がっても男性が目を覚ますことはなかった。仗助は祖父の服の襟をつかみ揺すりながら話しかける。

 

「そんなハズは……目を覚ますはずだ……おれのスタンドは傷を治せる、子供の頃から何度もやってる……じいちゃんのこのキズは完全に治ったはずだ。……コラ、じいちゃんふざけると怒るよ! 夜勤明けなんでマジに寝ちまったのか!」

「仗助……」

「キズは完璧にッ……」

 

 なおも祖父の力の抜けた体を揺すり続ける仗助に、承太郎はいった。

 

「人間は何かを破壊して生きていると言ってもいい生き物だ。その中でお前の能力はこの世のどんなことよりも優しい。だが、生命が終わったものはもう戻らない……どんなスタンドだろうとな」

「…………この人は、35年間この町のおまわりをしてきた。出世はしなかったけど、毎日この町を守るのがこの人の仕事だった……」

「やつは何人も殺している。死体が見つかっていない町の人間も何人かいるはずだ……やつの殺人に理由はない。……趣味だからだ。これからもきっと殺すだろう……まずお前とここにいる俺たちふたりを殺してからだろうがな」

 

 たった今聞き捨てならない言葉が聞こえた気がしたが、きっと気の所為だと康穂は思うことにした。

 仗助はしばらくの間しゃがんだまま俯いていたが、やがて膝の上で拳を握りゆっくりとたちあがる。

 

「おれがこの町とおふくろを守りますよ……この人の代わりに、どんなことが起ころうと……」

 

 

 康穂は目の前の男の顔が、打ちのめされた表情から頼もしい戦う男の顔に変わるのをその目で見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





感想を書いてくださると嬉しいです!やる気がみなぎります

番外編ですが、あと2、3話は続きそうです。アンジェロに飽きて書き始めたのですが、原作の中でも最後の方の出来事なのでかなり先の出来事になります。本編(原作沿い)をキチンと進めるのと番外編(オリジナル)を先に終わらせてしまうのどちらがいいと思いますか?ご協力お願いします。

  • 本編(原作沿い)
  • 番外編(オリジナル)
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