これは執事ですか?はい、だけどゾンビです   作:放仮ごdz

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本日7月23日は私こと放仮ごのハーメルン三周年となるので特別回です。本編じゃ絶対にかけないあの三人が登場。
ハヤテとナギの、たった一日の世にも不思議な話です。何時もと違い原作が無いのでぐだりますが、そこは目を瞑っていただけると嬉しいです。


これは綾崎悠ですか?はい、三人揃って私です

それはある日の事だった。

 

「おはようございます。ハヤテ」

「…へ?」

 

僕が起床した時、目の前に居たのは見覚えの無い麗人だった。えーっと?確か鍵をかけたはずなんだけどどうしてこう、ユーと言いお嬢様と言い勝手に入って来るんだろうか?

 

「…一体貴女は誰ですか?」

「私ですよ、ユーです」

「は?」

 

いやいや、それはありえない。僕の知るユーは銀髪赤眼でアホ毛の生えた、ちょっとちびっこくて甲冑を付けた少女だ。こんな背が高くて、艶のある長い黒髪を一括りにしていて、タンクトップとホットパンツにマント何て露出度が高いのか少ないのかよく分からない格好なんてしていない。何よりこんなに胸が大きいはずがない。いや、血の様に赤い瞳だけは面影があるけど…あ、翡翠色に変わった。目の色が変わるってどうなってるんだ一体。

 

「最も、今の私はセラフィム。俗に言う葉っぱの人ですけどね」

「葉っぱの人?」

「セラとお呼びください、糞虫♪」

「ぐふぅ!?」

 

いきなり罵倒された。言っている事はよく分からないが、本当にユー…なのか?だとしたら酷いんじゃないだろうか。いや普段もあまり変わらない気がするけど。

 

「信じられないでしょうね。じゃあ証明しましょう、貴方の夢は3LDKです」

「何故それを!?」

 

その夢はユーにしか話していないはずだ。まさか本当に…?

 

「ユー、なの?」

「だからそう言っているでしょう糞虫。私としても何があったか分かりませんが、早く着替えてください。ナギの元に急ぎますよ」

「は、はぁ」

 

お嬢様はもう既に状況を把握しているのか。なら急いだ方がいいかな。…っと、出て行かないんですかね?と言う視線を向けてみるが、ユー・・・改めセラさんは一向に動こうとせず、ベッドの側で凛と佇んでいる。

 

「…あのー、着替えられないんですけど…」

「何を言うのです。私は貴方の妹ですよ?気にせず着替えてください」

「いやさすがに…」

「…気になると言うのなら仕方ない。40秒外で待ちます、急がないと覗いでしまい気持ち悪くなる可能性大なので急ぎなさい」

「へ?あ、はい!」

 

扉を開けて廊下に出るセラさんを見送り、僕は急いで着替える。そして20秒足らずで着替え終わり廊下に出たのはいいんだけど…

 

「いくら何でも早過ぎます。気持ち悪い」

「どうしろと!?」

 

罵倒された。…ああ、ユーの罵倒癖がそのまま性格になった様な物なのかこのセラさんは。…って事は他にも居る可能性が…

 

『遅い』

「え?ユー!?」

 

すると廊下の奥からやって来たのは、何時も通りのユー・・・だがしかし、少し違う。まずアホ毛が無い。着ているのもいつものメイド服ではなく最初に出会った時と同じ衣装だ。そして何より、目が蒼い。驚くほど青い。そして綺麗な無表情。何時も口の端やらが歪んだりしているが(笑うのを我慢している?)こっちは完全に無表情だ。

 

『私はユークリウッド・ヘルサイズ。今まで通りユーでいい』

「そうなんですか。…って事は二人に分離しちゃったんですか?」

「残念ながらそうではありません。ヘルサイズ殿、先を急ぎましょう。ナギが心配です」

『それは失念していた』

「?」

 

何のことだろう?でも、お嬢様が心配ってフレーズは妙な危機感を抱かせる・・・するとセラさんがユーの首根っこを猫の様に掴んで走り出した。速い、僕の自転車の速度と同等!?

 

「何をしているのです、急ぎなさい糞虫」

『急ぐ』

「あ、はい!…200%!」

 

もう正直使い慣れて来た200%の脚力でそれを追い掛ける。と、無駄に広い屋敷を爆走し、一分もかからずお嬢様の部屋に着いた。中からは騒がしい声が聞こえる。

 

「コイツはあたしの何だからな!」

「あ、くそハルナ!そこで最後の切りふだは卑怯d・・・」

《「決めてやる!」》

「だあああらっしゃああああああっ!」

「くぎゅっ、私のピカチュウがー!?」

 

・・・どうやら元気にス●ブラをやっている様だ。誰かいるらしい。まさかその人物もユーとかそんな訳ないよね?とか思いながら扉を開ける。そこにいたのは…何故かTシャツ一枚と縞パンしか身に着けてない、アホ毛が目立つ茶髪の少女だった。…何故に半裸?

 

「おっ!遅いぞーハヤテ!」

「やっと来たか。じゃあ混ざって私のリベンジ戦に付き合え」

「え?え?」

「ハルナ、自己紹介なさい。糞虫が混乱してます」

『ナギ、それは後で』

「お、おう…」

 

お嬢様、すみません。後でリベンジ戦付き合わせてもらいます。ス●ブラなんてした事無いですけどね!

 

「あたしは天才魔装少女のハルナちゃんだ!根暗マンサーの時みたいにあたしまで無視したら許さないんだからな!」

「同じく。気持ち悪いのも禁止です。今の姿だと口が勝手に罵ってしまいますので」

『でもハルナもセラも私。つまり全員ハヤテの妹』

「…ハヤテ、苦労するなお前も…」

「お嬢様、同情する様な目は止めてください。それでどうしてこんなことに?」

 

一番気になっていた事を問いかけてみる。今は三人も義理の妹が出来た事とかはとりあえずどうでもいい。いやどうでもよくないけど。イクサ兄さんも反応に困るよこれは。

 

「さあ?起きたらこうなっていました。正直確認を取らないとこの二人を斬り捨てていましたね」

「ま、自由に話せるようになったからモーマンタイだけどな!」

『それは二人だけ。私は今まで通り。いやもっと酷い』

「それはどうして?」

『感情表現が出来なくなった。私が感情を動かすと周囲に影響を及ぼす』

「それがヘルサイズ殿の特性なのですからしょうがありません。私も料理にプラスチックを入れようと少し思うぐらいには可笑しくなっているので気持ちは分かりますが」

「今日の朝食はあたしが一人で作ってやるから感謝しろよな!」

 

ふんぞり返るハルナに、僕は嫌な予感を覚えて慌てて止める。

 

「そんな!ユーに任せたら卵料理以外が壊滅・・・」

「アレ(クッkillング)は葉っぱの人のせい何だから心配するだけ無駄だぞバヤテ。この天才ハルナちゃんの実力を思い知ってせいぜい驚愕するんだな!」

「では私もお手伝いを・・・」

『自分で言ったことを忘れるなんて重症』

「はっ!?恐ろしきかなセラフィムの性・・・!」

「葉っぱの人は絶対手を出すなよ!絶対だかんな!」

「同じ自分なのに酷いですよハルナ!私にもやらせなさい!」

『また出てる、抑えろ』

 

三人のユーがギャーギャー騒いで結局ハルナが出て行き、それに着いて行こうとしたセラさんをユーが押さえる光景が目の前で繰り広げられる。…あー、何だろこの気持ち。

 

「えーと…お嬢様?」

「思った通りだぞハヤテ。三人に分裂しようが何時も通り、カオスだ。むしろ酷くなっている」

「ですよねー」

 

元々ユーは居るだけで場をカオスにする天才だ。性格も三分割されたとはいえ、それは変わらない。いや、この三人が揃ってこそカオスが完成すると言う事なのか?

 

「ところでハルナ・・・」

「あ?この天才ハルナちゃんを呼び捨てにする気かバヤテの癖に」

「そのバヤテって一体…?」

「バカハヤテの略だ。葉っぱの人だって糞虫って言ってんだろ。そんな事も分からないなんてバカだなー♪」

「ユーじゃなかったら思わずしばいてる所ですよ…!」

「それはいい心がけだな!」

「…」

 

駄目だ、このハルナと言う人格は何を言っても通じない様にできているのだろう。どうしたものか…とか考えているうちにいつの間にかハルナは廊下を走って行った。…廊下は走っちゃいけませんと言うべきか?

 

「で、ハヤテ。お前はユーと組んで私とセラのペアと勝負しろ」

「おや、私もするのは確定ですかナギ?」

『望むところ』

「分かりました。相手をさせていただきます」

「ルールはストック制で残機は3な。私はピカチュウ選ぶがお前等はどうする?」

 

ポチポチとコントローラーを操作して誰もがよく知る黄色い電気ネズミを選んだお嬢様がこちらにコントローラーを手渡してきた。…最近のコントローラーって細いんですね。さて、僕が知るキャラは少ない…うーん、よしこれに決めた。

 

「僕はソニックで行かせてもらいます」

 

最速。青い。共通点が多いから感情移入できる。

 

「では私はルキナで」

『私はゲッコウガ』

 

この圧倒的青率ッ!お嬢様だけ黄色だ。

 

「・・・セラ、お前カラーは黄色にしろ」

「仰せとあらば。私は貴方のメイドですからね」

 

あ、黄色二人と青二人になった。相棒がユーなのはいいな、信頼できる。

 

『勝とう、ハヤテ』

「うん、ユー!」

 

とは言ってみたけど、実際はどうだろう。これでも執事だから、お嬢様が満足する結果にしないと行けないし…でもユーはやる気だからわざと負ける訳にも・・・

 

「ちなみにハヤテ」

「はい?」

「もし簡単にやられたらセラにお仕置きしてもらうからそのつもりで挑め」

「了解しましたッ!」

 

お嬢様もああ言ってるしちゃんと勝負しよう!手を抜いたら殺される!でもその前に、僕は操作方法分からないんですがどうすれば!?

 

「始めるぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

結局、お嬢様がロケット頭突きやユーのみがわりで自爆しまくって、セラさんがカウンター無双で「燕返し!」を連呼して僕達に勝利した。…えっと、お嬢様。同じ技連発は多分駄目だと思います。

 

 

「くぅっ・・・初心者のハヤテにまで負けた…」

『カウンター怖い』

「私の趣味は燕返し、好物も燕返し、特技も燕返しですので!」

「いやただのカウンター・・・」

「ところでハヤテ、貴方わざと負けましたね?」

「え?」

 

そうなのだ。あまりにもお嬢様が可哀相だったのでわざとお嬢様のロケット頭突きを避けないでダメージを受けたのだ。その後ユーのかげうちが決まって結局負けていたけど。

 

「…はい…」

「ではお仕置きです。秘剣・燕返し・・・」

「!?」

 

とりあえず逃げる。前にあの技はエイトやザリーさんに浴びせた技として見ている!リーチは長いけど、到達する前に逃げれば…!

 

「龍牙雷神衝!」

「ギャー!?」

 

そんな事はなく、何故か天井から落ちて来た雷に撃ち抜かれて黒焦げになり倒れる。…いや、確かにエイト戦で使っていたけど…まさか身内に容赦なく雷を浴びせるなんて誰が想像できますか…

 

『上手に焼けました』

「ゾンビの丸焼きは食べたくないな。大丈夫なのか?」

「問題ありません。ゾンビですからすぐ戻ります」

「はいその通りですよっと!」

 

執事服はボロボロだが肉体は元に戻った。便利なんだけど、何か虚しくなるんだよなぁ…あと心が痛い。

 

「気持ち悪いです」

『ハヤテ、自重』

「ユー達が犯人ですよね?!」

「ハヤテ・・・ツッコんだら負けだぞ?」

「分かってますよお嬢様。しかし、ゾンビとしての性かツッコまなくてはいけない気が…!」

 

そこはゾンビ関係ないのだろうか。でも、ちょっと安心感がある。今まで、こんな温かみを味わえなかったからかな。糞両親の事なんか忘れよう、今僕には温かい家族がいるんだから。

 

「ナギ!バヤテ!葉っぱの人!根暗マンサー!ハルナちゃんお手製が完成したから食べろよな!」

「おうっ、カレーか。ユー・・・じゃなかった、ハルナの腕前がどれほどなのか見せてもらうぞ」

『実力はお墨付き』

「おお、前にユーが作ったカレーとは比べ物にならない程美味しそうですね。…そう言えばマリアさんは?」

「現実逃避に買い物に出かけました」

「マリアさん!?」

 

・・・そっとしておこう。マリアさんの非現実嫌いは徹底している。多分、無表情で話すセラさん達も傷ついているんだ…多分・・・ハルナは知らないけど。

 

「…で、そう言えば何でユーは分裂を?」

「「『(゜Д゜)ハッ!』」」

「むしろなんで今の今まで考えようとしなかったんだ…」

 

 

 

で、その後ユーが起きたらこうなっていたと主張するので、全員で寝てみる事にした。そしてきっかり一時間後、僕らがマリアさんに叩き起こされるとそこには…

 

『おはよう。ハヤテ、ナギ』

「…うん、おはようユー」

「そんなに寝ていないがな」

 

銀髪、アホ毛、紅い瞳の、ユークリウッド、ハルナ、セラフィムの特徴が揃ったいつも通りのユーがいた。結局、僕とお嬢様には理由が理解できなかったが、ユーは勝手に納得した様だ。何でも寝ている間に痛い格好のロリっ子に会ったらしい。おk、大体分からない。夢なのかと思ったが、ハルナの作ったカレーが残っていたのでそれは無いだろう。あの味は、僕やマリアさんには作れない。そんなこんなで今日も平和に終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーside

まったく。いきなり何事かと思えば、簡単に言うとアポロちゃん曰く「ちゃんと理解できたでしょ?」との事らしい。ああできましたよ、私があくまで「ユークリウッド・ヘルサイズ」と「セラフィム」と「ハルナ」の融合体だって。私はこの形でないと自分を表現できない様だ。

ユークリウッドだと感情の表現ができないし、セラフィムだと口を開けばすぐ罵倒するし、ハルナは短直的にしか行動できない。性格が固定されちゃうんだ。正直言って、自分が自分じゃなくて気持ち悪かった。今日だけって話だからもう二度とこんなことにはならないだろうけど…姿を自由に変えれたら便利なんだろうな。性格固定されるなら二度と御免だけど。

 

でもまあ、ハヤテもナギも心底楽しそうに笑っていたし、よしとしよう。やっぱりこの三人は、居るだけで満足させる。ああ、幸せだと。…私一人でも、こんな風に出来たらいいな。

 

ちょっと不思議な体験だったけど、またあの笑顔が見れるならもう一回してもいいかもしれない。そう思う私は、既にあの二人を家族だと認識しているのだろうか。それはいいことだ。




ユーはやっぱり三人揃って綾崎悠だからこの物語が成り立つ。そんな話でした。セラフィムは書きやすいんだけどハルナが難しくて難航した。

ハヤテもナギも、両親がいない(片方は売り飛ばした)のでこういう三人揃った生活もいいかなーと思って書きました。書きなれない物は書く物じゃないですね。

次回からは三巻の内容を飛ばし飛ばしで行こうと思います。早く生徒会長出したい。次回もお楽しみに!
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