俺が異世界でチートでハーレムを作る話

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アーモンドプードルに浸けて食べると噎せます。


ケモミミ

 俺は死んだ。自殺したからだ。俺の家は貧しい母子家庭で母親は俺のことなど構わずに家の外に男を作っていた。たまに家に帰ってくるときは男と一緒だった。

 

 男を家に連れて帰ってくる理由は家でセックスするため、という単純な理由だ。俺がガキだったころに母と男がヤっているところを覗いてしまったことが有った。肛門が二つあって肉の塊が上下している醜悪なものだった。それを見た俺は殴られた。痛かった。鼻が吹き飛ぶかと思った。その時のことは未だに忘れない。

 

 そんなクソみたいな家庭環境でこれまで生きてこれたのは俺が身体を売っていたからだ。女の子みたいな華奢な身体の俺は男にもてた。クソババアの男の中には俺を犯そうとする奴までいた。

 

 実際に俺はクソホモに掘られた。ホスト風の顔だけ野郎だ。そいつをぶち殺してやりたい。俺を奪った最初の一人だ。そいつは金なんて払わなかったが、それから俺は自分の身体が商品になることを覚えた。そして幾人もの奴に身体を売った。

 

 そんな男の中で優しかったのがおじさんだ。おじさんはホモだった。家庭を持っていて子供がいたらしいがおじさんはホモだった。ずっと違和感を抱えていたらしい。実際は俺はおじさんの専用みたいな感じだった。

 

 そんなおじさんと俺は心の隙間を埋めるように寄り添った。おじさんは俺に金を払い俺は身体を売った。愛なんてなくて打算的な関係だった。おじさんは優しくて俺に飯を食わせてくれたり、服を買ってくれたりした。それに俺に酒を飲ませてくれたりした。

 

 そんな関係はいつか終わるものだと心のどこかでは思っていた。だっておかしいじゃないか。汚れた俺にここまで優しくしてくれるなんて。おかしいのだ。あの人は皆に優しいだけで、俺に対して優しいんじゃないはずだ。

 

 そして関係は破局した。おじさんと俺の関係がおじさんの家族にバレた。おじさんは吹っ切れた顔で俺の前に現れた。そして結婚して欲しいと俺に言ってきた。

 

 涙が止まらなかった。自分でもなんで泣いたのかは分からない。だけど涙が止まらなかった。一人にして欲しいと俺が言うと、おじさんは電話番号の書かれたメモと携帯電話を俺に渡し、落ち着いたら掛けるといいと言った。

 

 俺は情けなかった。優しくてお金持ちで頭のいいおじさんが俺の為にここまでしてくれたのだ。家族と別れて俺を選んだんだ。俺にそんな価値は無いのだ。無性に気持ちが悪くなって吐きたくなった。トイレに行って吐く。出たのは黄色い胃液ばかりだ。

 

 トイレの窓から覗く空は曇天で、俺の心を表しているようだった。それでも空を一羽の鳥が飛んでいた。羨ましかった。

 

 鳥をもっと近くで見るために屋上に行った。普通は施錠されているはずの屋上への扉は何故か開いていた。誘われるように屋上に出て鳥を追う。

 

 それはきっと白鳥だった。都会の排気ガスや人間の雑踏で汚れた空気が構成する空をそれは飛んでいた。無性に惹きつけられた。それは美しかった。

 

 そうして気が付いたら俺はビルの屋上から転落していた。俺はトマトのようになった俺の死体の上をふわふわと浮いていた。

 

 警察は俺の遺留品からおじさんを特定した。おじさんは大泣きしていた。そして自分を責めていた。俺の葬式にはおじさんとクソババアと若い女がいた。話を聞いていると若い女は俺が通っていることになっていた学校の先生らしかった。

 

 クソババアは葬式に飽きたのか、外に出て行ったきり戻らなかった。どうせ男のところに行くんだろう。あれはそういう生物なのだ。

 

 おじさんと教師しかいない俺の葬式は恙なく進んだ。そして俺の肉体は焼き場に運ばれ、そして焼かれた。焼け残った骨や灰はおじさんが持って行った。

 

 俺はおじさんについて行った。おじさんの家は庭付きの一軒家で大きかったけれど静かだった。生活感が無く人気も無い家におじさんは入っていき、寝室に入った。

 

 おじさんは泣きながら眠った。俺は頑張った。何かをおじさんに遺したかった。だから色々なことを試した。そして、俺が向こうに行く前日になんとかおじさんに手紙を書き残すことが出来た。

 

 俺が思っていたこととかおじさんが悪くないこととかをその手紙には書き残した。汚い字だがおじさんなら俺の筆跡だって分かるだろう。

 

 そして、神の使いが来た。神道だか仏教だかは分からないが、神の使いには獣の耳が生えていた。悪霊とかそういうものではないように思えた。何故なら温かさが獣耳からは感じられたからだ。

 

 そうして俺は、神の使いに案内されあの世へと向かった。

 

 しかし、二人の内の一人の彼だか彼女だかはこちらを見て、同情したような目をしてきた。両方とも髪型はおかっぱなので違いが分からなかったが一人が確かにそうしたのだ。

 

 そうして俺が案内されたのは、無数に存在する鳥居で構成された空間だった。朱で構成された空間は目には優しくないはずなのに何故だかそこは優しかった。

 

「おお人の子よ、哀れな子よ」

 

 不意に巨大な質量が近くに現れた。しかしそれは確かにそこにあるはずなのに俺には理解できなかった。獣の息遣いと、匂いが空間に充満している。

 

「お主に第二の生を異なる世界で送らせてやろう」

 

「な、何が?」

 

 二人組のおかっぱに尋ねても、おかっぱはコショコショと話しているばかりでその言葉は俺には聞き取れなかった。

 

「人の子に幸があらんことを」

 

 気が付いたら巨大な質量は消えていた。そしておかっぱが俺の手を引いていた。

 

「あなたに幸福があらんことを」

 

「あっ、ああ」

 

 幼児が囁くような声でおかっぱの一人が囁き、俺は先ほどの空間ではないどこかにいた。

 

 暖かい日差しに包まれた原野を俺は駆けた。無性に走りたかったからだ。四足で土を蹴り走るのは楽しかった。はて?俺は何かを忘れているのではないか?一瞬そう思ったが走ることが楽しかったので忘れた。

 

 これだけ走り回ってもお腹が減らないのだ。取り合えず水でも飲もうと思って水辺に近づいて自身の姿を眺めてみるとそこにいたのは子狐だった。

 

 可愛らしい姿だ。まあ可愛らしいし狐でもいいだろう。いやそんなことは無い、俺は人間だったのだ。野生に飲まれそうになってしまった。危ない。

 

 狐は人間に化けられるらしい。そんな考えが頭に浮かんでいたが、眠さには勝てずに眠ってしまった。

 

 人間、意外とすぐに考えていたことを忘れてしまうものだ。俺が元人間だと思い出したのは、人間に襲われている時だった。

 

 金属の鎧を着て、がしゃがしゃとうるさいので尻尾で吹き飛ばしたら襲ってきたのだ。最悪である。眠いのにうるさいのが悪いのだ。

 

 尻尾で吹き飛ばしているうちにニンゲン?人間?はて?と思い出したのだ。

 

 今ではやたら増えた尻尾に大きくなった身体、そしてかわいい子供たちまでこしらえてしまった。

 

 どうするのだこれは。自分が野生のままに増やしてしまった結果がこれなのだ。自分がかつて男だったという事実さえ俺は忘れていた。一人称が俺だという事実すら忘れていたほどに。

 

 子供たちは世界中に散らばり、縄張りを広げているのだ。恐ろしい事実である。

 

 仕方が無いので鎧を付けた人間には止めを刺さないでおこう。鎧を放置するくらししか出来ることは無い。単にデカいきつねであるからだ。

 

 人間になれ、人間になれって考えていたら人間になった。水鏡で見たところ素晴らしい黒髪で何故か着物姿の美女である。これには驚いた。

 

 鎧姿の人間から鎧を剥ぐとそこに入っていたのは男だった。男は俺の前世で好きだったおじさんとそっくりの容姿をしていた。

 

 この辺りは冬になると厳しい気候になるのでこの傷だらけの男を放置していれば、男はいずれ死ぬだろう。だから巣穴にしている岩穴に連れて行った。

 

 幸い、最近子をもうけたのは大分前だったし、オスの狐も巣にはいない。ここは完全に俺一人の住処なのだ。男の鎧を引きはがし、藁の上に寝かせる。藁は寝床にしていたものだがそこまで汚くは無いだろうから大丈夫だろう。

 

 男は三日ほど死んだように眠っていたが、四日目の朝に目を覚ました。こちらを見て何か言ったようだが俺には分からなかった。

 

「お前は何者なんだ?ここは化け狐が出る逃げた方がいい。俺を見捨てて早く逃げろ!」

 

 長く生きていれば言葉くらいは分かるようになる。どうやら彼は化け狐が出るから逃げろと言っているらしい。灯台下暗しとはこのことである。

 

 甲斐甲斐しい私の世話が効いたのか彼は元気になった。そしてこう一緒の寝床に女と男がいると自然にそうなるのだ。

 

 私は彼の子を身籠った。そしてそれを伝えたら、街にいた方がいいと彼は伝えてきたのだ。

 

「それは出来ない。俺、いや私は街には行けない」

 

「どうしてだ。いやそうだよな……お前は……」

 

「そう、こんな山奥に女が一人で住んでいるなんておかしいでしょう?」

 

「ああ、薄々感づいていたさ。お前が化け狐なんだろう、で、俺を食べるのか?俺はお前を愛しちまった、お前に喰われるなら構わない」

 

「じゃあ、遠慮なく」

 

 私は彼の唇を貪った。食べたりはしない。だって私も彼が好きになっていたのだから。

 

 数年が過ぎ、子供が増えた。岩穴を改修はしているが、それでも岩穴暮らしではいろいろと制限があるのだ。私の巨体が入るほどの大穴なので問題はないのだが、気分的にはそうはいかなかった。

 

 彼は様々な経験をつんでいたので、簡易的な家を作ることが出来た。そうして家が出来、森を開いているとたまに人間と出会うようになった。彼らは弱っていた。

 

 私はそれを助け、家を与えた。理由としては、子供の遊び相手が欲しかったからだ。流石に親だけしか世界を知らないのは可哀そうだったからだ。何十年かが経ち、彼は死んだ。子供たちは大きくなった。

 

 私が手を掛ける必要はなくなったのだ。そうしている間に私の狐時代の息子や娘たちがボロボロの状態で戻て来た。村の人間は私達の秘密を知っていたので問題はなかった。

 

 子供たちはドラゴンと戦って敗れたらしい。それで逃げ帰ってきたのだ。かつて私が交尾したオス狐も何匹か戻ってきた。

 

 そして、私を担ぎ出してドラゴンと戦おうというらしい。確かに私は身体が大きいし、尻尾もたくさんある。だからと言って強いかと聞かれるとそうでもないのだ。戦ったことは無いがドラゴンというのは強そうな言葉である。だから私は戦うことを選ばなかった。

 

 そんな私に失望したのか、こっそりと何匹かの狐はドラゴンと戦いに行って戻らなかった。それ以外の大多数は人間に化けて暮らすことを選んだのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 私がこっそり覗いた大おばあちゃんの記憶にはそんなことが刻んであった。大おばあちゃんは何人かいて、みんな年寄りだけど、若い大おばあちゃんもいる。私が記憶を覗いたのはそんなクズノハ大おばあちゃんだった。とっても物知りで、優しい大おばあちゃんなのだ。

 

 この里の人間はかつて獣と交わったことが有ると、学校で歴史の先生が教えていたのは本当だったんだ。私は興奮を隠せなかった。みんなに教えてあげていけどこのことはクズノハおばあちゃんの秘密のはずだ。だから黙っていなきゃ駄目。

 

 私にはよく分からないことも多かったけど、私達の先祖は狐だったのだ。ニヤニヤしながら通りを歩いていると、いなり寿司屋さんのおばさんと目が合った。

 

「ヒメちゃん、嬉しそうだね?なにかいいこと有ったのかい?」

 

「ううん、別にないよ」

 

「あ、おばちゃん、お客さんだよ」

 

「おや、お客さんなんていないじゃないか?」

 

「え、だけど確かにさっきは居たのに?」

 

「見間違いかい、よっぽど嬉しいことが有ったのだろうね」

 

 私が見たのは、狐のお面をした黒髪が綺麗な女の人だった。おかっぱの女の子か男の子を二人連れていた。見間違いだったのかもしれない。

 

 それくらい、私はワクワクしていたのだから。




くぅ疲れました。

のじゃ。レギュ違反はしてないはず……

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