最下部に暫定年表あり
彼方「エナジーを解放せよ! きゅーばりぶれー!」
*
菜々「────いい加減にしてよっっ!!」
ガチャン……!!
カラカラ……
部長「───!」
愛 「───!」
投げられた空のマグカップが宙を舞い、そのまま壁に激突
可愛らしい熊の絵柄は、見るも無惨なほど、粉々に砕け散った
破られた紙を掲げたまま、何が起きたか分からないという風に硬直する母
しかし……その口元が激しく痙攣を起こし始めるまで、それほど時間は掛からない
母親「──────」
その日、1枚の入部届が、無惨に破られる
それはスクールアイドル同好会が結成した年の秋
港区赤坂、中川の邸宅での事だった
*
・虹ヶ咲オリ設定
・いろんなところからパクリ
・モブ連中が喋りまくります
・百合なんてありません
*
先生「では、クラス委員長兼、風紀委員は朝香さんと垣澤さんで決定とします」
先生「2人とも、これから1年間、クラス代表として頑張ってね」
果林(155cm)「はい!」
垣澤「はい!」
先生「よし、この調子で他の委員会も決めていきましょう」
先生「じゃあまずは───」
私は朝香果林
この度、高校受験に合格を果たし、故郷の広島から上京してきた15歳
生まれ変わった気分で、とはよく言われるけど、今の私は正にその気分
この日本で最も華やかな場所、東京で寮生活を始めるに至り、まるで別の人間に変わったかのよう
果林(これまで何となしに日常を過ごしてきた私だけど───)
果林(ここから勉強もオシャレも気合を入れて、誰もが認める立派なシティガールに……)
先生「次に───」
彼方「 パ ン ケ ー キ ! ! 」
果林「…………」
先生「…………」
シ ー ン ……
彼方「……Zzz」
*
先生「ちょっと。ちょっとアナタ」
彼方「んにゅ……あれ、コーラは?」
先生「えーと出席番号8番の……これはオウミでいいの?」
彼方「ほえ……? このえでしゅけど……」ウトウト
先生「そうですか、失礼。で、近江さん?」
彼方「ふぁーい……?」
先生「いま、何の時間だと思う?」
彼方「…………」
先生「…………」
彼方「しえすた」
先生「委員会決めの時間ッ!!」
彼方「あひィ!?」キーン
先生「起きなさい」
彼方「はらほれ」
先生「起きるッ!!」
彼方「ひゃい!?」
*
先生「まったく……」
先生「では気を取り直して───」
果林「…………」
果林(何コイツ……よりによって私の隣の席)
彼方「耳がぁ」グワングワン
果林「ちょっと、ねえ」ヒソヒソ
彼方「ふぁ?」
果林「ちゃんと起きてなさいよ。また怒られるわよ」ヒソヒソ
彼方「……」
彼方「は? 誰あんた」
果林「たった今クラス委員長になった朝香よ。あと少し声を落として」ヒソヒソ
彼方「…………」ジーッ
果林「え、なによ」
彼方「いや別に」
彼方「おっぱいデカくて良いなと思って」
果林「ぶっ!?」
彼方「おわっ」
*
果林「あ、あなた仮にも初対面の相手にセク……!」ガタッ
先生「…………」
果林「はっ」
果林「す、すみません……」
先生「静かにね」
果林「はい……」
先生「では、次に図書委員へ立候補してくれる方───」
彼方「ぷくく、声落とした方が良いんじゃないの?」ヒソヒソ
果林「殴るわよ」ヒソヒソ
彼方「こわ」
果林(不愉快だわ。実に不愉快だわ)イライラ
*
果林(虹ヶ咲学園といえば、日本人の大半が知る都内でも有数の名門校)
果林(必然、在籍する生徒のレベルも高い。それは勿論、学力だけに限った話ではなく、だ)
果林(学費はそれなりの数値だが、入学すれば、その額に見合うだけの高品質な教育が確約される───)
果林(つまり、その教育が宝の持ち腐れにならないだけの資質を有した人間を、可能な限り集めた場所でもある)
───なのに、コイツときたら
果林「…………」チラリ
彼方(これから遥ちゃんとも暫く会えないのかー……泣いちゃいそう)ボケー
果林(横顔だけでも、どうでもいいこと考えてそうな感じ伝わってくるって相当よ)
果林(要するに"可能な限り"から零れた例ね。何の奇跡で入学出来たのかしらね、こんなのが)
先生「はい、ありがとうございます。放送委員は田辺さんと黒岩さんに決まりました」
先生「いろいろ出番の多い委員会だけど、2人とも頑張ってね」
田辺「はいっ」
黒岩「はーい」
先生「そろそろ終わりが近付いてきましたね。今年は良いペースです」
*
先生「では次に───保健」
彼方「はいはいはーい! はい!!」ガバッ
先生「!?」ビクッ
果林「!?」ビビクッ
シーン……
彼方「はい、近江の彼方で御座います」
彼方「保健委員、立候補させてください」
先生「……」
先生「そ、そうですか。……では他に立候補希望の方は」
…………
…………
箭野「あ、じゃあ私が……」
先生「……箭野さんね。立候補ありがとうございます。本当に」
箭野「は、はあ。とんでもないです」
先生「他に立候補は……居ませんね、ええ」
先生「で、では、近江さんと箭野さん。保健委員よろしくね」
彼方「やったぜ」
箭野(入学早々、何か成し遂げた気がする)
果林「…………」
果林(コイツ変人だわ)
果林(可哀想に……きっと碌な学校生活送れないタイプの人ね)
*
果林(……でも、良い反面師よ)
果林(こんな風にならないように、勉強いっぱい頑張って上流の女子になってやるんだから)
彼方「これで保健室のベッド使い放題だぜ♪」
果林「…………」
果林(絶対、こんな落ちこぼれ第一候補みたいにはならないわよ!)
果林「近江さん」ヒソヒソ
彼方「今度は何だよ」
果林「保健委員でも、病気じゃなきゃベッド使用許可は下りないわよ」ヒソヒソ
彼方「───」
彼方「ふぁっ?」
果林「あんなに意欲あるなら、最初からそうすれば良いのよ。期待してるわ」ヒソヒソ
果林「頑張ってね」ヒソヒソ
彼方「え、ちょ」
果林(ばーか。良い気味よ)
*
-豊島区巣鴨 宮下家-
愛 「メイド喫茶でバイトするァ!?」
祖母「そうさ」
祖母「ダメかい」
愛 「いや……いやいや! 駄目も何も、何がどうしてそんな事に……」
祖母「こいつだよ」ピラ
愛 「え、何これ……チラシ?」
愛 「"A_Hui_Hou(何て読むのこれ) 秋のオフクロ料理フェア"……」
祖母「秋葉原の、ちっちゃなビルに入居してるメイドカフェだよ」
祖母「何でも、上等な和食を作れる、要するにおばちゃん、おばーちゃんの人手を探してるんだと」
愛 「"採用された方は、いわゆる給仕長として、喫茶店のスタッフになっていただきます"……?」
祖母「近所の知り合いが街でチラシを受け取ったらしくてね。何だか知らないけど、ばーちゃんにくれたんだ」
祖母「見てみたら、ちょっと面白そうだったから……暇だしやってみようかなってね」
愛 「な、なるほど……なのかな? これは」
祖母「ばーちゃん来年70だけど、体力は自信あるし、まあまあセーフの部類だろ」
*
愛 「かなり急な話だね……」
愛 「で、でもまあ話は分かったよ、アタシは別にいいけど……それで面接はいつに」
祖母「もう採用された」
愛 「はっ?」
祖母「ばーちゃん、こないだ遅くまで出掛けたろ。そん時にね」
祖母「軽く煮物を作って、ついでに鯖を捌いて塩焼にして見せたら……即、ね」
愛 「うっそ!?」
祖母「そう、まさに嘘だろって感じだったねぇ。あんな程度で受かっちまうとは夢にも思わなんだ」
祖母「コッチにとっちゃ出来て当たり前の事が、向こうには貴重で仕方無い事もある。この歳で勉強させられちまった」
愛 (いつの間に行動起こしてんだよって意味なんだけど)
*
愛 「……そ、それで、どんな感じだったの? その店は」
祖母「店かい? パッと見ただけだけど、なかなか酷いもんだったよ」
愛 「えっ」
祖母「店員はやる気なさげ、掃除も中途半端、料理は辛うじて食えたけど、配膳マナーも悪い」
愛 「ひ、酷いねそれは……」
祖母「そーいう事さ。ここはチョイと、年寄りが出しゃばってやろうと思ってね」
愛 「そうなんだ……。でも年寄りの冷や水って言うんじゃないの、そういうの」
祖母「なはは、言うな言うな。それに寝ぼけ頭にゃ氷水くらいで丁度良い」
祖母「商売舐めた連中に、ちょいと気付けしてきてやるわ」
愛 「もー……あんま無理はしないでよ?」
祖母「おうさ。さあて、そうと決まりゃ久しぶりの務めだ! 気合い入れなきゃね!」
*
生徒A「スクドルんとこの新しいMV、もう見た?」
生徒B「んー? 俺はまだ見てないけど」
生徒A「えー何でよー。例の近江ちゃんも出てるのに」
生徒B「は、近江が? 何あいつ結局、正式入部したん?」
生徒A「サイト情報だと、まだ仮入部扱いだったけど……」
生徒B「仮入部なのにMV出てるのか……どういう事だ?」
生徒A「正式入部したけど、サイトの更新が遅くなってるだけじゃない?」
生徒B「ふーん、あいつがねぇ。まさか本当に始めるとは思わなかったわ」
生徒A「むふ、結構エロい感じな衣装だったよ? セクシービキニ」
生徒B「だから何だよ……」
生徒A「え? だって好きなんでしょ魚クン。近江ちゃんのこと」
生徒B「ん?」
*
生徒B「好き……近江を」
生徒B「───」
生徒B「そうでもないかな」
生徒A「そんな冷静に返されるとムカつくんだけど」
生徒B「何でだよ……単に委員会が同じで関わりが多いだけだろ……」
生徒A「ほんとー? 割と話すじゃん、近江ちゃんの話題で」
生徒B「そら、インパクトある奴は話題に上がるもんじゃないの?」
生徒B「とにかく俺は特にそういう気は無いぞ、近江には」
生徒A「ほーんとかなぁ」
生徒B「何でそんなに食い下がるんだよ……」
*
生徒B「あーそれで? いまビキニって言ったよなビキニって。どんな感じのやつなんだよ」
生徒B「てか普通に見られるよなそれ、いま。MV」
生徒A「は? ……何だよ、やっぱ興味あんじゃねーか」
生徒B「いやいやお前、エロいと言われといて見ないのは、男として無能の極みで……」
生徒B「あ、そういや女だったなお前。そんじゃあ解る訳も無いよな、男の世界なんて」
生徒A「は? はー何それ、男の世界? くっだらな」
生徒A「男の世界なんて、どーせエロけりゃ女の気持ちなんてどうでも良いアレだろ」
生徒B「あ?」
生徒A「まーた始まりましたな、男のそーゆーとこ」
生徒B「どういうとこ」
生徒A「醤油とこ」
生徒B「おいおい……確かにエロさが全ては大正解だけど、女側の気持ちがどうでもなんて事は……」
生徒A「言い訳すんなしー。おまえ中等部の頃、許可無く私のパンツこっそり見てたの知ってんだからね」
生徒B「ばっ!?」
生徒A「いやー傷付いたなー残念だったなーあの時は。しかもチラチラと見る辺り、絶妙なキモさがねー」
生徒B「う、うるせえやい! あんな短えの履いてりゃ、その気が無くても見えるに決まってんだろ元不良!」
生徒B「大体お前、あの時は自分で───」
…………
…………
*
生徒A「…………!!」ギャイギャイ
生徒B「…………!!」ギャーギャー
エマ (…………)
エマ (エロイ→Dio→神→すごい→褒め言葉→日本の造語?)
エマ (ああ!)パチンッ!
*
果林「彼方みてみて。私達のMV、もう90万に届いてるわよ」
彼方「オクにでも出されてんの?」
果林「違うわよ……再生回数が90万回を超えたって話」
彼方「ほーん?」
彼方「……それってスゴいの?」
果林「凄い事じゃないの。ちょっとした有名人よ私達。このままなら100万再生は楽勝ね」
果林「ここまで来ちゃうと、何か本名出して活動出来ないのが残念な気もしてくるわねー」
彼方「彼方ちゃんは別に……。あー、そんで? 100万行ったら何か貰えるの」
果林「別に何も無いわよ。強いて言うなら充足感と名声が」
彼方「あほくさ」
果林「一瞬で興味無くすわねアンタ」
*
エマ「何の食べ物の話ですか?」
彼方「何でそうなる」
エマ「こにーちわ果林ー♪」
果林「ぼなすぇーらエマー↑」
エマ「おててのシワをー」
果林「合わせてアモーレ!」
エマ「イエーイ!」パチンッ!
果林「イエーイ!」パチンッ!
彼方「なにそれ」
果林「わからん」
エマ「わたしも」
彼方「なんなの」
*
エマ「それで、2人とも何の食べ物の話してますか?」
果林「食べ物から離れなさい」
彼方「何か知らないけど、彼方ちゃん主役の」
果林「…………」
彼方「……彼方ちゃんと果林ちゃん主役のMVがね、再生数パないって話みたいだよ」
果林「そうそう」
エマ「えむぶい?」
果林「ミュージックビデオね。アンタもしかして知らないの?」
エマ「美味しい?」
果林「知らないのね……」
彼方「エマっち、お腹減ってんの?」
エマ「特には」
彼方「あ、ああそう……」
果林「なら、ほら見てみなさいよ。ほらこれ」
*
……MV視聴中
エマ「おおおー……」
果林「どうよ、なかなか美人に映ってるでしょ」
エマ「果林、おっぱいおっきーですね!」
彼方「ぶふっ」
果林「あ、アンタも同じくらいあるでしょーが!」
果林「もう……これだから水着は嫌だったのよ……」
彼方「んはは、そんな落ち込むなよ。しっかりケツも良い形してるよ」
果林「ありがと……何のフォローにもなってないけど」
エマ「彼方も可愛いなってるですよ」
彼方「ついでみたいに言われたって嬉しくなーい」
エマ「え、えーと……結婚したいです?」
彼方「いや飛び過ぎでしょ」
*
果林「エマは丁度これ撮影した後に入ったから、残念だけど出られなかったのよね……」
彼方「それはまあ仕方ないっしょ」
エマ「2人ともスゴいですねー。同い年なのに尊敬するしちゃうますよ……」
果林「何言ってんの、アンタもこれからやるんだからね、こういうの」
彼方「そーだよー。そろそろソロ曲の収録もあるっぽいからねー、エマっちと彼方ちゃんは」
彼方「まーダレない程度に頑張ろうぜ」
エマ「出来るでしょうか……」
彼方「出来る出来る(適当)。何たって果林ちゃんにもでき」
果林「……」ゴスッ
彼方「いったー!」
エマ「ふふ……でも、2人とも本当にキレイですね」
果林「まあね。私は美人に撮れてるでしょ」
彼方「彼方ちゃんだって美人だしぃ」
*
エマ「2人とも美人ですだよ」
エマ「世界の何万人が見るしてくれてる、果林と彼方の力、評価されてるです。素直、誇れるですね」
エマ「モチロン、友達のわたしも誇らしいです」
彼方「ず、随分ストレートに人を褒めるね君は」
果林「何か照れるわね……」
果林「まあ嬉しいけども」
エマ「はい! 果林も彼方も立派に出来るした。これわたしも頑張ろう思えるよう、なるます」
エマ「他の人、頑張ろうってキモチさせる。それ大きな才能、わたしのパパ言ってました」
彼方「んへ、ちょっと褒めすぎじゃなーい?」
エマ「2人のエロイ才能ですね!」
彼方「!?」
果林「!?」
*
-私立星条中学校 第二校舎裏庭-
愛 「ごめん……気持ちは嬉しいけど、付き合えない、かな」
男子「──────」
愛 「本当ごめんね? 折角、勇気出して告白してくれたのに……」
愛 「君の事は、いろいろなこと知ってて凄いと思うけど……その、そういうのは、違うというか……」
愛 「えっとね、つまり……」
男子「──────」
男子「結局、それか」
愛 「え……」
男子「よく分かったよ……よく分かった」
愛 「あ、うん……ごめんね。でも、これからも友達……」
男子「君も!!」
愛 「ひっ!?」
男子「君も! 結局はそうなんだ! 君は違うって! そう思ってたオレが馬鹿だったんだ!!」
愛 「え? え?」
愛 「え、え、あの……どうし」
男子「はは……ははは! 良いよな! 替えが効くってのはさ!」
男子「どうせ人を取っかえ引っかえ出来る奴なんて! 皆そうなんだ!」
愛 「え……?」
*
男子「勘違いさせて人を軽く扱ってさ! 解る訳ないよ!」
男子「勉強くらいしか出来ない、何をしても、何もしなくてもキモがられる奴が!」
男子「そんな奴が! 君みたいな子から急に優しくされて、どんなに嬉しくなるかなんてさ!」バァン!
愛 「ひゃっ!?」ビクッ
男子「嬉しかった! ……本当に嬉しかったよ! 毎日が幸せだった!」
男子「好きな話題を好きなだけ好きな人と出来るんだぞ! どんなに楽しかったか分かるかよ!」
愛 「あ、あの……」
男子「ああ楽しかった! 天にでも昇ったみたいだった!!」
男子「 ぜ ん ぶ 僕 の 勘 違 い ……ああ……ああ!! 馬鹿みたいだ!!」
愛 「…………!」
愛 「そ、それは、ちが……」
愛 「君のこと……わたし本当に友達だと思って……!」ガタガタ
男子「うるさい! もう沢山なんだよ!!」
愛 「!!」ビクッ
男子「優しくされて! 話し掛けられただけで舞い上がって! 馬鹿みたいだ! 時間を無駄にした! ああ無駄だ!!」
男子「君みたいなのが居るから! 僕みたいな───」
愛 「ひっ」
──────
─── 勝 手 な こ と 言 わ な い で よ ! !
…………
…………
*
-豊島区巣鴨 宮下家-
愛 「はなせっ!」ガバッ
愛 「───────」
愛 「あれ?」
愛 「……何だ夢か。ん、眩しい……」
愛 (さーてと、朝だし目玉焼きでも作ろっかな)ゴソゴソ
祖母「何を話してほしいんだ?」ガララ
愛 「あっ、おっはよーおばーちゃん」
祖母「おはよう。そんで何を話せば良いんだ?」
愛 「ううん、夢の話。内容も忘れた」
祖母「そーかい……。さ、そろそろ時間が厳しいよ。起きな」
愛 「言われずともとも」
愛 「朝御飯はアタシが作るねー」
祖母「もう出来てるよ寝ぼすけ」スタスタ…
愛 「え、目玉焼き?」
祖母「ラピュタパン」
愛 「おっ?」
祖母「ぬか漬けと味噌スープもあんよ。贅沢だろ」
愛 「300点だー」
*
愛 (髪……制服……スキンケア……)
愛 (スマホもペンケースも鞄に入れてたよね……)
愛 (鞄……OK)
愛 (よし、よし、ヨシ)
愛 「じゃ、いってきまーす」
祖母「ちょい待ち」
愛 「どーかした?」
祖母「今朝からアイツが居らんけど……あんた知らん?」
愛 「ん……あーアタシも見てない。その辺フラついてんじゃない?」
祖母「そうかい……」
祖母「まあいつもん事だし、ええけど」
愛 「あはは、まあね。お腹減ったら帰ってくるよ」
*
祖母「そんじゃ、いってら」
愛 「いってきゃーす」
愛 (鞄持って、と)ガシッ
フギャッ
愛 「…………?」
愛 「…………」
祖母「どーした、固まって」
愛 「…………」
愛 「ううん……気のせいだね」
愛 「何でもない。いってきまーす」
祖母「はいはい。頑張ってきな」
愛 「へーい」ガララ…
愛 (さて、急がなきゃ)
…………
…………
*
-山手線車内-
愛 (何か変だと思ったんだよ。鞄重いし……)
愛 「何で人の鞄を寝床にするかなアンタ」ヒソヒソ
飼猫(逆に聞くけど何で気付かなかったよ相棒)ニャー
乗客A「え、なになに……」
乗客B「何か猫がいるってー」
愛 (うわ超目立ってる……い、今更ウチに連れ戻せない、よね……)
愛 (連れてくしか、ない、のかなぁ)
飼猫(それはそうと、そろそろ朝飯くれや)ゴロゴロ
愛 「なに喉鳴らしてんだよ」
乗客C「見てみて、かわいー」
乗客D「え、あれうちの卒業生の人じゃ」
愛 (……う、ウルトラ恥ずかしーい)プルプル
*
-虹ヶ咲学園 小会議室前-
遥 「ねーねー」ポンポン
栞子「はい?」
遥 「面接って、どーゆーこと訊かれるんだろうね……」
栞子「は?」
遥 「面接」
栞子「え、どういうって……入試の時と変わらないんじゃ」
栞子「ていうか、アナタ何ですか急に」
遥 「あ、ごめんね。わたし近江遥って言います。FAですっ」
栞子(名前を訊いた訳じゃないんだけど)
栞子「……三船、GA所属です」
遥 「三船さんかあ、同じ役員同士よろしくねっ」
栞子「……まだ面接前なんだけど」
遥 「あっ、そーだった。うへへウッカリ」
栞子(少し話しただけで伝わる抜けっぷり)
*
栞子「それで、面接で何を訊かれるかって……」
遥 「あ、うん」
栞子「まず何より志望動機でしょうね。面接の基本」
遥 「だよね! しっかり考えてるよ」
栞子「あと、仕事への意気込みも訊かれるだろうし……」
遥 「バッチリ考えてる!」
栞子「生徒会に入ってから何をしたいか、つまり軽い将来展望を───」
遥 「完璧です!」
栞子「……」
遥 「えへっ」
*
栞子「…………」イラッ
栞子「そこまで完璧なら何で訊いたの……」
遥 「だーってだってー、誰かと何か話してないと緊張しちゃうんだもん」クネクネ
栞子「!」ブチッ
栞子「人を勝手に利用しないでよっ!」
ガラッ
3年生「ごめーん、退屈なのはスゲー解るけどさあ……」
栞子 「あっ」
遥 「ひっ」
3年生「けどさあ、こっちゃ面接してんの───もうちょい静かにね?」
ガラッ…パタン…
*
栞子「…………」
遥 「…………」
栞子「ねえ」
遥 「はい」
栞子「怒られたんだけど?」
遥 「ごめんなさい」
栞子「ついでに言うと、今の生徒会長」
遥 「マジごめん」
栞子「これで落とされたら恨むから」
遥 「あはは、その時はわたしも一緒だね」
栞子「当然」
遥 「じゃあ共犯者同士、仲良くしよ───」
栞子「…………」ギッ
遥 「許してください……」←土下座
栞子(何なの本当この子)ハァ…
遥 「今度は気を付けて静かにお喋りしよう」
栞子(しかも懲りてないし)
*
-虹ヶ咲学園 生徒会室-
───それから1週間
栞子(あんな事あって、合否の発表までは不安だったけど……)
栞子(心配を他所に私は面接試験に受かり、今では正式に生徒会役員として活動を始めている)
栞子(……でも)
遥 「三船さーん……何かパソコン壊れちゃったぁ」
栞子「パソコンが! ただの操作ミスで壊れる訳ないでしょっ!」
栞子(この子まで受かってたらしいのは何の冗談なのか)
栞子「貸して! どうせ変なとこ操作しただけなんだから!」パシッ
遥 「うう……ごめんなさぁい」
栞子「一体これで何度目よ? もう老人に教えてる気分なんだけど」
遥 「だって……わたしスマホしか操作した事ないんだもん……」
遥 「三船さん得意みたいだし、こういうの、わたしじゃなくて三船さんがやれば……」
栞子「あなたに覚えさせるために! こうしてやらせてるんでしょ!」
遥 「ひぇ」
*
栞子「資料作成は役員の必須技能だって言われたでしょ! 折角、役員になったんだから覚えるの!」
栞子「今の時代、パソコン出来るかどうかで評価が全然違うんだから!」
遥 「ぶぇぇ……」
栞子「まったく……」カチカチ
栞子「ほら、直った」
遥 「おおー……ありがとうございます」
栞子「見てた? じゃあ、直す前の状態に戻すからやってみて」カチカチ
遥 「あ゙ー! 何してんの!?」
栞子「…………」
遥 「やりますよハイハイ……」カチカチ
遥 「ぐぬぬ」カチカチ
*
ガチャッ
会長「おいっすー」
遥 「あっ! かいちょおー……」
栞子「ああ、お疲れさまです」
会長「一体なにエキサイトしてんのー? 廊下まで聞こえたぜ声」
栞子「あ、すいません。いま近江さんの……」
遥 「三船さんが怖いんです!」
栞子「ちょっと」
会長「───」チラ
会長「……ああ、うん。また"何もしてないのに壊れた"ってアレか」
遥 「ぶぇ」グサッ
栞子「ふふん」
会長「ははは、今の子ってスマホに慣れちゃって本当にパソコン出来ないんだよねー……」
*
栞子「本当……何とかなりませんかね、この人のこれは」
会長「ん、まあ慣らしていくしかないよね」
会長「私たちの当面の課題って事で、まあ頑張って習得させていこう」
栞子「はあー……憂鬱です」
遥 「背後から圧掛けるのやめてくれますかねー?」カチカチ
遥 「あっ」カチッ
栞子「は?」
遥 「…………」
遥 「えへへ」
栞子「何がえへへよ! 貸しなさいッ! また変にしたんでしょっ!」グワッ
遥 「怖いよう……」
会長「ま、もうちょい優しく教えてやっても良い気はするけどね」
遥 「言われてますよ三船さん」
会長「君はもう少しやる気を出してね」
栞子「言われてますよ近江さん」
遥 「ふぎゃー」
会長「でも、何だかんだ言いつつ面倒見てるよね……そういう子が欲しかったんだよ、ウチは」
栞子「当たり前ですよ。情けは巡り巡って自分のためになるんです」
遥 「こんなハードな情けは返上したいです」
栞子「……」ジロリ
遥 「受け取らせて頂きますぅ……」
会長「うん。案外、良いコンビしてるかもね」
*
虹ヶ咲/Zero
-虹ヶ咲学園 中庭-
彼方「うーむ……」
彼方(春先はどーも眠いですなー)ウトウト
彼方(……ってあれ、おひさま高くない?)
彼方(……んー)
───キーン↑コーン↓カーン↑コーン↓
───おひるやすみに なりました
───食堂の営業時間は……
彼方「……」
彼方「あー……」
彼方(なるほど……彼方ちゃん寝落ちてたんだ)
彼方「なんてこった」
*
彼方(誰か起こしてくれてもいーじゃんよ……冷てぇ奴らだぜ)ムクリ
彼方「…………」
彼方(どーすっかな、戻るべきかな)
彼方(んーでも今更だしなー。気まずいし……うーん、いっそ帰っちゃう?)
彼方「うーん……」
彼方「おまえはどー思う?」
柴犬「?」
彼方「……」
柴犬「……」
彼方(何してんだろ犬相手に)
柴犬「とりあえず戻った方が良いんじゃね?」
彼方「あ、やっぱそう思う?」
果林「その通りよ」
彼方「あん?」
果林(155cm)「見つけたわよ近江さん。早く教室に戻りなさいよ」
彼方「…………」
柴犬「…………」
果林「なによ」
彼方「いや誰あんた」
果林「んがっ」ガクッ
*
果林「朝香よッ。アンタの隣の席の朝香! 出席番号1番!」
彼方「…………ああ」
果林「ホントにもう、クラス委員長の名前くらい───」
彼方「おっぱいおっきー子」
果林「名前より先にドコ覚えてんのよ!!」
彼方(うるせーな……)
彼方「そんで、そのアサカさん? は、ここに何用で御座いまして」
果林「何用ォ? いや今しがた言ったでしょ、連れ戻しに来たのよ先生に言われて」
彼方「あ、やっぱ?」
彼方「……戻らなきゃ駄目かにゃ」
果林「…………」
彼方「ですよね。うーん、きっと変な目で見られちゃうな」
果林「そうね。入学祝に自業自得って言葉あげる」
彼方「誓ってサボった訳じゃ無いんだよぅ。ちょっと目ェ瞑って、気付いたらこんな時間に……」
果林「言い訳は先生にしなさい。あと、それはサボりと同じよ」
彼方「ぶぇぇ……」
*
果林「ほら、いつまでもこんなとこ居たら風邪引くわよ。早く立つ」
彼方「たっち……」スック
果林「そんな調子じゃ、これから勉強に付いていけなくて留年するわよ?」
果林「ここ仮にも名門なんだから、だらけてたらすぐに……」
彼方「あ、それは心配御無用」
果林「心肺が何よ」
彼方「自分これでも、LD科の特待生ですから」
果林「…………」
果林「は?」
彼方「とくたいせー。超スゴいせー」
果林「とく……はあぁ?」
彼方「んひひ、ビックリしたっしょ」
果林「いや、寝言を起きて言えるアンタに感心した」
彼方「ぬ、信じてねーなオメー」
*
果林「いやだってアンタ……特待生がアンタみたいなのに務まるわけ……」
彼方「なるほど外見が全てってか」
彼方「ならこれ見てみ」ポーイ
果林「わっ!?」パシッ
果林(急に何……が、学生証?)
果林「近江彼方……虹ヶ咲学園ライフデザイン学科……」
彼方「美少女に撮れてるっしょ」
果林(髪ボッサボサだし半目だし)
果林「生年月日20XX年12月16日……え」
果林「ま……マル特の印」
彼方「どやっ」
果林「!!!!」
果林「な、何でよおぉぉ!」イヤアアアァァ
*
彼方「分からず屋に付ける薬は、物的証拠ただ1つ」
彼方「わーれこそはー、とーくたいせー彼方ちゃん大佐なのだー」
果林「納得いかないぃ……何でこんな奴がぁ」ギリ
彼方「才能だよ才能。こー見えて彼方ちゃん努力の天才なのさ……えーと、アサリちゃん?」
果林「朝香果林よ!!」
彼方(アサカカリン……? リズム悪い名前)
果林「人の名前くらい覚えなさいよね!!」
彼方「へいほー」
果林「ッとにもおぉ……悔しい悔しい悔しい……!」
彼方「上から見下ろすのは良い気分だにゃー」
果林「ムッカつくぅぅ……」
朝香(くぅぅぅ! 何でこんなのに負けてるのよ!)
朝香(あれから、ずっと落ちこぼれの不良だと思ってたのに……!)
朝香(納得いかない……こんなのより下じゃ上流の女子にはなれない……絶対に追い越して見返すわ、こんなポワポワ女!)
彼方「"上"で待ってるよ!」
果林「心を読むな! アンタ今に見てなさいよ!」
先生「お前ら中庭で何を騒いでんだ!!」
*
-虹ヶ咲学園 第一教務室-
愛 「とゆーわけで」
愛 「……どーすればいいですかね」
飼猫「ニャー」
先生「…………」
先生「どーすれば、だと?」
愛 「はい」
先生「…………」
先生「あのな、先生な」
愛 「はい」
先生「正直、今ほど何で自分が教師やってるか、分からなくなった事ないよ」
愛 「ですよね」
先生「はぁ……ちょっと待ってなさい」ガチャ
愛 「電話ですか?」
先生「用務員室にな」ピッ…
先生「…………」トゥルルルル…
先生「……あ、お疲れ様です。すいません突然。数学科の小泉ですけれども。はい」
愛 「おーワンプッシュで繋がるんだ」
先生「(静かにしなさい)」
先生「大変、本当に大変、申し訳ないのですが……実は」
*
歩夢「で、なに?」
歩夢「わざわざ用務員さんに外で買ってきてもらって、猫の餌」
愛 「うん……そう」
愛 「とりあえず、同好会の部室に簡単なケージ作って、待機させる事になった」
歩夢「……、……へぇぇ」
歩夢「…………」
愛 「…………」
歩夢「愛ちゃんってさあ」
歩夢「ほんとに……」
愛 「…………」
歩夢「まあいいや、前から分かってたよ。もう慣れた」
愛 「途中で悟らないでよ」
*
歩夢(中学の時に、プール授業でテンション上がり過ぎて端に頭ぶつけて救急車呼んだり)
歩夢(ある時は男子に混ざって校内でビデオ鑑賞して反省文書かされたり……)
歩夢「…………」
歩夢「本当の愛ちゃんが世に知れたら、どのくらいの人達が生きる気力を削られるかな」
愛 「や、やめてよそーゆー怖いコト言うの……」
歩夢「はぁぁー……」アキレ
歩夢「でも、満員電車で潰れなくて良かったですね、半蔵くんも」(※猫の名前)
愛 「い、いやあ……実を言うと潰れ掛けたんだよね、1回」
歩夢「は?」
愛 「今朝もヒドい混み具合でさぁ山手線。いつも通り」
愛 「おじさんの背中で鞄ムギュッといって」
歩夢「はあ」
愛 「で、鞄の中からみぎゃーって」
歩夢「…………」
愛 「静まり返ったよね。天下の山手線が」
歩夢「かわいそうに……」
愛 「で、でもさでもさー。あんなトコで寝てるのもいけないと思わない?」
歩夢「動物に責任を求めないでくださいよ……」
歩夢「哺乳類が1匹、鞄の中に居て気付かない方が明らかに悪いです」
愛 「ぬぐぅ……」
歩夢「とにかく、昼休みか放課後に、用務員さんに謝りに行きましょうね」
愛 「分かってるやい」
歩夢「おばさん一緒に謝ってあげましょっか?」
愛 「大丈夫です……」
*
歩夢 「えっちなハプニング?」
歩夢 「あるよ。何度か」
かすみ「な、何度か?!」ワクワク
しずく「1、2回じゃないんですか!?」ソワソワ
歩夢 「目キラキラしてるよ2人とも」
歩夢 「って言っても、そんな凄い事は無いよ別に」
歩夢 「着換えてるトコ見られたり、わたしが間違えて変なトコ触っちゃったりとか」
かすみ「充分スゴい事ですよそれは……」
しずく「へ、変なトコ……?」
歩夢 「そうかなあ……」
かすみ「怒ったり怒られたりとかしないんです?」
歩夢 「うーん全然」
かすみ「全然て……そもそも着換えに出くわすって、同居でもしてるんですか」
歩夢 「同じマンションで、部屋も近いから」
かすみ「行き来してるんですか……」
しずく「変なトコ……変な……」
かすみ「帰ってきな、しず子」
しずく「はっ」
*
しずく「そもそも、お2人って何歳頃から一緒なんですか?」
歩夢 「話に聞く限り、生まれた病院も同じ所みたいだよ」
歩夢 「親同士も昔から関わりあるけど、ちょっと出来過ぎ感あるよね」
かすみ「おおお……そんなに」
しずく「何かロマンチックですね。今でも一緒に居る辺りが」
歩夢 「ハッキリ記憶してるのは、幼稚園入る前、一緒に海外旅行に行った時かな」
歩夢 「流石に行き先は忘れちゃったけどね。今まで何度も行ったし海外」
かすみ「ほえー」
歩夢 「まあ長く一緒だったから、あまり気にならないのかも。恥ずかしいのとか」
しずく「うーん、何か憧れちゃいます。男女でそういう関係って」
歩夢 「そ、そうかな……」
しずく「素敵ですよぉ。ねえ?」
かすみ「……で、ですね」
かすみ(恋愛の話に踏み込みづらい……)
*
歩夢 「うーん……あ、でも」
かすみ「はい?」
歩夢 「一度だけ? わたしが怒って……確か2週間くらい口聞かなかった事があるね。中学生の頃」
しずく「え……」
かすみ「おっとこれは……」ワクワク
しずく「お2人が2週間もって……想像付かないですけど」
歩夢 「うん、あの時は本当に怒ったなぁ。後から考えたら、何でわたしあんな怒ったんだろって感じ」
歩夢 「中学生って難しい時期だったんだね」
かすみ「何があったんですか?」
歩夢 「…………」
歩夢 「その、彼のお部屋の掃除してたら……えっちな本が」
かすみ「……え、かわいー」ニヨニヨ
歩夢 「やめて」
しずく「本当に家族みたいですね……」ニコニコ
歩夢 「やめて。ほっこりしないで」
*
歩夢 「それで没収したら喧嘩になっちゃったんだ」
歩夢 「今になって思い返せば、あんなの馬鹿らしくて笑っちゃうけど」
歩夢 「かすみちゃんも、そういうの無い? お兄さん2人居るんだよね」
かすみ「うちのは……何というか、紙媒体とか持たない連中ですから」
かすみ「そういうのは全部、スマホ辺りに封じてあるかと」
歩夢 「な、なるほど」
歩夢 「しずくちゃんのとこは……」
しずく「…………」←純和風黒髪ロング清楚系お淑やか美少女
歩夢 「無さそうだね、うん」
かすみ「無さそうですね」
しずく「帰ったら探してみますね、兄の部屋(謎対抗心)」
歩夢 「やめてあげて」
かすみ「それで、喧嘩したんですね。その時は」
歩夢 「もう大喧嘩。御近所さんが後で見に来たくらい」
歩夢 「流石に手が出たりは無かったけど」
しずく「うわぁ……歩夢先輩が本気で怒る所かあ……」
*
かすみ「でも仲直りはした訳ですよね。今この現状って事は」
歩夢 「う、うん。まあ」
しずく「それはどのように?」
歩夢 「あーえっと」
歩夢 「その、わたしがマ……ごほん、お母さんに怒られちゃって、わたしが」
かすみ「……? どういうことです?」
歩夢 「男の子から、無理矢理オモチャを取り上げるのは一番ダメって……」
歩夢 「わたしたち女の基準で通してたら、いつか取り返しつかない事になるって言われたの」
かすみ「……お、おおー。何か経験者っぽい感じですね」
しずく「……??」
歩夢 「うん。今ならちょっと分かる気もする……かな」
歩夢 「その後で、成人向けを持ってたから、彼もスッゴい怒られてたけど」
かすみ「それはまあ、そうですよね」アハハ…
*
-中央区銀座 某所の高層集合住宅-
兄 (……うーむ)
部長「あ、歩夢、スポンジが焼けた。これはどうすれば……」
歩夢「あー待って待って気を付けて熱いからっ!」ガシッ
部長「うおっ」オロオロ
歩夢「もー危なっかしいなー……」
歩夢「それ型から外したら、暫く置いて冷ましておいてね。気を付けてよ? 本当」
部長「お、おう分かった」
歩夢「シロップはわたしが作るから……丁度良いかな、夕飯の買い物に行ってきてくれる?」
部長「買い物……ああ、予約してたステーキ肉?」
歩夢「そうそう、リビングの机に伝票があるから、それ持っていってね」
部長「分かった、じゃあ今すぐ行ってくるよ」
歩夢「お願いしまーす」
*
部長「悪い、俺の身内の誕生日なのに。俺こういうのはからっきしで……」
歩夢「うん、わたしが何かする度に、それ言ってるよね」
部長「そ、そうだった?」
歩夢「今更でしょ、もう。ほとんど家族の誕生日みたいなものなんだから、気にしない気にしない」
部長「家族……そっか、家族か」
歩夢「?」
歩夢「…………」
歩夢「…………!」←自分の発言の意味に気付いた
部長「歩夢?」
歩夢「い、いいからっ! 早く買い物行ってきて! 時間なくなっちゃう!」グイグイ
部長「お、おう……押すなって」
部長「じゃあ、行ってくるわ」
歩夢「いってらっしゃいませ!」ベシベシ
部長「いててて、何だよ」
*
イッテキマース……
兄 「……なあ母さん」
母親「何よ?」←ゲーム中
兄 「あいつと歩夢ちゃんって……その、今年で何歳になったんだっけ?」
母親「あら、実家離れ過ぎた? 弟の歳も忘れてんの」ピコピコ
兄 「はは……」
母親「今年で中2よ。親にとって、子どもはデカくなっても子どものままって本当なのねー」
母親「最近、本当に実感させられるわ。わたしも年取ったんだわね」
兄 「……まだ十分に若いよ、母さんは」
母親「あーらありがと! ……でも、わたしが若い内に孫の顔は見せてねっ!」
兄 「それマジやめろプレッシャー半端ないんだから」
母親「んははは、言って貰える内が華だぞ」ピコピコ
兄 「…………」
兄 (そうか、もう中2に……)
*
…………
…………
兄 「歩夢ちゃん」
歩夢「ん……あ、お兄ちゃん! ちょっと待っててね。ケーキはもうすぐ出来るから♪」
兄 「ああ、悪いね。俺のためにここまで……」
歩夢「いいんだよー。誕生日に休暇取れるなんて久々なんだから!」
歩夢「今日くらい目一杯わたし達に張り切らせて!」
兄 「ああ、ありがとう。本当に嬉しいよ」
兄 「…………」
兄 「それで……それでな、ちょっと話なんだけど」ヒソヒソ
歩夢「なあに?」
兄 「その……あいつとの事で」ヒソヒソ
歩夢「え」
*
兄 「余計な心配なら良いんだけど……何というか、2人とも今年で中2、つまり14歳だろ?」
兄 「その割に……その、距離が近過ぎるというか……そんな気がしてな」
歩夢「!」
歩夢「え、えーっと……その」
兄 「ごめん、急にこんな事を」
兄 「なかなか言い辛い事だし、あいつと仲良くしてくれるのは嬉しい……でも2人の年頃を考えると、どうもね」
兄 「分かるか?」
歩夢「う、うん……何となく言いたいことは」コクコク
兄 「そうか。助かる」
兄 「世間的には、そろそろあいつも歩夢ちゃんも、そういう自意識が芽生える頃だろ?」
歩夢「…………」
兄 「だから、と言うべきなのかな。もしかして、歩夢ちゃんが嫌な気持ちしてたりするんじゃないか、と」
歩夢「えっ!?」
兄 「そんな事を考えてしまってな」
歩夢「え、いや……いやあの、あ、あのね……その」
兄 「もし歩夢ちゃんが本当に嫌な気持ちなら、俺からあいつにそれとなく距離を適切に……」
歩夢「だ、大丈夫なの!」
兄 「うわ!?」
歩夢「あ、ごめ……でも、だ、だい……だいじょぶ、だから」
*
歩夢「わ、わたし、その……あのね、わたし、彼と居て……嫌な、とか」
歩夢「そういうの、無くて……全然」
兄 「! ……そうなのか?」
歩夢「う、うん。寧ろその……あの、良いっていうか」
兄 「ん?」
歩夢「その、もっと大事にしたくて……」
兄 「えっ」
歩夢「…………」
歩夢「ごめんなさい……彼には言わないで……」
兄 「そう、だったか」
歩夢「ううう……」シュン…
兄 「…………」
兄 (へへ、完全に杞憂だったみてえだな)
兄 (でも驚いた。まさかここまで進んでいるなんてよ)
*
兄 「ん、分かったよ。絶対に誰にも言わない」
兄 「俺たちの内緒だ」
歩夢「あ……ありがとうお兄ちゃん」
兄 「あいつの事、気難しい奴だけど、よろしくな」
兄 「いろいろ面倒も抱えてる身だが、出来れば支えてやってくれ」
歩夢「は、はい……」
母親「…………」ニヤニヤ
兄 「そこ! 変な事は考えるなよ!」
母親「べっつにー」ピコピコ
母親(おっラブカス出た。縁起良いね)
*背中さんパロディ
-虹ヶ咲学園 生徒会室-
栞子(うーん、まずい。珍しく忘れ物しちゃった)
栞子(ちゃんと昨日の夜にも確認した筈なのに……木炭が入ってない)ムム…
栞子(次の時間は木炭デッサン、かなり致命的な忘れ物だよね……)
栞子(んーまあ仕方ないか。恥を忍んで誰かに借りよう)キョロキョロ
山口「~♪」
栞子「山口さん、ちょっといいですか?」
山口「はい?」クルッ
山口「ひっ……」
栞子「?」
山口「あ、その……みふね、さんだよね? どう、か、したの?」
栞子「……あ、ええと」
栞子「(え、何その微妙な反応。私の顔、何か付いてる?)
山口「…………」ブルブル
栞子「あー……その、木炭を忘れてしまいまして」
山口「え?」
栞子「山口さんさえ良ければ、少し分け……いや貸してくれないでしょうか、と」
山口「───」
山口「あっ、ああ! そっちですか!」
栞子(どっちだと思った)
*
生徒A「ねーねー、さっき如月ちゃん三船さんから話し掛けられてたよねー」
山口 「えっ? さっきって……ああ、授業始まる前の話?」
生徒A「そうそう! 何か言われたの? 如月ちゃん凄い奮えてたっぽいけど」
生徒B「マジ? 遂に一般生徒にまで手を出して……」
山口 「し、失礼ですよ流石に……単に木炭を忘れたから貸してくれないかって言われただけで……」
生徒B「冗談だって……でもあの人、忘れ物なんてするタイプだったんだ」
生徒A「ねー、いつも目付き悪くてストイックな感じだし、意外だよねー。失礼だけど」
生徒B「近く通るだけでもプレッシャー半端ねえよな。失礼だけど」
山口「もう! 2人とも!」
……………………
……………………
栞子(聞こえてるんだけど……)
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
*
-虹ヶ咲学園 生徒会室-
遥 「うん、怖い」
栞子「え……本当?」
遥 「怖いよ、皆そう言ってる」
遥 「わたしは今は分かってるけどね……皆には多分、いや絶対、勘違いされてるよ」
栞子「そ、そんな……」
遥 「三船さんの真剣な表情、そもそも端から見たら常に怒ってる風にしか見えない」
栞子「……ちょっと、ショックかも。これから少し意識してみよ」
遥 「気持ちは解るよ、よく解る」
遥 「でもね、人って口では綺麗事を言ってても、本当は内面なんてどうでも良いの。印象で決めちゃうんだよ、結局」
遥 「だからね、三船さんにそんなつもりが無くても、外見そう見えるなら、勝手にそう決め付けちゃう。わたしだってそうだよ」
遥 「初めて矢澤先輩と会った時、三船さん多分、この人やる気無さそうだなとか思ってたでしょ?」
矢澤「───」ピクッ
栞子「近江さんが何か凄いこと言ってる……」
栞子(まあ思ってたけど)
遥 「はい、お姉ちゃんから教わりました」
栞子「う、受け売りだったの……」
栞子(近江さんにも、お姉さんが居るって本当だったんだ)
*
遥 「誰でも、そうじゃない人より笑ってる人を応援したくなるものなのです」
遥 「当たり前ですね、わざわざ言うまでもありません。1よりも2だよね」
栞子「そうね……」
遥 「つまり三船さんも、将来は生徒会長に立候補する身として、周りの印象は良い方に持っていっておくべきってこと!」
遥 「印象が悪くて苦労するより、嘘でも印象良くてスムーズに進む方が絶対良いモン」
遥 「悲しいけど、ちゃんとやってるコト分かってもらうには、まず土台を作らないと駄目なのです」
栞子「…………」
遥 「先輩も!」
矢澤「はっ?」
遥 「そう思いますよねっ?」
矢澤「え、この流れで俺に振る?」
遥 「よねっ?」
矢澤「いや思うけどさぁ」
矢澤(近江って、こう見えて強い子だよな本当)
*
栞子「……先輩も」
矢澤「んー?」
栞子「失礼な言い方ですけど、苦労されたりとかしたんですか?」
矢澤「…………」
矢澤「はっは、つまり三船は俺が仏頂面って言いたいのね」
栞子「あっ……ご、ごめんなさ」
矢澤「良いよ、別に。仏頂面で大正解なんだから」
遥 「先輩の笑った顔、ちゃんと素敵ですからね!」
矢澤「ん? お、おう、ありがとう。……んで結論、確かにそういうのは言われた」
栞子「やっぱり……」
矢澤「けど、そういうのは大体、会長に就任したばかりの頃だけで、暫くしたら殆ど言われなくなったね」
栞子「え、それはどうして」
矢澤「俺の場合あれだよ。端から周囲に"アイツはそういう奴だ"って認識されてたのがデカい」
*
矢澤「愛想とか、そういうの初めから期待される振る舞い方してなかったんだよ」
栞子「ああ……」
遥 「なるほど!」
矢澤「うん、嘘でも意外だって言う所だからね」
栞子「私……まだ会長どころか、選挙に立候補もしてないのに、どうして……」
矢澤「……男として言い辛いんだけど、それは女に対する、観念みたいなものなんだろうね」
遥 「観念……」
矢澤「近江も言ったよね。世間は外見が一番、内面は二の次って」
矢澤「そこに、男は力強く逞しく、女なら貞淑で愛想良く、的な……固定観念? が相乗りする」
矢澤「正直、俺にも無い訳じゃないもん。三船にも世間が向けてるんだよ、女なら愛想もっと良く、みたいなの」
栞子「そ、そんな……」
遥 「三船さん真面目だし余計にそうだよ。やりにくいよね……。三船さん本当に良い子なのに」
矢澤「まあさ、結局は土台作りだよ。分かってくれないなら、分からせるようにしていくしかないんだ」
*
栞子「土台が必要なのは分かりましたけど……どうすれば」
遥 「簡単だよ、笑顔の練習するんだよ! 表情を柔らかくストレッチ!」
栞子「れ、練習……?」
矢澤「うん。まあ、まずはそれだね。慣れてないなら、慣らす事から始めよう」
矢澤「俺も人の受け売りだけど、笑顔って人間の大きな力だから。有ると無いじゃあ歴然の差だよ」
栞子「…………」
矢澤「悪い言い方すれば、自分のレベルを世間のそれまで落としてあげるってこと」
矢澤「人前に出る時くらい、ちょっとでも笑ってみたら? 印象、まるで変わるかも」
矢澤「会長、なりたいんでしょ? なら尚更、そういうの大事な事だと思うけど。将来のためにもさ」
遥 「そうだよっ! 三船さん顔良いんだから、絶対その方が良い!」
遥 「誰かの勝手な意見で、三船さんの誤解が広がるなんて、わたし嫌だよ!」
栞子「べ、別に良い顔なんかじゃ……」
遥 「良いんですっ!」
遥 「ほらちょっと笑ってみて! 練習しようそーしよう!」
栞子(な、何か遊ばれてるような気が……)
*
栞子「でも、こう改まって笑うのとか……恥ずかしいんだけど」
遥 「恥ずかしい上等! 何事も第一歩から始まるんだよ三船さん!」
栞子(近江さん意外と熱血……?)
遥 「さあ! レッツトライ!」
矢澤「……俺、離れてた方が良い?」
栞子「あ、すいません、出来れば───」
遥 「駄目です!」
栞子「えっ」
遥 「わたしの前でだけ笑ったって効果薄いですもん!」
遥 「先輩もシッカリ見ててくださいね!」
栞子「そ、そんな」
*
矢澤「見ててくださいねって……まあ分かったけど」
矢澤(三船も災難だな、こうなると)
矢澤「…………」ジーッ
遥 「じー……」ジーッ
栞子「う、うう……」
矢澤「…………」
遥 「…………」
栞子「──────」
栞子(もう、どうにでもなれ!)
栞子「こ、こう……ですか?」ニコリ
遥 「──────」
矢澤「──────」
*
愛 「歩夢、最近どう? 調子は」
歩夢「……どうしたの、急に。……あ、急じゃない愛ちゃんは愛ちゃんじゃないね」
愛 「ねえ前から思ってたけどアンタ、何かアタシに辛辣っぽくない?」
歩夢「心を開いてる証拠ですよー」
愛 「何だかなあ」
愛 「ま、まあいいや。で、話は要するに彼の事だよ」
歩夢「彼? ……が、わたしの調子とどう関係あるの」
愛 「いやいや大有りでしょうよ。アタシに隠さなくたっていいじゃんかね」
愛 「同好会も始まって、初MVも案外ウケて、こないだ果林先輩も入ってさ───」
歩夢「うん」
愛 「で、彼だよ。忙しそうじゃん? いろいろ走り回ってて」
歩夢「だね。昔から変にタフなとこある人だよね本当。将来は仕事人間だろうなあ」
愛 「だねってアンタ……フシギダネか貴様は!」
歩夢「え、何か反応に困るツッコミ……」
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
歩夢「ふふ……なーんだ、そんなこと」
愛 「ソソソソソソソンナコトオ????」
歩夢「うるさいんだけど……」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
歩夢「それに、大事な約束もしてるから……」
愛 「約束?」
歩夢「へへっ、秘密でーす♪」
愛 「なんだよう……」
*
果林(155cm)「近江! 見てよこれ!」
彼方「朝香ちゃん見てよこれー」
幼虫「ウネウネ」
果林「…………」
彼方「…………」
果林「なにそれ」
彼方「アゲハチョウの幼虫! 東京のこんな所にも居るんだねー」
彼方「可愛いでしょー。同じくらい可愛い朝香ちゃんにあげようと思って捕まえてきた」
果林「もしかしなくても馬鹿にしてるわね? いらないから元に戻してきなさい気持ち悪い」
彼方「ひでえ。じゃあ彼方ちゃん育てまーす……」
果林「戻してきなさいよ?」
彼方「お前は今日から此方ちゃんだよー」ヨシヨシ
果林「ちょっと!」
此方「ウネウネ」
*
彼方「それで?」←戻してきた
果林「は?」
彼方「いや、朝香ちゃんの方は何を見せてくれるのさ」
果林「…………」
果林「あ、ああ! そうだったわね、うん」
彼方「大丈夫かよオイ」
果林「急に虫なんか見せられたらド忘れもするわよ……」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
英語:100
果林「これが! 私の実力よ!」
彼方「ほーん、頑張ったねー偉い偉い」
果林「ふふん」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
彼方「それで」
彼方「他の教科は?」
果林「ッッ!!」
果林「えーと……その」
彼方「朝香ちゃん?」ズイッ
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
彼方「そのノートに挟まってるの……成績表だよねー?」
果林「あっ」
彼方「寄越しゃッ!」バシッ
果林「ああっ!?」
彼方「どれどれー」
果林「や、やめなさいよ見ないでエッチ!」
彼方「しゃーしか!」
・国語: 64(可)
・数学: 35(不)
・英語:100(秀)
・現社: 70(良)
・理総: 53(可)
・情報: 69(可)
・保体: 78(良)
・フード:B(良)
・インテリア:B(良)
・ファッション:A(優)
彼方「はっはっは」
果林「うう……」
彼方「いや、はっはっはじゃねーわい。何これ君、こんなザマで特待生に楯突こうとか」
果林「うううう……」
彼方「え、つか補習項目あんじゃんヤバくね? ええぇ……ちょっと委員長ォ」
果林「ううううう……!」
彼方「ちなみに彼方ちゃん、数学85点なの除いて全部90点台。あとフードデザインでS評価」
果林「…………」
彼方「えーとね、言うまでも無く彼方ちゃんの勝ちなんだけど」
彼方「……ごめん、掛けるコメントが分からない」
果林「うわあああん!」
*
-千代田区秋葉原(電気街) 某所-
男 「まだまだ正月だってのに、この街は元気なもんだ」
男 「しかし、悪いな……俺のワガママに付き合わせちまって」
後輩「ははは、良いんですよ、珍しい先輩の頼みなんですからね」
後輩「と……ここですか」
男 「ああ。話を聞くに、そうらしい」
後輩「しっかし、大変ですよね先輩も」
後輩「こんな形でなきゃ、忙し過ぎて機会も取れないなんて……」
男 「確かに忙しいのもあるが……俺も家庭じゃ形無しの腑抜け夫だからな」
男 「せめて娘が独り立ちする前に、父親としてやれる事はやっとこうと思ったんだ」
後輩「立派だと思いますよ? 世の中、見て見ぬふりで終わる方が多い筈です」
後輩「それに、この辺りに被疑者の1人が出てるって話も」
男 「ああ……別に寄り道したって、これも捜査の内で誤魔化せるな」
後輩「ちょっとズルい気もしますけどね、まあ」
男 「……よし、入るぞ。すまん、聞き取りの方は任せた」
後輩「うっす」
*
-千代田区秋葉原(電気街) メイド喫茶"A Hui Hou"-
カランカラーン♪
メイド「おかえりなさ……! いま……せ?」
男 「お忙しい所、押し掛けてしまい申し訳ない」
男 「警視庁、組織犯罪対策部の中川です」つ警察手帳
後輩 「同じく、杉野と申します」つ警察手帳
杉野 「少し店内の方々に聞き取りたい事がありまして。お時間よろしいですか?」
メイド「……」ポカーン
メイド「は、はい……。いま店長を呼んできますので」
中川 「ありがとうございます。……それと」
メイド「な、なにか……」
中川 「ここで娘……中川菜々という子が働いていると思うのですが」
中川 「いま、少し会えますかね」
メイド「中川菜々……」
メイド「え、もしかしてセツナちゃんのお父さんの方?」
中川 「せつな?」
*
中川 「…………」
菜々 「…………」チラチラ
メイド「で、では、ごゆっくりぃー……」
中川 「…………」
菜々 「…………」ソワソワ
メイド「…………」
メイド(うう、ごめんセツナちゃん。後で何か奢る)ソソクサ
中川 「…………」
菜々 「……あの」
中川 「無茶なのは解るが、そう堅くならないでくれ」
菜々 「へっ」
中川 「別に、こういう場所で働いている事を言いに来たんじゃない」
*
中川「そのセツナ、というのは源氏名か」
菜々「げんじな?」
中川「…………」
中川「あー要するに、芸名みたいなものか?」
菜々「う、うん……ここで働く人は、自分で考えて名乗るの」
菜々「さっきの人はクリスって名前」
中川「なるほど、セツナか。何か、由来が?」
菜々「う、ううん。大した意味は」
菜々「その、好きなアニメのキャラの名前から取って……」
中川「アニメの? ───そうか、そうだったか。アニメの……」
菜々「…………」
菜々「それで、あの、結局ここには何で」
*
中川「仕事の関係で、この辺りに聞き込みに来ていてな」
菜々「そ、捜査なの?」
中川「お前にも詳しい事は言えないが、そうだ……この店も対象地域の中だった」
中川「だから聞き込みついでに、お前と話しておこうと思って、な」
菜々「……大丈夫なの、それ」
中川「お前にも聞き込みはする。問題は無いさ」
中川「向こうでは、同僚が別の店員に聞き込みをしている筈だしな」
菜々「そ、そうなんだ……」
中川「では、本題に入る前に……というのも変な話だが、少し質問だ」つ手帳
中川「まずは、この写真の男」スッ
菜々「……見るからに悪そうな人だね」
中川「はは、まあな。……この店の近辺で、見覚えは?」
*
菜々 「…………」
菜々 「ううん、無い」
中川 「ふむ、そうか。分かった」スッ
中川 「では次に……」
クリス「ブレンドコーヒーとグレープジュース、お待たせしましたー……」
菜々 「へっ?」
中川 「ん、ああ……ありがとうございます」
クリス「…………」
クリス「ええと、コーヒーが」
中川 「私に。ジュースはこの子に」
クリス「は、はーい……」コトリ…カチャリ…
菜々 「何で……」
中川 「頼んだんだよ。店に入った時に」
中川 「何も頼まないのも何だと思ってね」
*
クリス「ご、ごゆっくりー」ソソクササササ…
クリス(私、呪われたりしないよね)
中川 「…………」チラリ
ミナサンイッショニー モエモエキューン! イエーイ!
中川 「ああいったサービスは、要らんからな」
菜々 「わ、分かってるよ」
中川 「……」ズズ…
菜々 「……」チュー…
中川 「では、続けよう」
菜々 「うん」
中川 「次に、この動画を見て貰いたい」つスマホ
中川 「冒頭に映っている白い建物の手前側から───」
…………
…………
*
───8分後
中川「ん、これで聞き込みは終了だ」
中川「協力に感謝する」
菜々「う、うん。良いけど……」
中川「──────」
中川「では、本題に入ろう。菜々、お前と……家のこれからの話だ」
菜々「! ……うん」
中川「お前も知っている通り、今の中川家は……ああいう状態だ」
中川「母さんも、いつ精神科の類に掛かっても不自然じゃあない……」
中川「俺の知る限り……あれ以来、家族間で、特に母さんを交えての会話は───ほぼ無い」
菜々「…………」
中川「家事は殆どお前や雇いの者がやり、食事も俺が作り置くのを除けば、店屋物ばかりだ」
中川「場合によっては……そういう夫婦間の結論に辿り着く事になる、かもしれない」
菜々(離婚……)
───正直、今の中川家の現状を鑑みて、それを想定する事は実に順当だと言えた
今の中川家は数ヶ月前のそれと比べ……内外共に凄惨を極めている
家族の一員が機能を停止する、それだけの事が、東京の一等地に建つ家を、あそこまで落ちぶれさせた
それは偏に……自分の行動が生み出した結果であると、菜々は理解していた
自分の志を塵のように切り捨て、果てに力で隷従を強制した母親に、頭を下げる気には到底なれない
だが、危うくとも一応は保たれていた中川家の均衡を完膚無きまでに潰した一因は、紛れも無く自分にある
*
菜々「だから、高校出たら真剣に就職を考えなきゃって……」
菜々「今からお金を貯めて……家のこれからの生活費とか、就職費用にも充てなきゃって考えて、バイトを……」
中川「───」
中川「そうか……俺は、娘にそんな覚悟をさせるまでに落ちぶれたんだな」
中川「情けないな……警察なんて仕事をしていても、娘すら満足に安心させてやれない」
菜々「…………」
中川「自分の妻すら抑えられなくて、仕事を理由に半ば放置を続けて……それで、この結果とは」
中川「本当に───すまなかった。許してくれとは言わない。だが、父親として謝らせてほしい」
菜々「お父さん……」
中川「……だからな、俺も……お前に負けないよう───この数ヶ月で、決意した」
菜々「えっ?」
中川「結論から言ってしまうが、菜々。お前は何としても大学には行かせる」
菜々「……へっ!?」
父親は、身に纏うスーツの懐からおもむろに1枚の茶封筒を取り出した
開封を促されるままに封筒を開けた、菜々の目に入ったのは、預金通帳とキャッシュカード
*
菜々「こ、これ……!」
中川「父さんも良い大人だ。多少の無理はあるが、その程度の金は出せる。それは今から、お前の金だ」
中川「そして……どの大学であれ、すまないが、お前には家を出てもらう」
中川「大学在学中は、知り合いが経営する都内のアパートに入ってほしい」
菜々「な、何を言って」
中川「言葉通りだ。後の事は夫婦間の問題、無理難題を言っているのは理解しているが……お前は学業に専念しろ」
中川「大卒後の進路に関しては、特に俺からは言わない。夢があるなら追うもよし、就職するもよし……お前の人生だ」
菜々「ちょ、ちょ、ちょっとま……待って! 待ってちょっと!」
中川「…………」
菜々「て、展開が急すぎて、頭が追い付かないんだけど……!」
菜々「な、何なのそれ! 急に大学とかアパートとか……夢とか」
中川「はは、無理も無いな……とりあえず、安心だけはしてくれて良い。その知り合いに関しても充分に信頼出来る」
中川「ここを続けるか辞めるかも、全てお前が自由に決めてくれ」
*
菜々「何なの……何なの本当……こんな所で、そんな大事な話……」
菜々「そんなの急に言われて……わたし」
中川「すまない。仕事上、こんな時くらいしか時間を取れなくてな」
中川「家でも夜遅くには会えるが、お前の睡眠時間を削る気にはなれなかった。それに夜はあいつも……な」
菜々「……わたし、大学に行けるんだ」
中川「ああ、何としても、行ってもらう」
菜々「そっか……そうなんだ……」
中川「詳しい事は、また後日に機を見て話す。だから───」
クリス「…………」
クリス(大丈夫……みたいだね、うん)コソコソ
クリス(途中から変な空気だったけど、セツナちゃんが辞めさせられる訳でもないみたい。良かった)
クリス「特製オムライス、おまたせしましたー♪」
…………
…………
*
中川「……ところで、誰かの紹介で知ったのか、ここは」
菜々「う、うん……同じ学校の子に紹介してもらったの」
中川「ふむ」
中川「時給¥1,700……お前のシフトは主に実働6時間の休憩1時間だな?」
菜々「よ、よく調べたね」
中川「仮にも本職だ。他にも調べたが、疾しい箇所の無い健全な職場だと思う」
中川「接客態度も上等だし、清掃も行き届いてる。実に良い店だ」
菜々(何か変な気分だよぉ)
中川「まあ親心を言えば……その格好には口を出したくなるが、な」
菜々「う……」←ミニスカメイド服
中川「まあいい。働いて金を得ている以上、そういうのもあるんだろう」
中川(俺からすれば……こっちの方が余程、不健全で汚い職場だしな)
杉野「あー中川さん、ちょっと良いですか」
菜々「!」
*
中川「ん、どうした?」
杉野「ちょっと……」コソコソ
杉野「何と何と大当たりですよ、店員の1人に、知り合いと一緒に居た男に似てるってのが居て……」ヒソヒソ
中川「……なんだと? そいつの居所は?」ヒソヒソ
杉野「そいつの詳しい事は分からないらしいですけど、その知り合いに関しては───」ヒソヒソ
菜々「…………」
…………
…………
中川「思わぬ収穫だ。早速、店を出たら報告するぞ」
杉野「ええ、やっぱ脚は大事って事ですね」
杉野「俺は先に出てます。済んだら店の外で合流しましょう」
中川「ああ、世話を掛ける」
杉野「それじゃ後ほど……」スタスタ
*
中川「さて、あまり長居してもあれだ。俺はそろそろ行くと……」
菜々「…………」
中川「ど、どうした? 何か俺の顔に付いているか?」
菜々「いやその……何て言うか、本当にお父さんなのかなって」
中川「な、何だ急に。間違いなく中川翔一郎だが」
菜々「分かってるけど……その、雰囲気が家に居る時と違うから」
中川「……そんなに普段と違うか?」
菜々「うん、かなり」
菜々「今も、あの同僚の人が来た時、目付きとか姿勢とか、凄く怖くなってて」
中川「怖い……そうか、そこまでか」
菜々(ちょっと強そうで格好良いと思うけど)
中川「まあ、どうあれ俺は警官で、同時にお前の父親だ。あまり気にしないでくれ」
菜々「う、うん……」
中川「さて、御勘定を頼む」
*
中川 「杉野……同僚はもう出ましたね?」
クリス「あ、はい……先ほど聞き込みを終えて」
中川 「分かりました。お忙しい所、本当に御協力ありがとうございました」
中川 「おかげで有力な情報も得られたようで、感謝します。店長の方にも、よろしくお伝えください」
クリス「いえ……お役に立てて何よりです」
菜々 「…………」
中川 「じゃあ菜々、また家で。……ああ、今はセツナだったか」
菜々 「やめて。お父さんにそれ呼ばれると死にたい」
クリス「せ、セツナちゃん……」
中川 「冗談だ。そう怒るな」
中川 「では、これで。何かありましたら警察まで御連絡を」
クリス「はい。また是非どうぞー……」
中川 「はは、気が向けば」
中川 「…………」
中川 「あと、菜々……お前なら分かっていると思うが」
菜々 「?」
中川 「危ない噂のある場所には、絶対に近付くなよ」
───それが例え、学校の中でもな
*
今日はオレンジの気分だったので、わたしは高等部の部室棟の近くに来ていた
───いきなり何の話だ、と思うかもしれないけど、話は単純明快
オレンジ色のモンスターが売っている自販機は、学園内だとソコと食堂の2つしか無いんだ
“Monster Energy”(謎全角)
またの名を───"燃料"
最低でも2日に1本はコレを飲まないと、わたしは生きている心地がしない
知り合いからは妙な顔をされるけど、別に構わない。要は大人で言うアルコールみたいなものだから
巷で囁かれる健康被害なんて、飲んだ事も無い誰かさんが勝手なイメージで言ってるだけなんだ
璃奈「~♪」
そういう訳で、モンスターを買いに向かうまでの道のりは、いつも無条件で上機嫌になれる
それに、高等部の近くだから、もしかしたら愛先輩達にも会えちゃうかもしれない。良い事ずくめだ
……まあ、あの変人先輩に関しては、わたしが高等部に居なくても勝手に現れるけどね。どこからともなくニュッと
璃奈(えへへ、平和だな……)
好きな物を口に出来る、安心出来る人達が近くに居る
───最近、学校が好きだ
そう言うと、変だって思う人が居るかもしれない
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
璃奈 (どこの学科だろう……綺麗な髪だな)
しずく「……」ポトリ
璃奈 (あっ、鞄から何か落とした)
*
璃奈 「…………」テクテク…ヒョイ
璃奈 (これ……学生手帳)
璃奈 「ねえ、そこの人……」ポソポソ
しずく「…………」スタスタ
璃奈 (あれ、聞こえなかった?)
璃奈 「ねえ、ねえって」
しずく「───!」
しずく「あの人達……!」ダッ
璃奈 「ば……え?」
しずく「!!!」ダッシュ!
璃奈 (…………)
璃奈 ( な ん で は し る )
璃奈 「ちょ、ちょっとお!?」ダッ
しずく「…………っ」ダダッ
璃奈 「ちょ、ま、あしはや……」
璃奈 「まっ、て……」
璃奈 「手帳……おと、して、る……」
璃奈 「…………」ゼー…ゼー…
*
-神奈川県鎌倉市 桜坂家邸宅-
兄 「では、俺はもう行くが……しずく」
しずく「はい。まだわたしは時間がありますので、姉さんに付いていますね」
兄 「しずく……あまり、無茶するなよ」
兄 「家には手伝いも居るんだ。自分の健康を第一にしてくれ」
兄 「最近、また部活動を始めたんだろ? なら尚更……」
しずく「ありがとうございます。でもわたしは大丈夫ですから」
しずく「本当に」
兄 「……お前が言うなら本当だろうな。だが、もしも辛ければ、いつでも言え」
しずく「はい、いつもありがとうございます」
兄 「では、行ってくる。明日の夜には帰るよ」
しずく「いってらっしゃい……」
しずく「……」
しずく「あの、兄さん?」
兄 「ん、何だ」クルリ
*
しずく「その……」
兄 「ん?」
しずく「兄さんは……」
しずく「 え っ ち な 本 」
しずく「などは……読まれます、か?」
兄 「…………」
しずく「…………」
兄 「ああ。他の男がどれほど読むか知らんが、俺は割と読んでいた方だと思う」
しずく「ほ、本当っ?」パァ
兄 「今でも……まあ読む時は読むな。今は殆どデジタルだが、学生の時の物が家に残っている」
兄 「詳しくは教えないが、興味があるなら俺の部屋を探してみると良い」
しずく「ぜ、是非っ」
兄 「解っているだろうが、探した後は綺麗に片付けておくように」
兄 「俺とて、部屋が散らかったままでは流石に恥ずかしい」
しずく「勿論ですっ!」
兄 「よし。……では行ってくるよ」
しずく「はーい♪」
────
───
──
*
しずく「姉さん、入りますね。朝食をお持ちしました」
姉 「おはよう、しずく……毎朝ありがとう」
しずく「いえ、わたしが好きでやってる事ですから」
姉 「兄さんは、もう行ったの?」
しずく「はい、先程。何か言伝でした?」
姉 「ううん、いいの。出勤前に挨拶しておこうと思っただけだから」
姉 「随分と楽しそうだったわねー」
しずく「き、聞こえてたんですか」
姉 「昔から耳だけは良いの♪ よく知ってるでしょ、あなたも」
しずく「それはまあ……」
姉 「ふふふ、私も探してみようかしら。兄さんの秘密」
しずく「姉さん……あまり埃臭いことは」
姉 「冗談よう」
*
姉 「へえ、スクールアイドル……今はそんなものが」
しずく「ええ。わたしも動画で初めて知ったのですが、とても楽しそうだったのでやることに」
しずく「部員はアイドルと裏方の人達で、合わせて20人くらい居るんです」
姉 「それは賑やかで楽しそうね。……じゃあ演劇はお休み?」
しずく「ああ、はい……わたしは別に兼部でも良かったんですけど」
しずく「えっとその、父さんから大反対されまして」
姉 「それは当たり前」
しずく「あう……」
姉 「流石に限度があるわ。私の面倒、鎌倉から虹ヶ咲まで通学、成績の維持、アイドル活動」
姉 「オフィーリアの世話も有るのに、演劇部まで。流石に誰でもストップ掛けますよ」
しずく「兄さんにも心配されました……」
姉 「あなたのことだから、本当に苦も無くこなしちゃうんだろうけど」
しずく「ええ、体力には自信アリですからっ」
姉 「本当に私の妹か疑うわ、毎回」
しずく「正真正銘あなたの妹ですーッ」
姉 「ふふ……」
*
姉 「さて、そろそろ良い時間ね」
しずく「…………」
姉 「そんな顔しないの。学校に遅刻したら母さんの雷よ」
しずく「はい……」
姉 「心配しなくても大丈夫。帰ったら、また楽しい話を聴かせてね」
しずく「…………」
しずく「いってきますね」
姉 「いってらっしゃい。気を付けて」
しずく「…………」
───いってきます
*
春江「あ、外間先生……」
外間「はい? ああ春江先生ですか」
春江「お疲れさまです。その後どうですか? 真由実の方は……」
外間「まゆみ……? ああ、宇佐美先生の事ですね」
外間「確か後輩なんでしたっけ? 大学時代の」
春江「高校時代の、でもありますね。あれも私も虹ヶ咲のOGなんですよ」
春江「昔から危なっかしいというか、頼りないみたいな所があったので、ちょっと心配で……」
外間「そうなんですか? 私が見る限り、あまりミスもありませんし、普通以上に教師出来てると思いますが」
春江「え……本当です?」
外間「あー……まあ、最初の自己紹介の時にちょっとありましたけど、それで逆に冷静さを得た感じはありますね」
春江「何かあったんですか?」
外間「まあ初めて生徒の前に立って緊張したんでしょうね。自分の名前を噛みまして」
外間「うさ め まゆみ、と自己紹介してしまったんですよ……」
春江「───」
……………………
……………………
*
宇佐美「み、みなしゃ! はず、はっじめましてて……!」ガチガチ
宇佐美「ええと、その、ことっ、今年1年、皆さんと一緒、します……あーえっと、あー」ガチガチガチガチ
外間 「先生……宇佐美先生、ちょっと落ち着いて……」
宇佐美「ひっ!」ビクッ
宇佐美「み、皆さんと一緒に! これから勉強します! う→さ↑め↑まゆみでしゅっ!!」
宇佐美(アッチョンブリケ)
外間 「…………あー」
宇佐美「…………」←半泣き
生徒 「───」ポカーン
……………………
……………………
*
春江「ごほっ……す、すみません、お見苦しい所を……」
外間「いや、笑うのも無理は無いですよ。それで生徒間での渾名が"サメちゃん"になりましてね、彼女」
外間「まあ腕の方はともかく、教職としては順調な部類の滑り出しだと言えますよ、ある意味。後は経験の問題ですかね」
春江「そう、ですか」
外間「心配は要りませんよ。うちの生徒は、常識を弁えた振舞いの出来る者ばかりです」
外間「教育者としては味気なさ感じる事がありますけど、宇佐美先生としては良い環境に身を置けたと思いますから、彼女が教師として出来上がるのに時間は掛からないでしょう」
春江「だと良いんですけど……」
外間「春江先生からも、それとなくフォローしてやってもらえますか。私より先生の方が、話せる事も多いと思いますので」
春江「わ、分かりました。私は音楽科ですけど、後で話してみますね」
外間「それで、今年の生徒の方はどうですか? 確か先生も、今年は1年の担当になったんですよね」
春江「そうです。実は私、1年生担当するの初めてなんですよ。皆まだ顔が中学生まんまで、可愛いですよねー」
外間「はは……外間「はは……そうですね。でも、すぐに可愛さ余って、になりますよ」
春江「ええー……」
*
春江「あっ、でも……1人気になる生徒は居ますね。男子なんですけど」
外間「へえ、どんな生徒で? 問題ありな感じですか」
春江「……いえ、問題と言えば問題、なんでしょうけど」
外間「はい?」
春江「成績それ自体は優秀、っていうか現状学年3位ですし、素行も別に悪くないんですよ」
春江「ルックスもイケメンです」
外間「ええ」
外間「…………」
外間「良い事なのでは?」
春江「はい、ただ……」
外間「?」
春江「その……本当に私が教える必要あるのかなってくらい……凄くて」
外間「凄い?」
春江「はい。とても熱心で、音楽に、というより芸術分野に対して独自の信念があって」
春江「それに、作詞作曲まで出来るみたいなんですよね」
外間「作詞作曲……!」
春江「はい。専攻の者として、ちょっと自信無くしちゃいます……」
外間「…………」
外間「春江先生、その生徒って……もしかして例の」
春江「そうなんです、実は」
春江「後から知ったんですけど、彼が入試前に噂だった───」
*
-虹ヶ咲学園 生徒会室-
遥 「なーんかさー」パチン…
栞子「なに」パチン…
遥 「生徒会の仕事ってさー」
遥 「思ったより地味なんですねー」パチン…
栞子「…………」
栞子「じゃあ、どんな内容を期待してた訳?」パチン…
遥 「んー? そりゃーねー」
遥 「学校に巣くう悪を、こう、ビシッと裁いてー」パチン…
栞子「はあ」
遥 「校則違反を許さず! 生徒のため、学校のために戦う正義の味方っ!」
遥 「みたいなね?」パチン…
*
栞子「…………」
栞子「自分で言ってて気付かないの?」パチン…
遥 「ほえ?」
栞子「いや、それ……まんま風紀委員の仕事じゃない」
遥 「あ」パチン…
栞子「大体、本当に風紀委員でも、そんな大それた摘発みたいな事やらないわよ」パチン…
栞子「敢えて言ってあげよっか? 漫画の読み過ぎ」
遥 「うう……三船さんってリアリストなんですね」
栞子「もう一緒になってから2週間になるのに、今更」パチン…
遥 「…………」パチン…
栞子「心配しないでも、ちゃんと人の役に立っているんだからね。生徒会の仕事は」
遥 「地味だけど?」
栞子「特に感謝されないけど」パチン…
遥 「感謝されたーい……」パチン…
栞子「あなたって人は」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
遥 「いや、でも、そういうのあるかなって思うじゃん? こういう大きい学校ならさー」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
遥 「えー? でも───」カチッカチッ
遥 「あ、弾切れ……再装填しまーす」
栞子「針なら机の横の引出の中に入って……」カチッカチッ
栞子「こっちも弾切れ……」
遥 「あはは、わたしたち仲良しブラザーズ」
栞子「シスターズでしょ。バカ言ってないで早く取って針」
遥 「ノリ悪ぅい……」
栞子「あと姉妹でもない」
*
ガラッ
矢澤「おい、2人とも。作業一旦中止」
遥 「あっ! 先輩!」
栞子「お疲れさまです、何かありましたか?」
矢澤「あった。ちょっとヤバい話だから、今すぐ会長んトコ行くよ」
遥 「へっ?」
栞子「ヤバい話って……何ですか、何があったんですか」
矢澤「…………」
矢澤「学園、から……その、逮捕者が……出た。ほぼ確定」
遥 「───」
栞子「───」
矢澤「いま、警察が来てる。生徒会の方でも対応する事があるっぽいから、2人も急いでくれ」
…………
自然と手元を離れたホチキスは、そのまま自然と床に吸い込まれていった
*
───虹ヶ咲/Zero
果林(156cm)「ほら、買ってきたわよ」
果林「コカコーラゼロで良かったのよね」
彼方「たいぎしごくぅ……」
果林「舐めてんじゃないわよ」
彼方「朝香ちゃんてば彼方ちゃんに勝つとか言ってたクセにねー」
果林「……」
彼方「今回はたまたま調子がー、とか言っちゃ駄目よん」
果林「読むな心」
彼方「うへへー……」
果林「抜け目無いんだから本当。三年寝太郎の癖に」
彼方「これでも"とくたいせー"ですから」
果林「ふん、次は絶対に勝つから」
彼方「卒業までに次が来ると良いですなー」
果林「うッざっ」
*
果林「はあ、私もかなり頑張ったつもりだったんだけどね」
彼方「へっへ、もっと頑張ろーね」
果林「ん……まあ良いわ。時間も無いし早く食べちゃいましょ、お昼」プシコン…
果林「ほら、勝利の味よ。特別に開けてあげ……」つ缶
彼方「え?」
果林「は?」
彼方「……今なんと?」
果林「は? いやだから勝利の味は格別だから存分に味わえって」
彼方「その次……」
果林「次って、特別に開けてあげたって話? だから、ほら受け取りなさいよ」
彼方「開けたの……?」
果林「だから何───」
彼方「あぁアああああぁアぁ!!」
教室「!?」ビクッ
果林「うわっ!? 何よ!?」キーン
彼方「アああああァァ何してくれてんのあゥあああァ!!!」
果林「な、なに、ちょ、何なの急……に……」
果林「───」
果林「あ」
*
彼方「もお……もお駄目だ……彼方ちゃん死んぢゃう」
果林「ねえ、アンタまさか」
果林「まさか、これ勝手に開けられたから急にトチ狂った訳じゃ……」
彼方「……」コクリ
果林「……」
彼方「開けた瞬間のシュワシュワが無いと駄目なのに……」シクシク…
果林「……」
果林「……はぁ」
果林「じゃ、私が貰うわね。このコーラ」
彼方「はい?」
果林「どうせ私の金だし」
彼方「鬼かテメェ!」
果林「あさりちゃんでーす」ゴクリ…
彼方「あっ」
果林「んく……んく……はぁっ!」
果林「あぁあ~~ハジけるわ……」シュワシュワ
彼方「はっ?」
*
果林「コーラなんて久しぶりだわ」
彼方「飲んだ……? 本当に飲みやがったなテメー……?」
果林「割と美味しいじゃない」ゴク…
彼方「うーわ、うーっわっ!! ホントに飲みやがったよコイツ!!」
果林「だって要らないんでしょー?」ゴクゴク
彼方「言ってねーよヒトコトもっ! あーいけませんコレはいけません彼方ちゃんプンプンですよ! もう許さねぇかんな!!」ガタッ
果林「あ? 何よやるつもり?」
彼方「やってやんよ! 開戦だコラ! 缶だけに!!」シュッ! シュッ!
果林「ほーん、言ったわね? ナイスジョークよそれ」
果林「ごく……ごく……」
果林「……っはぁッ! 面白いじゃない、どっからでも来なさいよ!」ガタッ
握られた拳が勢い良く飛ぶ
交差した両腕が咄嗟に阻む
果林(はぁ……くっだらな)
果林(こんなのと一緒になって……私これからどうなるんだろ)
私達の1年目は、実に起伏に富んでいた
彼方「教室じゃあれだね……屋上行こうぜ!」
果林「生徒の屋上利用は禁止に決まってんでしょ!!」
果林「うぇっぷ」
*
-虹ヶ咲学園 同好会部室-
矢澤「あー……そういう訳だから、これから2週間くらい、ココにもウチの査察入る」
部長「分かったよ。まあ、いつも通り活動すれば良いんだよな」
矢澤「本当ゴメンな、お前んトコは真面目に活動してるって皆も分かってんだけど」
部長「仕方ない。デカい事件だったし、何かしら対処しなきゃ外の連中は納得しないんだろ」
部長「訳も知らない奴らに踏み荒らされないだけ御の字だよ」
矢澤「……そう言ってくれると助かる」
部長「それに……へへ、去年を思い出すよな」
矢澤「はは、そういやそうだったわ」
歩夢「…………」チラ
栞子「?」
歩夢「ッ!」サッ
*
部長「まあ、お互い頑張ろうぜ。遥ちゃんにもよろしく」
矢澤「ああ、協力ありがとう。また1年の時の面子で食いに行こう」
矢澤「上原もゴメン、大事な時期に時間取らせたよな」
歩夢「う、ううん、わたしも皆も大丈夫……大変だよね、生徒会も」
栞子「……ええと、良いですか?」
栞子「それでは、明日から翌々週の金曜日まで、生徒会の者が、そちらの活動を見て回ります」
栞子「詳しくは、お渡しした資料に書いてありますので、そちらに目を通しておいてください」
部長「分かりました」
矢澤「あと、朝香先輩が来たら必ず教えといてくれよ? 一応あの人が副部長なんだろ?」
部長「分かってる分かってる」
矢澤「ん……じゃ、俺たちはこれで。これから2週間、よろしく頼む」
*
栞子「…………」
栞子「ちょっと、肩入れし過ぎじゃないですか?」
矢澤「ん、肩入れ?」
栞子「さっきのアイドル同好会ですよ」
栞子「先輩、随分と親しそうでしたよね、あそこの部長さんと」
栞子「それと……確か上原先輩、ですか?」
矢澤「ああ、あそこ」
栞子「他の部室では、もっと事務的だったと思いますけど」
矢澤「……態度だけだよ。贔屓なんて絶対しないから」
矢澤「あそことは、ちょっと前に関わりがあってさ。生徒会が絡まないトコで」
栞子「関わり?」
矢澤「かなりマイナー部活だよな、スクールアイドル」
栞子「はあ……私も全く知りませんでしたけど」
矢澤「実は俺ん身内に関係者が居て、俺自身ちょっと詳しいんだわ」
栞子「えっ」
矢澤「去年、同好会立ち上げん時にあいつらから相談された事あって、その関係」
矢澤「そこから仲良くなって、飯も食いに行ったりした。俺とアイツと上原、あと宮下って奴で」
栞子「そうだったんですか。……意外かも」
*
矢澤「まあ、それと別にウチと因縁ある奴も居たりするけど」
栞子「因縁?」
矢澤「ん、ああ……これはちょっと秘密だったわ」
栞子「ええ……何なんですか、スッキリしませんね」
栞子「まあ良いですけど。ところであの部長さん、遥ちゃんによろしくって……」
矢澤「遥? ああ、そういや言ってなかったっけ俺からは」
矢澤「近江からも聞いてないか?」
栞子「何をですか」
矢澤「あそこ、近江のお姉さんが居るんだぜ。義理らしいけど」
栞子「……」
栞子「えっ?」
矢澤「しかもLD科の特待生。近江彼方って知らね?」
栞子「───」
栞子「えええッ!!?」
*
-中央区銀座 上原宅-
部長「風呂空いたよー」
歩夢「あ、上がった? そろそろ夕飯出来るから、待っててね」
部長「いつもありがとう……おっ?」
部長「この匂い……カレーかっ!」ビショ…
歩夢「そうだよー。……って」
歩夢「ちょ……また髪、碌に乾かしてないでしょ! 濡れてるよ!」
部長「あっ」
歩夢「あっ、じゃない! カレーに入っちゃうから近寄らないで!」
部長「あ、あはは……ごめんごめん」
歩夢「もう、お風呂上がったらドライヤーしてって言ってるのに!」
歩夢「それにまた上半身裸で……風邪引いたらどうするの!」
歩夢「今すぐシャツくらい着てきなさい!」
部長「は、はいい」
*
部長「着た……」
歩夢「ちょっと待ってて、いまドライヤーやってあげるから」カチャリ
部長「え……い、いいよいいよ、そんな」
部長「そんくらいは自分で……」
歩夢「ダメ! あなた昔からドライヤー下手っぴなんだもん!」
歩夢「それに今やらないと、どーせすぐ作曲に没頭して忘れちゃうでしょ」
部長「ぬ、ぬう」
歩夢「そのパターンもう何回やったの? 折角良い髪質なんだから、ケアもシッカリしようよっ」
歩夢「ほら、洗面所行こ?」
部長「はい……」
部長(弱いな俺……)
歩夢「おかーさーん、お鍋見ててくれるー?」
母親「はいはーい」
母親(この調子なら、孫の顔は早めに見られそうね。何より♪)
*
-虹ヶ咲学園 食堂-
果林(166cm)「何て言うかさー」
果林「あなた"気付いたら同好会に居た"……って感じよね」
エマ「ほ?」モグモグ…
エマ「……」ゴクン
エマ「パスタおいしいですよ?」
果林「……そう、良かったわネ」
エマ「果林は食べませんか? ランチですよいま」
果林「……ごめん、気分じゃないの」
エマ「そうですか?」モグモグ
果林「……美味しい?」
エマ「おいしい!」←女児
果林(美味っそーに食べるわねぇ)ジロジロ
エマ「?」
*
果林(……まあいっか。こうして顔合わせてるし、エマで気を紛らわそう)
果林「あなた……エマは確か、スイス出身よね」
エマ「もごへっふぁふ」モグモグ
果林「飲み込んでからで良いから」
エマ「…………」ゴクン
エマ「そうです! ヴェルデ家、ワイン農家の家系です」
エマ「畑、広いの沢山あります」
果林(農家ねぇ。まあスイスのイメージにはピッタシね)←偏見
果林「スイスの何処に住んでんの」
果林「確か、イタリア語圏って南の方だったわよね……」
エマ「はい! 端の南東にあるます。ポスキアーヴォって町」
果林「ぽすきあーぼ……ふーん、どんなとこよ」
エマ「自然いっぱい! 谷(ヴァル・ポスキアーヴォ)の下です!」
エマ「湖、とっても綺麗きれーです」
果林「そう……是非とも行きたいわ、特に今は」
*
エマ「空気も美味しい、良い人皆です!」
エマ「でも、たまにプテラノドンとか出るますよ?」
※辺境過ぎるという意味
果林「…………」
エマ「…………」
果林「……わっかり辛いジョークね」
エマ「ご、ごめんでございます……つまらないこと、ワを乱すですね」
果林「ああ……ごめんなさい。完全に失言だったわ」
エマ(うう、今日の果林、何か怖いよぉ)
エマ(何かあったのかなぁ。心配です……)
果林「私はここから、西にずっと行った所に実家があるの……広島って所」
エマ「え、ヒロシマ?」
果林「あら、有名だったりするの」
エマ「ハイ! 日本のこと知る、絶対に教えられます。原爆!」
果林「やっぱりそれか……」ハァ…
*
エマ「果林……故郷、原爆で有名、イヤやっぱり?」
果林「まあね。有名になるって点だけなら、まあ頷けるけど」
果林「でもま現地人としちゃ、知名度の1つが大量破壊兵器由来ってのは、確かにあんま嬉しいとは言えないわね」
エマ「そ、そーですか……その」
果林「別に謝んなくて良いわよ。知っておいた方が得な事ではあるんだから」
エマ「うう……」テンサゲ
果林「パスタ、冷めるわよ」
エマ「…………」モグモグ
エマ「おいしい!」テンアゲ
果林「ふふ……」
果林(楽しい子ね)
*
果林「ところでさ」
果林「アンタのそれ、どうやって学んだの」
エマ「それとは?」
果林「日本語よ」
エマ「え……もしかして、変なですか?」
果林「まあ本場からすりゃ変な所はあるに決まってるわ、あなた別の国で育ったんだから」
果林「ただ、去年……日本に来たの去年よね?」
エマ「です。1月、留学てつづき、するのに来て、入学までアパート居ました。学生アパート」
果林「うん。なら、こっちの人間とガチで日本語会話するようになったの、それからでしょ? 多分……」
果林「よく1年ちょっとかそこらで、そこまで上手く会話出来てるなと思ってさ」
エマ「……いいえ。わたし日本に来る前、日本語の先生、いました」
果林「えっ、そうなの……。学校の先生?」
エマ「いえいえ、日本からポスキアーヴォに来るしてた2歳上の男の子」
エマ「ハーフの子で、わたしあの時、まだ8歳ほどくらいでした」
*
───今から大体9年ほど前のこと
スイス南東の田舎町に、東の果ての島国から1人の少年がやってきた
小さな田舎町は噂が広まるのも早く……物珍しさも併せ、その子はすぐ町中の話題の中心となる。
当時8歳だったエマは、いつも通り実家の手伝いをするばかりで、噂には興味を持たなかったが───
両親に連れられ、窓口に置かれている飴玉を目当てに郵便局まで赴いた際、噂の彼と初めて顔を合わせた
エマ「郵便局の建物の横で、ずっとゲームするので、気になるしまして」
果林「……それで、仲良くなったと」
エマ「はい。言葉は通じるなかったですけど、ゲームやらせるしてくれて」
少年は常に暗い表情をしていたが、町の大人たちの話だと、どうやら彼の両親は2人とも不幸に遭い……
残った中で、まともに頼れる親戚が、日本から遠く離れたスイス、ポスキアーヴォにしか居なかったのだという
*
見知った顔になるのに、都会ほど時間の要らないのが田舎町
まして子ども同士ともなれば、尚更に関係の構築は早くなる
少年とエマ、その弟妹たちは、頻繁に会っては楽しい時間を過ごし───
そして東に遠く離れた未知の国の刺激的な話題に華を咲かせる親友同士となった
エマ「日本のこと、沢山教えるしてくれて、その内わたしも、いつか行くしたいなって」
果林「……なるほど、素敵な話じゃないの。言葉は通じなくても、ってことね」
エマ「はい! 言葉もいっぱい教え合うしましたです!」
果林「すごいわねー、行きたいと思って実際に来る辺り。言葉も覚えてまで」
エマ「えへ。最初はいろいろ迷うしたりたけど、優しい人みんな。それに果林とも会えた」
果林「…………」
果林「え、私?」
エマ「はい!」
*
エマ「果林だけじゃありません。クラスの皆も同好会の皆も、わたしの大切、なるしましたです」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
果林「……ふーん、アンタ結構ストレートね」
果林「まあ、何つーか……よろしくね、これから」
エマ「はいっ!」
果林「……コーヒーゼリーでも食べるか」
エマ「あ、わたしも!」
果林「……さっきのお詫びに奢ってあげるわ」
エマ「え、ほんと?」←遠慮無し
果林「あはは……」
果林(あー……エマのおかげで、ちょっと治まってきた)
果林(この調子なら、彼方とも普段の調子でいけそうね)
…………
…………
生徒「あれ? 近江さん今日は朝香さんと一緒じゃないの?」
彼方「うん。果林ちゃん今日は生理だからねー」
生徒「ん???」
彼方「あ、やっべ」
*
-クリスの新人教育-
クリス「ほら新人! 手が遅いよ、もっとスピード上げな!」
クリス「手順は最低限、しかし確実に洗い上げるんだよ! 皿洗いの基本だ!」
クリス「出来の悪いメイドは便所の掃除からやり直しだからね!」
セツナ「は、はい!」シャコシャコ
セツナ「終わりました!」
クリス「良いスピードだ……だけどね」カチャ
クリス「何だろうね? この皿の底に残ってる泡は……んん?」
セツナ「あっ……」
クリス「…………」
クリス「言われる前に動きな! 洗い残しだよ!」
セツナ「す、すみません! すぐに洗い直します!」
*
クリス「店外清掃だ。店に入るまでの道が汚くちゃ、ご主人様も良い気分にゃならない」
セツナ「はい!」サッサッ
クリス「廊下の端を掃かないでどうすんだ! 埃は端にこそ溜まるんだよ!」
セツナ「す、すみません!」
クリス「いいかい? 廊下を掃いたら、次は外だ! 3軒隣の店の前まで掃除するんだよ!」
セツナ「3軒隣……?」
クリス「それが近所付き合いってもんだ! ただし商売の邪魔にならないよう、迅速にだよ!」
セツナ「わ、分かりました!」
クリス「ほら、手が止まってる! 時間は待ってくれるほど優しくない!」
セツナ「すみません! 今すぐ掃きます!」サッサッ
*
クリス 「メイドの接客態度が悪くちゃ、そりゃメイドの服着たタダのクソガキだ」
クリス 「客に粗相したらメイド失格! これから客への振る舞い方を教えるよ、しっかり聴きな!」
セツナ 「はい! よろしくお願いします!」
クリス 「よーし、良い返事だ! これは特に厳しく行くよ、まずは私の接客をよく見てな!」
クリス 「特別に教えるけど、後でテストがあるからね! メモは用意してるんだろうね!?」
セツナ 「はい! バッチリ持ってきてます!」
メイドA「…………」
メイドB「…………」
メイドA「何て言うか、変わったよね。クリスちゃん」
メイドB「うん、普段は普通なのに、教育の時は給仕長が乗り移ったみたいになるよね」
メイドA「給仕長かあ……あれは衝撃だったよね、いろいろと」
メイドB「だよね……でも、あーもう一度食べたいなぁ、給仕長のすいとん汁」
メイドA「分かるわー……あの頃は本当に楽しかったよねー」
クリス 「そこっ! ドサクサに紛れてサボってんじゃないよ!」
*
会長「んじゃ、そういう事ですんで」
会長「これから2週間、そのつもりでねー」
遥 「し、失礼しましたっ!」
ガチャリ……
会長「…………」
会長「ん、これで担当分は終了だね」
遥 「お、お疲れさまでしたぁ……」
会長「悪いね。入ったばっかで、こんな仕事させちゃってさあ」
会長「滅入っちゃうよね、ホント申し訳無いったらないよ。大変な事してくれたなダンス部も」
遥 「い、いえ! 大事なお仕事ですからっ」
遥 「これも、貴重な体験と思うべきなんですよ!」
会長「優等生だねぇ君。えーとオウミちゃんだっけ?」
遥 「……コノエ、です。よく間違われますけどオウミじゃないんです……」
会長「ごめん、マジごめん」
───ただいまの時刻は、16時30分です
───完全下校時刻は……
会長「ん、そろそろ矢澤とか他の連中も終わってる頃だよね」
会長「じゃ、そろそろ戻ろっか、生徒会室に」
遥 「は、はい!」
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
会長「でも秋頃に、矢澤と2人で頑張ってた1年の子が急にやめちゃってさ」
会長「結果それ以降、1年生は殆ど矢澤1人で仕事させる事になっちゃってたんだよね……」
遥 「1人で……」
遥 「その一緒だった人は、どうして……」
会長「……」
会長「私も関係者から少し聞いただけなんだけど……御家庭の事情とかいろいろあったみたいよ」
会長「結論、あの件に悪い人はいない。ただ不幸が重なっただけだったんだけど……矢澤には大変な思いさせちゃった」
会長「私は、もう引退させられちゃうから……今度は君らが支えてくれると嬉しい。矢澤のこと」
遥 「…………」
遥 「はいっ。わたしと三船さんで、完璧にサポートします」
遥 「心許ないかもしれませんけど、会長さんは安心してください」
会長「ん……安心したよ」
会長「生徒会の事、よろしくね」
遥 「はい! 任せてください!」
*
-虹ヶ咲学園 第1保健室-
歩夢「38度2分……今でこれなら、40度も視野に入れなきゃだね」
歩夢「何か言い訳は?」
部長「無いです……」ゲホ…
歩夢「よろしい」
歩夢「いや全然よろしくない」
部長「ぐっ」
歩夢「もう! ただでも同好会のステージで忙しいのに……」
歩夢「そこに遥ちゃん達のステージまで手掛けるなんて! 身体壊して当たり前だよ!」
部長「め、面目ない……」
歩夢「段取りが殆ど終わってるのはさすがだけど、それでも皆に迷惑掛かってるんだからね! 反省して!」
歩夢「きっと皆は許してくれるけど、ちゃんと謝るんだよ! それまでシッカリ休むこと!」
部長「はい……すいませんでした」
歩夢「…………」
歩夢「……心配、させないでよ」
歩夢「急に倒れて……わたし、本当に焦って……」
部長「──────」
部長「ごめん」
*
…………
…………
歩夢「遥ちゃん、気にしてたよ? わたし達が夏風邪移したんじゃないかって」
歩夢「フォローは愛ちゃんからしてくれたけど、ちゃんとあなたからも話してね」
部長「……分かった」
歩夢「それと、ゲームはそろそろ返すって、彼方先輩が」
部長「そ、そうか……」
部長(そういや貸しっぱだったな)
部長「ごほっ! げほ……」
歩夢「だ、大丈夫!?」
部長「ああ。……悪いけど、俺の財布にデビットカードがあるから……」
部長「後で学園前のセブンで、出来れば常温の飲み物を買ってきてくれ……」
歩夢「わ、分かった、VISAの黒いのだよね。同好会に報告したら、買ってくるね」
部長「頼む……」ゴホッ
歩夢「これ、普通の麦茶だけど、ここに置いておくね」ゴトリ
部長「ありが、とう……」
*
部長「…………」クラクラ
部長(やばい……頭が纏まらなくなってきた)
部長(自分の身体を自分に従えさせられない。違和感が凄い)
歩夢「辛い? もう寝てても良いけど……」
歩夢「麦茶、飲ませようか?」
部長「いや……だいじょう、ぶ」
部長(情けない。こういうのが嫌だから……俺はここまでやってきたのに)
歩夢「ふふ、笑い事じゃないけど、あなた昔から、思い付いたらブレーキ忘れて無茶するんだよね」
歩夢「わたしが保健委員を続けてるのも、もしかしたら、こういう時のためだったのかも」
部長「───」
部長「くっ、あはは……本当に、そうだったよな……歩夢は昔から保健委員だった」
歩夢「いっそ看護師さんにでもなろっかなぁ♪」
部長「……似合うよ、きっと」
*
部長「…………」
部長「……あゆむ」
歩夢「なあに?」
部長「憶えて、るか? 小2の時、……俺が遊具から落ちて、右脚折った、時……」
部長「俺、歩夢の前で、大泣きして……しかも、歩夢に、肩も貸され、て……」
歩夢「!」
歩夢「……うん、よく憶えてるよ」
歩夢「右脚の複雑骨折……あなたの脚パンパンに腫れてて、とても怖かったなあ」
歩夢「あの時は、わたしも人生で一番泣いたかも。学校中で大騒ぎだったよね」
部長「そう、だ……」
部長「おれ……情けなくって、さ……歩夢の前であんな、弱いとこ、恥ずかしくて……」
部長「だから……なんか……そういうの、嫌で。強くありたく……て……」
歩夢「──────」
部長「歩夢の前では……かっこつけたかった」
部長「でも……結局、変わらない。あの時から……世話かけっぱなしだ……」
部長「歩夢の前では、強く、いたい……だって、おれ……」
歩夢「…………」ギュ…
部長「おれ……歩夢に……なに、を」
返せて───
*
部長「…………」
歩夢「? ……寝ちゃったの」
歩夢「ふふ……」
部長「…………」
歩夢「心配しないでも、わたしは沢山もらってるよ。あなたから」
歩夢「おやすみ……元気になったら、また一緒に頑張ろうね」
歩夢「…………ふう」
歩夢「さーてっ! わたしも頑張らなくちゃ!」
歩夢「じゃ、また後でね!」タタタ…
部長「…………」
部長(ありがとう、歩夢───)
部長「…………」
部長(何かを忘れている気がする……でも、もう今は考えるのが億劫だ)
部長(大人しく意識失ってしまおう。早く治して復帰しないと───)
*
……………………
……………………
歩夢「───」ボケーッ
愛 「おう歩夢ー」
歩夢「───」ボケーッ
愛 「歩夢ー? おーい相棒?」
歩夢「?」クルリ
歩夢「あー……愛ちゃん」
愛 「どしたの、そんなフラフラ歩いて。部長んトコ行ったんでしょ?」
歩夢「うん……」
愛 「部長どうだった? インフルとかじゃなかった?」
歩夢「うん……」
愛 「…………」
愛 「寝てる間にチューとかしといた?」
歩夢「うん……」
愛 「えっ」ビクッ
歩夢「…………」
歩夢「…………」
歩夢「!?」
*
愛 「え、マジで───」
歩夢「なに言ってるの! する訳ないでしょ、病人なのに!!」
愛 「え、お、おう……?」
愛 (病人じゃなかったらするんかね)
歩夢「もう! 急に変なこと言わないで!」
愛 「ええ……何か理不尽。いや歩夢、さっきから何か変だヨ? フラフラ歩いてて」
愛 「てゆーか、それ部長宛てのやつじゃないの?」
歩夢「え? ───あっ」つセブンの袋
愛 「大丈夫かよ……そんな状態でよく買い物できたね」
愛 「何なら、アタシが部長に渡してこよっか?」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
───少し前
-虹ヶ咲学園 GB(音楽科)2年教室-
歩夢(えーと、ここの席だよね……確か)
歩夢(失礼しまーす)ゴソゴソ…
歩夢(えーと、おサイフおサイフ……)ガサゴソ…
女子A「ねー見て見て、あの子……」ヒソヒソ
女子B「あの席って確か……五十嵐君の」コソコソ
女子A「もしかして噂の、将来の社長夫人……!?」ヒソヒソ
キャッキャ
キャッキャ
歩夢「…………」
歩夢(は、早く終わらせよう……)
歩夢(あっ、あった! おサイフ! えーとデビットカードは)ゴソゴソ…
歩夢「───え」
……………………
……………………
歩夢「……ねえ愛ちゃん」
愛 「ん、なんだよ」
歩夢「わたし……覚悟しといた方が良いのかな」
愛 「は?」
歩夢「……な、何でもないっ! じゃあ後でね!」
愛 「あっ! ちょっと歩夢!? ……行っちゃったよ……」
愛 (どうしたんだろ、急に耳まで真っ赤になって……まさかマジで移され……たとしても、こんな急には出ないだろうし)
愛 (あいつが歩夢に何かしたとか? なら覚悟って何じゃい)
愛 (うーん、何やら変な予感がするぞい。あんにゃろ、治ったら少し問い詰めてやるぜ)
*
-虹ヶ咲学園 生徒会室-
矢澤「……」
菜々「ふふ……んふふ♪」←スマホ眺めてる
矢澤「……」
矢澤「あの」
菜々「!!!!!?」ガタンッ
矢澤「うお」
菜々「へっふぁゥッ??! や、矢澤くッ」ババッ
矢澤「え、そんな驚くこと無くない? 微妙に傷付くが」
菜々「ご、ごめ、何でもないの……ッ。ていうか、見ました?」
矢澤「スマホ? いや見てないけど」
菜々「そ、そうですか……」イソイソ
*
菜々「それで……な、なにかな」
矢澤「いやあのさ、同好会新設の申込書類がどこに仕舞ってあるかって……」
矢澤「訊こうと思ったんだけど」
菜々「同好会新設の……?」
矢澤「うん、そう」
菜々「同好会……」
矢澤「ちょっと知り合いに新しく立ち上げたいって言ってるのが居てさ」
菜々「うーん……そういうのは大体、高木先生(生徒会顧問)が保管してると思いますけど」
矢澤「顧問トコね。分かった」
菜々「あ、ちゃんとその人達に取りに行かせてください。その方が良いから、心象的に」
矢澤「分かった分かった」
菜々「うーん、にしても、この学校で同好会立ち上げ? 思い切った事する人達ですね」
矢澤「ん……まあ言い出してる奴は大分アレだけど、悪い奴じゃないかな。成績も並以上ぽいし」
菜々「へえ、友達ですか?」
矢澤「俺が、連中の立ち上げる同好会の内容に詳しくてさ、いろいろ訳ありで」
*
矢澤「どこから知ったのかは知らんけど、その言いだしっぺの奴に相談されて、そこからね」
菜々「そういうことですか……」
菜々「え、それで、何ていう同好会を?」
矢澤「…………」
菜々「矢澤君?」
矢澤「驚くなかれ、その名も"スクールアイドル同好会"」
菜々「……」
菜々「……す、すくー……る」
菜々「アイドルって、あのアイドルですか?」
矢澤「そう、あの。聞いたことない? かなり前にちょっと流行ったんだ」
矢澤「つっても俺が年中くらいん時だけどさ」
菜々「大昔の話じゃないですか……」
矢澤「やっぱ知らないか」
菜々「ええ、もう全く以てですね」
*
菜々「そんなものがあったんですね……ダンス部とどう違うんだろう」
矢澤「金はとにかく掛かるって話だけど」
菜々「お、おかね……大丈夫なんですか」
矢澤「ああ。資金繰りは、ちょっと頑張れば問題無いんだってさ。アイツが言うに」
菜々「駄目そう感スゴいんですけど」
矢澤「な、胡散臭いよな。そういう奴なんだ」
菜々「んー……あ、そういえば顧問の先生は」
矢澤「顧問? 今んとこ居るとかは聞いてないね。あー多分いない? かな」
菜々「なら、仮に立ったとしたら、後で私たちも関わる事になりますね」
菜々「ほら、新設の同好会、顧問の先生無しだと、暫く生徒会の強制監査が入りますから」
菜々「設立後1ヶ月と……あと長期休暇中に1週間くらいだっけ」
矢澤「……そういやそうだった。普通にしてりゃ合格は間違い無いけど」
矢澤「……中川、もし担当なったら、優しく頼むわ」
菜々「あ、ずるーい」
菜々「でも最終的に評価するのは先輩達ですよ、きっと。1年はそこに居るだけ」
矢澤「チッ、それもそうか」
菜々「何にしたって贔屓は駄目ですよー」
矢澤「おう……」
*
矢澤「んじゃ、アイツらに教えてくる」
菜々「えーと、また戻ってきますよね? この後で仕事があるんですけど……」
矢澤「ああ聞いてる。資料作成ね」
菜々「はい。ついでに高木先生のとこ行って日程表を取ってきてもらえます?」
菜々「事前に見ておきたいので……」
矢澤「分かった。……じゃあ、ついでに他の連中にも声掛けてくるわ」
菜々「あ、お願いします。今日はちょっと大事ですから、強めで」
矢澤「はいよ。まあ、それで何人集まるか……」
菜々「あはは、集められるだけお願いします……」
…………
…………
矢澤「んじゃ、また後で」
菜々「はーい」
ガチャリ…
矢澤「ふー」
矢澤(さてと、まずはアイツらに報告……)
矢澤「…………」
矢澤(中川んスマホに映ってた"あれ"───やっぱ本人だよな)
矢澤(まさか中川にコスプレ趣味があったとか……意外にも程がある)
矢澤(……まあ、心ん中に仕舞っとこう。隠したい趣味っぽいしね)
矢澤(さーて、行きますか)
───……
それから何ヶ月か後のこと
中川は、生徒会から姿を消した
*
-虹ヶ咲学園 第二家政教室-
───キーン↑コーン↓カーン↑コーン↓
先生「はい、今回はここまで」
先生「提出期限は来週の、この時間までです。最低1枚の提出ですが、それ以上の提出も可、評価にも加えます」
先生「なお、これら参考衣装の物理的貸出は如何なる理由でも不可、スクールタブからログインして参照する形でのみ許可します」
…………
…………
先生「あ、朝香さんと近江さん」
果林(155cm)「はい?」
彼方「んあー……」
先生「悪いんだけど、2人で参考衣装を衣装室に運んでおいてくれる?」
先生「ラックに掛けるのは先生がやるから、籠に置いておくだけで良いの」
果林「あ、分かりました」
彼方「えー……」
果林「えーじゃないの。ほら近江、行くわよ」グイグイ
彼方「なーんで彼方ちゃんがあ……」ヤダヤダ
果林「アンタは特待生、私は委員長。そういうこと」
彼方「委員長もう1人居たじゃん……」
果林「垣澤さんは新人戦で昨日から居ないでしょ。ぐちぐち言ってないで、ほら起きる」
彼方「仕方ねーなぁ……ぐちぐち……」
*
果林「よいしょ……」
彼方「どっこいせぇ」
先生「じゃあ申し訳無いけど、よろしく御願いするわね」
彼方「本当に申し訳な───」
果林「…………」バコッ
彼方「イテェ!」
先生「…………」
先生「本当に仲良いわね、2人とも」
果林「は?」
彼方「お?」
先生「2人の喧嘩は仲が良い同士がするタイプの喧嘩だもの」
果林「は?」
彼方「ええー? そんなぁ照れちゃいますなあ」
果林「ちょ、や、やめてくださいよ。こんなのと仲良しとか」
果林「おぞましい」
彼方「貴様」
先生「でも今は喧嘩しないで早く衣装を運んでね」
先生「じゃあ先生、ちょっと職員室に戻るから」
…………
…………
*
果林「さてと、早く行きましょ」
彼方「はいはい、さっさと終わらせて昼御飯にしよー」
彼方「れっつらごーごー」
果林「…………」
彼方「…………」
果林「何で行かないのよ」
彼方「朝香ちゃんこそ早く行きなよ」
果林「…………?」
彼方「…………?」
果林「近江」
彼方「なあに」
果林「衣装室の場所、知ってる?」
彼方「え? 知らないけど」
彼方「朝香ちゃん知ってるっしょ」
果林「知らない」
彼方「…………」
果林「…………」
彼方「やぁくたたずぅー」
果林「アンタが言うな!!」
───この後、2人揃って次の授業に遅刻し掛けた
*
-中央区銀座 “銀座スカイタワー” 展望ラウンジ-
愛 「今年も3人でこの日を過ごせたねぇ」
部長「いや、お前がウチの屋上に来るのは初めてだろ……」
愛 「悪いねぇ! わざわざ屋上なんか通してもらっちゃってぇ」
部長「別に良いけどさ。誘ってもらったんだし、穴場を紹介しようと思って」
愛 「良いねぇ、アンタしかしらない絶景スポット。そういうのカッコいいじゃん!」
歩夢「そういえば、改まって3人でこういう集まりするの、かなり久しぶりな気もするよね」
愛 「そう?」
部長「……言われてみれば、そんな気がするな。高校に上がってからは同好会もあるし、殆ど一緒だったけど───」
歩夢「こうして3人で遊ぶの……あれ、もしかして中学以来だったり?」
愛 「ええ? いやいやそんな……」
愛 「……マジだ」
歩夢「やっぱりそうだよね!」
部長「それだけ夢中だったって事かな、スクールアイドルに」
歩夢「去年は2人だけで色々やってたみたいだけどね」チクチク
部長「そ、その事はもう許してくれよ……」
歩夢「ふーんだ」
愛 「すまない歩夢、君を危ない事に巻き込みたくなかった(イケボ)」
歩夢「気持ち悪い」
愛 「泣くぞ」
*
部長「でも、俺達で良かったのか?」
愛 「俺達でって?」
部長「だから、誘うの俺達で良かったのかって話」
歩夢「そうだよね。今年は折角こうして予定も入らなくて、それに仲良くなれたんだし、璃奈ちゃん誘うと思ってた」
部長「お前あんだけ夢中だから、俺達そうするもんだとばかり思ってたんだよ」
愛 「夢中って……誤解されるような言い方しないでよ。まあ、璃奈がアタシの“尊敬する後輩”なのは本当だけど」
愛 「あー……実はだね、誘ったんだよ、アタシも。何日か前にさ……隅田川の花火大会、一緒に行きませんかー、って」
歩夢「えっ、そうなの?」
愛 「うん……そうなんだよ……うん」
歩夢「あ(察し)……って事は、まさか振られちゃったの(笑)」
部長「ふはっ(笑)」
愛 「人の不幸を笑うな!」
*
部長「でも意外じゃん。最近の様子じゃ、お前が誘えば普通に乗ってくれそうなもんだけど」
愛 「ふふ……何とね……もう誘われてたんだよ。同じ隅田川花火大会に」
部長「ええ、マジか」
歩夢「あらら、凄い偶然」
部長「それならまあ仕方ないのかもな。え、誰に?」
愛 「3年の漫才コンビに……」
歩夢「果林先輩と彼方先輩? 何でまた」
部長「意外な組合せってやつだな」
愛 「何か果林先輩が、1年全員に屋台の食べ物、好きなだけ奢るって話になったらしくてさ」
愛 「それで……」
部長「んん? 何だよ初耳だぞ、それ。果林さん気前良すぎだろ……」
歩夢「うーん……何か裏がありそうだけどなぁ」
部長「あれ、という事はつまり───」
部長「お、お前……屋台の焼きソバその他に負けたって事か」プクク…
歩夢「何ていうか……うん、元気出してね(失笑)」
愛 「うるせえやい……」
歩夢「あっ見て! 始まったよ!」
*
歩夢「綺麗だね……」
部長「ああ……」
愛 「……ブツブツブツブツ」
歩夢「……? なに拝んでるの」
愛 「いや、来年は璃奈と一緒に見に行けますようにって」
部長「花火は願いを叶えてくれる物じゃないぞ……」
愛 「い、いーんだよ! 見てよ、あの神々しさ! きっと何らか御利益ある! 信じる事が大事だぞ!」
部長「……バカだなぁ、としか思えん」
歩夢「愛ちゃんは本当オバカだねぇ」
愛 「うるへ!」
ヒュー……ドォン! パラパラパラ……
部長(そんなの、わざわざ拝まなくたって……)
歩夢(いつかは叶う事なのにねー……)
*
-横浜市都筑区 中須家-
弟 「おい姉ちゃん! 雨降ってるじゃんかよ!」
かすみ「はー? あ、ホントだ。音楽聴いてて気付かなかった」
弟 「ホントだ、じゃねーよ! 雨降ったら洗濯物取り込めって母さん言ってただろ!」
かすみ「…………」
かすみ「あっ、そーだったわ。やべっ」
弟 「しっかりしてくれよっ! おれ全部やったんだからなっ!」
かすみ「あーごめん、やってくれたのね……じゃあ、お詫びにチューしたげよっか」
弟 「いらねーよバカ!」
かすみ「へん、つれない弟め」
弟 「あーもう! 最近の姉ちゃん適当過ぎるよ! 部活は忙しいんだろうけど、前の姉ちゃんの方がマシだっ!」
かすみ「……はあ? 前のわたしィ?」
弟 「あっ」
かすみ「って、どんな感じだったっけ?」
弟 「し、知らねーよっ! 自分で思い出せっ」
かすみ「なんだよう」
*
かすみ「あっ、そうだそうだ。考えてみれば丁度良い所に来てくれた」カチャカチャ
弟 「な、なに」
かすみ「はいこれ、わたしの初ソロボーカル曲」つCD
かすみ「聴いた感じ、結構なクオリティだよ、あげる」
弟 「は? なにその……え、マジで? 姉ちゃん歌ったの?」
かすみ「そうだよ。ずばり曲名は"穿て! KASMINデビュー!!"」
弟 「……ネタ曲」
かすみ「次、迂闊なこと言ったらパンの材料にするからね」
弟 「…………」
かすみ「アイドルかすみんの初ソロを聴くファン1号にしてあげるって話。有難く受け取りなされ」
弟 「人を勝手にファンにするなよ……」
かすみ「いらないの?」
弟 「…………」
弟 「まあ貰うけど、一応」
かすみ「素直になれば良いのに。後で感想よろしくね♪ はいどうぞー」
弟 「ん」
かすみ「……ふふ」ニヤッ
かすみ「隙アリィ!!」グイッ
弟 「うわっ!?」
───むちゅ…
弟 「 」
かすみ「んふふー。ほっぺもーらいっ」フンス
かすみ「家族特権だよ、お姉ちゃんが有名になったらクラスで自慢───」
ボ ス ッ ! !
かすみ「でぎゃっ!?」
弟 「ざっけんなバーカ! キメーんだよ!! アホ! 痴女!」ゴシゴシ
かすみ「お、おみゃ……あご……頭突き……」ジンジン
弟 「もう知らねーよ! 醤油で溺れろバーカ!!」ダッ
かすみ「あ、ちょ」
かすみ「……」
かすみ(嫌われちゃった)
かすみ(でも、そんなに怒ること……割とあるね、ごめん弟よ。あー舌噛むとこだったわ)
かすみ「しかし……前の、わたし……」
かすみ(はてさて、どんな感じだったかなー)
かすみ(普段、人前でああいうキャラ演じてると、自分がどんな感じだったかとか曖昧になりがちなんだよねー)
かすみ(たまに日常生活でもアイドルモード出ちゃいそうになる事あるし)
かすみ(でも安心しろよ、我が弟。君の姉は、いつまでも変わらず、お前を愛し続けるからな)
*
-千代田区丸の内 東京国際フォーラム-
→→新世代の表現展 優秀作品展示会場
ざわ… ざわ…
ざわ… ざわ…
愛 「はー……」
愛 「へー……」
歩夢「愛ちゃん口開きっぱなしだよ」
愛 「アタシこーゆーとこ初めて来たけど……何て言えばいいんだろね」
愛 「こういう胸に迫るみたいなクソデカ新鮮エモーション」
歩夢「ツイッターのやり過ぎ。普通に感動した、で良いと思うよ?」
愛 「小泉総理みたいだね」
歩夢「何で昔の総理が出てくるの?」
愛 「え、知らないのこれ!?」
………………
………………
愛 「にしても、多いね人が……」
歩夢「ね、はぐれないようにしなくちゃ」
愛 「いや正直アタシ、あいつが応募するって言ってた時、かなーり適当に聞き流してたんだけど───」
愛 「案外……その、スゴいコンクールだったりするの? この“新世代の表現展”……って」
歩夢「わたしも彼から聞いた限りだけど、何か主催の団体の中に有名なアーティストさんが在籍してるんだって」
歩夢「その人もだけど、他にも美術界隈の凄い人達が少し関わってて、その関係でスポンサー料も跳ね上がって……」
愛 「で、結果こんな大規模に」
歩夢「っていう事みたいだよ。募集要項も厳しいみたいで、中高生で、ある程度の実績ある人じゃないと応募資格もくれないとか」
愛 「へー……普段あんな真面目ボーイなのに、やっぱ本当に芸術家なんだなあ」
歩夢「それほどでも」フスーッ
愛 「何で歩夢が自慢げよ(笑)」
*
───本日は、新世代の表現展にお越し頂き、誠にありがとうございます
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
愛 「で? その当人は意地張って来ないと」
歩夢「うん……」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
愛 「こーんなデカデカと自分の“実力”が飾られてるってのにねー……」
───最優秀賞 楽曲付きビジュアル絵本 “Walk in the Dreamland”
私立星条中学校3年───
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
歩夢「うん……綺麗な曲だよね、本当」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
愛 「では、当作品のモデルこと上原歩夢さん、一言どーぞ」
歩夢「か、からかわないでよっ! 考えないようにしてたのに!」カァァ…
愛 (ま……題名からして、歩夢を意識しまくって作ったの丸分かりだよね。隠す気が無いにしても、もうちょい捻れよって感じ)
愛 (相当の自信作だったんだろうね。きっと歩夢への気持ち、ありったけ詰め込んだんだ。あー、お熱いこってまー)
愛 (それが、この結果じゃあ……惨めな気持ちになるのも仕方ない……のかもしれないね)
*
かすみ「あが……あがが」
・現文:58/100
・古文:44/100
・数1:42/100
・数A:30/100(不)
・英語:62/100
・現社:51/100
・日本史:60/100
・世界史:73/100
・理総:49/100
・保体:41/50
・選択音楽:32/50
…………
かすみ(これは……)
かすみ(これはマズい)
かすみ(そんな良い点は期待してなかったけど)
かすみ(これはマズい)
かすみ(高校初の定期考査でこれは……流石にマズい)
かすみ(マズい)
遥 「どしたの? さっきから何かブツブツ言ってるけど」
かすみ「…………」フラフラ
遥 「中須さん? え、どこ行くの? おーい?」
かすみ「ぶかつ……」ボソッ
遥 「え? ……あ、ああ」
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
かすみ(どうしよう……このままじゃ)
果林 「あらー……なかなか御立派な成績ね」←背後から覗き込んでる
かすみ「どひぃ!?」ビクッ
果林 「あら驚かせた? ハーイかすみちゃん♪」
かすみ「あ、朝香先輩!? 何でココに……」
果林 「ちょっと同族の気配を感じてね」
かすみ「同族の気配を感じてね!?」ガビン
果林 (良いリアクションするわね)
果林 「まあ細かい事はいいじゃないの」
かすみ「ええ……」
果林 「それでソレ、今回のテストの結果でしょ?」
かすみ「あっ」サササッ
果林 「隠しても無駄よ、肝心な所は見たわ。“赤”だったわよね数学」
かすみ「ぬぐっ」
*
果林 「やっちゃったわね。これぞ難関校の洗礼って感じ」
かすみ「……はい……」
果林 「数学が苦手なの?」
かすみ「……昔から、少し」
果林 「そう、なら私と同じね」
果林 「変な記号と回りくどい屁理屈みたいな問題文ばっかりでウンザリよね、本当に」
果林 「そのくせ潔癖症みたいに"手順通り"を望んでくるし、一体こっちに何をさせたいのって言いたくなるわ」
かすみ「……あはは、はい。ですね」
果林 「あらー……これは、なかなか重症かしら」
かすみ「ごめんなさい。頑張ったつもりだったので、ショックで」
果林 「……そうよね。かすみちゃん、いっぱい努力したのよね。ここに来るのにも」
果林 「こんな事になると、学校から拒絶された気がするわよね」
かすみ「…………」
かすみ「わたし、折角たくさん頑張って合格して……同好会も楽しいのに……始めからこんなじゃ」
かすみ「自分が思い詰めてるのは分かるんですけど、もう訳分からなくて……」
果林 「……軽く聞こえたらごめんなさい。でも私、あなたの気持ち、とても理解出来るわ」
果林 「その上で言うけど、きっと大丈夫よ」
かすみ「え?」
果林 「私もね。1年の頃は酷い成績だったから」
かすみ「えっ?」
果林 「勿論、赤点だって取ったし、留年も目に見えてたレベルよ」
かすみ「え、えええ……!? そうなんですか!?」
果林にも普通科の勉強内容は訳が分からず、結局かすみは歩夢達に取られる
→先輩の威厳は粉砕(かすみからは感謝される)
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
果林 「ふふ、任せなさい。どれどれ……」
果林 「あら? 何で数学が2種類も……?」
かすみ「?」
……………………
……………………
*
愛 「あーこれね。深く理解してないと難しいよね、この辺のやつは」
菜々 「でも結局は習った公式を当て嵌めるのが大前提の問題ですから、あとは」
かすみ「おお……解り易いです。試験前に教わりに行くべきでした……」シュン
愛 「この学校、1年生初の中間は惨敗する子も多いから、追試シッカリ合格して次に活かせば問題は無いよー」
菜々 「難関校は入ってからが難関を地で行く学校ですからね、油断は命取りです。でも中須さんの吸収力なら、きっと大丈夫ですよ……」
かすみ「本当に助かります……」
愛 「生徒間の協力も重要だけど、うちは予習用の映像資料が充実してるから、自習室も使うと良いよ」
菜々 「そうなんですよね。確か虹ヶ咲って、予備校利用率が都内の私立校だと2番目かそのくらい少ないって話もあります」
愛 「それに、アタシらだって手を貸す事くらい出来るよ。遠慮しないで頼りなよ、ね?」
かすみ「……はい、ありがとうございます!」
*
彼方 「なはは、美しい光景だ」
彼方 「そんで、いつまで落ち込んでんだよ果林ちゃんはよ」
果林 「……歯が立たないわよ。何あれ。1年の問題に5問目で返り討ち喰らったわ」
彼方 「逆に5問も出来たん? 成長してんじゃん果林ちゃん」
果林 「馬鹿にすんな! あー無様この上無いわよ朝香果林……何が同好会のお姉さんよ馬鹿馬鹿しい」
かすみ「そ、そんな事ないですよ! ちゃんと果林先輩にも元気貰いましたからね!」
彼方 「ほら、中須ちゃんもああ言ってくれてるじゃんか」
彼方 「もう元気出せよ。彼方ちゃんだって、きっと普通科のテストやらされたら中の上くらいがやっとだぜ?」
彼方 「同じ学校でも、学科間で学ぶ知識の位置は、こんなにも違うって事さ。3年にもなって理解させられたな小娘よ」
果林 「……もう私、先輩としてやれる自信無いわ」
彼方 「果林ちゃんだってLDじゃ、もう優等生の部類だろー? これ以上、高望みはすんなよぅ」
果林 「はは……虹ヶ咲は魔境よ」
彼方 「ダーメだコイツ」
果林 「それに彼方にだけは勝たないと……」
彼方 (まだ言ってんのかよそれ……)
*
栞子「あ……会長」
会長「ん?」
会長「おう、新1年の……えーと真船」
栞子「三船ですよ。三船栞子」
会長「あーっと失礼! どーも人の名前が覚えられない質で」
栞子「はあ……」
会長「渾名付けても良い? フネさんとか」
栞子「……しおりんまでなら許します」
会長「じゃあしおりんで……すんません」
栞子「謝るくらいなら最初から普通に呼んでください」
会長「へーい……」
*
会長「そーいやさあ」
栞子「はい?」
会長「しおりんって芸術科でしょ? そのバッジ」
栞子「えっ? は、はい、そうですけど……それが何か」←芸術科の学科バッジ
会長「そっかあー……GA? GB?」
栞子「GA(美術専攻)です。親にはFB(普通科特進)を勧められたんですけど、押し切りまして」
会長「そーおかー……よりによってGAかあ……そうかあ」
栞子「な、なんですか急に」ジト
会長「……ま、いっか。教えといた方が心構えも出来るよね」
栞子「はい?」
会長「これGAの知り合いに聞いたんだけどね、来年しおりん死ぬかもよ」
栞子「……はっ?」
会長「いや真面目マジメ、割と真に迫る話」
*
会長「芸術科……特にしおりんのGAね、2年3年の秋始めは課題が多くなるらしいから」
栞子「課題が多くって」
栞子「えっ、それは普通では? 芸術の秋とも言いますし……」
会長「分かってないね」
会長「美術展、創作展……」
栞子「はあ」
会長「造形展、書道展、それにデザインコンペ……」
栞子「はあ……?」
会長「これに加えて普段の課題も通常通りに、もしかしたら担任の気紛れで多く出る」
会長「それこそ芸術の秋補正って事で」
栞子「ちょ」
会長「駄目押しに文化祭展示物も作らなきゃならない。更にすぐ後には中間試験」
栞子「…………」
会長「途中から芸術家気分は次元の彼方に吹き飛ぶって……言ってたよ、その知り合い」
栞子「……」カタカタカタカタ…
会長「あまりの修羅場に、真面目しおりんもキャラ崩壊間違い無し! 来年を楽しみに待っててね!」
栞子「聞きたくなかった……」
*
-虹ヶ咲学園-
菜々「にしても」
愛 「んー?」
菜々「今日から私たち先輩になるんだな、って」
愛 「ああ、そーいやそうだねェ」
愛 「そっか、もうアタシら高校2年目だ」
菜々「うちって学年で上下関係とか感じないですけど、後輩出来るのは嬉しいですよね」
菜々「ここは中等部の子達が居ますけど」
愛 「まーね、自分より下がいると安心するよねー人間」
菜々「その言い方、何かヤです」
愛 「あっはは……あーそういや、最近どうよ学校、菜々は」
菜々「はい?」
愛 「最近の学校生活は上手く行ってますか、って話をね」
菜々「はあ、最近……? それはまあ、普通に充実してますけど」
菜々「何ですか急に」
*
愛 「言わなくても良いけどさぁ、心配なんだよー愛さん」
愛 「あんたから直にイロイロ聞いてる身としちゃあさぁ」
菜々「ああ……ええ、そういう」
菜々「聞きたいのは学校生活じゃなくて、中川の事でしょ?」
愛 「ぬ……」
菜々「別に良いですよ、そんな御丁寧に扱ってくれなくて。ちょっと解決は見えてきましたし」
愛 「え……? な、何かあったの」
菜々「…………」
菜々「……実はですね、大学に通う目処が立ったんですよ」
愛 「───はっ!?」
菜々「まずは何よりも受験ですけどね、当然」
愛 「え、えええ!? マジで!」
菜々「はい、おかげさまで」
愛 「良かったじゃーん! 何があったのぉ!!」
…………
…………
*
愛 「へええ、お父さんがねぇ……」
菜々「私が怒ってるトコ見て、親として思う所あったのかも」
菜々「昔から職場を離れると気弱な人なんで、母が見てる所では前と変わらないんですけどね」
愛 「それでも大躍進だよ……そっか、本当に良かった」
愛 「……でもその、お母さんは」
菜々「母は……ええ。ガン無視ですね、もう。会話なんてあの時から……ええ、した憶え無いです」
菜々「深夜になると強いお酒を飲んでるみたいで……下から大声が聞こえたりします」
愛 「…………」
愛 「そう、なんだ……」
*
愛 「でも、そうしてお父さんが変わってくれて良かったね」
菜々「ええ。まだまだ根本的な解決には遠過ぎるんですけどね……」
菜々「今も迷ってばかりで……こんなので良い先輩になれるんでしょうか、私」
愛 「なれるよ。確実に前には進んでるんだから、ちゃんと。それに菜々はアルバイトも立派にこなしてる」
菜々「あはは、愛さんに紹介してもらったおかげですけどね、それは」
愛 「それに実はアタシ……。……」
菜々「はい?」
愛 (……やめとくか、いまは)
愛 「いや、何でも。とにかく、アタシらもしっかりしとこ。仮にも名門校で先輩になるんだ」
菜々「ですね」
菜々「……まあでも、部活に後輩が入ってからですよね。本当に先輩として始まるのは」
愛 「んぬ……それもそっかー」
愛 「そんなすぐ入ってくるとは思えないけどねー。スクドルってマイナーもマイナーだし……」
菜々「まあ気長に待ちましょ」
*
→至 -スクールアイドル同好会 部室-
愛 「こんちわー……え」
菜々 「今日のれんしゅ……え」
歩夢 「あ、2人とも」
かすみ「え」
愛 「…………」
菜々 「…………」
歩夢 「……? あ、そっか忘れてた」
歩夢 「んふ、早くも後輩が出来ましたよ、わたしたち」
かすみ「あ、先輩方でしたか。すいません」
かすみ「初めまして。今日からお世話になります、中須です。普通科1年です」
かすみ「これ、わたしが作った塩バターコッペパンです。皆さんでどうぞ」
菜々 「…………」
愛 「…………」
かすみ「? あの……え、わたし何か」
菜々 「なっちゃいましたね、先輩に」
愛 「時の流れは残酷なもんだねェ」
かすみ「?」
愛 「…………」
愛 (ん? 塩バター……コッペパン?)
*
ガチャリ…
しずく「失礼します。こちらの見学をしたいのですが……」ハァ…ハァ…
かすみ「え?」
歩夢 「えっ」
菜々 「えっ」
愛 「えっ」
しずく「あ、すいません。動画で見た人達が居たので、つい走っちゃって……」ハァ…ハァ…
璃奈 「はぁ……はぁ……待って……学生証……落とし、て……」フラフラ…
しずく「え?」
愛 「あっ璃奈だ」
璃奈 「う……」バタッ
愛 「ちょっ、璃奈!?」
果林 「ねえねえ、何かこっちに凄い勢いで走ってく子が……あら?」
彼方 「んー? ひぃふぅみー……何やらいっぱい居ますなあ」
エマ 「何だか今日の同好会は賑やかですね」←元から部室に居たヴェルデ
部長 「おーい、新曲が早速……え、なにこれ」
かすみ「あっ」
部長 「ん?」
───虹ヶ咲学園 スクールアイドル同好会
集 結
*
-中央区銀座 上原宅-
歩夢「…………」
歩夢(う、動けない……)
部長「……スー」←膝枕されて寝てる
歩夢(この態勢のまま、もうかれこれ20分くらい経っちゃってる……)
歩夢(ただ映画見てただけなのに、何でこうなっちゃったんだっけ……)ソワソワ
部長「んー……」モゾリ
歩夢(ひえっ!? く、くすぐったい……)
歩夢(ううー……起こすのも何かアレだし、どうすれば)
歩夢(それに何より恥ずかしいよぉ。何とか自然に起きてくれないかなあ)ソワソワ
歩夢(今はトイレに行きたくないのは幸いだけど)
*
歩夢(──────)
部長「……スー」Zzz
歩夢(気持ち良さそうに寝てるなあ……)ナデ…
歩夢(表現展も近いし、最近は顔顰めてばっかりだったから、何か新鮮な気がする)
歩夢(わたしには音楽とか美術の事は殆ど分からないけど……こういう形なら力になれるのかな)
部長「……ん」モゾリ
歩夢「あ、起きた?」
部長「……? ……あゆむ?」ゴロン…
歩夢「ふふ、気持ち良さそうに寝てたね。映画もう終わっちゃってるよ?」
部長「…………」
部長「…………」ジー
歩夢「ど、どうしたの?」
部長「…… …… ふごっ」バタリ
歩夢「えっ」
部長「…………」Zzz
歩夢「え、ええぇー。寝ぼけてただけなの……」
*
歩夢(もー……どうしよう。流石に起こそうかなあ)
歩夢(そろそろ起きてもらわないと、夕飯が間に合わなく……)
部長「……んっ」モゾリ
歩夢「ふあっ?」
部長「───行く、な」
歩夢「えっ……」
部長「…………」
歩夢「…………」
部長「…………」Zzz
歩夢「…………」
歩夢「ふふっ」クスリ
歩夢「そんなに寝心地良いのかなー? わたしの膝」ナデナデ…
部長「ん……」
*
歩夢(まいっか。今日はお寿司でも頼もっと)
歩夢(いつもちゃんと作ってるもん。たまに楽したって、別に何も言われないでしょ)
部長「……スー」
歩夢(ふふ……ちょっと可愛い)
歩夢「きっと良い賞を貰おうね……頑張れ」ナデ…
歩夢「だいす───」
ガラッ!
歩夢「きあっ!?」
母親「ただいまー! 悪いけど歩夢、今日の……」
歩夢「…………」(゚_゚)
部長「……んー」Zzz
母親「…………」
歩夢「…………」(゚_゚)
母親「分かった、分かった静かにするから。だからその顔やめて」
*ボツ集↓
―虹ヶ咲のスゴいとこ1―
先生「さて、来週はいよいよ1学期中間試験。1年生は高校生活で初めての定期考査だな」
先生「ここ普通科の試験日程は、スクールタブに通知されている通り月曜日から水曜日までの3日間」
先生「試験の準備に伴い、今週の金曜日は短縮授業となる。部活動も木曜から禁止となるので注意するように」
先生「知っての通り、虹ヶ咲の試験は、他校のそれに比べて難解な内容である事に間違いないが、試験における制限は緩い」
先生「なかなかプログレッシブに思えるかもしれないが、ストレスを与える環境では生徒の本当の実力を引き出す事は出来ない、という当校の方針に従い……生徒一同には試験中の途中離席を推奨している」
先生「というのも、受験者を時間一杯まで椅子に縛り付けるような旧来の試験形態は、体調に悪い影響があるという事で、近年は徐々に見直される傾向にあってな。虹ヶ咲学園では世情をいち早く鑑み、試験中の生徒の負担軽減を図る試みを数年前から実施している」
先生「もし気分が優れないようなら、試験中でも遠慮せず申し出てくれ」
先生「なお、スクールタブを使用する事も可とする。無論、試験中は大幅に機能制限が掛けられるが、電卓機能や時計機能は問題なく使えるだろう。スクールタブから途中離席を試験官に申し出る事も出来るので、直接の申し出に抵抗があるなら、こちらを活用する事」
先生「まあ、いざ使おうとして、充電が足りなくて使用出来ない、等という間抜けな事態は招かないようにな」
先生「……このくらいにしておこうか。では各自、初の定期考査に向けて十全な準備を進めるように」
先生「日直……中須だな、号令を頼む」
…………
…………
*
―虹ヶ咲のスゴいとこ2―
果林「ぬぐぐ」
三井「……んーぬ、どしたのぉ朝香……」
果林「あ、ごめん……起こした?」
三井「ん……変な夢でも見たぁん? 何かイビキ凄かったけどぉ」
果林「えっ、やだ……私イビキかいてた?」
三井「かなりねぇ。……ん、まだ4時前だぁ」
果林「夢ね……」
果林「確かに見たわよ。思い出したくもない悪夢」
三井「どんなぁ?」
果林「───」
三井「思い出したくもないんでしたね、そうでしたねぇ」
果林「そういうこと」
果林(彼方の妹になってるとか、死んでもお断りよ)
*
果林「はあ……完璧に目が覚めちゃった」
三井「起きるん?」
果林「今から寝られる気がしないし、図書館で映画でも観てくるわ……」
果林「どうせ明日は休み、部活も午後からだし」
三井「え、映画ぁ?」
果林「あら知らなかったの? ここの図書館、真夜中でも借りるだけなら出来るのよ」
果林「まあ持ち出し許可は取れないから、寮生だけの特権ね」
三井「そもそも、真夜中に学園の門は閉まってるしねぇ……でも初めて知ったわぁ」
果林「じゃ、ちょっと行ってくるわ。何なら一緒に見る?」
三井「いや……あたしは寝るぅ。テスト明けで超ダルい」
果林「そう、じゃおやすみ」
三井「みー」
*
―虹ヶ咲学園のスゴいとこ3―
遥 「ねえねえ! 修学旅行、一緒の国にしようよ!」
璃奈「はい?」
遥 「天王寺璃奈さんだよね?」
璃奈「はあ……そうだけど。って、あなた誰」
遥 「あ、ごめん。わたし普通科の近江遥! スクドル部の近江彼方の妹でーす!」
璃奈(コノエ?)
璃奈「……ああ、彼方先輩の妹さん」
遥 「そう! あ、知ってたの?」
璃奈「まあ、うん……。よく寝言で遥ちゃん遥ちゃん言ってるから、あの人」
遥 「そ、そうなんだ(お姉ちゃん……)」
璃奈「それで……」
遥 「うん、わたし中須さんと同じクラスでね。折角だから、知り合いで固めて同じ班を作ろうって話になって!」
遥 「他には中須さんと、あと生徒会の三船さんって人。それから桜坂さんも、これから誘いに行くの!」
*
遥 「学科に関係無く集まって良いみたいだから、天王寺さんも一緒にどうかなーって」
璃奈「ふーん……」
璃奈「ちなみに、どこに行く事になってるの」
遥 「へ?」
璃奈「修学旅行の行き先」
遥 「行き先? それはまだ決めてないけど……」
遥 「ちゃんと、集まってから話し合わないとだもん、そういうのは」
璃奈「…………」
遥 「わたし個人的にはホノルルかロンドンに行きたいんだけどね。えへへ」
璃奈「そう……」
璃奈(信用は出来そうかな……うん)
璃奈「良いよ。一緒の班にならせてよ」
遥 「本当っ? やった!」
璃奈(でも何で、こんなに嬉しそうなんだろう)
*
愛 「歩夢ー、今年の修学旅行どこに行く―?」
歩夢「修学旅行? まだまだ先だけど」
歩夢「ていうか、もしかして同じ班になるの前提?」
愛 「当たり前田のクラッカーだっつーの。アタシらの仲でしょーい」
歩夢「あたり……くらっ、かー?」
愛 「ありゃ、知らない? ん、まあとにかく今年も一緒に行こうぜ相棒。今度は香港とかどう?」
愛 「あ、今年は菜々も誘いたいよね! まだ仮入部だけど仲間なんだしさ!」
歩夢「わたし側の予定が先に出来上がってる可能性は考えないの?」
愛 「えっ」
歩夢「…………」
愛 「…………」
歩夢「まあ出来上がってないんだけど」
愛 「ちょちょーい、一瞬ヒヤッとしたじゃんよーい」ワシャワシャ
歩夢「ちょっと触らないでよ髪! セット崩れる!」
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
愛 「文化祭も今月末だし、最近マジで忙しいよねー……」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
愛 「残念だけど男女混合班は禁止だよ」
歩夢「そうなんだよねぇ……」
歩夢「───」
歩夢「ふぇ?」
愛 「彼でしょ、どうせ。アンタの考えくらい、マルっとお見通しだっつの」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
歩夢「一緒に歩いて回りたいの。遠い国でいろんな所を見て、美味しいもの沢山食べて」
愛 「えー……ま、まあ気持ちは解るけど、卒業してから行けばいいじゃん? 思う存分」
愛 「海外自体は、前から一緒に行ってるんでしょ? 家族ぐるみだけど」
歩夢「…………」
歩夢「だって……制服で海外デートしたいんだもん……2人っきりで」
愛 「…………」
歩夢「3年生は修学旅行無いし……部活だけじゃなくて受験もあるし……」
歩夢「高校生で海外デート出来る、きっと最後のチャンスなんだもん……」
愛 「歩夢……」
*
…………
…………
愛 「お主は今から、アタシの"今年の修学旅行は香港にして"……というお願いを聞き入れなければならない」
部長「は?」
愛 「今年の修学旅行は香港にして?」
部長「は??」
愛 「…………」
部長「えーと」
愛 「えーと、じゃない」
部長「へっ?」
愛 「 何 も 言 わ ず 聞 き 入 れ ろ ( 威 圧 ) 」
部長(な、なにこれ)
*
-虹ヶ咲のスゴいとこ4-
教頭「本日は、お呼び立てしてしまい申し訳ありません。教頭の藤原と申します」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
教頭「……坂下さん? 訊いてらっしゃるのですか?」
教頭「───!」
教頭「あのねっ!! これは貴方の娘さんの事なんですよ!?」
教頭「折角、自分の娘が受験を突破して入った学校、それを退学させられた! なのに何なんです、その他人事みたいな態度は!?」
教頭「教育者の端くれとして信じ難い! あなたの信念は存じません……ですが」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
*
・小学生間で横行!? 陰湿な虐めの実態……SNSに投稿された動画が大炎上
一昨日の昼頃、SNSに投稿された動画が話題を呼んでいる。
動画の冒頭で、まず公園の風景が映り、次にベンチを囲んで座り込む、数名の小学生の姿が画面に入る。
その小学生たちの交わす会話の内容が、明らかに同級生への虐めの計画を示唆しているもので、しかもその後の会話から、動画投稿時刻の直前にも、虐めの対象とする同級生に文具店での万引き行為を強要したばかりと推察が可能で…………
更には、その同級生が万引き行為の露見を恐れて逃走を図った際、事故に遭い掛けた状況を端から眺めて笑っていたと…………
小学生たちの会話が不自然に鮮明で、周囲の環境音が殆ど無いことから、これは集音機能を持つ外部機器をスマートフォンに接続した状態で撮影された物と思われる。こういった機器は主に作曲や映像制作、更に自然研究の分野などで用いられ…………
当アカウントには、この動画直後に投稿された簡易な解説文を除くと他に何も投稿が無く、アカウントの開設も動画投稿の数分前であったため、当アカウントはいわゆる"捨てアカ"と呼ばれるものと見られると共に…………
また、既に動画に映る僅かな情報から、いわゆる第三者による"特定行為"も進んでおり、事態は混乱の様相を呈している。
動画に寄せられたリプライ(返信)では、小学生の会話にある事故の現場に居合わせたと思しきユーザーが…………
http://www.…………
-1568件のコメント-
・日常的ないじめ行為(身体的・精神的問わず)
クラスの女子生徒への性的な発言の強要
被害者の私物を強奪、隠す、壊す
文具店での万引き強要
間接的に交通事故に遭わせ掛ける
動画から読み取れるだけでもこれだけやってる
・俺この時まさに現場に居たぞ、地名は言えないけど確かに横浜市
小学生の男の子が轢かれそうになってたけど別の人に助けられた
助けた人の顔、血まみれになってて地元じゃ結構な騒動になってたよ
日付もシチュも合ってるし、ほぼ間違いないと思う
・マジ? これ横浜市で確定?
・学校の特定も近いねこりゃ……コイツら終わったな
・動画見たけど、脅して万引きさせて、しかも死なせかけるとか悪魔のやることだろ
こんな奴らに少年法なんてもの適用しないでほしいわマジで。同じ人と思いたくない
いや警察が出るかはまだ分からんけどさ
・しかもそれ話しながら笑ってるんだぜ……救いようがねえわ
こういう奴はどうやったって更正なんてしない、永久に社会から弾くべき
・多分、事故の現場で見てた誰かが、端で笑ってるコイツらを見掛けたんだな
そんで不審に思って追い掛けたらこの現場に出くわして撮ったんだろうね
しかし、専用機器まで持ってるとか出来すぎじゃね? 何にしてもよーやるわ
・とりあえず加害者の親の反応が見物だな、どんな屁理屈で楽しませてくれるのやら
・盗撮ですねwwwwwwwwお前がつかまっちまえバーカwwwwwwwww
…………
*
───1年目
歩夢「愛ちゃん、夏休みの課題は終わった?」
愛 「ん? あー終わってるよ。この時期なら当然、ね」
歩夢「あはは、だよね。でも虹ヶ咲って思ったより少なかったんだね、課題量」
歩夢「虹ヶ咲だし沢山出るんだとばかり思ってたけど、ちょっと拍子抜け」
愛 「まあ確かに少ないは少ないけど、内容がねー……もう濃いわ濃いわ小岩井乳業って感じ」
愛 「世界史のレポートなんか、徹夜でやってやっとだもん。愛さん死ぬかと思ったよ」
歩夢「あーわたしもだよー……。書式覚えるのだけでも大変だよねー」
愛 「今の内に覚えた方が良いのは分かるけど、ただの高校生にはキツいわ」
歩夢「ねー」
歩夢「ところで、題材は何にしたの? わたしは"ベルリンの壁崩壊"にしたけど」
愛 「ん、アタシは"函館空港ベレンコ中尉亡命事件"ってやつ」
愛 「ネット見てたら、冷戦の時の北海道にソ連の飛行機が不法侵入してきたってのがあって……」
愛 「なかなか面白そうだったから、それで書いたよ」
*
歩夢「あ、知ってるそれ。確か……わたしが小さい頃、特集番組があった気がするかも」
愛 「多分それ。資料に写真載ってたんだけど、ベレンコ中尉なかなかイケメンでさ♪」
愛 「英語(ロシア人だけど)の先生とかにいたら、愛さんクラッとしちゃうかもなー」
歩夢「真面目にやったの本当に……」
愛 「やったよー。あの事件、大分日本が関わってるトコあったけど、まあセーフだよね」
歩夢「メインフォーカスはソ連の人だし、問題無いよきっと」
愛 「そーだよね」
愛 「でも世界史もそうだけど、愛さん的に一番ヤバかったのは数学……」
歩夢「あっ……」
愛 「あれに関しちゃ、頭おかしいとしか言えないね虹ヶ咲学園……」
愛 「1問だけで、回答手段は問わずってのが救いだけど、何で難関大入試レベルの証明問題出そうとか思えるの」
歩夢「あーやめてやめてぇ……やっと忘れてたのに思い出しちゃったあ……」
愛 「どーおやって片付けたアレ。アタシ知り合いの大学生に頼み込んで、やっとこさ」
*
歩夢「その人、何か言ってた?」
愛 「ドン引きされた。何でこんなの高校1年生に解かせる気になった、って。しかも課題で」
歩夢「うん」
愛 「んで、その人にも途中までしか出来なくて、また何人か助っ人呼んで……」
愛 「その人達全員に似たような反応された」
歩夢「だよねー……わたしは彼と協力して……それでも無理だったから、ネットに頼っちゃった」
歩夢「最後には専門家っぽい人まで参加してくれて、そこから粘って、やっと解けたんだあ」
愛 「生き地獄ってああいうのを言うんだよね……アタシら特進だからってのもあるけど」
愛 「これが3年間続くとか、愛さん卒業する頃には白髪になってるかも」
歩夢「3年生のはちょっと楽になるって話だけどね。受験がある関係で」
愛 「はーん、どこまで信用出来るんだか……」
果林(166cm)「…………」
果林「ねえ……あの子達、何を言ってるの?」
部長「はい?」
*
果林「いやだって」
果林「まだ夏休み入って1週間と少しよね……?」
部長「?????」
果林「え、何その表情」
果林「え、おかしくない? え、LD科でも頭スムージーになりそうだったのに、普通科の課題を?」
果林「え、それを? え、今まだ8月にもなってないのに"終わらせた"って聞こえたんだけど……ねえ」
果林「まさか、夏休み入って暫く部活が無かったのって、そういう……。でもそれにしたって……」
部長「…………」
部長「まだ終わってないなら、手伝います?」
果林「──────」
果林「かーっなったー!!」ダッ
彼方「うおあ、迫り来るパイオツ」
*
彼方「なになに何なの……また自分の身の程を思い知った?」
果林「剥がすわよ」
彼方「何をだよ」
果林「でも合ってるわそれ。彼方、あの子達おかしいの」
果林「存在する世界が、まるで私と違うの……」
彼方「あ、安心しなよ。彼方ちゃんっていう第三者が、君ら全員が連続する空間上に同時に存在している事を保証するよ」
果林「あなたも別世界の存在ね……」
彼方「マジめんどくせーな果林ちゃんは」
彼方(どうせ8月中頃で終わりなんだし、なるべく静かに居たかったのに……)
果林「1年共が、まだ8月にも入ってないのに、課題を終わらせたとか抜かしてるの……」
彼方「そ、そーなんだ。そりゃ凄いね」
果林「そーなのぉ。何なのよー、マトモなのは私達だけなの……?」
果林「私、アンタと会って初めてアンタと離れたくない気分にされたわ……」
彼方「あーはいはい、そーですかほい。きしょいわ」
部長(本当に仲良いな、あの2人)
*
彼方「確かに、あの子らはチョイおかしいけどさー」
果林「え?」
彼方「夏休みの課題って8月初旬には終わらせるもんじゃないのー?」
果林「え」
果林「か、彼方までそんな……」
彼方「彼方ちゃんだって、あの子らほどじゃないけど、もう終わってるよ? 半分以上は」
果林「ひょっ」
果林「……離れて。アンタは敵よ」バッ
彼方「果林ちゃんって人は……(笑)」
彼方「悪いけどねー果林ちゃん。世の中、仕事の早い人が有能で、遅い人は無能」
彼方「誰が何と言おうが、そう決まってるんだよ」
果林「……理不尽だわ」
彼方「気配り出来れば尚マトモ。彼方ちゃんには縁の無い話ですな」
果林「革命家にでもなろうかしら……」
彼方「芸能界の革命児になればー? 行くんでしょ?」
*
ガチャン
2年生「こーんちはー、夏休みでも元気に生徒会でー……え、なにこれ」
果林 「ぬっ!」
菜々 「こんにちは、同好会の監査に来ま……って、何があったんですか」
果林 「良い所にッ」ダッ
2年生「うおう、迫力のおっぱい」
果林 「ねえ! 普通、夏休みの宿題って8月最後に粘って終わりに漕ぎ着けるものよね!?」
2年生「は? 8月最後……?」
菜々 「あのぅ、急にそんな、話が良く見えませんが……」
果林 「答えて! お願い!! 夏休みの課題どのくらい残ってる!?」
2年生「え、ええと……」
2年生「私は国交科だから、まだ英会話合宿(8月半ば開催)のレポートと、あと予習課題が2つ残ってるけど……」
果林 「──────」←課題残り9つ
菜々 「私は終わってます。8月まで残してると、他の勉強と、ささやかな趣味に響きますので……」
2年生「おーやるねぇ。さっすが菜々ちゃん」
果林 「────────────」
彼方 「ほーれ見なよ」
2年生「近江さんだよね? 何かあったの?」
彼方 「んーん、大したことじゃ無いよ。小娘が社会常識を知ったってだけ」
2年生「……よく分からん」
菜々 「と、とりあえず監査を始めますね……」
*アンストッパブル(2010/米)
愛 「……」
歩夢 「……」
愛 「課題、手伝ってあげる?」
歩夢 「……ですね、そうしましょうか」
果林 「やめて! これ以上、先輩のメンツを潰さないで!!」
彼方 「そんなん中庭の頃から瓦礫の山でしょーよ」
果林 「私その頃まだ1年生よ!」
果林 「もー!! 絶対1週間で終わらせてやるわ!!」
彼方 「果林ちゃんは本当に愉快な子だねー」
彼方 (ちょっと手伝ってあげよっかな)
部長 (果林さんのイメージ崩壊がアンストッパブル)
2年生「さーて、監査始めまーす。何かそんな感じ無くなっちゃったけど、今日が最後の監査です」
2年生「ネタバレすると合格間違い無しだけど、皆さん油断せず気合入れてやってこーう」
菜々 「か、会長……」
果林 (この学校おかしいのぉ……)
*
-セブンイレブン学園前店-
彼方「彼方ちゃんね」
彼方「こないだ、初めてポケモンのゲームをやったんだ」
果林(167cm)「ふうん?」
彼方「タイトルは忘れちゃったけど、最新作だって言ってたよ」
果林「ふうん?」
彼方「うん」
彼方「この間、遥ちゃんと夏風邪に罹った時にね」
彼方「部長さんが暇潰しにって、アパートまでゲーム機を持ってきてくれたの」
果林「病人にゲーム機を渡すセンス」
果林「最初の子は何にしたの?」
彼方「部長さんのオススメでトカゲちゃんにしました」
果林「ヒトカゲ?」
彼方「そうそれ。ニックネームはアサリちゃんにした」
果林「ちょっと」
*
彼方「で、遥ちゃんと交代でやってたの……」
果林「うん」
果林(だから治るの長引いたんじゃない?)
彼方「彼方ちゃん、そのとき初めて知ったんだけど」
彼方「ポケモンちゃんって4つまでしか技覚えられないんだねー」
果林「……ああ、そういえばそうだったわね」
彼方「それに、サトシ君のアニメはちょっと見てたけど、意外と頭使うゲームでさあ」
彼方「彼方ちゃん、ちょっとビックリで……最初のジムで何回も負けちゃったの」
果林「意外とシビアな所あるゲームよね」
彼方「うん……昨日やっと10箇所目のジムに辿り着けたとこ」
果林「まだ借りてるの」
彼方「ずっと借りててもいいって」
果林「ちゃんと返しなさいよ?」
彼方「分かってるよー」
*
彼方「その後もね、彼方ちゃんの知らない事いーっぱいあって」
果林「…………」
彼方「皆よく知ってる物でも、単に有名だから無意識に知った気でいただけで……」
彼方「いざ実際に触れてみると、手も足も出ないって、コレあるあるだよねー」
果林「ふーん、そうなの」
彼方「そうそう」
ピーンポーン イラッシャイマセー…
果林「…………」
彼方「…………」
果林「彼方、両面コピーやり方わからないなら店員さんに訊きましょ?」
彼方「彼方ちゃん恥ずかちい……果林ちゃん訊いてきて?」
果林「自分で訊きなさい」
彼方「うえーん」
*背中さんパロディ
───1年目
-虹ヶ咲学園 生徒会室-
部長「矢澤お前、好きな子とか居ないの?」
矢澤「…………」←最高に変な奴を見る顔
部長「え、いやこれ友人間でする会話ド定番でしょ」
矢澤「そんために生徒会室まで来る奴は、なかなか奇特じゃないの」
部長「おいおい別にいいだろー? 友達だぞ俺たち」カタクミ
矢澤「やめろ気色悪い。ホモ漫画みてぇな事すんな」グイ…
矢澤「そもそもここ本来、関係者以外は入れない事になってんだからな」
部長「お前の友達だから関係者ってことで……」
矢澤「俺この言葉あんま好きじゃないけどな、それは正に屁理屈って言うんだよ」
部長「そっすね」
*
部長「んで結局どうなんだよー」
部長「おまえ童顔だけど、案外モテそうじゃん?年上とかに」
矢澤「案外……」
矢澤「いや……今の所は居ない」
矢澤「俺、同年とか年上にはあんま、だから……」
部長「へえ? へーえ年下派だったかお前」
矢澤「実を言うと、これまで好きになったの年下ばっか」
矢澤「普段、年上に囲まれてるからな、俺。年下ってのが貴重でさ」
矢澤「しかも姪が産まれてからは余計にな……」
部長「姪が居るのか? へー名前は?」
矢澤「爽やかな笑顔って書いて爽笑、一番上の姉の子ども。今年、幼稚園に入った」
部長「なるほどねぇ……環境ってのは重要だよなぁ」
矢澤「あくまで好みの話だし、将来の相手は、また別かもしれないけどな」
部長「ほほー……あ、そうだ。あの眼鏡の子とかどうよ、外見は年下っぽいケド。見た目の話」
矢澤「眼鏡? って……ああ、もしかして中川か?」
部長「そうだ中川さんだわ。どうよあの子は」
矢澤「中川は……確かに顔も性格も良いけど、あんま対象に考えた事は無い」
矢澤「そもそも仕事でしか会わないから。俺はFA(一般)あっちはFB(特進)だ」
部長「えーマジかよ可愛いのに。真性の奴だったかお前」
矢澤「真性とか言うのやめろや」
部長(あの人、歩夢と宮下と同じ学科だったのか。……2人とHR教室は違うのか?)
*
矢澤「何だかんだ、生徒会室に居る間は一緒になる感じだけど、あまり互いの事は話さない」
矢澤「信頼出来る仲間……まあ友達って感じだよ。他の奴らが殆ど顔見せないから、余計に仲間としちゃありがたい」
部長「ほーん」
部長「……で、2年に上がった頃、ふとした瞬間お互いに微妙な意識が生まれ───」
矢澤「ないわ。勝手に未来を捏造するな」
部長「なーんで言い切れるんだよー……。もしかしたら有り得る未来かもしれねーじゃん」
矢澤「未来の事なんて誰にも分からんけど、それは絶対に無い。無いったら無い」
部長「んははは! 偏屈め」
矢澤「うるせぇ」
部長「でも、もしものためだ。鞄にゴムくらい忍ばせておいたら良いんじゃね」
矢澤「…………」
部長「ちょ待った、やめろマジそれは。やめ、ま、シャレにな……」
部長「あ」
…………
…………
*
部長「涼しそうな顔して案外アレだよなオマエ」ヒリヒリ
矢澤「黙れ。悪かったなウブなネンネで」
部長「悪いなんて言ってねぇだろ」
部長(ウブなネンネって何だ?)
部長「それに、何事も備えは大切だぜ。備えあれば嬉しいなって言うだろ」
矢澤「ツッコまないぞ」
部長「イキの良い男なら、財布の中に常備ゴムくらいあって当たり前くらいに考えとけ」
矢澤「常備薬みたいに言うなよ。そんなのは、女の方から寄ってくる男だけがやってれば……」
矢澤「…………」
矢澤「……え、お前……入れてんの財布、ゴム」←ちょい混乱
部長「はっは、どうだろうなあ」
矢澤「…………」
矢澤「ちょっと同好会に報告してくるわ」ガタッ
部長「おまっ!? やめろ!! ただの願掛けなのに!」
矢澤「おっ? あそこに見えるのは朝香先輩か」
部長「ゴルァ!!」
*
……………………
……………………
矢澤「で? そういう部長サマはどうなんだよ」
部長「はっ?」
矢澤「お前の好きな奴。居ねぇの?」
部長「…………」
部長「俺は……」
矢澤「?」
部長「……ノーコメント」
矢澤「テメエ」
部長「ノーコメント!」
矢澤「……、ははーん」
矢澤「やっぱ上原なんだろ?」
部長「のごっ」
部長「───」
部長「ノーコメント」
矢澤「お前も分かりやすい奴だな」←半笑い
*
-豊島区巣鴨 和菓子屋美舟庵-
栞子「もーッ!! おじいちゃんッ!!」
栞子「庭で裸で体操するの止めてって言ってるでしょ何度も!!」
祖父「んあ?」
祖父「……あーそうだったかいねェ?」
栞子「ボケたフリしないッ!!」
祖父「チッ」
栞子「朝から友達来るって言っておいたでしょ!? シッカリしてよね!」
祖父「はいよー反省しとるで」
栞子「ご、ごめんね近江さんっ、いつもはこんなんじゃなくてね? えっと──」
祖父「あ?」
遥 「───」ポカーン
祖父「……ばーさん若くね?」
栞子「と・も・だ・ち! 私の!!」
祖父「冗談だっつの」
*
遥 「ムキムキ……」
栞子「はっ」
栞子「えっと近江さん、つまりこれは、その」
遥 「……」
栞子「こ、近江さん?」
遥 「…………」
遥 「……素敵かも」
祖父「そんな見んなよ恥ずかちい」
栞子「やめなさい! 身体アレでも80近いジジイよっ!」
祖父「ジジイはやめーや」
栞子「ジジイでしょ」
祖父「まあね」←東京五輪2回経験
*
栞子「い、い、か、ら、あっち行っててぇぇ……」グイグイ
祖父「こ、腰は押すな腰は……分かったから」
祖父「おうふっ」
遥 「……んふふ」
遥 「三船さん、わたし別に大丈夫だけど……」
栞子「ダメッ! こんなの私の方が恥ずかしくて死んじゃうのッ!!」
祖父「店忙しくなったら出てくれよーい」スタスタ
栞子「分かってますから!」
栞子「ごめんね、早く私の部屋行こっ」
遥 「うん……ふふ」
栞子「どうしたの?」
遥 「ううん、何か可愛いなって……」
栞子「あれのドコがっ」
遥 「え? あ、いやそっちじゃなくて……まあそっちも可愛いけど」
遥 「普段の三船さんって、そんな感じなんだなーって話」
*
栞子「…………」
遥 「…………」
栞子「……別に可愛くないから」
遥 「可愛いよ?」
栞子「可愛くなんてないからッ」
遥 「ええー? そんなこと」
栞子「あるのッ!! 良いから早く行くッ」
遥 「ンモー意地っぱり三船さん」
栞子「意地なんて……」
祖父「意地っぱり孫」ヌッ
栞子「唐突に戻ってこないでっ!!」
祖父「ウチの孫は可愛いよな?」
遥 「ほらおじいさんも言ってるじゃん」
遥 「三船さん可愛いもん。ねー」
祖父「ねー」
栞子「なに仲良くなってんの!」
栞子「それと! まず! 上を! 着てッ!!」
祖父「へいへい」←上半身裸
*
彼方「コーラ、コーラ♪ こーしゅうにゅー♪」ルンルン
果林(166cm)「またコーラ飲むの? 好きよねアンタ……」
彼方「1日1缶の楽しみだからねー」
果林「何でそんな好きなのよ、イメージ合わない……」
彼方「合わなくたって良いじゃねーかよぅ。好きなんだからよぅ」
彼方「まだ幼稚園の頃ねー、前のお父さんが飲んでたのをコッソリ頂いたのが始まりだよん」
果林「……何か、サラッと重そうな単語が聞こえたんだけど」
彼方「ん、あー気にすんな気にすんな。彼方ちゃんに暗い過去なんて無いよー」
果林「そ、そう。まあいいんだけどね」
彼方「今でもよーく憶えてるよぉ。まーるで口の中が運動会みたいでさあ」
ピピッ ガコン!
彼方「パニック起こして泣き掛けたけど、冷静になったらスゲー美味しくて」プッシコン
彼方「うーん、今日も良いシュワシュワですね」シュワーァ
果林「コーラで泣くって……」
*
彼方「…………」ゴクッゴク…
彼方「テイスティ!」
果林「良かったわね……太るわよ」
彼方「ハッハ、ゼロカロリー故、幾ら飲んでも直ちに影響はありません」
果林「…………」
果林「……そう、面倒臭いからそれでいいわ、もう」
彼方「ジョン君に乾杯!」
果林「誰よ」
彼方「ナニィ? コーラの開発者を知らねーのかッ!?」
彼方「薬剤師のジョン・ペンバートン(1831ー1888)! これ常識だぜ!」
果林「日本国民の大半は気にしたこと無いと思うわ……」
果林(この後で体育なのに、炭酸なんて大丈夫なの?)
璃奈「…………」
*
璃奈「……あの」
果林「うわっ」ビクッ
彼方「んお?」ゴクッ
璃奈「自販機……良いですか」ポソポソ
彼方(声ちっさ……)
果林「あ、ああ、ごめんなさい。邪魔だったわね」
彼方「どーぞぉー」
璃奈「どうも……」
果林(あら、可愛い。部長が見たら欲しがりそう)
璃奈「……」つスマホ
ピピッ ガコン!
璃奈「それでは……」スタスタ
果林「ばいばーい……」
璃奈「…………」ペコリ
果林(……何かしら、すっごい無表情だったけど)
果林(そんなに邪魔だったのかしら)
彼方「けっぷ」
*
彼方「中等部の制服だねぇ、ありゃ」
果林「中等部? ああ、だから幼い感じしたのね……」
果林「随分、高いの買ってたわね。モンスターエナジー……。きっと好きなのね」
彼方「ウチの敷地の自販機、何でかコレ全種類あるんだよねー」
果林「へえ、そうなの」
彼方「彼方ちゃんは飲んだこと無いけど、友達が話しててさあ」
彼方「一度ハマったらアルコール以上に抜けられない、らしいぞい」
果林「その友達アルコール経験がお有りなの……?」
彼方「さっきの子は赤いの買ってたけど……どんな味なんだろうねぇ」
果林「気になるなら買ってみれば良いじゃない?」
彼方「ははは冗談。あれ買うお金で、いつものコーラ2本買えるんだよ?」
彼方「わざわざ、そんなコスパ悪い真似はしませんよー」
果林「そう? 案外ハマるかもしれないじゃない」
彼方「んはは、無い無い。彼方ちゃんは一生コーラするのさー」
*
───1年目
愛 「よっ」
菜々「……ああ」グス…
愛 「いや、ああってアンタ」
菜々「何かありました」
愛 「部室、飛び出してったのアンタでしょ」
愛 「心配してるよ皆、急に出て行って」
愛 「それに、ほっぺたのそれも」
菜々「…………」
愛 「あと、矢澤君から聞いたよ? 辞めたんでしょ生徒会」
菜々「……ええ、まあ」
愛 「本当に良かったん?」
菜々「良いも何も」
菜々「続ける理由を自分で潰した身でして、私」
愛 「……喧嘩したんだよね、あのお母さんと」
菜々「ええ……。殴られて、もう何か、ぜーんぶ弾けちゃいまして」
菜々「あの人の事ですから、もう駄目ですよ。親子としては」
愛 「……アタシ達が」
菜々「やめてください。宮下さん達が気に病む事ありません」
菜々「これは中川の問題で、皆さんはただ、私を勧誘しただけなんです」
愛 「……そう、だけどさ」
菜々「そんな顔しないでくださいよ。宮下さんらしくもない」
*
愛 「…………」
愛 「このこと一応、現場に居た部長とアタシ以外は知らない体だけど」
愛 「皆、変に察し良いし……まあ、何となく分かった上でって事になっちゃうかも」
菜々「良いんですよ、それで。寧ろ私は感謝すべきなんです」
菜々「それにあの調子じゃ、いずれ中川はこうなってました。それが今回だっただけ」
菜々「…………」
愛 「……菜々」
菜々「本当に……何であんな事するんですか……」
菜々「折角、いっぱい悩んで……生徒会も辞めて……なのに、何で皆さんは、あんな……」
愛 「何でって」
愛 「……そりゃあ、菜々を仲間だと思ってるから、だと思うけど?」
菜々「仲間……」
愛 「自分を高めたいとか、好きな人に褒められたいとか、うちに居る人達にもいろいろ理由があるよ」
愛 「たまに……どころか、割と喧嘩もするけど、でも……皆、お互い仲間だと思って、毎日練習してる」
愛 「アタシから見ても、うちに居る時の菜々は"本気"だったもん。皆、それを確かに感じてたんじゃない?」
*
愛 「自分達と同じ土俵で本気の菜々を見てるとさ……何て言うか、アタシらも頑張らなきゃって気になる」
愛 「菜々は自覚無いかもだけど、菜々が来る前と後じゃ、同好会の雰囲気も結構違ってるんだよ」
菜々「…………」
愛 「まあ要するに、対抗心と同族意識が化学反応で友情になったって事! もう少しで恋が始まるよ!」
菜々「ありゃっ」ズコッ
菜々「何でそこで茶化すんですかっ!!」
愛 「あっはっは、アタシこういう変な空気、苦手なんだもーん」
菜々「もうっ! そういう事するから、上原さんにオバカなんて言われるんですよ!」
愛 「ほげっ……い、痛いトコ突きよるな貴様……はは」
愛 「ま、まあ、一先ず同好会はね……皆、菜々を正面から受け入れるつもりでいるから」
愛 「後はあれよ、菜々の気持ち次第ってわけ」
菜々「…………」
菜々「仲間に、なれるんでしょうか……わたしも」
愛 「愚問って言ってあげる。もう菜々は仲間だよ、同好会の仲間」
*
愛 「あとは菜々が1歩こっち来るか、引き返すか。そんだけ」
菜々「──────」
愛 「どう?」
菜々「…………」
菜々「……そちらに、行きます」
菜々「皆さんの仲間に、してくれますか?」
愛 「喜んで」ニコリ
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
愛 「ほらハンカチ、これ使いな。もう泣かないでほら、涙が勿体無い」
菜々「ありがとう、ございます……宮下さん」
愛 「……愛で良いよ」
菜々「───」
菜々「ありがとうございます、愛さん」
愛 「ん」
菜々「…………」
菜々「こういう時」
愛 「?」
菜々「こういう時、アニメとかだと、また違うんですよね」
菜々「"そんなのはおかしい"とか……"仲間に秘密を抱えたままなんて"とか」
愛 「ああ、うん。皆、力を合わせて解決に向かおう的な」
菜々「はい。私の好きなのは、大体そんな感じの展開が入ってます」
菜々「それで、最終的に丸ごと全部、綺麗にして皆が幸せ……みたいな感じの」
愛 「…………」
*
菜々「残念ですけど、そう上手くは行かないですよね」
愛 「……まあ、ね。皆、何かしら抱えてるのが普通だと思う」
愛 「何もかも打ち明けて周りを巻き込んでたら、それこそ順調から外れちゃう」
菜々「ええ……今回、身を以て知りました」
愛 「悲しい事だけどね。まあ、それがあっちとこっちの壁なんだと思う」
愛 「あっちは何て言うか……。現実に嫌気差した人が腹いせで作ってる感じの世界だしね」
菜々「───それでも多分、これからも好きで居続けると思います」
菜々「本当に好きになったら、なかなか嫌いにはなれませんから」
愛 「…………」
愛 「良いと思うよ、そういうの」
愛 「辛いこと沢山あるだろうけど、肩貸すくらいさせて。これから仲間になるんだから」
菜々「はい。皆さんにも改めて挨拶させてもらいますね」
*
愛 「……良い人達なんだよ皆。部長、歩夢、先輩達も、裏方の皆も」
菜々「はい、よく知ってます」
愛 「きっと、どんな事になっても、菜々が欲しいなら同好会は味方になると思うから」
愛 「うん、だからさ。何も気にしないで、どんどん菜々の好きな事しちゃおう」
菜々「……はい」
愛 「同好会は歓迎するからね、菜々の事」
菜々「……はい……はい」
愛 「破られた入部届は、また新しく書けば良いから」
愛 「つまりは……まあ、これからも、どうぞよろしくね」
菜々「……」
菜々「ありがとう、ございます」
菜々「これから、よろしくお願いします───」
愛 「今度、おすすめのアニメとか教えてね」
菜々「……はい、是非」
菜々(……駄目だ、ここで泣いちゃ)
菜々(あの同好会の人達は……少し優し過ぎる)
*
遥 「こないだ、かすみちゃんトコの部長さん達とネット麻雀してた時なんだけどね」
かすみ「いや何サラッと意外な交友関係カミングアウトしてんの」
遥 「えへー、前に高いチョコ貰った事あって、それからイロイロね」
かすみ(チョコ……?)
遥 「他メンバーは宮下先輩と矢澤先輩。意外と矢澤先輩が強かったかな。あ、いまの生徒会長の人ね」
かすみ「流石に生徒会長は知ってるけど……説明して余計に謎が深まるってどういう事……」
遥 「で、その時なんだけどね」
遥 「そこまでの流れはうろ覚えなんだけど、部長さんの誕生日が近いって話になってさ」
かすみ「先輩の誕生日?」
遥 「そうなの! 何か恥ずかしがっちゃって、部長さんは詳しく教えてくれなかったんだけど───」
遥 「後でコッソリ宮下先輩に訊いたら、何ともう再来週の金曜日に迫ってるみたいなんだー」
かすみ「え、じゃあもうすぐそこ……」
……………………
……………………
かすみ「らしいよ」
しずく「そうなんだー」
しずく「え、かすみさんも何か贈ったりするつもりなの?」
かすみ「うん……まあ一応ね。(中学の頃から)いろいろ御世話になってるし」
しずく「えー、そんなこと言ったら、私も何かプレゼントしない訳にいかないよー」
かすみ「別にそんなつもりで言ったんじゃないんだけど……あげなくても気にしないんじゃない? あの人なら」
しずく「な、何か失礼な感じ。分からないよ? 案外、繊細な人かもしれないじゃない」
かすみ「そう?」
しずく「それに駄目……こうして聞いた以上、何か差し上げないと"矜持"が許さないの。私、桜坂の娘だもん」
かすみ「何かしず子がカッコいいこと言ってる……」
*
愛 「あ、そうだ璃奈、ちょっと買い物に付き合ってくれる?」
璃奈「? 何か買うの?」
愛 「いや、右ストレートで思い出したんだけど、ウチの部長の誕生日が近くってさ」
璃奈「今の今まで右ストレートの話題で盛り上がってたみたいに言わないでよ……ついでに右ストレートのどの辺から部長先輩の誕生日に繋がるの」
愛 「急に昔のこと思い出しただけー。そんで、プレゼント買いに行きたいから、ちょっと付いてきてほしいんだ」
璃奈「……それ私の存在いるの?」
愛 「いるよ。璃奈がいれば寂しくない」
璃奈「帰る」
愛 「ま、待って待ってチョイ待って。冗談だからホント」
愛 「あいつ普段、作詞とか作曲の事ばっかだけどさ、何て言うの? えーと……ガンダムとかエヴァなんちゃら」
璃奈「ロボットアニメ?」
愛 「そうそう、それね。ああいうの好きなのは前から知ってたけど、ぶっちゃけ興味……いや違くて、全然アタシ分かんなくて」
璃奈「だから、丁度良くオタクも居るし使ってやろうって?」トゲトゲ
愛 「何でそんなチクチクしてるんだよぅ……」
*
愛 「ともかく、見た感じ璃奈も……そのロボットアニメ? に詳しい感じだったじゃん?」
璃奈「はあ、まあ人よりは」
愛 「だから璃奈の意見を、今年の参考にしよーかなって思ってさ」
愛 「プレゼントは毎年あげてるけど、たまにはチョイ趣向を変えてみよう、的な?」
璃奈(リア充め)←死語
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
愛 「そうだよ。あいつ部屋にプラモとか飾ってあるんだ。そんなに持っててどうすんのってくらい」
璃奈「! ……ふーん」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
愛 「璃奈もさ、そういうの詳しいじゃん? だから、専門家の意見を聴いておきたくてさー」
璃奈「別に専門家じゃないよ。ただの趣味だよ……」
璃奈「でも、そういう事なら良いよ。行ってあげる。秋葉原で良いよね」
愛 「おっしゃー! 助かる! 終わったら、ついでに昼も一緒に食べよっか」
璃奈「また先輩の家?」
愛 「おう、おばーちゃんも璃奈が来るの楽しみにしてるからね♪」
愛 「今日は……確か中華蕎麦と野菜の天ぷら作ってくれるって言ってたかな」
璃奈「もう。渋谷から巣鴨までタダって訳じゃないんだからね。楽しいからいいけど」
璃奈「…………」
璃奈(部長先輩、プラモとかやるんだ)
璃奈(ふふ……良いコト聞いたかも)
愛 (何か璃奈の目が輝いてる気がする……)
愛 (実は愛さんと買い物するの嬉しいんだね)
*
ピロン♪
歩夢「あれ、愛ちゃんから……」
菜々「何ですか?」
歩夢「璃奈ちゃんと秋葉原に行ってるみたい。ほら」
“ 元気かい? アタシら一緒に電気街! ”
菜々「また駄洒落……」
歩夢「愛ちゃん、新しいの思い付く度に、わたしに送ってくるんだよなあ……」
菜々「愛さんが秋葉原に?」
歩夢「うん、璃奈ちゃんの買い物に付き合ってるんじゃない?」
エマ「あ! わたし今ちょっと気付いちゃったかも!」
歩夢「わっ」
菜々「あ、エマ先輩、着替え終わりました?」
エマ「ん、あとちょっと……」ゴソゴソ
歩夢「気付いちゃったって、何にですか?」
エマ「うん! 愛ちゃんって、歩夢ちゃんと部長さんと前から仲良いんだよねっ?」
菜々「でしたよね?」
歩夢「うん、わたしと彼は幼稚園より前からで……愛ちゃんは中学の時に仲良く」
菜々「改めて思いますけど……お二方かなり年季入ってますね」
歩夢「それほどでも」フフン
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
エマ「つまり!」
エマ「きっと2人も、部長さんの誕生日プレゼントを選んでるんだと思わない?」シャッ!
歩夢「えっ」
菜々「おおー……エマ先輩やっぱりスカート似合いますね」
エマ「ありがと♪」クルクル
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
歩夢「そういえば……愛ちゃんは毎年あげてたんだった」
エマ「でしょ? きっとプレゼントを選んでるんだよ!」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
菜々「私達3人に、愛さんと……もしかしたら璃奈さんからもプレゼントを貰うと」
菜々「なるほど、もしエマ先輩の言う通りになったら……立派なモテ男ですね。うちの部長は」
歩夢「ふふ」
歩夢「当日は鼻の下ずっと伸ばしてそうだね。……ふふ」ピリッ
菜々「ひえっ……き、きっと歩夢さんのを一番喜んでくれますよぉ」ビクビク
エマ「そうだよそうだよ♪」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
菜々「どうかしたんですか?」
エマ「あ、うん。何かガブリエル……ワタシの同い年の弟なんだけどね?」
歩夢(同い年の弟……)
菜々(何か力強いワードだなあ)
エマ「何か……その、写真に写ってた歩夢ちゃんの事が気になってるみたいで……」
歩夢「えっ」
菜々「あらら」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
エマ「連絡先、交換しませんかって」
菜々「おおおー」
歩夢「え、えぇ……嬉しいけど……困っちゃうなあ」←苦笑い
エマ「だよねぇ」
エマ「ガブリエル、普段は家族の前でも無口なんだけど、こういう事に躊躇無くって」
菜々「なるほど。眠れる獅子という事ですね」
歩夢(その例えは何か変……)
*
歩夢「ううーん、申し訳ないけど、そういうのはちょっと……」
エマ「分かった。断っておくね」
歩夢「あ、でも……折角わたしの事そういう風に思ってくれたんだから、わたしの言葉で断らせてもらいます」
エマ「分かった」
菜々「律儀ですね歩夢さん」
歩夢「あはは。まあ、こういう事はシッカリさせたいから」
エマ「じゃあ何て返す?」
歩夢「えーと、じゃあ……“あなたの事は素敵だと思いますが……」
*
“あなたの事は素敵だと思いますが、私には心に決めた人が居るので……ごめんなさい”
ソフィア 「だって」
ペーター 「フラれちゃったねガブリエル」
ガブリエル「…………」
ガブリエル「…………」
ガブリエル「そうだな」
ペーター 「残念だったね」
ガブリエル「ああ……だが俺は特に……」
ガブリエル「気には───」
ペーター 「…………」
ソフィア 「…………」
ガブリエル「───してない」
ソフィア 「めっちゃ傷付いてるじゃん」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
ソフィア「あー……ガブリエル出てっちゃったよ」
ペーター「そっとしといてあげようね。あははは」
ソフィア「ペーターあんた楽しんでるでしょ」
*
歩夢 「寂しい? わたしが?」
歩夢 「どうしてですか?」
果林 「かすみちゃん達と話してて、そういう話になったんだけどね」
果林 「面倒臭いからズバリ言っちゃうけど、あなた達って両想いでしょ? ぶっちゃけ」
歩夢 「えっ?」
かすみ「今更そんな事ないなんて許されないですよ、流石に」
かすみ「普段あんなにイチャついといて。……将来的な話、結婚くらい視野に入れてるんじゃないですか?」
歩夢 「えっ!?」
歩夢 「え、あ、ええ? あの、えええ?」
果林 「なに? まさかマジで何も無いとか言っちゃうの?」
歩夢 「い、いやその。なにもなく、は、えと、えええ?」
歩夢 「ええええ???」
かすみ「誤魔化そうとしてません?」
歩夢 「ちっ」
果林 「仮にも先輩の前で舌打ちしたわねコイツ」
かすみ「メンタル弱いファンが見たら卒倒しますねぇ」
歩夢 (何か1年の頃に同じ話した気がするなあ……めんどくさい)
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
かすみ「先輩、わたし達のダンス見たり、いろんな所に電話掛けたり、いつも忙しそうにしてますよね」
歩夢 「あーそーだねー」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
歩夢(はあ……わたし達って、端から見たらそんな危うい感じなのかなぁ)
歩夢(皆に心配掛けて申し訳ない気持ちはあるけど……何か心外な気もする)
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
果林「ね、この際もう言っちゃうけどさ」
果林「私達、あなた達2人の仲が心配なのよ。真剣に」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
歩夢(わたし、幸せ者だな)
歩夢(うん、まーいっか、もう。いっそ、ここでハッキリ言っちゃうのも選択肢の内だよね)
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
かすみ「何ですかこれ……は?」
果林 「なになに? ……え、え?」
果林 「あ、あなたこれ、もしかしなくても……」
歩夢 「はい、わたしの部屋で撮った物です」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
歩夢 「えーと、これで分かってくれました、か?」
果林 「嫌というほど」コクコク
かすみ「理解させられました……」コクコク
歩夢 「ふふ。心配してくれて、ありがとうございます」
歩夢 「でも、わたし達……これでも、お互い以外は見えてないんですよ」
歩夢 「流石に、まだ付けるつもりは無いんですけどね、わたしも彼も。高校生の身空ですし」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
歩夢 「ああ、そうそう、ところでなんですけど」
歩夢 「この事、特にさっきのあれの事は、実は愛ちゃんにも言ってないんです」
歩夢 「……わたしと3人だけの秘密にしてくれると、ちょっと嬉しいかな♪」
果林 (こ、こええええええええええ!?)
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
かすみ「まさか本当に"そんなとこ"まで視野に入れてたとは……」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
*
-江藤区大島 某学生アパート-
栞子:屋上設備点検……?
遥 「え、屋上に出られるんですか?」
矢澤:そう。今日ここに集まってもらったのは主にそれの連絡
矢澤:風邪が治ったばかりみたいで悪いけど、近江にも来てもらうよ
遥 「あ、はい! 虹ヶ咲学園の屋上かあ……」
矢澤:当然だけど、遊びに行くんじゃないよ。歴とした生徒会の仕事でな
矢澤:厳密に言えば物資運びね、あとテント設営とか。マジの点検の方は教員と業者に任せる
栞子:(テント設営……あれちょっと重いんだよなぁ)
矢澤:当たり前っちゃ当たり前だよな。生徒に点検とか最終的な安全確認なんてやらせる筈も無い
矢澤:今回みたいに文化祭とか、特定行事の時だけ解放されるんだよ。ウチの屋上
栞子:普段は出入り禁止にされてますね。鍵も掛かってて
矢澤:おう。どこの学校でもそうだよな、今は。いろいろ危ないし
遥 「確か、虹ヶ咲学園の屋上ってルーフトップステージがあるんですよね」
矢澤:割とテレビ局とかが利用しに来るけど、他は情報科のドローン操縦訓練に使われるくらいだな。実質、文化祭用だ
遥 「へえー、何か凄そうですね」
栞子:(ドローン操縦なんてあるんだ……)
矢澤:初めて行った時は俺も感動した。普段の生活じゃあ東京を一望なんて、なかなか出来ないから
遥 「おおー……何か楽しみになってきちゃいます」
矢澤:ん、期待して良いと思うよ
*
栞子:じゃあ、後でグループラインから他の役員にも連絡を……
矢澤:待った、やんなくていい
栞子:へ?
矢澤:俺らの他に、文化祭実行委員会の面子が来るから
矢澤:この仕事、本当は連中がメインで、俺らは脇の手伝いなんだよ
矢澤:だから、生徒会から出るのは少人数で充分な訳
栞子:ええと……つまり?
矢澤:こんな珍しく楽しい仕事、普段出てこない他の役員に教える義理は無いってこと
矢澤:普段から真面目に顔出してる俺達の特権だ。わざわざ3人だけここに呼んだのも、そのため
栞子:そ、そうですか……(呆れ)
遥 「んひひひっ! 何かワクワクしますね、こういうの!」
栞子:近江さん、あくまで仕事
遥 「わ、分かってまーす……」
*
矢澤:日程は明後日の土曜日、えーと大体9時から始まるんだっけな
矢澤:基本だけど、まあまあ早めに来るようにしてね。遅れたり用事が入るようなら俺の携帯に連絡
遥 「はーい」
栞子:分かりました。集合場所は生徒会室で?
矢澤:……用意は生徒会室で構わないけど、エレベーターホール1階集合にしとこう
栞子:エレベーターホール1階ですね
矢澤:用意ってのは荷物置いたり、軍手とか持ち出したりね
矢澤:あとここだけの話、屋上マジ天国レベルで気持ち良いけど、君ら2人はジャージ履くべきだから
矢澤:だから生徒会室で着替えると良いよ
遥 「ジャージ……あ、もしかして風が強くてスカートが……?」
矢澤:そう、たまにアホほど風吹いて、パンツ見えまくったりするから
矢澤:前会長が言ってた
栞子:なるほど。あの学園ちょっとした高層建築ですからね
遥 「んーでも、わたし大体スパッツだし別に……」
栞子:履きなさい、絶対に
遥 「は、はーい……」
*
矢澤:じゃあそういう事で……
爽笑:こたーごはんー
矢澤:ん、ああ。後で行くから先に食ってろ
爽笑:わかったあ
栞子:……今の子は?
遥 「……何かいま、スゴい可愛い生き物が映ったんですけど」ニヤニヤ
矢澤:ん、俺の姪だよ。爽笑っていうんだ
爽笑:よんだー?
遥 「あっ! また来た! やー可愛いいいぃ!」
栞子:(可愛い……よしよししたい)
矢澤:あーも……
爽笑:りもーと?
矢澤:そう、リモート。兄ちゃんいま大事な話してんの。別に呼んでもないから、こころ達と先に飯……
爽笑:それだあれー?
矢澤:……
遥 「あっ、わたし達はねー……」
*
爽笑:あー、どっちかカノジョ?
遥 「ほえっ」
栞子:あはは……
矢澤:何言ってんの。違う違う、学校の仕事の仲間だよ
遥 :あ、……そ、そうだよ! 近江遥でーす!
栞子:三船栞子です。よろしくね
爽笑:ふーん
爽笑:やざわサエです、こたがオセワになってます。よろしゅーたのんます
矢澤:最後以外は満点な
遥 「ちゃんと挨拶出来るんだね! 偉いねー!」
爽笑:は? こどもあつかいすんな
遥 「…………」
栞子:あらら
矢澤:おいこら失礼だろ……
遥 「い、良いんです良いんです……」
*
矢澤:ったく、お兄ちゃんまだ仕事なの。向こう行ってほら
爽笑:がっこーはベンキョーする所じゃないの?
矢澤:学校は勉強も仕事もすんの。ブラックなの。ほら早く行った行った
爽笑:ふーん、たいへんだね……はやくきてねー
矢澤:はいよ
遥 「ばいばーい!」
爽笑:ばいばーい……
…………
…………
矢澤:マジごめん、後で言って聞かせるから
遥 「ほ、本当に良いですよ? 小さい子のする事ですから……」
矢澤:……助かる
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
栞子:そうですね。何歳なんですか爽笑ちゃん
遥 「おおお! ほら三船さんも珍しく興味津々ですよ!」
栞子:珍しくって何よ
矢澤:こ、今年で年中だよ。……なあもういいだろ、あいつの事は。勘弁してくれよ恥ずかしい……
遥 「ええー! 恥ずかしくなんかないですよぉー!」
矢澤:はいはい、明後日9時エレベーターホール集合ね。連絡終わり、お達者で
遥 「あー! ちょっとぉ!」
栞子:ああ……切れちゃった
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
遥 「ふふ、先輩の意外な一面、見ちゃった……♪」
彼方「なーんか好からぬ気配を感じますなぁ」ヌッ
遥 「うおおお!? ビックリしたぁ!!」
*
-虹ヶ咲学園 屋上ヘリポート兼ルーフトップステージ-
ヒュオオオ……
遥 「時間は跳んで点検当日!!」←短パン着用
矢澤「当日」
栞子「2人して何言ってるの急に」←短パン着用
遥 「すっごーい! 見て三船さん! あれ多分スカイツリーだよね!?」
栞子「多分も何もスカイツリーだけど……ていうか普段から見えるでしょ、あれは」
遥 「おおおー! きーもちー!」
栞子「聞いちゃいない」
矢澤「まあまあ」
ビュオッ!!
矢澤「ッ」
遥 「ぶわっ!?」ブワッ
栞子「ひゃっ!?」ギュッ
栞子「…………」
栞子「履いてても押さえなさいよ、スカートは」
遥 「ふふふ、短パンが無ければ即死だったぜ」
栞子「まったく……」アキレ
矢澤「マジ気を付けてよ。柵は高いけど100パー安全は無いんだからな」
矢澤「飛ばされやすい物とか持ってきてないな?」
遥 「はーい、大丈夫でーす」
栞子「生徒会室に大体置いてきました。携帯電話とかも」
矢澤「近江は軽そうだから飛ばされやすいようにな」
遥 「えー? いくら何でも、そんなに軽くないですよー」
栞子「……先輩もしかして皮肉ですか?」
矢澤「ははは」
遥 「え?」
栞子「…………」
遥 「え、え? ねーねーどういう事? ねーねー」
栞子「あなたは注意散漫って事」
遥 「えーひどぉい!」
栞子(でも……本当に気持ち良い所)
*
矢澤「これから、あそこの資材用エレベーターでテントの部品とか運ばれてくるから───」
矢澤「もうすぐ来る、実行委員会の奴らと組んで、それをひたすら組み立てて、固定する」
矢澤「順調に行けば昼前には終わるから、そしたら食堂で飯にしよう。俺が奢るから」
遥 「えっ? お昼いいんですか?」
栞子「申し訳ないですよそんな……普段から御世話になってるのに」
矢澤「嬉しいコト言うじゃん」
矢澤「でも気にしないでよ。そうしろって言われた事だから」
栞子「え?」
矢澤「これ見てみ」つスクールタブ
遥 「え、スクールタブレット……」
栞子「これ……食堂無料クーポン!?」
栞子「確かこれ、一部の優良生徒にしか配られないやつじゃ……」
矢澤「最初の利用から1ヶ月有効のやつね。まだ使ってないから今日から1ヶ月だ」
*
矢澤「俺のじゃあないよ、前会長から譲渡されたんだよ」
栞子「前会長……確かに優秀な人でしたけど」
遥 「じょーと? スクールタブレットの特典って渡せるんですね……」
矢澤「こないだの役職引継の時に餞別でね。やる気のある後輩に良い思いさせろってさ」
矢澤「本当は自分以外の生徒には使っちゃいけないけど、まあ今回は特例って事で」
遥 「おお……何か上役っぽいですね」
栞子「大丈夫なんですか、本当に……」
矢澤「大丈夫大丈夫。普段から雑務こなしてんだ、見逃されて当然くらいの気持ちで行こう」
矢澤「ま、2度目は流石に無いけどね。悪いけど」
顧問「そういう事なら良いが、他の連中に分からんようにやれよ」
矢澤「んがっ!?」ビクッ
栞子「あ、高木先生……」
高木「おう、実行委員会よりも早く集まって、今期の生徒会は実に優秀」
高木「しかも新1年生が2人。去年より1人多いな」
遥 (……去年の1年生、本当に矢澤先輩1人だったんだ……)
矢澤「先生……足音ぐらい鳴らしてくださいよ」
*
高木「癖でな。お前も早く察知出来るようになれ」
矢澤「無茶苦茶を……」
高木「すぐにテントの部品も来る。実行委員が到着したらすぐに……」
高木「と、噂をすれば」
遥 「あっ、エレベーターが来ましたよ」
…………
…………
外間「……では、資材も届いたし、時間ですので屋上設備点検に入ります」
栞子(デザインの外間先生、文化祭実行委員会だったんだ)
ざわ… ざわ…
ざわ… ざわ…
外間「点検と言っても、君らの主な仕事はテントの設営と清掃だ」
外間「本当の点検は、この後で業者と先生達がやる事になっている」
外間「風が非常に強く吹く事も有るので、注意を怠らないように!」
高木「なお、ぶっちゃけ対価としては超しょっぺえけど」
外間「高木先生」
高木「スーパー豪華賞品のジュースがあるから、皆ァ頑張ってくれー」
*
ざわ……ざわ……
ざわ……ざわ……
矢澤「本来は逆にするべきなんだけど、組立工程を覚える意味で、2人にはテント張りに回ってもらう」
矢澤「俺は清掃な」
遥 「はい!」
栞子「分かりました」
矢澤「何度も言うけど、怪我は無いようにね。俺も、清掃が一段落したらそっちに行くから」
矢澤「じゃ、今日も元気に生徒会といこう」
…………
…………
遥 「てーんとてんと、てんとーむしー」
栞子 「何その歌」
遥 「あはは……あれ?」
しずく「…………」ガチャガチャ
遥 「あれっ? 確かスクールアイドル同好会の……」
しずく「はい?」クルリ
遥 「やっぱり桜坂さんだっ!」
*
栞子 「知り合い?」
遥 「お姉ちゃんと同じ部活の子」
遥 「そういえば言ってなかったね。わたし、お姉ちゃんがスクールアイドル同好会って所に居るの」
栞子 「……ううん、風の噂で知ってた」
遥 「あれ、そうだった?」
しずく「ああ……あなた近江先輩の」
遥 「妹の遥だよっ。所属は普通科FAでーす」
栞子 「生徒会の三船栞子、GA(芸術科Aクラス)です」
しずく「スクールアイドル同好会の桜坂しずく、国交科です」←体育着
遥 「実行委員会だったんだねぇ」
しずく「はい、今は丁度、下で部活もやっている時間ですけど……」
しずく「学校行事には、出来る事なら何らか参加しておきたいので」
遥 「へえー、今日はよろしくね!」
しずく「はい……なるほど、お2人が生徒会のニコりんぼとオコりんぼ……」
遥 「ぬ?」
栞子 「…………」
しずく「あっ」
*
栞子 「おこりんぼ……?」
しずく「やっあの……これはその」
栞子 「……誰が言ってたんですか? それ」
遥 「わ、わたし、にこりんぼ……?」
しずく「ええーと……」
しずく「う、うちの中須かすみって子が……」ボソボソ
栞子 「ほーぅ……」ズズズズ
しずく「ごめんなさい、かすみさん……」
栞子 「はあ……やっぱり怖いのか、私の顔」
遥 「ぷ、ぷくく……おこりんぼ」
栞子 「近江さん?」
遥 「わ、笑ってないよお?」
生徒 「おーい! 紐が解けたぞ! 手伝ってくれ!」
遥 「あっはーい!」タタッ
*
生徒A「よっと……なかなか重いな」ヨタヨタ
生徒B「足に落とすなよ、死ぬぞ」
生徒A「分かってる分かってる……」
高木 「それは向こうの、スポットライト下の所に持って行ってくれ」
生徒B「わっかりましたー」
しずく「これを指定場所に持って行って、建てるんですね」
栞子 「思った以上に大量……」
遥 「屋上広いし、沢山いるんだねー」
栞子 「流石にキツそう……近江さん、一緒に」
遥 「うん、分かった。これを持ってと……」ヨイショ
遥 「あ、そーだ。桜坂さんは」
しずく「よい……しょっと」グイッ…ガラン
栞子 「えっ」
遥 「ひょ」
*
しずく「ふう、見た目通り、なかなか重いですね」
栞子 「な、なん……それ」ポカーン
遥 「桜坂さん、そんな……」ポカーン
しずく「へ? ああ、まあ意外ですよね」
しずく「家族からも、たまに引かれちゃいます」エヘヘ
栞子 「女子生徒が……か、片腕でそんな重い物を」
遥 「すっごーい……」
ネーミテアレ…… ウッソダロオイ……
アレイチネンセイダヨネ…… ヤベーダロ……
しずく「あはは、昔から体力は有り余ってまして」
しずく「これも普段からの規則正しい生活の賜物ですよ!」ムンッ
栞子 (それだけでそうはならないと思う)
遥 (わたしも思う)
*
───1時間後
矢澤 「お疲れ。スクールアイドル同好会の桜坂さんだよね」
しずく「ん?」
しずく「あ、もしかして生徒会長さんですか?」
矢澤 「そう、矢澤会長。ちょっと前に同好会とはいろいろあった」
矢澤 「そっちの部長は相変わらず元気してる?」
しずく「ちょっと具合悪そうですけど、文化祭に向けて気合い入ってますよ」
矢澤 「具合が悪い? へーアイツがね(笑)……別学科だから知らなかったわ」
遥 「…………」
遥 (まさか、この前の夏風邪、移してないよね……?)
栞子 「近江さん?」
遥 「ひっ!? う、ううんナンデモナイヨ!」
栞子 「いや、そっち側を持ってくれないと……」
遥 「あっ……はい」ガラン
*
───2時間後 午前11時50分過ぎ
外間 「以上で設営作業は終了とする!」
外間 「以降はエレベーター前で景品を受け取り、解散としてくれ!」
ざわ… ざわ…
ざわ… ざわ…
しずく「今日はお疲れさまでした」
しずく「わたしはこれから部活に戻りますので、ここで……」
遥 「あっはーい、お姉ちゃんによろしくねー」
しずく「ふふ、きっと"彼方ちゃんも行きたかったよーい"ってなると思いますよ」
遥 「こ、声真似上手いね」
しずく「それでは! ……お手柔らかにお願いしますね、三船さん」
栞子 「それは中須さん次第です」
しずく「あ、あはは……それじゃ」
矢澤 「うし、じゃあ各自、手を洗って食堂な」
矢澤 「俺は少し高木と話すから、後で行く。食堂の入口辺りで待っててくれ」
…………
…………
*
-虹ヶ咲学園 食堂-
矢澤「今日の仕事は全て終了。皆、朝からよく頑張ってくれた」
矢澤「お疲れさん」←和風ハンバーグセット
栞子「お疲れさまでした」←ざる蕎麦&イカの七味焼
遥 「おつかれさまでーす!」←梅しそパスタとアジフライ
矢澤「2人とも食事中の会話は大丈夫か?」
遥 「あ、大丈夫ですよ!」
栞子「家族は少しアレですけど、私は平気です」
矢澤「ん……そうか。じゃ、頂こう」
栞子「ありがとうございます先輩。頂きます」
遥 「違うよ三船さん、こういう時はゴチになりまーすって」
栞子「言いません。私がそのくらいも知らないと思ってるの?」
遥 「ぬ、ぬぐぅ……」
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
矢澤「提案なんだけど……三船お前、出てみない? あのステージ」
栞子「どういう、ことですか?」
矢澤「言ってなかったけど、実は生徒会で毎年一枠取れるんだわ、屋上の」
矢澤「勿論、取らないなら取らないでいいんだけど」
矢澤「だからさ、三船と……良ければ近江で、何かやってみないか?」
栞子「……へっ?」
遥 「はえ?」
*
-虹ヶ咲学園 LD科2年教室-
先生「皆さん初めまして。久しぶりな人は久しぶり」
先生「このクラスの担任として、これから1年間一緒に学ぶ大岳です」
先生「LD科は女子が大半の学科ですが……今年も先生のクラスは女子だけみたいですね」
先生「去年から継続で私の教え子になる子もチラホラ……」
彼方「……Zzz」スヤスヤ
果林「…………」
先生「ええ、チラホラ居るみたいですね」
先生「近江さん、起きなさい」
彼方「ふがっ?」
果林「ちょっと彼方……アンタ去年と同じ事してるわよ」ユサユサ
彼方「んにゅー……もっと優しくぅ」ウトウト
果林「…………」イラッ
先生「良いわ朝香さん、放っておいて」
果林「え? で、でも……」
果林「…………」
果林「そうですね、放っておきましょ」
先生「ええ」
*
生徒A「ねーねー、あの近江って人、何かあったの?」ヒソヒソ
生徒B「ああ、あの子ね……実は去年わたしクラスメイトで……」ヒソヒソ
先生 「はいはい静かに。では早速、委員会を決めていきますよ。まずはクラス委員長から」
先生 「知っていると思いますが、クラス委員長は風紀委員との兼任ですので、そのつもりで」
先生 「誰か立候補してくれる人は居ますか?」
果林 「……」スッ
先生 「はい、早速1人手が上がりました……他には居ませんか?」
…………
…………
先生 「はい、ではクラス委員長1人目は朝香さんで決定とします」
先生 「ふふ、2年連続でクラス委員長ね、朝香さん」
果林 「まあそう……ですね、何だかんだ去年は割と楽しかったので」
先生 「意欲的でとても良いと思います。今年も頑張ってね」
果林 「はい、頑張ります」
先生 「ではもう1人、クラス委員長を……」
*
…………
…………
先生「図書委員も無事に決まりました。今年もスムーズに決まりますね」
先生「では次に保健委員ですが……希望者は居ますか?」
シーン……
先生「まあ気持ちは分かります。案外、保健委員ってやる事が多いですから」
先生「では……」
果林「先生」
先生「……はい、朝香さん」
果林「憶えてますよね? 去年、やる気満々で保健委員に立候補した人が居るの」
先生「……ええ、確かに。よく憶えてるけど」
彼方「ぐうぐう」スヤスヤ
果林「…………」
先生「…………」
先生「保健委員に立候補してくれる方、居ませんか?」
箭野「じゃあ、私が」
先生「はい箭野さん。去年に引き続きありがとうね」
箭野「あはは……どーも」
先生「他には居ませんか?」
シーン……
先生「…………」
*
───キーン↑コーン↓カーン↑コーン↓
先生「では、ここまでとします」
先生「今日の放課後、早速ですが委員会がある所もあります、各自で確認をしてください」
先生「あと、次はインテリアデザインで移動教室ですので、遅れないように。───では、号令を」
ざわ… ざわ…
ざわ… ざわ…
彼方「…………」
彼方「おい、チャンカリンよぅ」
果林「変な渾名を付けるな」
彼方「何か彼方ちゃん、入った憶え無いのに保健委員になってるんだけど……」
彼方「どゆこと?」
果林「あらそう? 良かったじゃない、去年あんなに入りたがってたくらいだし」
果林「きっと誰かが気を遣って先生に頼んでくれたんじゃないの?」
彼方「……テメェの仕業か?」
果林「何の事かしらん」
彼方「───」
果林「───」
☆
| ☆
⌒ヽ / ボカ
\ (´⌒ ⌒ ⌒ヾ /
('⌒ ; __,__ ⌒ ::⌒ ) ボカ
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/ ( ゝ ヾ ) ─
*
果林「ま、まあそれはとにかくよ」ハアハア
彼方「…………」ハアハア
果林「彼方あなた、そろそろ本当、いい加減にしないと、いくら特待生でも危ないわよ」
彼方「彼方あなたって何かリズム良いね」
果林「話を逸らすな三年寝太郎」ガッシ
彼方「いだだだ、頭掴むのはやめてぇ」
彼方「ってか果林ちゃん手デカくなった?」
果林「うるさいわよ」
果林「その居眠り癖、本当に治さないと……その内、誰かに足元掬われてヤバい事になるからね」
果林「気を付けなさいよ、本当に」
彼方「…………」
彼方「へーんだ、余計なお世話だもんね」
果林「この意地っぱり」
彼方「お互いさまだもん」プイッ
果林「知らないわよ。何かあっても自業自得だからね」
*
果林「エステ?」
彼方「サロン?」
部長「はい。彼方先輩も正式に入ってくれた事なんで、時期的にも丁度良いと思って」
部長「簡単に言うなら部員特典みたいなもんです。ウチに入った人には年に1、2回は通ってもらってます」
果林「へぇー……何か凄い事やってるのね」
部長「勿論、強制じゃあないですよ。行きたい人だけ行くシステムです」
彼方「んーそう言われてもなぁ、彼方ちゃん達まだエステなんて歳じゃ……」
果林「彼方は相変わらず甘いわね」
彼方「あ? んだテメエ? やんのかオイ」
果林「秒で喧嘩腰シフトしないでよ……」
部長(本当に仲良いな2人とも)
果林「あのね、美容に歳なんて関係無いの。何歳から気を遣ったって良いのよ、こういうのは」
果林「若い内に気を抜き過ぎて、いざ気付けば手遅れ一歩手前なんて目も当てられないじゃない」
彼方「何か果林ちゃんが年増のオバサンみたいなコト言ってる……」
*
部長「へへ……まあでも、割と果林さんの言う通りですよ、実際」
彼方「ほー?」
部長「2人に通って貰うのは、半分くらい整体院みたいな所なんで、単なるリラクゼーションだけじゃなくて、身体の歪みとかも治すには良いと思います。若くても普段の姿勢の癖とか、日常的な動作……いわゆる染み付いたルーティンワークや、お住まいの間取りだとか家具の配置とかの関係で、知らず知らずの内に身体全体が変な風に少しずつ歪んでいたりするものなんですよね。これは先輩達みたいに若い内は風呂上がりのストレッチを習慣にしたりする事で、ある程度は改善するものですけど、定着……って言うと変ですが、それこそ身体に染み付いてちゃった歪みは、なかなか直すのも難しくなりますので、始めからプロの技術に任せるのが手っ取り早いんです。特に俺達は虹ヶ咲に通うだけでもかなり忙しい訳ですし、そもそもWebでの活動が主とはいえ、アイドルっていう身体が資本な活動の上で、正しい姿勢と骨格を手に入れるという事は重要なファクター足り得ますよ。学園祭では実際に人前で歌って踊るライブも予定してますしね。しかも身体の歪みを正す事は年齢に関係無く疲労回復を若干ですが速めるっていうメリットにも繋がりますし、この機会に是非ともプロの腕を体験だけでも───」
果林「…………」ポカーン
彼方「…………」ポカーン
部長「……あ」
部長「す、すいません。どうもスイッチ入ると視界が狭くなるみたいで……失礼」
果林「意外な一面ね……ふふ」
彼方「そーゆーオタクっぽいのは嫌われるぞ少年」
部長「面目無いです……」
部長「ま、まあ、つまりは若い内からやっておくに越した事は無い。そういう事ですね」
彼方「ふーん……まあ、お金に余裕はあるし、暇な時に行ってみよっかな、彼方ちゃんも」
果林「あ、そうよね、利用料……こういうのってピンキリだろうけど、そこ幾らくらいするの? 学生の身空でサロンに……」
部長「ん……ああ、それなら心配無用ですよ。これ経費で落ちますんで」
果林「あら経費で……何だ、そうだったのね」
彼方「へー助かるねぇ。太っ腹じゃん」
部長「そういう事です。お2人は気兼ね無く楽しんできてください」
果林「ふふ、じゃあお言葉にあま……」
果林(……ん?)
彼方(……ん?)
*
部長「これ、そのサロンのチラシです。空いてる時に目を通しておいてください」
果林「へっ? あ、ああ……どうも」
彼方「…………」
果林「あらら、なかなか内装も立派。……ねえ、これちょっと高い所なんじゃないの?」
彼方「まあまあ、部長さんが良いって言ってるんだから」
彼方「おおっ? オイルマッサージだってさ、気持ち良さそー。俄然、行きたくなってきたよ彼方ちゃん」
果林「マッサージされながら寝たいだけじゃないのアンタは?」
部長「住所と地図は裏面に書かれてますから、それを参考にしてください」
果林「住所……あ、最寄駅は新宿? なら週末にでも行こうかしら」
彼方「……ッ!?」
彼方「ね、ねーねー果林ちゃんこれぇ……」
果林「ん?」
彼方「ここ見てココ」→
果林「んー? ああ施術コースね。サロンだし、いろいろあって当たりま……え」→
果林「───ッッ!? 基本コースきゅうまっ……!?」
果林「あ、あああなたこれ……!」
部長「……はい? 何か変な所が?」
果林「変な所しか無いわよ!」
*
果林「私エステサロンの価格相場なんて知らないけど、これ凄い所なんじゃ……!」
部長「……ああ、はい」
部長「皆さんは最前線で戦う大事な部員ですから。それなりに誠意を持って管理するのが、俺たち制作チームの総意です」
部長「それは、俺たちの気持ちをごくごく簡潔に表したものです。あまり深く考えず、心置きなく楽しんでもらえれば」
果林「も、もらえればってあなた……」
彼方「プレッシャー半端無いぞよ」
部長「重圧に感じてしまったなら申し訳ありません。でも、これは純粋な好意なので、気になさらず」
部長「お金の方も安心してくださいね、先ほど言った通り経費で落ちますので」
果林「ちょ、さっきも言ってたけど経費って……! あなた、こんな大金どうやって」
果林「ていうか、そもそも沖縄の時だって……」
部長「はは、まあ大金ではありますよね。一応、しっかり領収書は貰ってきてください」
部長「じゃ、俺そろそろ衣装係の所に電話する用件があるんで……」スタスタ
果林「ね、ねえちょっと!?」
果林「あなた本当に一体───」
ガチャリ…ガチャン…
果林「何者なのよ……」
彼方「彼方ちゃんてば、何だか凄い所に入れられてしまったぜ」
*
-学園駅前-
愛 「イッニーシッエーノッバーラァードォー♪」スタスタ
愛 (ふー、今日も練習キツかったですね)
愛 (でも午後は久々に暇だし、こないだのお礼で三舟庵にでも……)
愛 「あら?」
エマ「……? ……」キョロキョロ
愛 「……赤毛」
愛 「おーい」
エマ「…………」キョロキョロ
愛 (もしかして国交科の留学生?)
愛 「Hello?」
エマ「……」キョロキョロ
愛 「HEY!!」
エマ「ひぇっ!?」ビクッッ
愛 「りゃっ?!」ビビクッ
エマ「な、なになになにに?! フアユ!? アイハヴノゥマニィ…」
愛 「Stay!! Stay calm!! 別に追い剥ぎじゃないですから!」
エマ「ほえ……」
愛 「あービックリした」
*
エマ「あなた……なにですか」
愛 「いやアナタ、お困りな様子だったんで」
愛 「アタシで宜しければ助太刀しよーかと思った」
エマ「…………」
愛 「んですけど」
エマ「ほんと?」
愛 「ヘルプ要る?」
エマ「ぜひ! ぜひ!!」ズズイッ
愛 「おおう近い近い」
エマ「あなた良いの人!」
愛 「愛さんだもの。そんで何がお困りで?」
エマ「ロセンズよめないの!」←女児
愛 「うん、そうじゃないかなって思ってました」
───まもなく 電車が 参ります
エマ「わたし、2年、エマ・ヴェルデ。こくさいこーりゅ科のです」
愛 「ヴェルデ先輩……よーし覚えた」
愛 「アタシは宮下愛。普通科の1年です、よろしくッ」
*
-りんかい線車内-
愛 「へーっ、寮ってそんな感じになってるんですか」
エマ「うん、不合格なるしたらペナルティ、あります」
愛 「まあ掃除は生活の基本だもんねー。良いシステムだと思うよ」
愛 「……んにしても、ホントに御一緒しちゃって良いんです? そのパン屋さんっての」
エマ「親切されたには、お礼です。そちらこそ、電車代かかる、構わない?」
愛 「電車代? 平気ヘーキ横浜までくらい」
愛 「美味しいパン奢ってくれるんでしょ? 充分過ぎるって」
エマ「よかった、です」
愛 「しっかし中川駅かあ……」
愛 (田園都市線とか乗り継ぐよね、確か。ちょっと遠いかな)
愛 「よっぽど美味しいトコなんですねー、そのベーカリー」
エマ「ハイ♪ 雑誌見る、載ってました。評価、高いです」
愛 「塩バターロールかぁ……楽しみだぜ」
エマ「レシピ覚える出来たら、弟達に作りたい思うですね」
*
愛 「あら、弟が居るの? もしかして故郷に?」
エマ「ハイ、弟が5人、妹が2人」
愛 「…………」
愛 「え?! ななにんも?!」
エマ「ケンカ沢山ですけど、みんな仲の良いするです」
愛 「はー……大家族。お母さん頑張ったんだねぇ、8人も産んで」
エマ「? それ違うます」
愛 「どしました?」
エマ「ママ、産むしたの3番目の子、だけ」
愛 「ぬ?」
エマ「他は、わたしも、全員引き取るした子です」
愛 「────」
エマ「わたし、いちばん上」
愛 「ヒョッ」
*
愛 (ヤベェ!! 地雷原でイッツショータイム!!)←?
愛 「やっ……あの、ごめ……そんなつもりじゃ」
エマ「へ?」
エマ「愛、どうして謝りますか?」
愛 「へっ?」
エマ「え?」
愛 「…………」
エマ「わたし、愛がいま謝るする理由、わかる出来ないです」
愛 「──────」
愛 「──────」チキチキチキチキ…
愛 「──────」チーン
エマ「愛?」
愛 (あー……何となく解った)
愛 「えっとね、この国の価値観として、まず"引き取られた子"ってのは複雑な扱いで……」
…………
…………
*
エマ「それ、好きになる出来ない価値観です」
愛 「だよね、愛さんもそう思います」
エマ「確かに、元は他人でしたです。でもわたしたち、誰より知ってる、お互いを」
エマ「一緒に過ごせば、それもう家族なるです。引き取るした子も、変わる無いです」
愛 「ん。本当は皆、頭のどっかで知ってる筈なんだけどね」
愛 「血より大事なんだよね、そういう心の繋がりみたいなの」
エマ「そうです。愛、謝るコト、何も無いですだよ」
愛 「うん、ありがとうございます。…………」
愛 (人は戸籍とか肩書じゃ分からないって、頭じゃアタシも知ってた筈なんだけどな……)
愛 (愛さんも所詮そんなものって事なんかね……ちょっと凹むかも)
エマ「愛?」
愛 「んーん、大丈夫よん」
*
エマ「一緒、寝て起きて」
エマ「それで、美味しいもの、一緒に食べる、皆それで家族です」
愛 「皆そう思ってくれれば素敵になるよねぇ」
エマ「……あっ」
愛 「どしたの」
エマ「いえ……ということは、これから愛とわたしも、家族、なるですね」
愛 「…………」
愛 「へっ?」
エマ「これから、愛と、パン、食べる行きます」
エマ「きっと、とても美味しいです。雑誌に、美味しい、書いてました」
愛 「…………」
エマ「美味しい物、一緒に食べる。わたしたち、もう家族なるですね?」
愛 「!」
エマ「家族なる、嬉しいこと、ですね」
愛 「家族……」
愛 「そっか、家族か」
エマ「はい♪」ニコリ
愛 「…………」
愛 「家族と食べるのは、確かに嬉しい事だよねぇ」
*
愛 「んひひ、何か照れちゃいますなこれ」
エマ「愛とわたしは家族、ですね」
愛 「……」
愛 「でもさでもさ」
エマ「?」
愛 「それだと、虹ヶ咲の皆、家族になっちゃわない?」
エマ「…………」
愛 「同じ屋根の下で食べてるし、昼御飯」
エマ「…………」
愛 「なっちゃうね?」
エマ「ほんとだ! なっちゃう!」←女児
エマ「大家族ですね!」
愛 「もっと言えば、アタシら地球って家の中で一緒に食べてるんだから」
エマ「あっ」
愛 「人類皆家族だね」
エマ「おおぉ~本当だねです……」
愛 「…………」←笑い堪えてる
愛 「…………」
愛 (面白い人だなぁこの人)
愛 (……そうだ、やってみるか)
愛 「あのさあ先輩、もし良かったらなんですけど……」
エマ「?」
*
遥 「矢澤先輩ってぇー、家で普段、何してるんですか?」
矢澤「家? え、なに急に」
遥 「特に他意は。んーでも、先輩って何だか、学校以外での姿がイメージし辛いっていうか」
矢澤「そう?」
遥 「はい。何ていうか、仕事人間って感じして……ほら、あんまり仕事以外の話もしないしー」
矢澤「そうかな……これでも、昔より口数は増えた方なんだけど」
遥 「えええ? それ絶対、誤差くらいの増え方ですよ。もっと会話しましょーよぅ」
矢澤「うーん、自分じゃよく分からん。家でも勉強して……家事もやって……別に特別な事してる訳じゃないし」
遥 「家事? 先輩がやってるんですか?」
矢澤「姉2人と当番制ね。親が殆ど家に居ないから」
遥 「え、って事は先輩お料理とかも……」
矢澤「料理も、まあね。うん、一通りは」
遥 「おースゴい!」パチパチ
矢澤(拍手するほど……?)
遥 「料理男子ですね! きっとモテますよぉ」
矢澤「あ、ありがとう……(苦笑)」
*
矢澤「…………」
矢澤「あ、あーでも最近、資格の勉強は始めたかな」
遥 「死角? ……あ、資格ですね、はい」
矢澤「何と間違えたんだいまは嗜む程度にだけど、英語と中国語をチマチマね」
遥 「おおーグローバル。将来のためですか?」
矢澤「まあね。一応、希望職種もあるけど、割と語学って汎用性高いからさ。もし通らなかった場合も、他で活かせる率が高い」
遥 「希望職種って、もしかして将来の夢があるんですか?」
矢澤「……昔から、大学を出たら警官になりたいと思ってて」
遥 「え───お、おまわりさん!? 先輩が!?」
矢澤「似合わない?」
遥 「そ、そんな事は。へー先輩がおまわりさんかぁ……」
矢澤「……まあ良いけどさ」
矢澤「そんくらいだよ。他は別に皆と違う事も無い。朝はヨロヨロ起きて、帰ったら勉強して飯も食って寝て……そんなとこ」
遥 「あ、先輩も朝は苦手なんですね……」
矢澤「結構ダメな方。近江も?」
遥 「です、姉妹揃って、特にわたしの方が。お姉ちゃんより早く起きられた事無くて……」
矢澤「へえ」
矢澤(イメージ的に朝は姉の方が起こされる側だと思ってたわ)
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
遥 「彼女さんとか居ないんですか?」
矢澤「彼女ぉ? い、居ないよ、そんな畏れ多いの。……なあ、そろそろ勘弁してよ。自分の事ってあんま話したくないんだよ」
矢澤「ハズいから」
遥 「えー! やだやだもっとお話しましょーよ!」
矢澤「近江さあ……」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
矢澤「───」チラ
矢澤「それに、俺よか三船のが家で何してるのか気にならない?」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
遥 「ははぁ……なるほど確かに」
矢澤(すまん三船)
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
栞子「あの、すいません、そういう話は本人の居ない所で……」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
栞子「何でですか!! 普通に過ごしてますよ、勉強とかゲームとか!」
遥 「えええ! 三船さんゲームとか知ってるの!?」
栞子「アンタ馬鹿にしてんの!?」←素
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
*
愛 「はなせっ! はなしてよ!!」
愛 「はなしてっ! 行かなきゃいけないの!」
愛 「はなしてよ! このままじゃ───」
…………
…………
父親「愛……おいコラ、いつまで寝てんだ」
愛 「───」
愛 「ん……あれ、パパ?」
父親「やっと起きたか。寝坊だぞ、早く布団片付けろ」
愛 「んー……でもアタシ、昨日沖縄から帰ったばかり……」
父親「疲れてるのは分かる。だからって昼まで寝て良いなんて思うなよ」
愛 「へぇーい……」
愛 「よっこら青龍刀……」モゾモゾ
父親「ほら顔洗ってこい。朝御飯も出来てるぞ」
父親「まったく、久々に帰ってくればこれだ。冷める前に急げ」
愛 「おっすー」
…………
…………
*
愛 (御飯以外は冷凍食品じゃん……)モグモグ
父親「そんで、学校の方はどうだよ? 虹ヶ咲、難しいんだろ?」
愛 「がっこー?」モグモグ…ゴクリ
愛 「まあねー。なかなか頭おかしい学校だけど、何とかやれてるって感じ」
父親「楽しくないのか?」
愛 「楽しいよ? 友達も居るし、普通にしてれば天国みたいな所だしね。生徒の要望には何らか応じてくれるし」
父親「ほー?」
愛 「こないだトイレが故障した時は、30分くらいで業者が来てくれたからねぇ」
愛 「中学の頃に聞いた噂が殆ど本当で、ああいう場所でこそ生徒は伸びるなーって感じだよ」
愛 「上履きとか定期的に洗濯しないと罰則あったり、変な校則もあるけど」
父親「大事な事だろ。きっと教育現場として本来あるべき姿に近いんだろうな」
愛 「本来って?」
父親「学校は勉強を教えるだけの場所じゃないって話。虹ヶ咲は、生徒に大事な事を教える空気が残ってる所なんだろうな」
愛 「……まあ、先生は良い人ばかりだけど」
*
父親「しっかり励めよ」
愛 「はいはい、何か父親みたいなこと言うね急に」
父親「父親だからな実際。たまには口を出したいのさ」
父親「あー……ところで愛お前、バスケ辞めて別の部活始めたって本当か?」
愛 「ん、別の部活?」
愛 「あーうん、言ってなかったっけ? 中学で知り合った子達に誘われてね」
父親「へえ、また運動部か?」
愛 「アタシが文化部に入ってるトコなんて想像出来ないでしょ?」
父親「…………確かに」
父親「それで、何の部活なんだ? バスケじゃないならテニスとかダンスとか……」
愛 「惜しい。スクールアイドルっての始めたの。正式な部活じゃなくて───」
父親「は、はああ!? スクールアイドルだぁ!? 嘘だろ!」
愛 「同好会……あら、知ってるの」
*
父親「驚いた……まさか今の時代にスクールアイドルなんて……」
愛 「えー、何か気になるんだけど。自分の部活でそこまで驚かれるとか」
愛 「アタシが幼稚園くらいの時に流行ったんだよね? 何かあったの?」
父親「あったあった。ニュースで取り上げられない日が無かったくらいだよ」
愛 「えっ、えええマジ? そんなに? ちっとも憶えてない……」
父親「いろいろ衝撃だったんだよなあ、プロでも無いのにクオリティ高いのあったり……」
父親「世間の空気がそうさせてたのも大きいけど、ファンが青春を追体験出来るってのもあったんだよ。きっと」
父親「地方のグループ取り上げてドキュメンタリー番組とかも作られてたぞ」
愛 「へええー……流行ってたのは聞いてたけど、そんな社会巻き込んでたレベルなんだ……」
愛 「え、じゃあ何でいまは? そんだけ流行ったなら、ちょっとくらい残りそうなものだけど」
父親「ああ、盛り上がった頃は本当に盛り上がったんだけどな……」
父親「その後ですぐに、資金力やら指導力やら、学校間での格差が出ていって───」
愛 「…………」
父親「それに、やってるの芸能事務所じゃなくて学校の部活だろ? 事件も起きて、禁止する所が増えて」
父親「何というか……3年くらい経つ頃には、トップレベルを除いてすっかりな」
愛 「そうだったんだ……」
愛 (部長が通報機能付きブザー持たせてきたのって、割と考え過ぎでもなかったんだねぇ)
*
父親「そうか……お前がスクールアイドルなあ……」
愛 「何なら動画とか見る? 検索すればすぐに……」ガサゴソ…
愛 「……あれ、スマホどこに置いたっけ」
父親「いや、今はいいよ。後で存分に見させてもらう」
愛 「そう? へへ、期待してくれていいよ。ビックリするくらい本格的だからね」
父親「そりゃ楽しみだ」
愛 「夏休みの終わり頃に沖縄で撮ったやつも出るから、それもチェックしてよね!」
父親「はいよ」
愛 「それでさあ聞いてよ。うちに集まるメンバーって、皆どこか変な子ばっかりで……」
父親「ははは……」
…………
…………
*
父親「んじゃ、パパそろそろ仕事に行くからな」
愛 「あっはいはーい、アタシお見送りするね」
父親「……いや、いいよ。あまり外には出るな、暑いからな」
愛 「いいの? もーパパ心配性なんだからあ」
父親「ははは……ちゃんと歯は磨けよ。夜は早く寝て、規則正しい生活してくれ」
愛 「どーしたの急に? ちゃんといつもしてるよー」
父親「それは感心するな。パパなんて夜更かし大好きだから」
愛 「おい」
父親「んっはっはっ! お前も大人になったら夜中にビール飲めよ! 最高に美味ェぞ!」
父親「まさに天にも昇る味だ。翌朝の罪悪感と併せて、大人になった! って感じがするんだ」
愛 「この駄目大人め。いつか肝硬変とか脳梗塞になるからね、知らないからね」
父親「はは、その心配は要らねえぞ。パパは万年健康体だからな!」
父親「…………」
父親「あと……愛」
愛 「?」
───母さんを、よろしく頼む
───いってきます
…………
…………
ミーンミンミンミン……
*
-豊島区南池袋 ???-
老人「おい……おい嬢ちゃん?」ユサユサ
愛 「…………」
老人「おい、どうしたんださっきから? こんなとこでボーッと……」ユサユサ
老人「突っ立って───」
愛 「……!?」
愛 「うあっひょあ!?」ビクッ
老人「うおおお!?」ビクッ
愛 「はれ……? あ、どこ、んん?」
ミーンミンミンミン……
愛 「え、は、いやあっつ、なにこれ」
老人「暑いに決まってんだろ。いま真夏もいいトコだぞ」ドキドキ
老人「んあー心臓止まるかと……」
愛 「あ、ご……ごめんなさい、驚かせたみたいで」
老人「それは良いんだけどよ……」
*
老人「俺が来てから、ずっとそこの前で突っ立ってるからさ、嬢ちゃん」
愛 「ずっと……? え、すいません、いま何時で……」
老人「さっき丁度、12時を回った所だぞ」
愛 「え!? じ、15分も経って……な、何で」
老人「……本当に大丈夫か? それ病院とか行った方が」
愛 「…………」
愛 「大丈夫、です」
愛 「すみませんでした、御心配させてしまいまして」
老人「お、俺は気にしないけどよ……」
老人「最近の日本の夏は、本当に人を殺しに来てるから、気になっちまってな」
愛 「仰る通りで……」
愛 (15分、か)
*
老人「何にしても、こんな所で死んじまったら縁起が悪過ぎる」
老人「これ以上、何かある前に早く帰った方が賢いだろ」
愛 「は、はい。そうします」
愛 (ヤバい、喉渇いた……ここ出たら、すぐ何か飲もう)
老人「供え物だが、これやるよ。ウチの塩豆大福だ。塩分を摂れ」
愛 「あ、ありがとうございます……」
老人「こんな暑い中で食うのもアレだから、帰ってから食え?」
老人「じゃあな。また立ったまま寝たりするなよ……」スタスタ
愛 「…………」
愛 (美舟庵……ああ、地蔵通りの近くの。あそこの人だったんだ)
愛 (随分ガタイ良いなあ)
ミーンミンミンミン……
…………
…………
*
意識を取り戻した瞬間、思い出したかのように吹き出し始めた汗
日傘すら差していなかったのに、少しも日差しに焼けていない髪
愛「…………」
目の前のそれに触ると、まるで別の場所から突如として現れたみたく冷たい
ここは豊島区南池袋、住宅街の中に存在する広大な敷地に設置された、都立の霊園
真夏の熱気と、突き刺す日差しに曝される物として、その墓石は異質そのものだった
愛「……もう、行っちゃったの?」
問いに応える者は誰も居ない
しかし、その異様な冷たさが薄れ、徐々に熱を持ち始めていく墓石は、ひとつの回答を示しているようだった
愛「そっか……」
それは単なる独り言───アタシは明確に相手を意識して口を動かしているけど、ただの墓石に対して……
より正確には、その下に眠る、かつて人間だった"物"に対して言葉を投げているから、独り言で間違い無いんだ
墓石の下の、その"物"は、かつてアタシが"パパ"と呼んでいた存在が行き着いた果てなのであった
*
愛「……もう、アタシも高校生になった」
愛「友達は沢山できて、勉強も頑張って……良い学校にも行けた」
愛「でも……今でも夢は見るんだ。あの時の夢。目が覚めたら殆ど忘れてるけど」
フワッ……という、何かが支えを急に失い、跳ね上がるかのような感覚を憶えている
そして、アタシに覆い被さる大きな影、瞼に瞬くような光、お腹に広がった一瞬の熱さと痛み───
それは、運転手の持病を起点に発生した、大型バスによる乗用車5台を巻き込んだ玉突き事故であった
その乗用車の内の1台……当時、小学1年生なりたてだった助手席に座るアタシと、運転する"パパ"を乗せた赤いSUV
親しみの感じられる、丸顔で可愛げのある車体は、やがて何処からか発生した激しい炎に巻かれ───
結論、アタシは通り掛かりの誰かに間一髪の所で助け出され、腹部に裂傷を負いながらも生還した
でも……パパは……
愛「振っ切れたのか、ないのか……あははっ、イマイチ分かりづらいんだよね。今のアタシ」
あの豪快に笑う声は、アタシの大切な人は、あの気持ち悪い浮遊感を最後に、この世から永久に喪われてしまった
*
───はなせっ! はなして!
───いかなきゃいけないんだ!
───はやくしないと、このままじゃパパがっ!
愛「…………」
あの時、アタシは知らなかったけど、パパは事故に遭った直後、頭部を強打した事で既に死んでいたらしい
これは事故後に行われた検死で分かった事
車に戻ろうとパニックに陥り、誰かの腕の中で暴れていたアタシだったが、それは結局は無駄な足掻きだった
そう、パパは……咄嗟にアタシに覆い被さるようにして、その身を呈して……どうやらアタシの命を救ってくれたんだ
おかげで、アタシは腹部の裂傷を除けば、他は軽い擦傷くらいで大した怪我も無く済み、今こうして生きていられている
愛「…………」
車が爆炎に包まれ、赤く燃え上がったのは、その直後だった
パパが、どこのタイミングで死んでいたか……これはそういう話ではない
もう死んでいたとはいえ、アタシは、父親が無惨に焼かれる場面を……この目で見てしまったんだ
愛「ねえパパ……アタシ、これからも頑張るから」
愛「アタシ、パパから貰った名前に負けないように、これからも生きていくから」
あの時の記憶は、確実に……今でもアタシの心に病巣として残っている
殆ど内容を憶えていないとしても、夢に見るというのは、その何よりの証左だ
……………………
───それでも、アタシは
*
愛「アタシ、絶対に負けない」
絶対に潰れてなんてやるものか。心の闇の思い通りになんて、なってやるものか
丁度さっき、おばーちゃんを任されたばかりなんだ。生憎と絶望に浸かっている暇は無いんだ
アタシは…………絶対に
愛「…………」
愛「…………」
愛「じゃあ、また来るね……いってらっしゃいパパ、元気で」
意思を言葉に乗せて伝える、言葉は空を漂い、何処へともなく夏の暑さに掻き消される
消えた言葉は誰に届くか……届いた意思は、その先に何を生み出すか
そうしてアタシは、蝉の鳴き声染み入る、陽炎のような霊園から、何も言わず静かに辞去していった───
───…………
───胸を張れ。例え何があっても、愛は絶対に負けたりなんてしない
───大丈夫だ、愛……お前は、お前には
───お前には、俺の渡した強さの心と……深い愛の心、2つもの心があるんだから
*
───授業参観
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
遥 「いや、ていうか……よく来られたね、鹿児島から」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
栞子 「言っとくけど、中学の時みたいな事やめてよ……?」
祖父 「? ……何かしてたっけ俺?」
栞子 「片っ端からウチの和菓子配ってたでしょ! あれで私、暫く"クズキリコ"って呼ばれたんだからね!!」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
しずく「良かった……姉さんが無理を押して来るとかトンデモ展開が無くて本当に良かった……!」
しずく「普通にお母さんで本当に良かった!」
母親 「普通な母で悪うございましたね」
しずく「あ、そ、そういうつもりじゃ……」
*
璃奈 「…………」
璃奈 「…………」
璃奈 「…………」
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
長兄 「よっす」
かすみ「あびゃぁぁぁあッ!??」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
*
-虹ヶ咲学園 中等部校舎-
璃奈「…………」
猫 「ニャー」
璃奈(ネコだ)
猫 「?」
璃奈(首輪も付いてる)
璃奈(……何でこんなトコに)
璃奈「…………」キョロキョロ
璃奈「君どこから」スッ
猫 「シャッ!」
璃奈「ひッ?!」Σ(・Д・ノ)ノビクッ
*
璃奈「…………」ドキドキ
猫 「…………」
璃奈(か、かわいくない……)
猫 「ニャー」
璃奈(……まあいいや、ほっといて帰……)
猫 「…………」ジー
璃奈「な、なんだよ」
璃奈「…………」キョロキョロ
璃奈「そんな構ってほしいなら最初から」スッ
猫 「シャッ!」
璃奈「ッッ?!」(´;ω;`)ビクッ
猫 「…………」
璃奈「…………」ドキドキ
猫 「…………」
璃奈「…………」
璃奈(このやろう)
*
璃奈「すーぅ───」(吸)
璃奈「はーぁ───」(吐)
璃奈「もういい、今度こそ帰……」
愛 「ああああ! あんなトコに!」
璃奈「……」イラッ
璃奈「今度はなにが」
愛 「ごめんなさーい! その子アタシの猫なんです!」
璃奈「は?」
愛 「コラ半蔵! 勝手に抜け出したろオマエ!」
猫 「ニャーゴ」
愛 「そんな意図で忍者の名前付けたんじゃないぞ!」
璃奈「は?」
歩夢「あ、愛ちゃん落ち着いて……」
*
璃奈「…………」
璃奈(誰この……え、高等部の人?)
璃奈「あの、どちらさ……」
愛 「本当ごめんなさい! 中等部の子? だよね!」
愛 「そいつの相手してくれたんでしょ? 迷惑掛けて何とお詫びすれば……」
愛 「ほらおいで半蔵!」
半蔵「ニャー…」
璃奈(聞いてよ人の話)
歩夢「愛ちゃん、ちょっと鎮まって会話しましょ?」
歩夢「彼女、困ってるみたいだよ」
璃奈(本当だよ)
歩夢(この子さっきから全く表情変わらないけど)
愛 「あっ、ごめん。ちょっと焦ってた」
*
愛 「ごめんねー騒がしくしちゃって……」
璃奈(本当ですね)
璃奈「……イロイロあれですけど」
璃奈「中等部の天王寺璃奈です、3年です」
愛 「───」ピクッ
歩夢「? 愛ちゃんどうかした?」
愛 「ああ、ううん、何でも。アタシ高等部1年、普通科の宮下愛でーす」
歩夢「同じく上原歩夢です」
璃奈「どうも」
愛 「りなりーって呼んで良い?」
璃奈「嫌ですけど」
愛 「…………」
歩夢「愛ちゃん……」アキレ
璃奈(金髪ギャルさんと清楚系ギャルさん……濃い)
璃奈(まあ、どうでもいいけど)
*
璃奈「それで、この猫は……」
愛 「あー実は(冗長化対策)で……」
歩夢「部室行ったら居なくなってたんだよねー」
璃奈(なんだそれ、漫画か)
愛 「まさか抜け出す頭があるとは思わず……」
愛 「オドロキ倍増ハットリ半蔵って感じだよね」
歩夢「は?」
璃奈「は?」
半蔵「……」
愛 「スンマセン…」
愛 (ちょっとくらい乗ってくれたって良いじゃんYO)
*
璃奈「……いつも、こんな感じなんですか?」
歩夢「うん、いつも。会った時からオバカ」
愛 「ぐふっ」
歩夢「でも顔は良いから皆にモテるの。ムカつくよね♪」
璃奈「はあ……」
愛 「あ、歩夢ゥ……」
璃奈「…………」
璃奈「それで、お2人はどういう……」
愛 「ん、アタシら? ……んふっ」
愛 「ぬっふふふふふふふふ、よくぞ訊いてくれたねーぇ」ニヤーッ
半蔵「……」←歩夢の方へ避難
璃奈(……先輩とか気にしないで、さっさと離脱するべきだったかも)
歩夢「愛ちゃん、その笑い方やめる。怖がってるよ」←頭に半蔵
璃奈(別に怖がってはない。けど気味悪がってはいる)
*
歩夢「でも自己紹介だけはしとこっか。わたし達、スクールアイドル同好会って部活のメンバーなの」
愛 「今年に入って生まれたばかりの赤ちゃん同好会でーすイェイ!」
歩夢「赤ちゃん同好会はちょっと……」
璃奈「すくーる、あいどる?」
歩夢「あはは、知らないよね、やっぱり。今から10年以上前に流行ったんだってさ」
璃奈「学校で、アイドルですか?」
愛 「おっ、鋭いねぇ。まさにその通り、部活動でアイドルやるんだよ! 歌って踊って何とかパーク」
愛 「でも残念ながら、部員まだ4人しか居ないんだけどね」
璃奈「部活動でアイドルって……お金掛かりそうですね。曲はともかく、衣装とかどうするんですか?」
歩夢「曲も衣装も全部、わたし達と別に裏方がいて、その人達が作ってるの。主に学校の外の人だよ」
璃奈「え、裏方……校外にって」
愛 「まあ話すとややこしくなるんだけど、うちの部長がちょっと、ね」
璃奈「はあ……」
璃奈(露骨に怪しい)
璃奈(これ以上、あんまり深入りしない方が良いかも。直感が告げてる)
半蔵「ニャー」
*
璃奈「じゃあ、お邪魔したらアレなので、そろそろ……」ソソクサ
愛 「まーって待って。あと5分だけ」ガッシ
璃奈(ねえいい? そろそろキレていい?)
歩夢「愛ちゃん、ちょっと。いい加減しつこいよ」
璃奈「ホントなんですけど」
愛 「ゴメン、マジ。でも待って、すぐ終わるから。愛さんビビッとキタのよ」
歩夢「え、何? まさか同好会にスカウトする気じゃ」アセアセ
璃奈「は? 断りますけど」ズバッ
愛 「に、にべも無く……違う違う、単に璃奈と個人的に仲良くしたいなーって話」
璃奈「…………」
歩夢「出来ればソレも断りたいって感じだよ彼女」
愛 「ぬなっ。そ、そんな事ないよねー?」
璃奈「……………………」
愛 「ごめんなさい、出来ればこれから仲良くしてもらえると……ハイ」
璃奈(何なの急に本当)
歩夢(あーあ、また愛ちゃんの悪い……とは一概に言えないけど、いつもの癖が出たよ。何がトリガーだったのかな、今回は)
歩夢(半蔵君も、これが主人だと苦労するね)
半蔵(慣れりゃ可愛いもんですよ)ニャー
*
愛 「あー、えっと、では気を取り直してだね……」
愛 「こうして、ここで会ったのも何かの御縁! お近づきの印に、アタシから璃奈にプレゼントあげちゃう!」
璃奈(いきなり呼び捨て……)
璃奈「はあ、プレゼントですか?」
愛 「急場で悪いけどね。あーと、確かスマホに差しっぱで……」
愛 「お、あるある。はいコレ、璃奈にあげる」
璃奈「は? なんですかこの……マイクロSD?」
歩夢「愛ちゃんそれ……」
愛 「いーのいーの。うちの魅力を知ってもらえるなら安い安い」
歩夢「そうじゃなくて、あれ見せたら誤解させちゃうんじゃ……」
歩夢「朝香先輩に見せた時もあれだったし……」
璃奈(何の話……?)
愛 「はは! 良いじゃんよ、うちの看板は間違いなくアイドル同好会なんだし。ね!」
愛 「それにアイドルなんて、これって明確な定義は無いも同然なんだから」
愛 「何ならアタシらが法衣着て踊り念仏してたって、それもアイドルで通る」
歩夢「む、無茶苦茶すぎる……」
愛 「とゆーわけで、これあげる」つマイクロSD
璃奈(何がとゆーわけで、なんだろう。不安しか無い)
璃奈「はあ……ありがとうございます」
璃奈(まあ相手は仮にも先輩だから、受け取らない選択肢は無いけども)
歩夢(本当に良いのかな……)
*
愛 「じゃ! アタシ達はこれにてー」
璃奈「……どうも」
歩夢(うんうん、やっと終わったね。あなた驚くくらい無表情だけど、ウンザリしてるの解るよ)
歩夢「ほら、早く行くよ。いい加減、彼も怒っちゃう」グイグイ
愛 「アタシら普段は高等部の部室棟に居るから! 放課後に時間あったら遊びに来てねー!」
愛 「待ってるからねー!」
璃奈「……」
歩夢「ほら早く行くよ。皆を待たせてるんです」グイグイ
歩夢「まったく、3人目が入った矢先にこれなんだから……」
愛 「そ、そんな引っ張んないで……」ズルズル
璃奈「……」
璃奈「何だったんだろ一体」
璃奈「…………」
璃奈(帰ろっと。何か疲れちゃった)
璃奈(にしても、黙ってれば普通に格好良いのに……残念な人だな)
*
歩夢「可愛い子だったね」スタスタ
愛 「うん、まあね」スタスタ
歩夢「何か表情が変わらないのがアレだけど……」
愛 「うん……」
歩夢「それにしても、朝香先輩に申し訳ないよ」
歩夢「正式入部してくれたばかりで猫探しまで手伝ってくれて」
愛 「うん……本当にね」
歩夢「……愛ちゃん? 愛ちゃん?」
愛 「…………」
歩夢「もうっ! 愛ちゃんッ!!」ペシッ
愛 「のあっ!? な、なに、どうしたの歩夢……」
歩夢「それはわたしの台詞! ボーッとして歩いたら危ないよ!」
歩夢「目がどうして前に付いてるか、知らない訳じゃないでしょ!」
愛 「な、何で?」
歩夢「ちゃんと前見て、怪我しないように歩くためですっ!」
愛 「う、うひぃ、ごめんなさい……」
*
歩夢「まったく……で、それで? 何考えてたの?」
愛 「いや、歩夢さあ、憶えてないの?」
歩夢「何が?」
愛 「何がって、あの子は……」
歩夢「?」
愛 「…………」
愛 「いや、多分アタシの気のせい」
歩夢「???」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
愛 (そっか……憶えてなくても、まあ無理は無いよね)
愛 (……天才、か)
愛 (あの小さな手で、あんな凄いことを)
愛 (……愛さん、尊敬しちゃった)
愛 「ありがとね半蔵。おかげで運命の出会い出来たかも」
半蔵「ニャー?」
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
~♪
璃奈「…………」
璃奈「なーにこれ」
*
虹ヶ咲/Zero
-虹ヶ咲学園 夏休み明け-
彼方「…………」
果林(165cm)「何よ」
彼方「……えーと」
彼方「朝香ちゃんでいらっしゃる?」
果林「トニー・スタークにでも見える?」
彼方「やっぱ朝香ちゃんなんスかぁ……」
果林「そう、朝香委員長よ。まあアンタの言いたい事は分かるわ」
果林「私もね、正直、夏休み中だけでココまでとは」
彼方「どんな手術受けたんだよ……」
果林「何でよ、ちょっと勉強ついでにストレッチを続けただけ」
彼方「……ほんとぉ?」
果林「それが本当なのよ。お生憎サマ」
彼方「骨とか"びぶらにゅーむ"的なのになってたり……」サワサワ
果林「しーまーせーんー」ベシッ
*
彼方「……それはとにかく、もう軽くモデルとか目指せるんじゃね?」
彼方「ねー殴り込んでみない? 華やかに見えて女のきッたねー世界」
果林「…………」
果林「実はそれ、ちょっと真剣に考えてた」
果林「芸能関係に進むの、前から進路に入れてたのよね」
彼方「マジかよ。やっちゃえよもう」
果林「……ワンチャンあるかしら」
柴犬「?」
彼方「あるある。玉砕してきな玉砕」
果林「ぎょくさ……駄目じゃないのよそれ」
彼方「しっかし成長期って怖いねー……」
果林「まあでも、もう流石に伸びないと思うけど? これ以上は」
彼方「どうだろうねぇ」
果林「伸びない伸びない」
*
彼方「でも、これじゃ会話のたんびに首が疲れちまうぜ」
果林「なかなか優越感よ、これ。近江が急に可愛く見える」
彼方「これまでだって可愛かっただろー?」
果林「口閉じてればね」
果林「あーでも、パンツとか一気に小さくなっちゃって……」
果林「こないだまで履けてたのが、キツいなんてレベルじゃないの」
彼方「自慢かよ……彼方ちゃん羨ましいのです」
果林「だから、その辺り纏めて買い換えないといけなくて、割と痛手かも」
彼方「ふーん」
彼方「……あ、そーだ。それ捨てるなら彼方ちゃんにくーださい」
果林「何でよ。嫌よビンボ臭い」
彼方「けちんぼりん」
*
彼方「でも、いやー伸びたねマジで」
果林「10㎝くらい伸びたわ。会った頃は彼方と同じくらいだったのに」
果林「勝ったわ」
彼方「勉強じゃなくて、こんなトコで抜かれるとはねー」
果林「やったわ」
彼方「でも君そんなんでええんかい」
果林「素直に嬉しいわ。これで勉強も抜けば朝香一人勝ち」
彼方「へん、朝香果林のくせに。そう簡単に抜けると思うなよー」
果林「私、元は勉強なんて出来ない方だったもん」
果林「それが今じゃグングン伸びて……あ、身長じゃなくてね? なくてね?」
彼方「…………」イラッ
果林「今じゃ履修したはトコ大体出来るの。対抗心の成せる技ね」
果林「卒業までには追い抜いてやるから、見てなさいよ」
彼方「ハイハイ、熱血でよろしいことー」
彼方「はてさて10年後までに追い抜けてますでしょーかね」
果林「……言ってくれるじゃないのチビ近江」
彼方「───」
彼方「……ドデカ林」ボソッ
果林「───」
彼方「お? やんのかドデカ林」
果林「表ェ出なさいよ三年寝太郎ォ!!」ガッ
*
―虹ヶ咲学園 スクールアイドル同好会部室―
部長「えー、同好会を結成してから、今日で大体半年を迎えました」
部長「これまで数々の曲を出して、MVも幾つか撮影に成功……」
部長「皆さんのおかげで、我々の活動は軌道に乗りつつあります」
歩夢「…………」
愛 「…………」
部長「獲得……と言うとアレですが、果林さんや彼方先輩といった逸材も得られ、先の沖縄遠征も大成功」
果林「…………」
彼方「…………」
部長「更に今回、ヴェルデ先輩という新しい部員にも恵まれました。入部頂きありがとうございます」
エマ「いえいえー」
部長「重ね重ね、ここまで皆さん本当に、お疲れさまでした」
彼方「……何か、これから解散でもするみたいだねぇ」
部長「ち、違います違います……」
*
部長「それで今回、皆さんに集まってもらったのは───」
部長「我々、制作陣による討議の結果……秋の文化祭にてライブを行うと決定した事をお伝えするためです」
歩夢「!」
愛 「あらら」
果林「ライブ……」
彼方「って事は、アタシら人前で生歌と生ダンス披露するん?」
部長「はい、生です。同好会としては殆ど初めての事ですよね」
エマ「ワタシも?」
部長「ええ。勿論、ヴェルデ先輩にも活躍してもらいますよ」
エマ「おおー、ちょっと緊張感ですね。腕引っ張らないように努力するです」
愛 「あはは、引っ張るのは足ね」
エマ「?」
部長「これまでウチはWEB上での活動を主体にしてきましたが、やはり仮にもアイドルを名乗ってますので、大勢の前で歌って踊る機会も大いに必要ですよね」
部長「ちなみに曲の方は既に決定してます。後でメディアと歌詞を渡しますので、確認のほど宜しくお願いします」
彼方「ふーん、部長さんは相変わらず手の早い事でぇ」
部長「ははは……」
*
歩夢「わたし達も遂にライブかー……如何にもアイドルって感じしてきたね」
歩夢「それで、やっぱり外部配信もするの?」
部長「ん……おう、実は映像研にウチから協力を持ち掛けてるんだよな」
果林「……?」
彼方「映像研ー?」
部長「はい。あそこ実は、型落ち品の安物ですけど、所謂"ドローン"を2機ほど部で所有してるみたいで」
部長「予定では、ウチの1機も併せた3機編成で撮影した映像をサイトにアップする予定です」
果林「……んー??」
愛 「おー……3機も使うとなると、結構ダイナミックな映像に出来そうじゃん?」
部長「だよな。カメラが増えると編集の選択肢も大幅に増えるから、期待してくれよ」
部長「ただ……3機も飛び交うと音とかの問題がな。だから、あまり接近しての撮影は出来ないかもしれない」
愛 「あーなるほど……最近はその辺り改良したのも出てるっぽいけどねー」
部長「まあ、そこら辺は俺たちの腕の見せ所って事だな。頑張るよ。幸い集音マイク3機分は揃ってるしな」
果林「…………」
果林「ねえ、部長君?」
部長「? 果林さんどうしました? 何か気になる所が……」
果林「…………」
果林「ううん、何でもないわ。気のせい」
部長「……? そうですか」
果林(何か距離の差、感じちゃうなぁ。仕方無いんだろうけど)
*
部長「それで、歩夢と宮下」
歩夢「?」
愛 「おう?」
部長「いつもながら急だけど、今回は2人のダブルセンターで行く。プレッシャー掛けるけど心してくれ」
歩夢「えっ! わたし達が……!?」
愛 「おーやったじゃん! 春以来の主役だよアタシ達!」
愛 「しかも初めての生ライブだ! 頑張ろうぜ相棒!」
歩夢「う、うんっ……!」ドキドキ
彼方(今でも思うけど、あれMVって言うのかね)
果林「余計なこと言わないように」
彼方「ま、まだ何も言ってねえし……」
歩夢「……人前で」ドキドキ
愛 「おん? 何だよ歩夢ってば緊張してんの」
歩夢「う、うん……ちょっとだけ」
果林「ふふ、まあ気持ちは解るわ。人前で歌って踊るのってハードル高いわよね。これまでと違って本番はやり直し出来ないし」
歩夢「! ……は、はい」
*
彼方「……」ニヤニヤ
彼方「おうおう、オマエ彼方ちゃんに楯突きやがった時の威勢どうしたオラ。てんで弱虫でやんの」
歩夢「……はい?」カッチーン
果林「彼方」
部長「ちょっと2人とも……」
愛 (まーた始まったよ)
エマ「2人ともどうするしたですか?」
愛 「ん、まあ2人の求愛のダンスみたいなもの」
エマ「エッ」
愛 「あんま気にしないでいいよ」
エマ「エッ」
果林「愛やめなさい。エマは信じるわよ」
愛 「マイケル冗談」
エマ「エエ……」
*
彼方「見る影も無いねえ、ぽむちゃあん? やっぱガキの1年坊だね、可愛いトコあるじゃーん?」
果林(ぽむちゃん……?)
歩夢「…………」
歩夢「そうですね、こういう時わたし弱いです。正直、彼方先輩の事は羨ましいかも」
彼方「あん?」
歩夢「わたしは先輩と違って、大事な局面を器用にスヤスヤ居眠りで誤魔化せませんからね」
彼方「……ほおーう。良いね、その意気やよ───」ゴゴゴ
部長「2人とも」グイッ
歩夢「あうっ」
果林「そこまでにしなさい」ゴスッ
彼方「しぎゃっ!?」
*
部長「まったくもう……二言目には憎まれ口だ」
部長「歩夢お前ちょっと変だぞ。彼方先輩の事になると急に」
歩夢「…………」
部長「あの事なら、もう喧嘩両成敗で終わっただろ」
歩夢「……意地なんだもん」
部長「何のだよ」
歩夢「膝枕……」ボソッ
部長「は?」
果林「アンタも、そろそろ昔の事は水に流しなさいよ。同好会にも正式入部したんだから」
彼方「うぐぐ……何で彼方ちゃんだけ」ヒリヒリ
果林「最初に喧嘩売ったからよ」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
彼方「へーんだ、緊張解してやったんだから感謝してほしーくらいですよーい」
歩夢「あ……」
歩夢「……」
歩夢「先輩、きらいです」
彼方「そりゃこっちの台詞だぜ」
部長「2人とも!」
果林「いい加減にしなさい!」
愛 (ま、案外これはこれで上手くやっていけそうだけどね)
エマ「わたしはなに信じるればいいです……?」
*
部長「…………」
遥 「…………」
遥 「ええとお……」
遥 「これは一体……」
部長「チョコレート。リンツのリンドールギフトボックス(9種50個入り)です」※税込5400円(送料別)
遥 「り、りんどー……?」
部長「安心のスイス製。なるべく保存は冷蔵庫で」
遥 「も、貰って良いんです、か?」
彼方「良いんだよー、部長さんがくれるって言うんだから」
エマ「うん。それに合格祝いでもあるんだし、遠慮する事は無いよ」
遥 「で、でも……こんな高級そうなの、先輩から……」
エマ「……うーん、まあそうだよね、躊躇しても仕方無いよ。確か、部長さんとは初対面だもんね」
彼方「じゃ、その辺の事は部長から話してもらいましょー」
*
彼方「はいどーぞ部長」
部長「…………」
遥 「?」
部長「本当に、ありがとうございました」←最敬礼
遥 「え、ええ? どうしたんですか急に……」
部長「急なのはよく分かってる。でも、ここで言わせてほしい」
部長「俺達の同好会がここまで来られたのは、君の力があったのが凄く大きいんだ」
遥 「わたしのちから?」
エマ「そうだよ、わたし達の同好会が今の形になれたのは、遥ちゃんのおかげでもあるの」
エマ「だよね、彼方」
彼方「全くその通りだよん。胸張って良いんだよ遥ちゃんは」
遥 「……ど、どういうこと?」
部長「言葉通りに受け取ってもらって良い。俺達は君に感謝している」
部長「だから、受け取ってくれ」
*
遥 「…………」
遥 「何か……よく分かりませんけど、ありがとうございます。大事に食べますね」
部長「賞味期限に関わらずお早めにどうぞ」
遥 「はい。あの……友達に何個かあげても構いませんか?」
部長「全く問題無い。是非ともあげてもらっていい」
遥 「ありがとうございますっ!」
彼方「良かったねぇ遥ちゃん」
エマ「リンツのトリュフは美味しいから、ゆっくり味わってね」
遥 「はいっ!」
遥 「…………」
遥 (でも……わたし、何かしたっけ?)
遥 (…………)
遥 (嬉しいからいっか!)
*
-横浜市都筑区 中須家-
ピーン↑ ポーン↓
父親 「かすみィ! 悪いけど出てくれェ!」
かすみ「はいはーい」
かすみ「いま出ますよーっと……」
かすみ「はーい?」ガチャ
部長 「……どうも」←顔面血まみれ
かすみ「…………」
弟 「ねーちゃん……ただいま」←部長におんぶされてる
部長 「何ていうか、すいませんこんな、初対面で急に……」←顔面血まみれ
かすみ「──────」ヒクッ
かすみ「ひ、ひぎゃあああああああ??!!!」
*
かすみ「ち、知賀、血がぁ、ちでて、ちち血出てるぅ?!」
部長 「歩けそうか?」
弟 「うん、もう大丈夫……」ヨイショ
かすみ「てあ、ててってあて、手当て早くゥ!!」
部長 「お、落ち着いて……」←顔面血まみれ
弟 「その顔で落ち着いては無理でしょ……」ヨタヨタ
部長 「ふー疲れた……ちょっとバッグ下ろさせてくれ」ドスッ
かすみ「お、おと、おとーさ、誰か来てェ!!」
父親 「何だ何だ?」
次兄 「何だ何だ?」
長姉 「なになに?」
母親 「何の騒ぎ?」
常連客「娘さんか?」
*
母親 「じゃ、ちょっとこの子、病院に連れてくから」
かすみ「ん、分かった」
弟 「…………」
母親 「その、あなたは本当に大丈夫なの?」
部長 「え、ええ……見た目より傷は浅いんで」
部長 「かすみさんに手当してもらっただけで、充分ですよ」
母親 「そう……」
母親 「本当に、ありがとうございました……」
母親 「この子の親として、一体あなたに何をすれば良いものか……」
部長 「い、良いんですよ、もう。怪我が軽くて良かったですよ、それより」
母親 「ほら、お礼言いなさい」
弟 「…………」
弟 「ごめんなさい……」
かすみ「違うでしょ、ありがとうって言うの」
*
弟 「ありがとう、お兄ちゃん……」
部長 「ああ、お大事に。"しっかりやれよ"」
弟 「うん……」
母親 「じゃ、行ってくるわ」
かすみ「気を付けてね」
母親 「遅くなりそうだったら連絡するから」
かすみ「はーい」
弟 「……」チラリ
部長 「……」
ガチャリ……
部長 「…………」
かすみ「……少し、わたしの部屋で話しませんか」
部長 「え?」
かすみ「その、お礼がしたいので」
部長 「……じゃあ、お言葉に甘えて」
かすみ「では、2階にどうぞ」
*
-中須家 かすみの部屋-
部長 「……う、美味いですね、これ」モグリ…
かすみ「最近、お父さんの試作したパンなんです。塩バターロールっていいます」
部長 「塩バターロール……なるほど」
かすみ「わたしはコッペパンにするべきって言ったんですけどね」
部長 「いや、良いですよこれ……家が近かったら毎日でも買いに来たいかも」
かすみ「そ、そうですかぁ……?」
かすみ「ところで、御自宅はどちらに? ここから遠いんですか?」
部長 「ん、都内です。今朝の7時くらいに、中央区から電車でここまで」
かすみ「中央区……」
部長 「銀座です。かなりゴミゴミしてますけど、慣れれば悪くは無いですよ」
かすみ「ぎ、銀座……」
かすみ(何か凄そうな人だなぁ)
*
かすみ「どうしてそんな朝早く、こんな所まで?」
部長 「はい、高校上がった後に、ちょっとやりたいことがありまして」
かすみ「やりたいこと……じゃあ、そのエナメルバッグは」
部長 「ええ、そうです。それの関係で、こっちに居る仲間と会って、ちょっと機材を借りてきまして」
かすみ「機材……?」
部長 「それと、母親の誕生日も近いんで、ついでにプレゼント探しも兼ねて」
かすみ「へえ……え、高校……もしかして受験生さんなんですか?」
部長 「はい、まあ。上手く行けば虹ヶ咲学園ってトコに通う予定です」
かすみ「虹ヶ咲? って、あの虹ヶ咲ですか?」
部長 「あの虹ヶ咲。芸術科Bクラス……音楽科志望です。へへ、かなり頑張らないと」
かすみ「本当に凄い人なんですね……」
部長 「そんなそんな……」
かすみ「…………」
かすみ「本当に、ありがとうございました。弟の事」
部長 「……。……ええ。ははは、その、何というか」
部長 「はは、は」
かすみ「ど、どうかしましたか?」
*
部長 「い、いやぁ。今になって思い出したら、俺なかなかアグレッシブな事やらかしたんだなって実感が……」
部長 「はは、やべえ。膝震えてきた今更」ブルブル
かすみ「え、大丈夫ですか!?」
部長 「大丈夫……多分、何とか。思い出し笑いみたいなものだと思うんで」
かすみ「む、無理しないでくださいね」
部長 「ええ。はあ……治まってきた」
部長 「えーとその、それで……これ訊いて良いのかあれですけど、弟さん何かあったんですか?」
部長 「背負って歩いてる間、話し掛けても何処か上の空っていうか。んーまあ、あんな事あれば仕方ないのかもですけど」
かすみ「…………」
かすみ「弟は最近、学校が楽しめてないみたいで……いろいろ心配だったんです」
部長 「学校が楽しめてない?」
かすみ「昔から物静かな子で……あまり友達も出来なくて、朝はいつも嫌そうにしてて……」
かすみ「かなり頭が良い子なので、その、いろいろ周りと合わない部分もあるみたいで」
かすみ「どうにか楽しく通ってほしいって、わたしも普段から思っていたんです」
部長 「…………」
部長 「……そう、ですか」
*
かすみ「でも、この前、一緒に映画を見に行ったら、久しぶりに笑ってくれて……良かったなって」
かすみ「そんな時に、今度は事故なんて……母じゃないですけど、わたし、あなたに何をすれば良いか……」
部長 「…………」
部長 「良いんですよ、俺は。このパンが食えただけでも十分に儲けですから」
部長 (まるで、この子もお母さんみたいだな……)
部長 (それだけ、大切に思っているって事なんだろうな。良い家族だ)
かすみ「弟を守ってくれて……本当に、ありがとうございます」
かすみ「このこと……わたし絶対に忘れません」
部長 「─────」
部長 (でも、決して悪い気分って訳じゃないけど……何か苦手だな、こういう手放しで感謝されるの)
部長 (しかし……学校が楽しめてない、か。なるほど……)
───それはいけないな
*
部長 「じゃあ、長居もあれなんで、俺そろそろ失礼します。パンありがとうございました、美味かったです」
かすみ「あ……じゃあ、お見送り……」
部長 「へへ、すいませんね何か」
→至 -中須家 玄関-
部長 「いろいろありがとうございます。パン、今度は買いに来ますね」
かすみ「はい、是非いらしてください……」
部長 「じゃ、またいつか」
かすみ「はい……」
かすみ「───あっ」
かすみ「あ、あの! お名前まだ……」
部長 「えっ? あ、ああ、そうでしたね、そういえば」
部長 「俺は───」
…………
…………
*
かすみ「…………」
かすみ「行っちゃったなぁ」
かすみ「…………」
かすみ(高校で何するつもりなのか訊きたかったんだけどなぁ……)
かすみ(まあ、それはいっか。名前くらい聞けたし)
かすみ(虹ヶ咲学園かぁ)
長姉 「よっ」
かすみ「……お姉ちゃん」
長姉 「話は終わったの?」
かすみ「うん、まあ。まだ訊きたい事あったけど」
長姉 「ふーん。それはそうと、キリッとして格好良い子だったね」
かすみ「まあね……」
長姉 「落ちちゃった? 恋」
かすみ「は? いや別に……確かに素敵な人だけど、そういうのじゃ」
長姉 「なーんだツマンナイ妹。年頃なんだからムキになったって良いのに」
かすみ「妹を玩具にしないでよっ。もう……」
*
部長(…………)
かすみさんの家を出てから、即座に走り出していた
目的地は自分が顔面に傷を負った場所───あの文具店の前の横断歩道
まだ現場に居る率はゼロに近いが、そんなに時間は経っていない、それほど遠くに行ってはいない
───あの時
彼、横断歩道に飛び出した、かすみさんの弟を車から庇い、顔面に傷を負う直前
彼の身体を抱え、脚のスプリングをフル稼働させて一気に跳んだ、その刹那───
確かに見た……視界の端に、それを捉えた
他人を傷付けて、自分の享楽のために、罪の無い人間の命を弄んで───
そんな所業を働いて、罪の意識すら持たず、どころか酒の肴にする……あれはそういう類の存在だ
決して自分の姿を晒さないよう物陰から、コソコソと隠れて此方を伺う、あの裂けたような表情───
形容するのも憚られる、混じり気の無い悪意の顕現のような、純粋な狂気とも例えられるそれは───
部長(ここまで関わった以上、見て見ぬふりは……ちょっと出来ない)
───弟は最近、学校が楽しめてないみたいで
部長(…………)
もし、この憶測が真実だとしたなら……その時は
部長(終わったら……これ返してこないとなぁ)
いま鞄の中には、アニメのキャラが描かれた未開封の鉛筆3本セットが入っている。
これは、かすみさんの弟さんが文具店から万引きした物を、ある約束の上で預かった物だ。
部長(店の人に話したら、解ってくれるといいけど……そんな上手くはいかないかな)
*
-新時代の表現展 中学生の部-
金賞:天王寺璃奈(私立虹ヶ咲学園中等部2年B組)
→→→"ペーパークラフト_MiGー25(特殊塗装・鉄人28号仕様)"(立体作品)
銀賞:天王寺璃奈(私立虹ヶ咲学園中等部2年B組)
→→→"ドットアニメーション_雨の街"(楽曲・ショートアニメ作品)
優秀賞:五十嵐若葉(私立星条中学校3年3組)
→→→→"Walk_in_the_Dreamland"(中編楽曲作品)
…………
…………
入賞:三船栞子(私立虹ヶ咲学園中等部2年A組)
→→→"トーキョー・レヴォリューション"(パノラマ絵画)
*
-私立星条中学校 3年3組教室-
歩夢「という訳で」
愛 「なーるほどね、こりゃ確かに心破壊されるわ。同情するしかない」
愛 「凄いねこの天王寺……リナ? って子。金銀独占とかヤバいわ」
歩夢「彼、今朝それ見てから、何も話してくれないの……」
愛 「暫くそっとしとくのがベストだね、そういうのは。変につついたら薮蛇だよ、きっと」
愛 「しかも、この子ねぇ……見てみ、私立虹ヶ咲学園中等部だとさ」
歩夢「えっ、それって……もしかしなくても」
愛 「大正解。これアタシらの志望校の中等部だわ」
愛 「きっと、アタシらも見上げるしかない、本物ってやつなんだろうねぇ」
愛 「アタシらに出来ないコトでも片手間で楽々こなしちゃう、ガチの天才様」
歩夢「天才……」
愛 「是非とも会ってみたいものだよね。もし合格したら」
*
-虹ヶ咲学園 中等部校舎-
栞子「…………」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
坂下「何とか言えねえのかよクソチビ!」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
坂下「表情筋動かしてみろやオイ!」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
璃奈「あぐっ……」
璃奈「…………」
栞子「あ、あなた何をしてるの!?」
※※※※※
↓↓※未完成部分※↓↓
※※※※※
高等生A「ちょい、そこ。虹ヶ咲の敷地内でそういうのは御法度だよ」
坂下 「ッ!?」
高等生B「いや、ここの敷地外でも御法度だけどな、本来は」
高等生A「あっはは、まーね」
栞子 (……高等生の人?)
高等生A「あー魚クンよ、この子いま何て言ったか分かる?」
高等生B「ん? 俺には"どうぞ私を学園から放り出してください"って聞こえたけど」
坂下 「あぁっ!?」
高等生A「んーだよねー。私にもそうとしか聞こえなかったわ」
高等生B「"生意気なんだよテメェみたいなゴミネクラが英雄気取りしやがってッ!!"」
坂下 「…………」
坂下 「はっ?」
高等生A「おおう、魚クンてば声真似上手いねぇ」
高等生B「だろうな、撮影したやつに合わせて口パクしただけだし」
高等生B「今からね、この映像、教務科に持ち込むから」
高等生A「そゆこと。他に選択肢も拒否権も無いよ? まあまあ特別そういうのに厳しいからね、この学園。きっと退学だよ君」
坂下 「なっ!!?」
高等生A「恨むんなら、今まで世にバレたらどうなる事をやってたのか、それすら気付けない自分を恨むこったね」
高等生B「それともアレか? バレても庇ってくれる後ろ盾でも居るのか?」
高等生A「だとしたら残念。ここの学園長、小手先の権力なんて真っ向から潰せるよ」
高等生B「どうだ? 自分の行いのせいで転落する気分は?」
高等生A「甘いんだよ。自分は特別なんて思わない事だね。ドン底で頭冷やしなガキ」
高等生A「中等部とはいえ、折角こんな良い学校に来られたってのに、馬鹿なもんだよ」
※※※※※
↑↑※未完成部分※↑↑
※※※※※
*
───1年目
彼方「部活に入るゥ?」
果林(166cm)「そうなのよ」
彼方「何でまた急に……」
果林「うーん、純粋に興味が湧いたのも本当だけど───」
果林「何ていうか、誘ってきた子……1年の男子生徒だったんだけど」
彼方「1年の男子ー?」
果林「ええ、それがあまりに熱烈に迫ってきたもんで……つい折れちゃった」
彼方「……ナンパ君じゃないの?」
果林「いま思い返すと、そう考えても違和感無いくらいだったわ」
果林「寮から出たら、いきなり近付いてきて"前から見てました、俺たちと部活やりませんか!"って」
彼方「寮の前でー?」
彼方「……ふーん、ロッキーなのが居たもんだねー今時」
果林「本当にね。暫く何も反応出来なかったわ、素で」
*
果林「でも満更でもなかったかな、悪い子じゃなかったし。昔、同級生から告白されたの思い出しちゃって」
果林「あ、んふふ、アンタには分からない話か」ニヤ
彼方「別に……彼方ちゃんだって告白くらい受けた事あるよ」
果林「…………」
果林「は?」
彼方「確か小学生の頃と中学で、合わせて2回? だけだけど」
果林「は?」
果林「ハァァァア??????」
彼方「うるっさ……」
果林「は? なんなの? 舐めてんのアンタ? 私あの1回しか無いんだけど?」
彼方「知らんがな。大体1回あるんだから御の字でしょーよ」
果林「また負けたわァ……彼方の癖にィ」
彼方「そーゆーの直せばもっとモテるんじゃないのー?」
*
彼方「んでー? それ何の部活なん。運動系?」
果林「スクールアイドル同好会。バリバリ運動系」
彼方「…………」
果林「…………」
彼方「なんて?」
果林「私と全く同じ反応したわね」
彼方「いや当たり前でしょー……何そのスクールなんたら」
果林「スクールアイドル」
彼方「……騙されてんじゃないの果林ちゃん」
果林「それが大真面目にスクールアイドルらしいのよ、本当に」
彼方「ほんとー? じゃ何すんの、そのスクール……アイドル? ってのは」
果林「読んで字の如くよ。学校でアイドルグループ結成するんですって」
彼方「……ダンス部じゃないのー?」
果林「違うらしいわよ。アイドルなんですって」
果林「信じられないけど、太古の昔には大規模なコンクールもあったとか言ってたわ」
彼方「……聞いたことないなぁ彼方ちゃんは」
*
果林「動画も渡されたわ、サンプルにどうぞって」
彼方「マジで? 歌って踊ってるやつの動画?」
果林「そう、マイクロSD1枚ポンとくれたわ」
果林「それが、ちょっと凄いのよ。見てみる?」
彼方「おー? 面白そうじゃーん、見たい見たーい」
果林「ちょっと待っててね」ポチポチ
果林「えーと……あ、出来た出来た。ほら、見てみなさいよ」
果林「すぐ始まるわよ」
彼方「どれどれー……おーぅ、可愛い子が2人も」
彼方(まあ遥ちゃんの圧勝だけどねー)
果林「確か金髪がアイちゃんで、もう片方がアユムちゃん、だったかしら」
果林「2人とも1年生ですって」
彼方「ふーん……あ、始まった」
彼方「──────」
彼方「え……」
──────
────
──
*
彼方「おおおー……」
彼方「す、凄いねー……え、何これ? カメラワークとかプロ級じゃん」
果林「ね。私も初めて見た時、一気に疑い芽生えた。どこかの回し者かって」
果林「何かよく分からないけど、学校内外に協力者が居るとか言ってたわ」
彼方「……何者なの、その後輩君」
果林「さ、さあ」
彼方「世の中には訳分からんのが居るもんだねぇ」
彼方「でもさぁ……これ……アイドルなの? 本当に」
果林「本人はそう言って譲らなかったけど」
果林「まあそれ見て、"あ、これはアイドルだね"とは思わないわよね」
彼方「アイドルにしちゃトライバル過ぎなーい? 音楽もダンスも」
彼方「歌詞すら無いし……スペインとかスイス辺りで踊られてそう」
果林「何でも中学の頃に作った曲で撮ったものなんですって」
果林「同好会最初のMVらしいわ」
彼方「え、コレその子が作ってんの? どっかから持ってきた曲じゃないの……?」
果林「……何か説明しといて胡散臭くなってきたわ、私も」
彼方「大丈夫かいな本当」
*
彼方「……あー、そういえば前に言ってたね果林ちゃん。芸能関係がどうの」
果林「うん、小さい頃には、ちょっとレッスンも受けたりとかしたわ」
彼方「それは初耳かなー」
彼方「でも、今の果林ちゃんなら、チア部とかダンス部とか、いろいろ選択肢あったと思うけど……」
彼方「何で今まで、部活とか入ってなかったん?」
果林「これ言ってなかったけど、チア部は去年の夏休み明けに顔見せたのよ、実は」
彼方「えっ、そーなの」
果林「身長伸びたのもあって自信付いたから、試しにね」
彼方「入部テストに落ちたとか? あ、でも果林ちゃん運動出来るよね」
果林「……テストすら受けさせて貰えなかったわ」
彼方「は?」
果林「誰も何も言わなかったけど、多分、面白くなかったのよ単に」
果林「私その時、もうチア部の上級生と殆ど変わらない体型だったから」
彼方「…………」
果林「目立つ下級生を入れたくなかったんでしょうね。理由付けて門前払い」
彼方「はああああああぁ???」
果林「ちょっと落ち込んじゃった」
*
彼方「マジ……? くッッだらねー、そんなの本当にあるんだー……」
果林「あったのよ、それが……」
彼方「入んないで大正解でしょそんなトコ……。果林ちゃん駄目んなっちゃうよー」
果林「まあね。今は、あまり気にしてないし良いの、それは」
彼方「え、じゃダンス部は?」
果林「ダンス部は嫌よ。あそこ変な評判多いじゃない」
彼方「ん、そうなん?」
果林「……知らないの?」
彼方「そーゆーの興味ねーしだもん彼方ちゃん」
果林「アンタって奴は」
果林「アンタのために教えとくけど、なるべく関わらない事ね」
彼方「心配してくれてありがと♥♥♥」
果林「…………」ゲシッ
彼方「いたーいー……」
果林「簀巻きにされても知らないわよ」
*
果林「それからは、実家に頼んで、何となく寮からミニスクールに行ったりもしてたわ」
果林「でも彼が言うに、入部すれば、そこより本格的なレッスンが受けさせて貰えるらしいの」
彼方「えー? ただの同好会だよ? そーんな上手い話……」
果林「……それが案外、切って捨てられない可能性なのよねー。まだ2回見学しただけだけど」
彼方「ホントかよ……じゃあ、もう入部決定か」
果林「ええ、前向きに検討して、後は判子押すだけって感じ」
彼方「良い事ですなー」
彼方「でも果林ちゃんが部活入るんじゃ、これで彼方ちゃんとは縁切れだね」
果林「はい?」
彼方「部活入ったら会う時間も減るし」
彼方「2人で過ごすのも、これで終わりで御座いますね」
果林「何言ってんの?」
彼方「これまでいろいろ御世話しました」←
果林「いや何でよ。後味悪過ぎでしょ唐突に。普通に友達でいましょうよ」
彼方「えー? 仕方ねーなあ、ぬふふ」
果林「何でアンタって、そんなムカつくのかしらね」
彼方「んふふー」
彼方(へへ、へへへ、友達って言ってくれた……♪)
*
果林「じゃ、そろそろ行くわね。これから練習と裏方の人達と顔合わせなの。リモートでだけど」
果林「まだ入部届そのものは書いてないんだけどね」
彼方「おーう」
彼方「あ、お土産よろしくねー」
果林「汗だらけの練習着あげるわ」
彼方「マスダーイ」※死ねェ
果林「じゃ、行ってくるわ」
果林「アンタ、昼寝なんてしてないで早めに帰りなさいよ?」
彼方「へいへい、ばいばいきーん」
果林「じゃ、また明日」
彼方「…………」
彼方(さーて、彼方ちゃんも帰りましょっか)
彼方「スクールアイドルねー……」
彼方(…………)
彼方(ま、いっか。別に興味ねーし、果林ちゃんなら何でも上手くやんでしょ)
彼方(はー部活かー……遥ちゃんも入る方が良いって言ってたな、そういや)
彼方(彼方ちゃんも何かやるべきだったんかねー部活……)
彼方(……ねむねむ)ウトウト
↓↓アイドルにしちゃトライバル過ぎる音楽↓↓
https://m.soundcloud.com/m2ustudio/m2u-gypsytronic
*
-スクールアイドル同好会 部室-
果林「こんにちはー、来たわよ」
歩夢「あ、朝香先輩だ」
愛 「おーう、いらっしゃいませー」
歩夢「……あっ、もしかして今日ここに来てくれたという事は……?」
果林「そのとーりよ。あなた達に、とても良い返事を持ってきました」
愛 「マジ!? ぅおーっしゃ! 遂に部員4人目だッ!」パチンッ!
歩夢「やったね! 順調な滑り出し、ナイスな展開だよ!」パチンッ!
果林「ふふ……これから一緒に、よろしく頼むわね」
果林(な、なんか自分のことで大喜びされると恥ずかしい気が……)アセアセ
果林「と、ところで彼……部長君はドコ? 来たら顔を見せるように言われてるんだけど……」
愛 「部長? あいつなら……えーとどこ?」
歩夢「もう……愛ちゃん何言ってるの。さっきデスクの方に行ってたじゃない」
愛 「あーそだそだ。ついLINEに夢中で」
果林「デスク?」
*
愛 「ほら、あのメタルラックの後ろ側に……見えます?」
果林「え……? あっ」
扉を開けて同好会の部室に入り、奥行きのある長方形の間取りの底辺に立って右の奥側
専門書や機器など諸々の備品が大量に収納された大型のメタルラックが設置された、更に奥の隅
そこに、ラックと備品に丁度良い具合で隠されてはいるが、歩夢と愛以外のもう1人の部員の後ろ姿が見えた
果林「え、あれって……彼なの? 居るの気付かなかったわ」
愛 「うん、そう。ヘッドホンしてるし、すっごい集中してるでしょ。言われなきゃ居るって分からないよね」
歩夢「彼って、作曲中は昔からあんな感じで、外を完全に遮断してて……横で大声で呼ばないと反応しないんですよ」
果林「へー……若くして職人肌なのね」
愛 「職人ってか、ああなると病人って感じするけどね」
歩夢「……愛ちゃん、それ絶対に彼の前で言わないでよ?」
愛 「い、言わないよ流石に」
果林(ていうか作曲も出来るんだ……凄いじゃない)
*
歩夢「わたし達はこれからトレーニングとレッスンがありますから、先輩は───」
果林「ええ、分かったわ。……えーと、普通に話し掛けて良いのよね?」
歩夢「いいですいいです、寧ろ少し驚かせてあげてください。良い薬ですよ」
果林「……ねえ、もしかして、あなた達2人って幼馴染みとかだったりする?」
歩夢「はい? え、どうして分かったんですか? そうですけど」
愛 「いやぁ分かりますよね? 歩夢の気安い感じ見てたら」
果林「ええ、何となく分かっちゃったわ。向けてる親しさの部類がそうだもん」
果林(てゆーかモロに"昔からあんな感じ"って言ってたしね)
歩夢「き、気安い……そうかなぁ」
愛 「ちなみにアタシも中学から2人と友達なんだよねー」
果林「あら……へえ? 仲良し3人組ってこと。そんな中に1人かぁ、何か気後れしちゃうかも」
愛 「なーに言ってんの! これから先輩もアタシらと友達になるんだからね!」
歩夢「そうですよ。結構キツい時もありますけど、一緒に頑張りましょう」
果林「あらら……嬉しいじゃない」
果林(何この良い子たち……爪の垢もらって彼方に直食いさせたいわ)
*
……………………
……………………
果林(後輩(同好会では先輩だけど)の2人はレッスンのため別室に行った)
果林(これから、あの黙々とパソコンに向かってる彼に話し掛けるんだけど……何か緊張するわね)
果林(もう話すのはこれで何度目かになるけど……まあシチュエーション的にね。うん)
果林(にしても、凄いデスクね……)コソコソ…
歩夢が"デスク"と呼んだそこは、なるほどデスクと言う他ない場所だった。
積み上げられた何かの書類、放り投げられた何本かのペンと消しゴム
何度も書いては消された形跡のあるボロボロに擦り切れたルーズリーフ
ストローの差し込まれた栄養ドリンクの瓶、端には飲み終えた物と思しき空瓶……の横にはマテ茶のペットボトル
3つのモニターと繋がるキーボードと、ダイヤルのようなスイッチが付いた、素人目には訳の分からないコンソール数点
そして───そことヘッドホンで繋がった彼は、時たま目の前に備え付けられた鍵盤を叩きつつ、ブツブツと何事かを呟いてはキーボードとマウスに手指を奔らせ、かと思えばペンを取ってルーズリーフに何かを記録して───
部長「ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ……」
果林「───」
……いや、怖いんだけど
この後、果林が恐る恐る大声で話し掛けた所、大いに驚いた部長が椅子に座ったまま飛び上がり、転げ落ちそうになるトラブルはあったが───
とりあえず、果林は部長に同好会への入部の意思を伝える事に成功したのだった
*
……………………
……………………
部長「いや、すいません本当。昔から作曲中は特に周りが見えなくなって……」
果林「き、気にしないで、ええ。急に話し掛けた私が悪いんだから」
果林「えーと、そ、それで、入部の事なんだけど」
部長「あっはい」
部長「えー……先輩の意向としては、結論、うちに入部して活動してくれるという事で……良いんですよね?」
果林「そのつもりよ。今すぐにでも入部届を書かせてもらうわ」
部長「───」
部長「ありがとうございます!!」ガシッ
果林「うわあっ?!」
部長「俺! 初めて見た時から入れるしかないって思ってたんです!」ブンブン
部長「感激です!!」ブンブン
果林「え、あーえっと、その……」オロオロ
部長「最初の勧誘の時、強引じゃなかったかなって、正直不安で……」
果林(まあ強引だったわね。ほぼ女子寮の前でアレはね)
*
部長「これから一緒に頑張っていきましょう! 俺達も全力を尽くしますから!」ブンブン
果林「う、うん……よろしくね」
部長「はい! 俺ここまで本当に……」
果林「あ、あの、それはいいんだけど……」
部長「何ですか!」
果林「その……手が」
部長「へ?」
部長「───」↓
部長「あっ」
果林「あなた割と良いコトするのね」ニヤニヤ
部長「……ご、ごめんなさい。無神経でした……つい嬉しくて」パッ
果林「ふふ、別に良いわ。余計な御世話かもしれないけど、そういうのは上原さんにしてあげなさいね」
部長「……はい。失礼しました」
果林(いや否定しないんかい)
*
……………………
……………………
部長「では、これから本題に入りますね。まず我々スクールアイドル同好会の活動と、決まり事に関して」
果林「はい」
果林(おお、何か本格的ね)
部長「まず、アイドルと銘打ってはいますが、基本的に活動はWeb上でのものになります」
部長「具体的には動画投稿サイトやSNS上での画像共有などですね」
部長「ここが重要ですが、外部のファンを集めての……いわゆるライブ、これは基本的に無いものと考えてください」
果林「えっ!?」
果林「え、アイドルなのにライブやらないの!?」
部長「いえ、厳密にはする予定です。文化祭でうちの枠が取れれば。学校の外で学校の外のファンを集めて行うライブの話です」
果林「あ、ああ……いや、でもそれでも……何というか、かなり思い切ってるのね」
果林「アイドルって言ったら、ファンを集めて皆の前で歌って踊るのが普通だと思ってたけど……」
部長「……本音を言えば、俺も他の皆もやりたいんですけどね、ライブ。でも、出来ないんです」
果林「!」
果林「あー……ねえもしかして、それって防犯的な」
部長「はい、まさしくその通りで」
*
部長「俺達はスクールアイドルを作る立場として、常に出来る範囲の全力を出して臨む、その意欲に溢れた人ばかりです」
部長「あの2人にも、果林さんにも、俺達の提供出来る最大限に快適で、かつ楽しめる環境を提供する所存でいます」
部長「ですが……綺麗事だけで済むのが本当は一番なんですけど、そうもいかないのがアイドル業界でして」
部長「汚い言い方ですけど、アイドルとは人を見世物にする娯楽ですから……そういう問題が出ないとは言い切れないんです」
果林「…………」
部長「それに関連した話ですけど」
果林「う、うん」
部長「仮に学校外で、握手、サイン、その他ファンサービスの類を求められた時は……どんな状況でも全て断るようにしてください。難しいかもしれませんが、例え知り合いから求められても、です」
果林「全部……? 断っちゃっていいの?」
部長「はい。同好会の公式サイトにもファン規約として書いてありますが───」
果林(こ、公式サイトまであるの?)
部長「基本的にそういった要求には……一切、応じない意向です」
部長「アイドルとしては意外かもしれませんが、あくまで俺達は単なる部活動の一環でやっています。ファンサービスは活動の中でだけ。そこから出ればただの高校生。部員の安全のためにも、必要な措置ですので」
*
部長「それと……これを渡しておきますね」スッ
果林「これは?」
部長「簡単に言うと、それを押すと警備会社に連絡が行って、そこから更に警察に通報が行きます」
果林「えっ、警察? そこまでするの……」
部長「はい。敢えて強く言いますけど、危ないと思ったら躊躇わず押すこと。通報が大袈裟と思っては駄目です」
部長「この際ハッキリ言うと、皆さんを困らせる人をファンだとは思わないようにしてください。例え99%のファンが良識を持った人間だとしても、残りが弁えない人達なら、その瞬間アウト。部員を危険に曝す確率を少なくするに越した事はない」
部長「すいません……脅す感じになってしまいましたけど、全ては果林さん達を守るためなので」
果林「───」
果林「ううん、分かったわ。ありがと。部長君の気持ち、よく伝わった」
果林「楽しむ事は大事だけど……自分のカラダは大切にしなきゃね」
部長「……ありがとうございます」
*
部長「ちなみにですが、部員の恋愛は非推奨です」
果林「ぬ?」
部長「あくまで非推奨ですので……ええ、まあ」
果林「……あ、あー……そうなのね、うん」
部長「……そこまでガチガチにする権利は、俺達には……って事ですね」
果林(今の所、作る予定も無いけどね。私は)
*
果林「でも、それにしても大した自信よね。さっきから随分、そんな感じのこと言ってるけど」
果林「それに、こんな物を渡してくるなんて、まるでこれから私達が必ずヒットして有名人になるみたいじゃない?」
部長「させます」
果林「……え?」ビクッ
部長「何度も言いますが、俺達は、そのためにここに居るんです」
果林「───」
果林「ね、ねえ、そういえばなんだけど……」
果林「今日って確か、同好会の裏方の人達と顔合わせがあるのよ、ね?」
部長「あっ、はい、そうです。これから会ってもらいますよ」
部長「時間は……はい、丁度良いかな」
果林「ねえ、そもそも裏方って何の人達なの?」
果林「さっき宮下さんが言ってたんだけど───」
───マジ!? ぅおーっしゃ! 遂に部員4人目だッ!
果林「それって要するに、あなた、上原さんに宮下さん……それで私よね」
果林「どういう事なの? 裏方の人達はスクールアイドル同好会の部員じゃないの?」
部長「……ははは、まあ他に比べれば、かなり特殊な事してますからね」
部長「結論から言えば、彼らの殆どは虹ヶ咲学園の生徒じゃありません」
果林「……なに、それ」
部長「まあ、それも含めて今から説明します」
*
果林(虹ヶ咲学園の生徒じゃない? どういう事?)
果林(え、だって今日は裏方の人達と顔合わせって……あれ、でも虹ヶ咲は関係者以外の私的な立入は厳禁……)
果林(……駄目だ、混乱してきた。状況が全く分からないわ。一体これから何が始まるのかしら)
部長「では果林さん、あそこのカメラの前に立ってくれますか?」→
果林「え?」→
果林「カメラって……え、あの天井の監視カメラみたいなの?」
果林「ここに立てば良いの?」スタスタ
部長「はい……あーもう少し下がって……もうちょい右に……はい、そこで!」
部長「良い感じです! ……よし、起動っと」カチカチ…
そう言って部長がマウスとキーボードを操作して数秒
デスク上に3つあるモニターの内、中央のそれに、デカデカと果林の全身を映した映像が出た
果林「はっ!? な、何それ!? 何で私が映ってるのよ!」
部長「これで大丈夫ですね。では始めます」
果林「ちょ、なに!? 全く大丈夫じゃないわよ! 何なの?! 怖いんだけどこれ! これから何されるの私!?」
部長「お、落ち着いて……単に果林さんの全身映像を見てもらうだけですから」
*
部長「では、これより顔合わせに入ります」カチッカチッ
部長「デスクの一番左のモニターに出しますね。そこに注目で」
果林「え?」
部長は再びマウスを操作し、それまで使用していた楽曲作成用と思しきソフトを畳むと───
今度はモニターに表示されたデスクトップ画面のカメラ型のアイコンをクリック
すると、今度は左側のモニターが唐突に駆動音を上げて勝手に動き始め、果林から見え易いよう首を向けてきた
部長「はい、準備完了です。では紹介します!」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
果林「え、」
果林「……えええ?」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
果林「え、あ───ええと、こち、ら、の、方々、は?」オロオロ
部長「今の時間帯だと、全員を集める事は叶いませんでしたが……同好会の裏方、主に俺が集めた制作チームのメンバーです」
部長「各地から、リモートで参加してくれています」
果林「え、え、あ……」
部長「皆さん、お待たせしました。今回は、お集まり頂きありがとうございます」
部長「こちらが、新しく入部してくれた朝香果林先輩、ライフデザイン科2年生です」
果林「は、えと……よ、よろしくお願いします……?」
" よ ろ し く お 願 い し ま す ! "
果林「ひえっ」ビクビクッ
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
部長「後ほど全員の名前と顔、あと担当と簡単な経歴の書かれた名簿を渡しますので、少し目を通しておいてくださいね」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
部長「果林さん、これから同好会の一員として……一緒に頑張りましょう」
果林「ええ!」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
果林「…………」
果林(とは言ったものの、これプレッシャーが凄いわ……暫くは、この空気に慣れるのが先決かしら)
果林(でも、やるって決めたのは私なんだから! これから気張っていくわよ! 上流の女子になるためにも!!)
果林(……それにしても、何者なのかしら、彼……部長君って)
*
───ある日
会長「じゃあ、本日より新設同好会監査を始めまーす」
会長「本日、監査を務めます、生徒会長の芦原でございます」
菜々「1年の中川です。今日はよろしくお願いします」
部長「はい、よろしくお願いします」
菜々「部長の方は、後ほど聞き取り調査がありますので、私達と来てください」
会長「評価項目は事前に通達した通りなんで、皆さん合格目指して頑張りましょー」
菜々「会長、一応これ大事な仕事なんですからね」
会長「は、はーい」
愛 (会長ってあんなフランクな人だったんだ)
*
───別の日
役員「本日の監査を始めます。各部員の方は活動を開始してください」
菜々「本日もよろしくお願いします。後ほど連絡事項がありますので、部長さんは私達と……」
部長「あ、すいません。実は今日、ソロボーカルの収録があるんで、都内のスタジオに行く予定なんですよ」
菜々「え?」
役員「それは、つまり学園外に出るという事です?」
部長「はい、まさに」
部長「お2人の交通費は出しますんで、よろしければこれから一緒に……」
菜々「え、えええ?」
役員「……まあ、学園外での活動にも可能な限り同行する規則なので、御一緒させてはもらいます」
役員「でも、お気遣いはありがたいですけど、我々の交通費は予算から、という形で」
部長「あ、そうですか?」
菜々(スクールアイドルは金食い虫って本当だったんだなぁ……)
*
───また別の日
歩夢「あ、今日は矢澤君なんだね」
矢澤「まあね。今日は1年生2人で監査する」
菜々「皆さん今日もよろしくお願いします」
菜々(矢澤君、本当にここと仲良かったんだ)
部長「来やがったな生徒会」
矢澤「どんな落ち度も見逃さないから覚悟しろよコラ」
菜々「や、矢澤君……」
矢澤「ごほん、じゃあ早速、活動を始めてクダサイ」
部長「あっはは、お前に敬語とか絶望的に似合わねえ」
矢澤「はい、部長、態度悪し……っと」カキカキ
部長「テメエ」
歩夢「や、やめなよ2人ともぉ……」
菜々(……矢澤君のこういうとこ、何だか新鮮な感じ)
*
───また別の日
菜々「わあ! これ皆さんの衣装ですか!?」
会長「ほほー、かなり本格的な作りだね」
部長「はい。協力者というか、学校内外に何人か、同好会のサポートに回る人員を設けてまして」
菜々「へー……良いなあ、こういうの」
部長「興味があるんですか?」
菜々「え、あ、あはは、少しだけ……」
会長「……え? いま学校内"外"って言った?」
部長「ええ、まあ。中学の頃から目星を付けてた人達を俺がスカウトしまして」
会長「す、スカウトぉ?」
部長「ははは、交渉は当然、かなり難航しましたけどね」
部長「動画投稿者とか知り合いのツテとか回って、やっと築き上げまして」
菜々「へえ……凄いですね。中学の時から進学後の部活の事を考えて……」
会長「大変だったでしょ? そんなの」
部長「ええ、まあ(笑)。いろいろありましたね。報酬の額で言い争いになったりなんて事も───」
会長「え?」
菜々「え?」
部長「ん?」
*
───またまた別の日
菜々「こんにちは! 中川です。同好会の監査に来ました!」
愛「おっ! 生徒会の生徒かい?」
役員「こんにちはー! 生徒会です! ええとえと早速で申し訳無いんですが……」
役員「はい、はい、本日の監査は、ええと部員の皆さんにアンケートを取りますので、ええと今から用紙の方を───」
愛 (スルーされた)
愛 「…………」
愛 「ねー部長、あの眼鏡の子さあ……」
部長「ああ、監査始まって暫く後から、あの人だけ殆ど毎回来てるよな」
愛 「うん。監査専属担当になったとか?」
部長「分からん……」
部長(んーでも、中川菜々さん、か)チラ
菜々「う、上原さん綺麗な字ですね……」
歩夢「え、そうかな?」サラサラ
部長(うん……ちょっと部に欲しい気もする、かも)
愛 「部長? おーい何かスナイパーみたいな目してるよ?」
部長(スカウトの目と呼べ)
*
───そのまた別の日
部長「あの、生徒会長、ちょっと良いですか?」
会長「おん?」
部長「あの……役員の中川さんって人なんですけど」
会長「ナナチがどうかした?」
部長「ななち……あーえっと、ちょっと気になる事があって」
部長「今日は来てないみたいですけど、あの人、何か他の人に比べて監査に来る頻度が高いっていうか」
会長「ん、あー……」
部長「何かあるのかなって話を、部員と何度かしてたんですけど……何かそういう担当なんですか? 中川さんって」
会長「いや? うちの側では、特にそういう担当みたいなの決めてる訳じゃないね。まあ当番制みたいなもの」
会長「でも……そうだなあ。もう言っちゃおっか」
部長「何かあるんです?」
会長「あるよ」
会長「そらもう特大のが」
部長「と、特大」
会長「こないだの話なんだけどね、ナナチ私の所に来てさ」
…………
…………
菜々「あの、会長」
会長「はいはーい?」
菜々「ごめんなさい、ちょっと要望があって……」
会長「要望?」
菜々「はい……実は」
…………
…………
会長「“スクールアイドル同好会の監査に自分を積極的に参加させてほしい”」
部長「……」
会長「どんな意図かは推して知るべしだよね。大方、そちらの活動に興味が湧いたんじゃないの?」
部長「そんな事が」
会長「うん」
*
会長「ナナチ、うちじゃ優秀な役員でさ。最近じゃ見ないくらい真面目な子で、仕事と勉強以外は何してんのかサッパリな子なんよ」
会長「だから割と驚いたよ。もしかしてアイドルとかやりたいのかな、なんて考えちゃったりして」
部長「なるほど……」
会長「おっ? 急に目付き変わったよ部長さんてば」
部長「はっ……そ、そうですか?」
会長「うん、ゴルゴ13みたい」
部長「……」
会長「ははっ」
会長「まあ、もしナナチがそうなって……君も歓迎するって言うなら、私は特に止める気は無いよ」
会長「そっちとこっちを兼任するか、生徒会を辞めちゃうか。私としちゃ当然、前者が良いに決まってるけど……ナナチのやりたいようにするのが一番だからね」
部長「……はい。もし、そうなったら、我々も部員として迎えるつもりです」
会長「スカウトしても良いけど?」
部長「ははは……現役の生徒会役員をスカウトはちょっと」
会長「あの朝香果林を女子寮前で口説いたくせに?」
部長「何で知ってるんですか!?」
部長「あと別に口説いてない!」
*
-スクールアイドル同好会 部室-
愛 「うーん」
愛 「……来ない」
部長「誰が?」
愛 「璃奈が」
部長「いや誰だよ」
愛 「中等部の子」
部長「ん……? 中等部って」
部長「もしかして、こないだニャンコが逃げ出した時に会ったっていう……」
愛 「その節は大変お騒がせ致しまして」
部長「いや良いけど……」
部長「何でその、リナ? がココに来る訳なん」
愛 「個人的に仲良くしたくってさー。別れ間際、遊びにおいでって誘ったの」
部長「俺に断りも無くかよ……」
愛 「あっ、ごみん」
部長「いいよ。もう慣れたわ、お前のそういうトコ」
歩夢「あっは、その台詞ちょっと前に歩夢からも言われたー」
*
部長「もしかして最近よく昼に顔出してたの、その子待ち?」
愛 「そのとーり」
愛 「この通り、バッチリお菓子まで用意してね」ゴトリ
部長「うおっ」
部長「だ、駄菓子用プラボトル(※)……よくそんなの持ってたな」
※よく駄菓子屋で見る角型で赤い丸蓋のやつ
愛 「うちの物置には昭和の思い出が詰まってるからね。何でも有るよ」
部長「じゃあオート三輪ある?」
愛 「はっは、今度見に来ていいよ」
部長「マジで!? あんの!?」
愛 「無いね」
部長「何だよ! 一瞬でも期待して損したわ!」ダンッ!
愛 「アンタとオート三輪に何の因縁があるのさ一体……」
*
部長「んで? その子は何で宮下の毒牙に掛かった訳?」
愛 「人聞きの悪いこと抜かすんじゃねーやい。愛さん虫歯ゼロ無毒だよ」
愛 「ちなみに今度、親知らずを抜きに行きます」
部長「いらねえわ、そんな情報」
愛 「あははっ」
愛 「今日来なかったら、明日アタシから行こっと」
部長「あんま変な事はすんなよ?」
愛 「へいへい」
部長「振りじゃねえからな、マジでやめろよ」
愛 「ぬふふ」
部長「オイ!」
愛 「なははは」
*
愛 「所でさ、アンタ憶えてる? 中3の頃に参加した芸術コンクール」
部長「は? ……ああ、あれ」
愛 (露骨に声低くなってやんの)
部長「新世代の表現展な。それがどうしたんだよ」
愛 「その時のさ……憶えてない? 金銀独占した天才中学生」
愛 「虹ヶ咲の中等部の」
部長「───」
部長「──────!」
部長「は、おい、リナってまさか……天王寺璃奈」
愛 「はははっ、やっぱアンタは憶えてるか♪ あん時のアンタ、歩夢も引くレベルで不機嫌だったよね」
部長「マジかよ……」
*
女子A「一昨日なんだけどさぁ、街で見たんだよね……」
女子B「は? 何を」
女子A「坂下を……」
女子B「うげっ」
女子B「ちょっと……嫌なもの思い出させないでよ」
女子A「ごめん。でも友達には言っとくべきだと思って」
女子B「まあ、ね。え、どこで」
女子A「新宿だよ新宿。ちょっと寄る所あって、駅の南改札から暫く歩いてたら、横断歩道の向こう側にいた」
女子B「うわぁー……マジか」
女子A「もう速攻で離れたよ。虹ヶ咲の制服着て顔突き合わせたら、何があるか分からないもん」
女子B「だよねぇ……あたしらのこと憶えてんのかな、そもそも」
女子A「いようがいまいがでしょ、この際。あの馬鹿女、例え大勢が見てようが構わずなタイプだし」
女子B「うちも気をつけよ……」
女子B「でも、このこと天王寺さんには───」
ガラリ
璃奈「……」
*
男子A「おう天王寺、おはよー」
男子B「おはよーっす」
璃奈「……おはよう」
女子A「……」
女子B「……」
女子A「どうする?」ヒソヒソ
女子B「やめときなって、何かあったらうちらまで巻き添え喰う羽目になるかも」ヒソヒソ
女子B「忘れたの? 中等部の頃」ヒソヒソ
女子A「……」
女子A「そう、だよね」
*
-虹ヶ咲学園 中等部校舎-
───昼休み
愛 「りーなーっ♪」
璃奈「は? うえっ……このまえの」
愛 「(大体)1週間ぶりだねぇ! あの動画見てくれた? 会いたかったよ璃奈ー!」バッ
璃奈「…………」ヒョイッ
愛 「ありゃっ?」スカッ
璃奈「いきなり出て何なんですか……やめてくれます、教室でそんな」
ざわ… ざわ…
ざわ…… ざわ……
愛 「あ、ごめん」
愛 「でも、だーって璃奈ってばゼーンゼン遊び来てくんないじゃーん」
愛 「せーっかく、お菓子とかも用意してんのにさー……」
璃奈「遊びにって……ああ……言ってましたね、そんなこと」
愛 「何だよぅ忘れてたのー? ひどいよ璃奈ー……」
璃奈「ひどいと言われても」
璃奈(憶えてたとして、好き好んで高等部に乗り込む勇気は無いよ)
*
愛 「そーゆーわけでぇ、なかなか来ない璃奈に待ちくたびれてー」
愛 「いっそアタシから行っちゃえ! みたいなね?」
璃奈「…………」イラッ
璃奈「そうですか」
璃奈「では、お引き取りください」プイ
愛 「そー言わずにぃ」
愛 「ちょっとで良いからおいでよん、部室。お話しよ? 何なら今日、放課後にでも」
璃奈「いや普通に嫌ですよ高等部に行くとか」
璃奈「移動教室で行くのも気が引けるのに」
愛 「あえー……別に取って喰われたりする事なんかないのに。皆フレンドリーだよ?」
璃奈「尚更イヤです」
愛 「ぬぐぐ……何とか連れ込む手は無いか……」
璃奈「あんまり変なことしたら教務科に報告しますからね」
愛 「そ、それは勘弁……」
*
璃奈「…………」
璃奈「そもそもの話、どうしてわたしなんですか」
愛 「ん? どうして? ……って何?」
璃奈「いや、何でわたしにそんな……何て言うか、食い下がるというか、時間を割くというか」
愛 「……んー?」
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
璃奈「つまり、先輩なら友達くらい掃いて捨てるくらい作れるでしょ、どうせ。何でわざわざ、わたしになんか……」
愛 「…………」
璃奈「先輩?」
愛 「なるほどねー。璃奈は、そういう考えの子なんだね」
璃奈「は?」
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
愛 「アタシ、友達を掃いて捨てられるほど、器用じゃないよ」
愛 「アタシは、本当に璃奈と───」
───キーン↑コーン↓カーン↑コーン↓
璃奈「……行っても良いです?」
愛 「ごめん……」
璃奈「…………」プイ
璃奈「…………」スタスタ
───
───なにそれ
*
部長「中川さんのソロ曲も好評、活動は概ね順調な所です。予定通り冬の新作MVを撮ります」
部長「メインボーカルはエマ先輩、それと……中川さん」
彼方「おー遂にかあ」
果林「まあ、順当な話ね」
エマ「わたし歌うするですか?」
菜々「……わたしが、ですか」
部長「概要は配布資料に書いてありますね。今回は都内のメイドカフェで撮影、同店の宣伝も兼ねた内容です」
歩夢「メイドカフェ?」
愛 「菜々の働いてる所ね。実はアタシ、あの店と懇意にしててさ、電話掛けたら、二つ返事でOK貰えちゃった」
彼方(ほっ……前回は沖縄で今回は北海道に行くとか言われなくてよかった)
果林「って事は……もしかして私らメイド服とか着る……?」
部長「勿論ですよ。曲はジャズ調の落ち着いた感じですし、良い感じになると思います」
果林「ひええ……ある意味、水着よりハードル高いかもしれない……」
彼方「別に良いじゃーん、肌色面積は格段と小さいよー」
果林「アンタは呑気に構えられて良いわよね……」
歩夢「メイド服かあ、ちょっと楽しみかも」
*
部長「曲はこれ。手直しはこれからやって、今日中には完成させます」つCD
部長「練習始めに聴くのはこれだけど、改めて全員分の完成版CDを渡すので、自宅とか寮で聴き込むようにしてください」
部長「それで、メインの2人には、明日から収録に入ってもらいます。今晩は刺激物を控えて、喉のケアは怠らないように」
エマ「はいぃ……」
菜々「分かりました……」
エマ「なかなかプレッシャー強く感じるですねぇ」
果林「大丈夫でしょ、アンタ見るからに歌上手そうだし」
彼方「ヨーデルとか上手そうだもんねぇ」
エマ「それ偏見です……」
菜々「…………」
歩夢「菜々ちゃん?」
菜々「! えっ、はい?」
歩夢「何かボーッとしてるけど、大丈夫?」
菜々「あっ……いえ、大丈夫です。ただ、遂にわたしもアイドルするんだなって……」
歩夢「あはは、ちょっと緊張しちゃうよね。でも大丈夫だよ、わたし達もサポートするから」
菜々「……ありがとうございます、初めてのMV、精一杯がんばります」
愛 「はっは、期待してるよー菜々」
*
彼方「優しいねー、ぽむちゃんは。彼方ちゃんにも、ちょっとくらいその優しさ分けてほしいにゃー」トゲトゲ
歩夢「あはは。あ、先輩なにか言いました?」トゲトゲ
果林「やめなさい彼方……」アキレ
愛 「2人は相変わらずだね」
愛 「でも可愛い渾名だよね、ぽむちゃん。むーたんよりずっと良いよ」
歩夢「愛ちゃん」
エマ「むーたん?」
愛 「歩夢の中学の時の」
歩夢「愛ちゃん!」ゴスッ
愛 「あだっ!?」
彼方「にゃっはははは! むーたんだって!ムーミンみたい!」バンバン
果林「むーたん……」
菜々「むーたん……」
歩夢「愛ちゃん、後でお話ね」
愛 「い、痛い……」ヒリヒリ
エマ「むーたん、可愛いですね!」
歩夢「やめてください」
部長「ごほっ……じゃあ、これより練習開始。俺は裏方と話し合いしてくる。それじゃ」ソソクサ
歩夢「あなた、こっそり笑ってたの気付いてるからね? 後で愛ちゃんと一緒にお話ね」
部長「ひえっ」
*
-虹ヶ咲S.I.D. OFFICIAL-
→Members
※データは全て20XX年9月時点のものです
・Ayumu(1年生)
身長:157cm
入部:20XX年4月21日
同好会創設からの初期メンバー! アタシの中学時代からの大親友! 心の友よ!
言わなくても分かる! 可愛くて優しく料理も上手い!
しかも家事も完璧よくばりセット! 一家に1人は欲しいよね!
……でも実は怒るとすっごい怖いんだよね
~主な出演~
・Gypsytronic(同好会初MVにてW主演)
・最後の向日葵ーDaydream Sunー(ソロボーカル)
・LAZY LOVE&DRIVE DREAM(デュオボーカル)
・AI(1年生)
身長:160cm
入部:20XX年4月21日
同好会創設からの初期メンバー! アタシことAIさんだぞ! 人工知能じゃないぞ!
Ayumuとは中学時代からの仲良し同士!
誰とでも仲良く出来るのは自慢! ……なんだけど、メンタルはそんな強くない……
よく強そうとか怖いとか言われるけど誤解です……優しくしてください、お願いします……
髪とか染めてるのは趣味で、他は至って普通! ギャルそんな怖くないよ! ホントだよ!
こっち来て一緒にスクールアイドル楽しもうぜ!
~主な出演~
・Gypsytronic(同好会初MVにて主演)
・Nexus Tonight(ソロボーカル)
・LAZY LOVE&DRIVE DREAM(デュオボーカル)
・KARIN(2年生)
身長:166cm
入部:20XX年5月15日
部長が直々スカウト! 同好会3番目のアイドル! 副部長も務めて、頼れるお姉さんとして奮闘中!
とにかくね、スタイルが良い! なに食べたらああなれるんだろう、アタシちょっと羨ましい……
でも割と子どもっぽい所もあるよ! この前KANATA先輩にハンバーガーのピクルス奪われてガチ切れしてた笑
ここだけの話、すっげー負けず嫌いで、ピンチになるとすぐ熱くなるんだよね。人は見掛けによらないなーホント
……ついでに超ここだけの話、左胸にあるオリオン座の三つ星みたいなホクロ。まあセクシーなんだなこれが。ぬふふ
~主な出演~
・Obelisque(ソロボーカル)
・SHINY☆SUMMER☆HALO(MV主演&メインボーカル)
・KANATA(2年生)
身長:158cm
入部:20XX年6月18日(仮入部)
→→→20XX年9月1日(正式入部)
8月半ばまでの契約で入部してたけど…… この度! 紆余曲折を経て遂に正規メンバーに!
皆、こないだの沖縄MVは見てくれたかな? KARIN先輩との熱烈な愛を感じるデュオボーカルは必見! まだの人は見てね!
いつもは眠そうにしてるけど、内に秘めた熱いハート!……それと欲望に忠実なとこ、まさにKARIN先輩の親友って感じする
2人は喧嘩がデフォみたいな所あるけど、本当はお互いのこと大好きなの、よーく伝わってくるよ! これからも仲良くね!
Ayumuとも、もう少し仲良くしてくれるとありがたいんだけどなぁ……
~主な出演~
・SHINY☆SUMMER☆HALO(MV主演&メインボーカル)
・とどけボクらのメモリアル(ソロボーカル収録予定)
・EMMA(2年生/NEW!!)
身長:165cm
入部:20XX年8月29日
今年の夏休み末に入部したばかりの新入部員! スイスから留学してきたおっとり系の先輩!
まだ日本語に少しだけ不安があるみたいだけど、アタシには今のままでも充分に尊敬出来る人だよ!
何か故郷に7人くらい兄弟がいるらしいよ……スゴイ賑やかで楽しそうだなあ
~主な出演~
・(近日新作MVでメイドとして主演予定!)←なにこれ?
*
-虹ヶ咲学園 スクールアイドル同好会 部室-
ガラッ
部長「お疲れー」
愛 「おう! お疲れさーん」
璃奈「あ……」
部長「……! お客さん?」
愛 「そうだよー、アタシのね」
璃奈「はじめまして……」
愛 「前に話したっしょ? この子が璃奈だよ」
部長「!」ピクッ
璃奈「中等部3年……天王寺璃奈、です」
部長「……ああ、例の。よろしく」ムスッ
愛 「顔」
部長「……」キリッ
璃奈「?」
愛 「(言っとくけど、あんま璃奈の前で不機嫌な態度したら許さんよ?)」ヒソヒソ
部長「(……分かってるよ)」ヒソヒソ
愛 「(よろしい)」
*
璃奈「あの……わたし何か」
愛 「何でもないよ。ちょっとコイツ、璃奈を同好会にスカウトする気があるみたいでさ」
璃奈「え?」
部長「おい」
愛 (合わせろ)
部長「…………」
愛 「なんだよね?」
部長「あ、ああ。ちょっと興味がある。良ければ仮入部だけでも」ヒキツリ
璃奈「あーえっと……も、申し訳ないんですけど、そういうのはちょっと……」
愛 「だよねー♪ ま、そういう事だから、残念だけど諦めようぜ」
部長「そ、そうか……気が変わったらいつでも」ピキピキ
璃奈「はあ……」
愛 「ぐひひ」ニヤニヤ
部長(後で殴る)
璃奈(何か圧を感じるんだけど)
愛 「ん。璃奈、大丈夫? こいつ怖いの?」
璃奈「あ、いえ……そんな事は」
愛 「大丈夫だよ。こいつ実は、幼稚園より前からのコレ(小指)がいてね……」ニヤニヤ
部長「おい!?」
愛 「女に乱暴な事したりとかは無縁の奴だから。ね?」
部長「やめろ馬鹿! 黙れ!」
愛 「へへっ、今更なに恥ずかしがってんの。別に隠してる訳でもないっしょ?」
部長「積極的に言い触らす事でもねえよ! あとオマエがそれ言う時は大抵、俺を馬鹿にする時だろ!」」
愛 「失礼な奴だなー。大正解だけど」
部長「テメエ!」
璃奈(うるさいんだけど……)
*
……………………
……………………
愛 「乙女の頭を殴るとは……」ヒリヒリ
部長「自分で乙女とか言うな」
部長「……まあ良いよ。天王寺さん、だよね。そいつ馬鹿だけど、出来れば仲良くしてやって」
璃奈「はあ……」
愛 「ちょい、馬鹿とは何だヘイ。アタシこれでも普通科特進の……」
部長「な、そうだろ天王寺さん。こいつ馬鹿だろ?」
璃奈「ですね」
愛 「あれぇ? 何でそこだけハッキリ返事すん?」
部長「ほらな。よく歩夢からも言われてるだろうが」
愛 「ぐぬ……」
璃奈(歩夢……ああ、あの時の清楚系ギャルの人)
璃奈(そっか。あの人が多分、この部長先輩の……)
愛 「馬鹿じゃねえもん、栄光のインテリギャルだもん」
部長「頭良くても言動が伴わなきゃハリボテよ。敢えて言おう。馬鹿であると」
璃奈「!」ピクッ
愛 「にゃんだとこのー」
*
璃奈「……」スッ
愛 「あえ?」
璃奈「……」ジーッ
愛 「り、璃奈? どったん?」
璃奈「……」ジーッ
部長「な、なに」
璃奈「ふふっ」
部長「は?」
璃奈「───気に入ったぞ小僧。それだけハッキリものを言うとはな」
部長「ッ!?」
愛 「 ? 」
璃奈「分かるかな?」ニヤッ
部長「……なるほど」ニヤッ
愛 「え? ……り、え? 璃奈? は?」
璃奈「試してみる?」
部長「……望むところ」
愛 「え……なに? 何なの?」
*
部長「……」クイッ
璃奈「……」コクリ
璃奈「アクエリオンゲパルト、3話、技」
部長「土下座」
璃奈「! ……ふふ、簡単過ぎた?」
部長「もっと難しい方が面白い」
愛 「え……え?」
部長「ローズ、レッド、マゼンタ、ホワイト、ブラック、シルバー。ゼロから順に」
部長「サービスでもう1回。ローズ、レッド、マゼンタ、ホワイト、ブラック、シルバー」
璃奈「ホワイト、ローズ、レッド、ブラック、シルバー、マゼンタ」
部長「……正解。即答かよ……」
璃奈「当然」
璃奈「まだまだこれからだよ」
愛 「ふ、2人とも?」
*
璃奈「じゃあ私も順番問題にしよっかな」
璃奈「レックス、シャゴホッド、エクセルサス、サヘラントロプス、レイ、ピースウォーカー、TX-55」
部長「メタル……ギア!」
璃奈「今度は新しい順に!」
部長「余裕! エクセルサス、レイ、レックス、TX-55、サヘラントロプス、ピースウォーカー、シャゴホッド!」
璃奈「良いセンスだ!」
部長「次は実写映画から! エルボーロケット、日本語訳版では?」
璃奈「ロケットパンチ!」
部長「やるな! ……ちなみにどっち派?」
璃奈「あそこはエルボーロケットの方で良かったと思ってる」
部長「実は俺も」
愛 「??????????????????」
*
璃奈「じゃあゾイドはどう? アニメ第2作、ライガーゼロシュナイダーが最後に使った技は?」
部長「セブンブレェェドアタァァック!!」
愛 「!?」ビクッ
璃奈「倒したゾイドは?」
部長「みんな大好きブレードライガー!」
璃奈「おみごと」
部長「あれホント燃えるわ……」
部長「じゃあ次! またまた実写映画! 第1作目、頭文字Bのディセプティコンは!」
璃奈「えーとブラックアウトにバリケード、ボーンクラッシャーとブロウル」
部長「バリケード、ビークルモードに書かれてる一文は!」
璃奈「“To punish and enslave”」←ネイティブ発音
部長「何てこった……割と自信あったのに」
璃奈「よゆーよゆー」
愛 「…………」ポカーン
璃奈「じゃあ、次は自己紹介も兼ねて」
部長「……来い!」
*
璃奈「ひっそりと好きな作品、同条件で機体は?」
部長「作品、ゼーガペイン。機体はアレクサンダ」
部長「そっちは?」
璃奈「作品はスタードライバー。機体はTV版零号機」
璃奈「その瞬間であった(唐突)」
部長「イデの発動が起こったのは(唐突)」
璃奈「流石に知ってない訳ないよね」
部長「無論」
璃奈「でも、このくらい手加減してくれても良いんじゃない? 歳下相手に全力は大人げないよ?」
部長「……悪いが、俺は大人じゃなくて……男なんだよ」
璃奈「!」
部長「合ってる?」
璃奈「一言だけ、一言だけ言わせてください」
部長「んん?」
璃奈「大正解」
部長「! ふふ……。そういや、君ってエウレカとかクール系のキャラ好きそうだよね」
璃奈「そう考えた根拠は?」
部長「囁くのさ……俺のゴーストが」
部長「…………」
璃奈「…………」
部長「へへ、やるじゃん」ニヤ
璃奈「先輩も、かなりやるね」ニヤ
愛 「あ、あれー……? もしかして愛さん置いてけぼり?」ポツーン
*
-虹ヶ咲学園 スクールアイドル同好会部室-
果林(166cm)「聞いて聞いて彼方! 聞いて!!」
彼方「聞いてる聞いてる……」ポリポリ
果林「じゃあそのポン菓子置いて!」パシッ
彼方「ああー」
果林「何と! 終わったのよ遂に!」
彼方「果林ちゃんの人生が?」
果林「何でよ! 夏休みの課題がよ!」
彼方「そう……頑張ったねぇ」
彼方「ポン菓子うまうま……」ポリポリ
果林「 も っ と 反 応 し て よ ! 」
彼方「うるっさ……」
*
部長「どうしたんです? そんな大きな声で……」
彼方「あ、部長さん。……なーんかねー、果林ちゃんが夏休みの課題が終わったんだって」ポリポリ
果林「そうなのよ!」
部長「課題? へ、へえ。それはお疲れさまです」
果林「うん!!」
部長「…………」
彼方「…………」ポリポリ
果林「…………」
部長「あ、彼方先輩、それ俺にも……」
彼方「やんエッチ。ちょっとだけよ」
果林「 も っ と 反 応 し て よ ! ! 」
彼方「あーも! うっせーな!」
部長(美味いなこれ……)ポリポリ
*
彼方「何なんだよお前! 単に課題が終わっただけだろがい!」
彼方「そんなん普通にしてりゃ、いつか迎える結末だろ! 嗚呼よござんす! それで終わりだろ! 何がそんな嬉しいんだよ!」←全ギレ
部長「か、彼方先輩……落ち着いて」
彼方「大体それ、かなり手伝ったじゃん彼方ちゃん!」
部長「えっ」
果林「嬉しいに決まってんでしょ!」バンッ!
部長「うわっ」
果林「思い出してみなさいよ! 先々週の土曜日!」※9日前
彼方「は?」
部長「え?」
…………
…………
果林「もー!! 絶対1週間で終わらせてやるわ!!」(>>レス番)
…………
…………
*
果林「いま、何月何日?」
部長「8月3日ですね」
彼方「1週間過ぎてるじゃんか」
果林「うるひゃい」
果林「ね、凄いと思わない? 思うでしょ!? 思いなさいよ!!」
彼方「…………」
部長「…………」
果林「こんな短期間で夏休みの課題を抹消したの、生まれて初めてよ! 嬉しくない筈ないでしょ!」
果林「今朝からテンション上がりっぱよ! ランナーズハイよ!」
部長「は、はあ……」←8月入る前に終わらせた奴
彼方「泣き付いてきた時のこと暴露してやろうか……」
*
果林「ふふふ……で、彼方、アンタ課題終わってる訳?」
彼方「誰かさんの手伝ってたおかげで、あと1個だけ半分くらい残ってる」
果林「そう。……つまり、私の勝ち」
彼方「うわぁ果林ちゃん……」←ドン引き
部長「……果林さん、それはちょっと」←苦笑い
果林「なによ! どんな形であれ、私は彼方に勝ったのよ!」
果林「いつか成績も抜くまでの大きな一歩! 素直に喜ばず何とするっての!」
彼方「何か、最近の果林ちゃん、本格的に形振り構わなくなってきたねぇ……」
部長「ま、まあ……勝利に貪欲なのは良い事ですよ。うん、きっと……」
彼方「先輩だからって無理に肯定せんで良いんだよ君」
部長(どうして果林さんって彼方先輩に張り合うんだろう、そういえば)
*
部長「まあ、どうあれ課題が終わってるのは、かなり好都合ではあります」
部長「何かバタバタして言えませんでしたけど、実は2人に連絡がありまして」
彼方「ほら果林ちゃんのせいで迷惑してるよ部長さん」
果林「…………何よ」
彼方「急に拗ねてんじゃねーやい」
部長「まあまあ」
部長「それで、急な話ですが、明明後日から遂にMV撮影に入ります」
彼方「ん、あー……前から言ってたやつねー」
部長「はい。予定通り、彼方先輩と果林さんメインボーカルで行きますので、今日2人はレコーディング室に行って収録です」
部長「順調に行けば、収録自体は今日と明日で終わると思います」
*
彼方「へー……言っちゃアレだけど、彼方ちゃん、もうすぐ居なくなるのに、よく主役にする気になったねー」
部長「だからこそです。素晴らしい人材は、記録として残しておきたいのが作り手側の性ってもんですから」
部長「俺としちゃ勿論、このまま正式に入部してほしいですけどね。……本当ですよ」
彼方「…………」
彼方「いくら言ったってポン菓子しか出ないからね」
部長「あ、ありがとうございます……」ポリポリ
果林(彼方が照れてる)
果林(あの時の事も考えると、やっぱり正面から素直に褒められると弱いのね)ポリポリ
彼方「オメーは食うな」
果林「何でよ」
部長「ま、まあまあ……それで肝心の連絡なんですが」
*
部長「MV撮影開始は明明後日の明朝から。学園のシーンから始まります」
彼方「うんうん」
部長「学園での撮影はこの日だけ。尺自体は短いので、順当に進めば、すぐにでも終わると思います」
部長「その翌日、あーつまり今日から4日後ですね。そこからは学園外での撮影に入ります」
果林「へえ……なかなか本格的な事するのね? 校外でなんて」
彼方「まあ、あのジプシーみたいなのも、かなり凄かったしねー。今回もきっと……」
部長「つきましては、4日後の早朝の便のチケットを用意してますから……」
彼方「?」
果林「?」
部長「かなり詰め込んだスケジュールですけど、7日の6時前には羽田の第1旅客ターミナルに集合……」
彼方「は?」
果林「は?」
*
部長「そのまま那覇空港まで直行しますので、準備の方をお願いしますね。滞在日数は長くて5日間ほどになります」
彼方「は?」
果林「は?」
部長「当たり前ですけど、その間はみっちり撮影です。自由時間も取りますけど、本格的な観光は……諦めてもらえると」
部長「で、私服の持ち込みも推奨ですが、下着を除く簡易的な普段着とタオル類、あと衛生用品を幾つか支給する予定なので───」
部長「荷物は、旅行ほど詰め込まないで良いと思います。必要なのは主に……」
果林「は?」
彼方「は?」
部長「ん?」
部長「あ、一応……全員の予定を考慮したつもりでしたけど……何か別に予定が入ってたり」
果林「…………」
彼方「…………」
部長「え?」
*
───4日後
果林「え?」
彼方「え?」
*
-大田区 羽田空港-
愛 「久しぶりの飛行機だあー」
歩夢「中2の時の修学旅行以来だね」
部長「よし、今から搭乗券を配るから、無くさないようにしてくれよ」
部長「はい、歩夢の分に……宮下の分」スッ
歩夢「ありがと」
愛 「センキュー……え、何かファーストクラスって書かれてるんだけど」
部長「サービスだよサービス」
部長「はい、果林さんと……彼方先輩の分も」スッ
果林「え?」
彼方「え?」
*
成田空港→→→那覇空港
果林「え?」
彼方「え?」
*背中さんパロディ
-千代田区 秋葉原-
矢澤「ん」
菜々「あ」
矢澤「…………」
菜々「……お、お久しぶりです」
矢澤「うん、久しぶり」
菜々(何でここにいんのーッッ!)
矢澤(とか思ってんだろうな……)
矢澤「いや、そもそも実家が近くだし」
菜々「まだ何も言ってないですけど……」
矢澤「あっ」
矢澤「……まあ気にしないで」
*
矢澤「……確か1年の時以来、だよな。顔突き合わせるのは」
菜々「で、ですね……査察の時は話せませんでしたし……」
菜々(あまりにも気まずくて)
菜々「や、矢澤君は何をして……」
矢澤「いや、これから遊びに行くんで、ちょっと人を待ってる」
矢澤「ん、だけど……ちょっと早く来過ぎて、いま手持ち無沙汰。柄にも無く楽しみで、気が早っちゃってさ」
矢澤「まあ、そうじゃなくても地元だしね、ここ。よく通るよ」
菜々「さっきも行ってましたね。千代田区に住んでたんですね矢澤君」
矢澤「そうそう。……中川は?」
菜々「ひょえッ?!」
矢澤「中川はここ住みじゃないでしょ、多分」
*
矢澤「確か……バイトしてるんだっけ、いま。職場この辺りなの?」
菜々「は、はあ、確かにバイト先は秋葉原ですけど」
矢澤「あれ、バイトじゃない? じゃあ買い物か何か?」
菜々「あ、は、はい。そんな感じで」
菜々(何かグイグイ来るよぉ……)
菜々(でも、本当の事は言えない。コスプレ衣装の材料調達なんて……)
矢澤「…………」
矢澤「ああ、もしかして……コスプレの道具とか衣装とか買いに来てたり?」
菜々「──────」
菜々「ンばッ!!?」ンバッッ
矢澤「正解か」
*
菜々「あ、がっ、あがっが」
矢澤「大丈夫?」
菜々「み、みみ、みて、やっぱり見てて、た」
矢澤「勝手に見たのは悪かったとは思ってる」
菜々「んなぁぁぁぁ!!」
矢澤「ご、ごめん悪かったよマジで、まさか映ってるのがアレとは思わなかったんだ」
菜々「そうでしょうねぇ!」
矢澤「ちなみにあれ何のコスプレだったの?」
菜々「プリキュアですよぅ!!」
矢澤「やっぱそうだったか、姪もよく見てるよ」
菜々「ぬぅぅぅ……恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい……」バタバタバタ
矢澤「当然だけど、別に誰かに言い触らしたりはしてないからな」
菜々「そうですかぁ……ありがとうぅ」シクシク
菜々(結局あの後でバレちゃったんだけどね、同好会に。思えば全部そこから始まって……)
*
菜々「ま、まあ……もう良いですよ。流石に時効ですし」
菜々「そもそも、生徒会室であんなの見てる方が悪いんですから」
矢澤「あんなのとか言うなよ。結構クオリティ高かったじゃん」
菜々「そんなジックリ見てたんですかぁ……?」
矢澤「割と」
菜々「うう……」
矢澤「ごめんごめん」
矢澤「…………」
矢澤「えーと、その、今更だけど、元気してた?」
菜々「え?」
矢澤「まあ……なんていうか、久しぶりに話した訳だし、その」
矢澤「中川がこれまで、どうしてたかとか、いろいろ聞きたくてさ」
*
菜々「元……気……あまり精神的には。体は健康そのものですけど」
菜々「あはは、心配してくれてありがとうございます。わたしは普通に元気ですよ」
矢澤「……そうか。それは良かった、半分くらい」
菜々「あ、あはは……そういう矢澤君は」
矢澤「俺は今んとこ万年皆勤賞。健康体そのものだよ」
矢澤「そろそろ会長の任期も終わるし、受験に向けて万全って感じだ」
菜々「そ、そうなんですねー」
矢澤「…………」
菜々「…………」
菜々(会話が終わってもうた)
矢澤(とか思ってんだろうな)
*
菜々(うう……何だろう、急に緊張してきた。久しぶりに会った人と話すって意識すると、何だか……とても)
菜々「…………」チラッ
矢澤「?」ジッ
菜々(ひええ、顔が良いよぉ)
菜々「あー、えと」
菜々「や、矢澤くん、は……千代田区が地元だったんですね!」
矢澤「……? いや、さっきそうだって言ったけど」
菜々「ひぎぃ」
矢澤「あのさ、中川」
菜々「いやいや! 違うッくて! そーではなくて!」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
中川「えーっと、つまりですねっ!」
矢澤「中川……」
中川「うひゃっ」
矢澤「中川、落ち着いて」
菜々「は、ハイッ!? 落ち着いてますけどっ!」
矢澤(ちょっと面白いが)
矢澤「気持ちは解るよ。あんな事あって、何を話せば良いか足踏みしちゃうんでしょ」
矢澤「でも、気まずいとか、そういうの気にしないで良い」
菜々「えっ」
矢澤「暫く会話しなければ、ズレるんだよ。そういう人間関係の歯車みたいなの」
矢澤「久しぶりに会えば、お互い変わってる。昔のノリも通じない。それで当たり前なんだ」
菜々「歯車……」
矢澤「また噛み合うまで時間は掛かるけど、俺は分かってるから」
矢澤「何も気にせず、中川は中川なりに話してよ。俺も努力はする」
菜々「…………」
菜々「ありがとうございます、矢澤君。助かりました」
菜々「じゃあ、まず……どうしても言いたかった事から」
矢澤「……どうぞ」
*
菜々「───」スーゥ
菜々「あの!!」
矢澤「うお!?」ビクゥ
菜々「今まで! 逃げ回ってごめんなさい!!」
矢澤「お、おう……?!」
菜々「勝手に生徒会辞めて、御迷惑お掛けして……!」
矢澤「──────」
菜々「本当に……! ……申し訳ありませんでした……」
菜々「本当はすぐ謝るべきだったのに……怖くて、今の今まで逃げて……」
菜々「これだけは、今どうしても、言いたくて……矢澤君に、謝りたくて」
矢澤「……」
矢澤「ん、許すよ。だから、もうそんな畏まらないでよ」
菜々「──────!」
*
矢澤「俺は特に気にしてない。そりゃ急に居なくなって驚きはしたし……心配、もしたけど、元気そうだったし」
矢澤「こうして謝ってもくれたんだし、この話は終わりでいいでしょ、もう」
菜々「…………」
菜々「あ、りがとうございます」
矢澤「はいはい。これで解決な」
菜々「あの時は、本当に御世話になりました……」
矢澤「御世話って……それはまあ、お互い様でしょ」
矢澤「俺も、仕事の早い中川にはいろいろ学ばされてた。あん時はありがと」
菜々「そんなこと……」
*
────
───
──
菜々「そっか……あれから、もう私達3年生になっちゃったんですね……」
矢澤「だね。ほぼほぼ2年経つか」
矢澤「もう……そろそろ制服着る事も無くなるんだな。高ぇのに、虹ヶ咲の制服」
菜々「あはは……私の持ってる服では、一番高価な服ですよ」
矢澤「俺も俺も。初めて値段聞いた時は跳び上がりそうになったっけ」
矢澤「新品だったスクールタブ(※)も、もう傷だらけだしね」
※虹ヶ咲学園に入学した生徒に支給されているらしいタブレット端末
一応、設定にもあるが、使い回しなのか卒業したら廃棄されるのかは知らぬ
菜々「あれ、初めて傷付いた時がショックなんですよね」
矢澤「分かる分かる。"……あっ"ってなるよな」
菜々「そうです! 一瞬、頭が理解を拒むんですよね」
菜々「……いろんな事が変わっていきますよね……短いようで、2年もあると」
矢澤「まあね……あの後、いろんな事あったよ」
矢澤「生徒会室に1年は俺1人、同級の役員は滅多に来ない……」
*
矢澤「後輩が入った途端、ダンス部はあんな事になってさぁ」
菜々「……去年の4月の終わり頃、でしたね」
矢澤「そう、虹ヶ咲始まって以来の大不祥事。幸い世間の反応は柔らかい方だったけど」
矢澤「新入りの役員にも、入ったばっかで無理させて……先輩の身としちゃ申し訳なかった」
矢澤「会長になってからも、俺の方が教わってばかりだったな……」
菜々「……本当に、すみませんでした。私のわがままで勝手に抜けてしまって」
矢澤「ああ、そんなつもりで言ったんじゃない。詳しい事情は知らないけど、かなり揉めたんでしょ」
矢澤「あの時、ほっぺたに絆創膏貼って来たの、しっかり見てたからな」
菜々「あ……」
矢澤「……今でも、話せないか?」
菜々「──────」
菜々「ごめんなさい、少し……」
矢澤「そっか……いや、別に良いよ」
*
菜々「でも……よく憶えてますね。そんな絆創膏の事なんて」
矢澤「当たり前。役員仲間以上に友達だと思ってたから余計にね。まあ今でもだけど」
菜々「え?」
矢澤「少なくとも俺は、中川のこと友達だと思ってるし、尊敬してるから」
菜々「!」
菜々「矢澤君……」
矢澤「…………」
矢澤「ゲホッ」
矢澤「あーえっと、中川、何か要る?」
菜々「へ? な、なにかって?」
矢澤「何かだよ何か。厳密には飲み物的な」
矢澤「一応、それっぽくないけど仲直り記念? で良いのかな……ちっぽけだけど、奢らせてよ」
菜々「奢り……ですか」
矢澤「大きな御世話?」
菜々「……いえ、ありがとうございます」
菜々「じゃあ、モンスターエナジーを」
矢澤「おま、たっけえよ……」
*
菜々「仲直り記念ですもん、豪勢にですよ」
矢澤「調子に乗りやがって……良いよ、そこのセブンで買ってくる。何色のやつ?」
菜々「出来ればピンク、無ければ何でも」
矢澤「はいよ。まったく……俺はレッドブルにするわ」スタスタ
菜々「ふふ、今度は私に奢らせてくださいね!」
矢澤「そん時はおぼえとけー」スタスタ
矢澤「ボトル缶のやつにしてやっからな」スタスタ
菜々「あはは」
菜々「…………」
───友達
菜々「すー、はああぁ……」
菜々(……泣いちゃうよ、そんなの)グス
菜々(空、綺麗だな───)
───
──
─
*
遥 「あれ? 中川先輩だ!」
菜々「え……」
遥 「こんにちは! ……あ、おはようございますですね!」
菜々「あ、彼方先輩の妹さん……」
遥 「はいっ遥です! お久しぶりです中川先輩!」
菜々「おはようございます……あれ、何か雰囲気が……」
遥 「……はい、ちょっとお洒落して来まして」
菜々「へえ……髪型が変わるだけで随分、大人っぽいですね」
遥 「え、大人っぽい……」
菜々「はい、とても。 よくお似合いですよ」
菜々(普段の髪型が子どもっぽいから余計に)
遥 「うへへ、ありがとうございます……」
*
菜々「それで、遥さんはどうしてここに……」
菜々「って、あ……もしかして待ち合わせですか?」
遥 「あ、そうです! ええーと、もう来てる頃だと思うんですけど……」キョロキョロ
菜々「矢澤君でしたら、今そこのコンビニで飲み物を買ってますよ」→
遥 「へっ?」
菜々「さっき偶然会って、少し話してて成り行きで飲み物を頂ける事に……」
遥 「あっ! そうだったんですね! へー偶然ですね」
遥 「ところで、中川先輩はどうして秋葉原に……」
菜々「えっ!? ……あ、あはは……買い物、です」
遥 「そうなんですね!」
*
菜々「そ、そういえば、彼方先輩は元気にしてますか?」
遥 「あーイマイチ元気じゃないですね……課題が多いらしくって」
菜々「あ、あはは、そうなんですか……」
遥 「でも、今年の文化祭には顔出したいって言ってました!」
遥 「たまに果林先輩も……」
矢澤「遥?」
菜々「あっ、矢澤く……」
遥 「あ、先輩!」
矢澤「やっぱ来てたか。良いじゃん、その髪」
遥 「えっ……えへへぇ、ありがとうございます」
遥 「先輩の私服もカッコいいですよ!」
矢澤「……ありがとうよ」
遥 「えへ……」
矢澤「はは……」
菜々(…………え、何コレ)
*
矢澤「っと、そうだそうだ」
矢澤「ほい中川。お望みのピンクだぞ」
菜々「あ、どうも……」
矢澤「で、遥もほら、そろそろ来ると思って、買っておいた」
遥 「あっ、ミルクティー!」
矢澤「好きだったよな?」
遥 「はい! ありがとうございまーす♪」
遥 「……あれ? これ好きって話したことありましたっけ?」
矢澤「三船と言い合ってたじゃん、無糖は不味いだの紅茶が甘いとか有り得ないだの」
遥 「あ゙っ……き、聞こえてたんですかぁ?」
矢澤「あんだけ大声でやってりゃね」
遥 「は、恥ずかしい……」
菜々(何か疎外感)
菜々「そ、それにしても仲良いんですね、今の生徒会。休日に遊びに行くなんて……」
遥 「え?」
矢澤「ん?」
菜々「は?」
菜々「…………」
菜々「え、何ですか?」
菜々「だって、これから生徒会で集まって遊びに行くんじゃ……」
矢澤「生徒会? いや、遥だけだけど」
菜々「はえ?」
矢澤「いや、彼女だし……」
遥 「ですし……」
菜々「……」
菜々「かのじょ」
矢澤「そう」
遥 「です」
*
菜々「遥さんが……矢澤君の」
矢澤「あー……そういや遊びに行くとしか言ってなかったな。悪い悪い」
遥 「えへへ、ちょっと生徒会で一緒にいる内に色々ありまして。こうして男女交際させて頂く形に相成りまして候……」
矢澤「何その口調」
矢澤「まあ、そういう事、なんだけど……」
菜々「…………」
菜々「あらまー……」
矢澤「そんな微妙そうな顔すんなよ」
遥 「あ、あまり気にしないでくださいねっ!」
菜々「はあ……」
菜々「でも意外です……矢澤君、部長さんには気安い感じでしたけど、女子には割と素っ気なく済ませてる感じだったので」
矢澤「き、気のせいだよ。別に女子でも普通に接してるつもりだけど俺は」
菜々「うーん、でも部長さんと話す時は、もっと汚い口調だった気が」
矢澤「別に汚くねぇし、あれは男同士の補正だよ! 別に女子が苦手とかな訳じゃないから!」
菜々「そうですかぁ?」
遥 「むむむ……?」
*
遥 「……なーんか2人とも、かなり仲良くないですかぁ」
矢澤「ん?」
菜々「え?」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
矢澤「あーそっか。遥達には話してなかったんだよな」
矢澤「良いか? 話しても」
菜々「は、はい。それは別に」
矢澤「ん」
遥 「?」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
遥 「そうなんだ……中川先輩が例の……知らなかった」
遥 「…………」
遥 「それにしても、何か仲良すぎる気がするっ!」
矢澤「は?」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
遥 「も、もしかして……! 実は前まで付き合ってたりとか……!?」
矢澤「ないから。ちょっと生徒会で一緒だっただけだって。おい中川からも言ってくれよ」
菜々「そ、そうですよ。矢澤君とは普通の……」
菜々「…………」
菜々「ふふ、普通の友達同士……です。普通の、ね」
遥 「ぬうぅ!? 怪しいですぞぉ!」
矢澤「おい中川!?」
*
-虹ヶ咲学園 休憩室 座敷-
璃奈 「弟……良いなあ」
かすみ「あ?」
璃奈 「かすみ弟いるんでしょ? 良いなあって」
かすみ「いやまあ……何なら姉と兄もいるけど」
かすみ「なに? アンタ弟ほしい訳」
璃奈 「だいぶ」
かすみ「だいぶ……」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
*
璃奈 「何年生?」
かすみ「今年で小6になったねー」
かすみ「思えば大きくなったもんだよ」
璃奈 「いーいーなー」ゴロゴロ
かすみ「スカートで転がるな。パンツ見えるよ」
璃奈 「上に履いてるから恥ずかしくなーい」ゴロゴロ
かすみ「愛先輩どんな反応すっかなー」パシャッ
璃奈 「消せ消せ消せ消せ」シュバババ
かすみ「おーっとっとっとっと(笑)」
*
璃奈 「何か無いの? そういう弟との……何だろ、良さげなエピソードとか」
かすみ「お? 聞いちゃう? 余るくらいあるけど」
璃奈 「休憩時間内でお願いしまーす」
かすみ「良いね。じゃ、とっておきを話そうかな」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
エマ (解る、解るよ。かすみちゃん気持ち解るよそれ)
璃奈 「なるほどね、昔より成長したの感じて、優しい気持ちになると」
かすみ「そう。そういう、ふとした瞬間に“男”を感じさせられちゃうの、何か良いんだよねぇ」
エマ (わかる!)
璃奈 「それは何か気持ち悪い」
かすみ「えっ」
エマ (えっ)
*
彼方「ふーん……えっちじゃん」
遥 「そんな隅っこで何ボソボソ言ってんの? 気持ち悪いんだけど……」
彼方「ぐわっ妹の罵倒。彼方ちゃんのライフは既に満タンだぜ?」
遥 「回復するんかい」
彼方「いやね遥ちゃん……見てみ、これ」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
遥 「え、誰この……何かのアニメのキャラ? の格好? コスプレする人?」
彼方「コスプレイヤーの刹那ちゃん」
遥 「知らないんだけど」
彼方「またの名を…… 中 川 菜 々 」
遥 「ばっふ」
*
遥 「ぁええええ!? これ中川先輩なの!?」
彼方「なんだよねぇ」
遥 「……」
彼方「……」
彼方「えっちだね?」ムホホ
遥 「えっちだぁ」ムヒョヒョ
遥 「……じゃなくて、中川先輩こういうの出来る人だったの……!?」
彼方「アイドルやってんじゃん」
遥 「いや、それとはベクトル的に違うというか……」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
彼方「彼方ちゃん、それ以来ちょっとした刹那ファンなんだよねー」
遥 「へー……ちょっとわたしには遠い世界だなあ」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
遥 「そういえば、こないだ秋葉原で中川先輩と会ったけど……あれってもしかして」
彼方「大方、コスプレ道具でも買いに行ったんだろうねー」
遥 「悪い事したかも……」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
彼方「所で遥ちゃんよう」
遥 「ん?」
彼方「何しに行ったん? 秋葉原。彼方ちゃん初耳なんだけど」
遥 「ふぇっ」
彼方「んー? 秋葉原に何か遥ちゃんの好きそうなものあったかねー?」
遥 「あ、えと」
彼方「んんんん?」ズイ
遥 「あうあ……」
*
-虹ヶ咲学園 生徒会室-
彼方「ちょーっとココしーとぅーれー」ガチャリ
矢澤「は?」
栞子「は?」
栞子「あ、あなた遥の……ちょっと、ここは関係者以外……」
栞子「───え、あれ!? あなた3月に卒業……ええ!? 何で学園に入れて───」
彼方「ゲストID貰った。元特待生クオリティです」
栞子「あ、ああ……いや、それにしたって、生徒会室は関係者以外……」
彼方「わたーしーの名はー……このーえーかーなたー」
栞子「ちょっと、話を……」
*
彼方「このーえー……はーるかーのー」
栞子「聞いて……」
彼方「おねーちゃんでーすー」←ガン無視
栞子「ッ!」
栞子「あのねっ!」
彼方「ちょっと」
栞子「は」
彼方「静かに」
彼方「───話してるの」
栞子「───」
栞子「え、何で私が悪い感じなの」
*
矢澤「…………」
矢澤「何の御用ですか、近江先輩」
彼方「今日はねえ」
矢澤「はい?」
彼方「もう遥ちゃんのおま○こ味わったかって話」
矢澤「ばっふ」
栞子「んなっ!?」
彼方「を、しにきました」
矢澤「げほっごほっ……」
栞子「き、急になに、を」オロオロ
彼方「ついでに、貴様を殴りに来た」
矢澤「…………」
矢澤「……はあぁーぁ」
矢澤「早急に、お引き取り願えますかね?」
彼方「あっ、はっ、はぁ───」
彼方「出て行くとでも思ってんのオマエ」
栞子(何なのこれぇ……)プルプル
*
-横浜市都筑区 浜崎公園-
部長「あれから1ヶ月後の今日……ここで待ち合わせ」
弟 「!」
部長「よっ、ちゃんと憶えてたな約束」
弟 「お兄ちゃん……」
部長「久しぶり。あれから脚の具合はどうだよ?」
弟 「……うん、もう大丈夫。普通に歩けてるよ」
部長「それは良かった良かった。お母さん達にもよろしく言っといてな」
弟 「……」
部長「隣、座るよ」
*
部長「じゃ、肝心な話に入ろうか」
弟 「!」
部長「俺とのもうひとつの約束の話」
"しっかりやれよ"
部長「あの約束……ちゃんと守ったか?」
弟 「…………」
弟 「うん、守ったよ。病院から帰った次の日の、学校帰りに行った」
部長「おっ」
弟 「ちゃんと、あの店に1人で行って、店長の人に謝ってきた」
弟 「ちょっと怒られたけど……大変だったねって、ジュースくれた」
部長「マジ? よかったじゃん。割と話の分かる人だったよな、あの人」
弟 「うん……」
部長「男同士の約束を守れたじゃねーの。偉いぞ、よかったな」
弟 「…………」
弟 「全然よくなんかない」
部長「お?」
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
弟 「あれやったの……お兄ちゃん、なんでしょ?」
部長「あれって?」
弟 「とぼけないでよ……! あれから、学校中大騒ぎだったんだよ……」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
部長「続いてんのか? いまも……その、虐めは」
弟 「……ううん。あいつら、あれから学校に来てないよ。どこかに引越しちゃったのも居る」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
部長「お姉ちゃん、何か言ってたのか?」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
弟 「お兄ちゃんに会いたいって言ってたよ……」
部長「……やっぱバレちまってるか」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
弟 「お姉ちゃん、いいよ」
部長 「は……」
かすみ「…………」
部長 「!?」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
部長 「お、おま……! 男の約束を……」
弟 「はいはい。じゃ、後は頑張ってね」
弟 「バイバイお兄ちゃん。またいつか会おうね」スタスタ
部長 「おいィ!?」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
かすみ「何だ何だよ何ですかぁ?」
かすみ「あんなカッコ良かった人が、そんなに慌てちゃってぇ」
部長 「あ、あの……かすみ、さん? 何か、前とキャラが……」
かすみ「黙ってください」
部長 「ひえっ」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
部長 「…………」
かすみ「…………」
部長 「その……髪、随分サッパリしましたね」
かすみ「……ええ、まあ。昔の言葉で言う高校デビューみたいなものです」
部長 「ええと、眼鏡もコンタクトに?」
かすみ「はい、これは中3の時に」
部長 「へ、へえ」
かすみ「はい」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
かすみ「何をそんなに緊張してるんですか?」
かすみ「わたし、何と言われようがここに入ります。もう決めましたから」
かすみ「オーディション的なものがあるならやらせてもらいますよ。ええ勿論」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
*
-虹ヶ咲学園 第4小会議室-
先生「では、これから委員会を始めます」
先生「配布物は行き渡ってますね? 保健委員会顧問の春江です」
先生「初回となる今回は、来月の───」
彼方「…………」ウト…ウト…
歩夢「…………」
歩夢「先輩……先輩、ちょっと」ヒソヒソ
彼方「んがっ」
彼方「────」
彼方「んー……ハルカチャ…」
歩夢「もう始まってますよ、起きないと聞き逃しちゃいますよ……」ヒソヒソ
彼方「……ミノフ…」
歩夢「先輩ってばぁ……」ユサユサ
彼方「……」スピー…
歩夢「もう……」
*
先輩「君どうかした?」ヒソヒソ
歩夢「え? あっ、あの、隣の先輩が……」ヒソヒソ
先輩「ん?」
彼方「バンバンジィ…」Zzz…
先輩「……あーまた近江か」ヒソヒソ
歩夢「またって……」ヒソヒソ
先輩「知らないよね、1年の頃からなんだよコイツ。いつも寝てばっか」ヒソヒソ
先輩「その癖、成績は良いんだ。ムカつくったらないよな」ヒソヒソ
歩夢「へ、へぇ……」
歩夢(要領良い人なのかな……)
*
先輩「ったくしょうがねぇ……あー、先生?」
先生「ん、何かありました?」
先輩「いや、近江がまた寝てて……」
先生「…………ああ」
先輩「どうします?」
先生「ほっときなさい」←諦念
歩夢「えっ」
先輩「そっすね」←諦念
歩夢「ええええ?!」
クスクス……マタコノエサンダヨ……ネテバッカダヨネー
先輩「そーゆう訳。あんま気にしないでね」
先生「ほらほら静かに。続けますよ」
歩夢「え、ええぇー……」
彼方「……すやぁ…」
*
歩夢(い、良いのかな本当に)
彼方「…………」グースカ
歩夢 (う、うーん、でもなあ)
歩夢 (横で寝息立てられてると、どうしても気になって……)チラチラ
先生 「全国的な推移を見ても、生徒の歯ブラシ持参率に大きな変動が見られない事から、当校では───」
歩夢 「はっ」
歩夢 (いけないいけない、集中しなきゃ……)
先生 「この案は都の教育委員会に───」
彼方 「 ゼ ロ カ ロ リ ー ! 」ガバッ
歩夢 「うひゃあ!?」ビクゥ
1年生「!??」ビクッ
先生 「…………」
先輩 「…………」
シ ー ン
先生「……はい、では続けます」
先生「この結果を鑑み、来月の健康強化週間でも実際に───」
歩夢(き、気まずさハイカロリーですぅぅ……!)
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
歩夢「へっ?」
彼方「ふがっ」ポスン
歩夢「ふあっ?」
歩夢「ちょちょ、ちょっとせんぱ……」オロオロ
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
先輩「何だ……? は、オイオイ何か凄い事になってんな」ヒソヒソ
歩夢「あ……えと」
先輩「どうするよ。いい加減ハジき落としちゃう?」チャキ…
歩夢「い、いえっ大丈夫ですので……」ヒソヒソ
先輩「本当?」ヒソヒソ
先輩「でも、それじゃ集中出来なくない……?」ヒソヒソ
歩夢「…………」
歩夢「きっと、先輩にもお疲れの理由があるんですよ」ヒソヒソ
歩夢「無理に起こしちゃかわいそうな気もしますし、わたしの膝で良いなら、そのくらい……」ヒソヒソ
先輩「……ふーん、そうか。まあ、そう言うなら別にいいけど」ヒソヒソ
先輩「でも、そいつ甘やかしても、良い事なんて何も無いからね。言っとくけど」ヒソヒソ
歩夢「は、はい……お気遣いありがとうございます……」ヒソヒソ
先輩「気にしない気にしない」ヒソヒソ
*
彼方「遥ちゃん……」ムニャ
歩夢「!」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
歩夢(……仕方ないなあ)
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
*
…………
…………
彼方「んむー……んあ?」パチリ
歩夢「ん」
歩夢「あ、起きました? もう……勝手に人の膝で寝ちゃ困ります。寝顔はちょっと可愛かったですけど……」ヒソヒソ
歩夢「疲れてるなら、ちゃんと睡眠は夜に取らなきゃ駄目ですよ?」ヒソヒソ
彼方「……」
歩夢「それじゃなくても、今は委員会で……」ヒソヒソ
彼方「は? 誰アンタ」ムクッ
歩夢「──────」
彼方「んもー、遥ちゃんでもにゃーのに勝手に膝枕しないでよ……」←寝惚け
彼方「ふあーあ……どおりで寝心地ィ最悪な訳だあ……」
彼方「おやしゅみぃ……」←机に伏せて再就寝
歩夢「…………ねご、こち……さい、あく……?」
歩夢「──────」
歩夢「──────」ビキッ
*
彼方「んぅー」ムニャ…
先生「さて、何だかついでみたいになっちゃいましたが、最後に保健委員長を決めたいと思います」
ざわ… ざわ…
ざわ… ざわ…
先生「静かに。委員長は、原則2年生から立候補してもらいます」
先生「次回以降の委員会では、大部分の司会進行も担当してもらいますので、そのつもりで」
先輩(これ……割と長いんだよなー、決まるまで)
先輩(この後で待ち合わせもあるし、いっそ立候補しよっかな。……でもなあ)
先生「では、2年生の中で、委員長に立候補の意志がある方は、挙手を」
歩夢「…………」チラリ
彼方「スヤスヤ…」
歩夢「……ハルカちゃん好きなひとー」ボソッ
先生「誰もいま───」
彼方「はいはいはーいッ!! はいッ!!」
先生「しぇっ!?」ビクッ
先輩「うおぁ!?」ビクッ
他生徒「?!」ビクビクビクッ
……………………
……………………
*
───キーン↑コーン↓カーン↑コーン↓
先生「では……何か釈然としませんが、今回の保健委員会はここまでとします」
先生「今後の活動に関して詳細を知りたい際はスクールタブから参照するようにしてください」
先生「では、お疲れさまでした……えーと、解散」
歩夢「さーて部活いこっと(棒)」ソソクサ
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
先輩「な、なあ、あのさ……君さっき」
歩夢「 な ん で す か ? 」
先輩「ヒエッ……い、いや、何でもない」
歩夢「あ、はーい。お疲れさまでーす♪」
先輩「おう……お疲れ」
先輩(こ、怖え……本当に1年生かあれ)
ざわ……ざわ……
ざわ……ざわ……
先輩「…………」
先輩「近江、オイ近江」ユサユサ
彼方「んーぬぬ……ふぇ?」
先輩「委員会とっくに終わったぞ。相変わらず何処でも寝るなオマエ」
近江「……だあれ?」
先輩「そこも相変わらずかよ。国交科の魚住だよ、去年も同じ保健委員だったろ」
近江「……ああ。ずみんかぁ」
魚住「それやめろっつったろが」
*
彼方「何かあったー? 何か来月がどーこー言ってた気がするけどー……」
魚住「言ってたも何も、来月から健康強化週間だぞ」
魚住「またやるんだよ。ローテで1ヶ月、昼の放送で呼び掛け」
彼方「ンエエエ? またやんのあれー……めんどっちぃ。いい加減、録音にすればいーのに」
魚住「恒例行事だって言われたろ去年に何回も」
彼方「そーだっけぇ?」
魚住(……朝香って人は、よくコイツと居られるな)
魚住「とりあえず、日程表はコレだから、後で見ておけよ?」ピラ
彼方「不本意なり」
魚住「はいはい……」
魚住「───」
魚住「あーそれと、これからよろしくな、同じ保健委員長としてよ」
彼方「……何の話ィ?」
魚住「いやだって、あんだけ勢い良く立候補してたじゃん」
彼方「へ?」
魚住「あれ見ろよ、黒板」→
彼方「え」
委員長:近江彼方
副委員長:魚住大輝
彼方「?!」
魚住「そういう訳だから。こうなった以上、委員会で寝たりしないで少しはやる気出せよ。な?」
彼方「は、え、ちょ、なにが……!」
彼方「───!」ピーン
彼方「ねーねーキミキミ」
生徒「はい?」
彼方「ちょっと訊きたいんだけどさー」
───部活動の時間に なりました
───完全下校時刻は……
彼方「…………」
彼方「ここに座ってたさぁ、多分1年の女子生徒。名前と所属部活、知らない?」
魚住「ほどほどにしろよ?」
彼方「やだ」
*
-スクールアイドル同好会 部室-
果林「アッッハッハッハッハッハハハハハハハ!!!!」
愛 (く、くく……笑うな笑うな笑うな)
歩夢「……」ニコニコ
彼方「…………」プルプル
果林「だ、だから、ぷふッ……だから私、ふひっ、治せって、ふふ、言ったのにッひひ」
果林「な、なのにっ……ぐっ、あ、あん……あん、たって、ブフッ、どこまで……ックフフ……」
果林「アッハ、アッハハハハハハハ!!!!」バンバン
彼方「せからしかー!!!」
愛 「(果林先輩がヤバい勢いで笑ってらっしゃる……。まあ割と有名コンビだよね LD科じゃ、いつも2人で漫才してるって友達も噂してる)」
愛 「(うん、ここで見る姿と差がデカいのは認める。愛さんも)」
*
彼方「マジさーマジさー、彼方ちゃん何事かと思ったよー」
彼方「起きたら黒板にデカデカと自分の名前、立候補した憶えないのに保健委員長になってるし」
彼方「よーく思い出したら、まあまあ舐め腐ったこと(>>レス番)してくれたよな、ああ?」
果林「う、上原さん……あなた意外とやるわね」
歩夢「ふふふ、妹さん好きなのかなーと思いまして」
彼方「フフフじゃねーわい、何て汚い女だ貴様」
愛 (歩夢ったら、普段はあれなのに一度キレると途端に陰湿になるからなー……)
愛 (でもアタシには普段から辛辣気味なんだよね……何でだろうね)←
果林「悪い子ね……委員会はちゃんと聞いてたんでしょうね」
歩夢「完璧です。来月からの健康強化週間に関する内容ですよ」
果林「健康強化……あー、あれまたやるのね……」
彼方「いやマジふざけんなよオメー?」
*
果林「いやでも彼方、大事な委員会で居眠りして、しかも後輩に迷惑掛けるのは駄目でしょ……」
歩夢「そーだそーだ」
彼方「その結果が保健委員長就任とか予想外が過ぎるんだよッ!」
彼方「んでしかも? よくよく後から考えたら? スクールアイドル同好会所属の上原さん?」
彼方「……すー……はぁ」
彼方「こないだ聞いた部活名だったよッッ!!」バァン
果林「ぶふっ」
愛 「ぐっ」
彼方「おもっきし知り合いが居たよッッ!!」ババァン
果林「アッハッハッハッハっ!ッ、ひュ……! ひゅひっひ……!」←過呼吸
愛 「ぐっくく……」←必死に堪えてる
愛 (なるほど漫才だ)
愛 「ご、ごめんちょっと水飲んでくる……」
歩夢「あ、はーい」
愛 「(ほどほどにしなよ?)」
歩夢「(わかってまーす)」
愛 「(……あと、一応は先輩だからね。やり過ぎないようにね)」
歩夢「(……あはは)」
愛 (こりゃー暫く戻らない方がいいかな)ソソクサ
*
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
彼方「んで、そこの1年の小娘」
歩夢「上原ですが」
彼方「上原ホムとやら」
歩夢「アユムですが……」
彼方「オメーそんな可愛い顔で何て事しでかしてくれてんだ。おん?」
彼方「人が意識無いのを良い事に、この卑劣な仕打ち……これは到底、許されねーよなあ?」
歩夢「……まあ、わたしも陰湿な事した身なので、何と言われても仕方無いは仕方無いです」
歩夢「けど勝手に人の膝に寝転がっといて、しかも寝心地最悪とか抜かされた身にもなってもらいたいですね」
歩夢「それと、大事な委員会で、ろくすっぽ話も聞かないで居眠りするのは卑劣じゃないんですか?」
果林「言われてるわよ?」
彼方「果林ちゃんは黙ってりゃ!!」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
歩夢「つまり、どっちもどっちですね。似たもの同士、仲良くしましょうよ」
果林(つ、強いわねこの子……)
彼方「……んふ、ふふふ。おもしろい、面白いね1年娘。彼方ちゃん君みたいな子は初めてですよ」
彼方「うふふふふふ───」
彼方「!!!!」クワッ
歩夢「わっ」
彼方「あっはーァ!! もう怒った! 怒ったかんな! 彼方ちゃんプンプンですよ! 後輩でも許さねーかんな!」
彼方「オメー仮にもパイセンの怒り買ってどうなるか、覚悟出来てんだろなコラ!!」
歩夢「…………」
歩夢「自業自得だもーん♪」
彼方「良いね! よく茶化した! 次元の彼方まで背負い投げしちゃる!!」
彼方「貴様のしょぎょー! 例え神が許したって、この彼方ちゃんが許さん!」
果林「まーまー落ち着きなさいよ。ハグしたげよっか?」
彼方「いらん! 野郎ぶちのめしたらぁ!」
果林「落ち着きなさいって」ギュウ…
彼方「──────」
歩夢「あらら……」
彼方「……何すんだよオイ、離せや」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
その後、歩夢ちゃんの頭を押さえ付ける部長さんに平身低頭で頼み込まれた
しかし、興奮していた彼方ちゃんは無理矢理に入部届を奪い返して、結局その日は終わった
でも、部長さんの数日間に渡るしつこい……もとい熱心が過ぎる勧誘を受け───
彼方ちゃんは遂に折れてしまい、夏休み中頃までの約束で、まあそれならと不本意ながら同好会に入る事になった
───何でも、それまでに彼方ちゃんを主役の1人にしてMVを撮るつもりみたいだけど……
彼方「はてさて、そんな短期間でMVなんて出来るのでしょーか……」
その時は、まさか未来にあんな事が待ち受けているなど、彼方ちゃん露ほども思っていなかったのでした
*
愛 「こんにちは」
坂下「……は?」
愛 「こんにちは」
坂下「誰オマエ……話し掛けてんじゃねえよ失せろや」
愛 「…………」
坂下「…………」
坂下「ナニ見てんだよ失せろって───」
愛 「挨拶されたら挨拶を返す。知らないの?」
坂下「は?」
男A「…………」
男B「…………」
坂下「……!?」
坂下「て、テメェら、何のつもりだよ……」
*
愛 「何のつもり? 別に? 単に話をしに来たんだよ、あなたとサシで」
愛 「頼むから、話だけで終わるように協力してね。そうしてくれるとアタシとっても助かっちゃう」
愛 「で、あなた坂下瑠綺さんだよね? ちょっとアタシらと来てもらうよ」
坂下「…………」
坂下「……分かったぞ、オマエ天王寺の差し金だろ」
愛 「璃奈? ……いや? あの子は確かにアタシの友達だし、用件も璃奈の事だけど……アタシがココに居る事には関わってないよ」
愛 「あなたにはアタシの力だけで辿り着いたの。璃奈とは楽しく話してただけだね」
坂下「見え見えの嘘ついてんじゃねえよ。いいか、おまえに何を言われたって、あのチビ豚は」
愛 「はいはい、そういうの良いから」
愛 「……行こうか」
坂下「は」
男A「立て」
男B「歩け」
*
坂下「……舐めてんの?」
男A「話しに来ただけだ。黙って言う通りにしろ」
男B「あのね、これ以上、下手な振舞いはしない方が良いよ?」
坂下「…………」
愛 「"お前"さ、いま璃奈の事チビ豚とか抜かしたでしょ」
愛 「脳みそあるなら理解しとけよオイ。お前もう3アウトなんだよ」
愛 「分かる? もう本当は終わりなんだよ、お前。でもアタシの慈悲で何とかなってる、そういう状況なの」
愛 「アタシもね、わざわざ見えるように用意してあげた"救済措置を踏ん付けて進む馬鹿"は、もう擁護出来ないよ、流石に」
坂下「……何なんだよ、オマエら」
愛 「璃奈の友達」
愛 「言わせてもらう。ガキのワガママが通る時間は過ぎてんだよ、とっくの昔に」
愛 「威張り散らしてきたんだよね? これまで散々。頼りにしてた後ろ盾は牢屋の中。食われる側に回った気分はどう?」
…………
…………
*
―都内某所 カラオケ店前―
男B「あーのーひあーのーときー♪」
ガタッ…ガタッ!
男B「あーのばーしょ ……ん?」
ガチャ!
坂下「どけよ!!」バァン!
男B「うわっ!?」
坂下「ッ」ダダダダ…
男B「オイッ!?」
男B「…………」
男B(行っちまった……)
男A「お疲れさん」
男B「ん、おう。お疲れ」
男B「何か飛び出して行ったけど、捕まえた方が良かったか?」
男A「いや、いいよ。話は終わった」
男B「宮下は?」
男A「……少し1人にしてくれってさ。取った部屋で休んでる」
男B「そうか……俺は見てないけど、荒れたんだろ? 俺らはここで待ってて、休ませてや───」
< ♪オートコならあ゙あああああああ!!
男A「───」
男B「───」
男A「まあ大丈夫だろ、きっと」
男B「だな」
男B(後で喉のケアするように言っとこ)
*
男B「……お話は出来たのか?」
男A「まあ話自体はな」
男A「でも結果は……あまり最良じゃない。改心からは程遠いよ、あれは」
男B「大丈夫なのか?」
男A「何か、親が御偉方に顔が利くとかイキり散らしていたけど……」
男A「宮下が、自分の兄を追い詰めた警官の話を出したら、途端に面白いくらい焦りだしてさ」
男B(…………)
男A「第一、あの子の家は単に裕福なだけで、そんな財界とか政界に通じてる訳でも無い。十中八九ブラフだろうよ」
男A「やれる事はやれるだけやった。これでもう、その璃奈って子にも迂闊な事はしてこない……と思いたいな」
男B「そう、か……」
男A「あー……これで俺達の役割は終わりだ。慣れない事は疲れるな、本当に」
男B「全くだよ……何か奢ってやろうか? 丁度そこに自販機があるけど」
男A「お、良いのか」
男A「じゃあレッドブルで頼むわ」
男B「遠慮無く高いのオーダーすんじゃねえよ……」
*
男A「にしても、驚いたよなマジで。またお前と会うなんてよ」
男B「それもこんな形でな。俺としちゃ、宮下とお前があんな上手く付き合えてる方が驚きだったけど」
男A「……まあ、俺達もいろいろあったんだ。こんな事に呼び出されるのは予想外だったけどな、流石に」
男B「正直、時の流れってやつ感じさせられたわ。お前あの頃と全然違うんだもん」
男B「あの頃お前、ガリ勉の太っちょで、女の子となんてロクに話せなかったじゃん?」
男A「変わったんだよ、いろいろ。宮下にフラれて……お前に殴られてからは特に。身体は鍛えたし、友達も作った」
男A「勉強の方も変わらず力入れてるぞ。高校卒業したら、アメリカの大学に行くんだ」
男B「アメリカ? おーマジか留学か。どこ大学?」
男A「マサチューセッツ、の、工科じゃない方とだけ言っておく」キラーン
男B「……おい、おい嘘だろオイ」
男A「はは、多分お前らのおかげだぞ? あの時、あのまま宮下に手を上げたりしてたら、俺の人生きっと腐ってたよ」
男A「宮下も、俺の頭は本気で尊敬してくれてたらしいからな。お前らは俺の支えだった。割と感謝してる」
男B「……俺いま、最高に時の流れ感じてる」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
*
男A「あの子は、これからどうするんだろうな」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
男B「まあ、また喧嘩売ってくるようなら、何度でも分からせるまでだよ」
男B「俺だって、同好会の皆は友達だと思ってるんだ。それ畳んだらハイさよなら、なんて薄情な事しない」
男A「相変わらず変に熱いな、お前は」
男B「俺らが思ってる以上に誠実さとか、そういう所を見てくるからね、女の子って。嫌でも意識するわ」
男A「なるほど」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
男A「あの子にも、側で親身に支えてくれる人とかが居れば、何か違ったのかもしれないな」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
男A「支えてくれる人って言えばさ」
男B「あ?」
男A「五十嵐お前、上原さんとはどうなったんだよ、あれから」
男B「は?」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
男B「どうして俺の友達は皆、歩夢で弄ってくるのかね……」
*
-江藤区大島 某学生アパート-
彼方「ふえーぁるっかちゅあーん♥♥♥ 急に電話なんてどうし」
遥 「スッゴいよお姉ちゃん!!」
彼方「んあ?」
彼方「え……何かあった?」
遥 「何かあったじゃないよ! 見たよあれ!」
彼方「あれー……? ってどれよ」
遥 「MVだよMV!!」
遥 「お姉ちゃん初出演のやつ!!」
彼方「え……」
彼方「─────」
彼方「あー……それって、こないだ沖縄で撮ったやつ」
遥 「そうだよ!! 昨日の投稿分!」
遥 「皆で見たんだ! わたし感動して、ちょっと泣いちゃったよー!!」
彼方「……え、は? 皆って何さ」
彼方(あれ。てゆーか何で知って───)
*
遥 「皆は皆だよ!!」
遥 「お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃん───」
彼方「は?」
遥 「わたしの友達……えーっと十何人かと、あと近所の───」
彼方「ちょ」
遥 「あと中学校の時の高岩さんと郵便局の……」
彼方「ちょちょ、ちょっと、ちょぉっと待って遥ちゃん」
遥 「どーしたの?」
彼方「とりあえず高岩さんまで引張り出してんのは置いといてさ」
彼方「な、何で……何でそんなことになってんの……?」
遥 「何でって……お父さんが調べてたからだけど」
彼方「は?」
*
遥 「ほら、虹ヶ咲って、上京して通ってる人も多いし……」
遥 「そういう人の家族向けにコード配布して、生徒さんの活動履歴、公開されてるじゃん」
彼方「…………」
彼方「ア゙」
遥 「ンモーお姉ちゃん忘れてたんだ」
遥 「最近お父さん仕事が忙しいのと夏風邪で倒れたので、お姉ちゃんの活動履歴、暫く見られてなかったんだけど───」
遥 「ついこの前、復活してログインしてみたら、何と何と……あのお姉ちゃんが部活に入ってるじゃーん」
彼方「…………」
彼方(しいいィんまっったああぁぁ忘れてたあああぁぁぁ!!!)グニャア…
遥 「お姉ちゃん? ……聞こえてる?」
彼方「聞こえてますとも」キリッ
彼方(話題のチャンネル変えてほしいよぅ……)
*
遥 「それでさ! その、スクールアイドル同好会? の公式サイトもあったから……」
彼方「あんの!?」
遥 「知らなかったの……?」
遥 「そこから動画サイトに飛んで、見つけたみたいで! お父さんスッゴい驚いてたよ!」
彼方「機械音痴のクセに……」
遥 「あんな綺麗なお姉ちゃん初めて見たよ! お父さんもお母さんも舞い上がっちゃって……」
遥 「それで一気に地元に広まって、お姉ちゃん話題の中心!」
彼方「ばっ」
彼方(何で広めるんだよアイツら!)
彼方(田舎ってのはこれだからよぅ……)
遥 「それでね! 公民館で上映会したの!」
彼方「は?」
遥 「上映会!」
彼方「…………」
彼方「は?」
*
彼方「いや、いやいやいや……ちょっと待ってよちょっと」
彼方「公民館て……まさかお父さんにお母さんにおじーちゃんおばーちゃん」
彼方「……え、何か……え、マジで全員の前で見たの……?」
遥 「他にも十何人か来たけど、知らない人も居たかなー」
遥 「お姉ちゃん地元じゃ有名な方だもんねー。上京してから動向が気になってる人は多いんだよ」
彼方「あ、あはははは……そなんスか」
彼方(もうやだ……相手が遥ちゃんって事を考慮しても直ちに通話切断したい……)
遥 「もうね! お姉ちゃんが映った瞬間に大歓声で!」
彼方「うん……」
遥 「お父さん、わたしも見た事ないくらい笑ってて!」
彼方「うんうん……」
遥 「お母さんなんか、ちょっと泣いちゃってて!」
彼方「あははははは(棒)」
*
遥 「それでね! それでね! 上映が終わった後、皆わたしに───」
彼方「…………」
彼方(もう、何か……あかんわ。これ以上、この通話続けてたら脳が破壊されるぅ……)
彼方(いいや……遥ちゃんには悪いけど、携帯の電池切れて通話切れた事にしよう。そうしよう)
遥 「だからね!」
彼方(ごめん、遥ちゃん……)
遥 「わたし───」
彼方「あっと電池が……!」
遥 「虹ヶ咲に進学する事に決めたから!」
彼方「ふぁー?????????????」
遥 「んん!? どうしたの!?」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
彼方「いや何で??? ドコからそんな話が出たの????」
彼方「遥ちゃん?? え、だって高校は県内にするって行ってたじゃん????」
遥 「…………」
遥 「お姉ちゃん、わたしの話聞いてなかったでしょ」←威圧
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
遥 「わたし、お姉ちゃんの妹になって良かった!」
彼方「!!」
遥 「…………」
遥 「あはは、ごめんね……何か恥ずかしいねこーゆーの」
*
遥 「じゃ、じゃあね! 夏休み中にはそっちに顔出すから!」
彼方「…………」
彼方(なーんてこった)
遥 「あ、あとねお姉ちゃん、また授業中に居眠りしてるでしょ。駄目だよ……」
彼方「ふぁっ?」
遥 「先生からのコメントにあったよ? "普段があれ、成績は最優秀、担任として悔しさすら感じます"って」
遥 「真面目に受けなきゃ、そろそろ怒られちゃうよ?」
遥 「じゃ、またねー♪ バイバーイ!」プツッ
彼方「え、ちょまっ」
ツー…ツー…
ツー…ツー…
ツー…ツー…
彼方「て……」
*
彼方「──────」
彼方「──────」
-間-
彼方「 あ 」
彼方「あああああああああああああああ!!!!」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
彼方「んなあああああああああああああ!!!!」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
彼方「ふぁっきゅうううううううううう!!!!」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
彼方「さのば」
<ドン!
彼方「びぇっ」ビクッ
*
彼方「…………」フラッ
彼方「おべっ」ドタリ…
上から吊されていた紐が支えを失ったみたく、ドタリと床に倒れ込む
そのまま尺取り虫みたいな動きで冷たい床を這い回り、熱した身体の冷却を試みた
一頻り床と仲良くした後、おもむろに立ち上がり……かと思えば今度はベッドに身を投げる
彼方(ああああーおぉぅ……彼方ちゃん大大大失敗だよぉ)ワサワサ
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
彼方(こんなとこ果林ちゃんとかに見られたら鼻で笑われるよ……間違い無いよ)
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
彼方(ああーもー! こんな事なら、変な甘さなんか捨てて、さっさと勧誘を蹴っ倒せば良かったよっ!)ゴロゴロ
彼方(彼方ちゃんには遥ちゃんと果林ちゃん辺りが居れば充分なんだよ! 何だいスクールアイドルなんて……!)ゴロゴロ
彼方「……アイドル、なんて」
彼方「──────」
───"最高のMVが撮れましたよ! やっぱり先輩は逸材です!"
───"彼方もやれば出来るじゃない。アンタと友達で、ちょっと誇らしいかも"
彼方「…………」
彼方「ふーんだ」ゴロンッ…ボフ…
彼方「…………」
───"お姉ちゃんの妹になって良かった!"
彼方「ふひっ」
彼方「!」
彼方「~~~~~ッ~~!!」ボフッボフッ
*
-虹ヶ咲学園 講堂-
栞子「生徒会長に立候補しました、芸術科Aクラス2年、三船栞子と申します」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
・璃奈の虐め現場に遭遇した際のこと
・ダンス部の事件に直面した際のこと
栞子「私は、この虹ヶ咲学園という名門校を───この手で守りたいと」
栞子「いつか産まれてくる、私達の子ども達に、胸を張り誇れる学校であり続けさせたいと」
栞子「私に沢山の事を教えてくれた友人、前会長、多くの方々に心から誓い、生徒会長の座に誓い」
栞子「次期生徒会長として、学園のために出来る一切の力を……尽くす所存です」
栞子「……三船栞子に、あなたの一票を……御願い致します」
栞子「──────」
栞子「御静聴、感謝します」ニコリ
*
矢澤 「おーし、今日も元気に生徒会。体育祭の備品を出すぞー」
遥 「いえーい!」
役員A「ちょっと」
役員C「待ってくださいよ」
役員B「…………」ウトウト
矢澤 「おう? 質問か?」
役員C「質問しか無いっスよ逆に……」
役員A「何で前会長が居て、三船会長が居ないんですか?」
役員B「ほえ……?」パチリ
矢澤 「ああ、やっぱ気になる感じ?」
役員A「当たり前です。仮にも生徒会長なんですよ」
役員C「まあ↑あの演説に寄ってきた身としちゃ、ちょっと……」
役員A「事と次第では、探して問い詰めたいものですが」
矢澤 (……今年のは去年にも増してやる気あるねぇ。嬉しい事だ)
遥 (男の子2人と女の子1人、何か女の子は仕草がお姉ちゃんに似てる)
*
遥 「まあ……何でって思うよね。大事な時期だし……」
遥 「でも安心して。会長は断じて自分の意思で、ここに居ない訳じゃないから」
矢澤 「まあ状況的に、俺が出張るしかなかったんだよ。多分、生徒の中で一番ノウハウ有るし」
役員C「……何か、あったんスか? 会長」
役員A「まさか、この時期に体調不良とか」
矢澤 「いや違う、そうじゃなくてね……まあ、ある意味それより厄介だけど」
矢澤 「本当に……あいつの学科はなぁ」
遥 「ですよね。わたしも去年あれ見た時は驚いちゃって……」
矢澤 「後で見に行ってみれば? 気になる人は」
役員A「?」
役員C「?」
遥 「ほら、しお……会長ってGA所属じゃない?」
遥 「この時期のGA、特に2年生と3年生は、ちょっとね……」
矢澤 「……うん、俺、後で差し入れでもしてやるわ」
役員B「……ここどこぉ?」ウツラウツラ
矢澤 「虹ヶ咲学園、生徒会だよ」
*
-虹ヶ咲学園 GA2年 第一教室-
栞子 「んっハああああああァ!!! もうやってらんなあい!!!!」ガッシャーン
生徒A「?!」ビクッ
栞子 「美術展、創作展、造形展……飽き足らず書道展にデザインコンペまで!!」
生徒B「ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ……」
栞子 「次から次へと課題が来る……!」
生徒C「あ……あと、8枚ぃ……」フラフラ
栞子 「何なの!! 私たち芸術の秋に殺されるの!?」
友達 「ぐ……学園祭展示物も控えてるよ会長……」ヨロ…
栞子 「あぁーんもおお!! 生徒会行きたぁい!! 遥の顔見たぁい!!」
友達 「でも?」
栞子 「やんないと課題終わらなぁい!! でも生徒会は行きたいのおお!!」ンガーッ!
外間 「ははは、例年通りの光景だな」
栞子 「先生ェ! どうにかして課題減らしてくださいよぉ!!」
外間 「無茶言うな、生徒会長だろ三船お前」
栞子 「いやあああああああん!!」
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙…
エノグキレタァ…
カダイオワンナイ… オニィ…
ダレカタスケテェ…
ウボァアア゙…
友達 「畜生……教室が呪詛に満たされてやがるぜ……」
*
ガラリ
矢澤「三船、居るか?」
栞子「!!!!」
遥 「栞子ちゃーん、差し入れ持ってきたよー」
栞子「!!!!!!!!」
栞子「はっ! はーっ! はーっ! はるっっ! はーっ!」
矢澤「なんだ、過呼吸か?」
栞子「はあぁるがぁあ!! 矢澤ぜんぱあああい!!」グワッ
矢澤「うおっ!? や、ヤバいなお前……デッサン崩落してんぞ」
遥 「あはは、こんなのでも、ちゃんと栞子ちゃんですよ」
矢澤(こんなのでもて)
栞子「もおやだぁ……。2人と一生一緒に居るぅ……」ギュウ…
矢澤「一生はちょっと無理かな」
遥 「よしよし……終わったら、また3人で食堂行こうね」ポスポス
矢澤「あー場所変えるか? 周りの視線が凄い」タジタジ
役員A「( ゚д゚)」
役員C「( ゚д゚)」
役員B「この教室、眠気が消滅するんだけど」
*
※※※※※
↓↓※未完成部分※↓↓
※※※※※
・Ayumu(2年生)
身長:158cm
入部:20XX年4月10日
KANATA先輩とも仲良くしようね! これからもよろしく!
・AI(2年生)
身長:162cm
入部:20XX年4月10日
やっほーい! メンバー紹介担当AIさんです!
皆、クリスマスの配信は見てくれた? 大盛況だったよね!
これからも皆と一緒に頑張ってレベルの高いMVを作っていくから! 応援よろしくね!……特にAIさんに。
そういえば聞いて聞いて!
まだ5月入ったばっかだけどさ、何と何と!
もう3人も1年生の新入部員が来てくれたんだよね!
今回の更新で3人とも紹介するから、ぜひぜひ応援してあげてよ! 皆、個性的で楽しい子ばっかりだよ!
・KARIN(3年生)
身長:167cm
入部:20XX年5月15日
・KANATA(3年生)
身長:158cm
入部:20XX年9月1日(正式入部)
・EMMA(3年生)
身長:166cm
入部:20XX年8月29日
この1年間で日本語も飛躍的に上達!
・NANA(2年生)
身長:154cm
入部:20XX年9月15日
同好会1年目、記念すべき(?)最後の入部者!
"好き"に本気で挑む、同好会が誇る熱血少女だ!
NANAが1人いるだけで、練習中の空気が引き締まる!
今やアタシ達に無くてはならない存在だよ!
……それと、アタシが個人的に一番、応援してる子。
~主な出演~
・ココ(ソロボーカル)←何と何と本人作詞……
・KASMIN(1年生)
身長:155cm
入部:20XY年4月10日
ハーイ皆さんのかすみんでーす♪
AI先輩ってば、折角かすみんの紹介なのに、デタラメばっかり書いて全然かすみんの紹介になってなかったので、直々に書き直しちゃいます!
皆さん騙されちゃダメダメですよ! かすみんはいつでも皆さんに見せてる通りのかすみんですからね!
だ・ん・じ・て! キャラ作ってなんかないですから!
趣味はパン作りとショッピング! かわいい物だーいすきです!
でも何より好きなのはファンの皆さんの笑顔!
ステキな笑顔のために頑張っちゃうので、是非ともかすみんを推しに推しちゃってくださーい笑
~主な出演~
・穿て! KASMINデビュー!!(ソロボーカル)←メッチャおもろい←メッチャかわいいです!
・Shizuku(1年生)
身長:157cm
入部:20XY年4月13日
来たぞ! 同好会期待の新星! Shizuku嬢!
見た目はカワイイお嬢さま! その正体はアタシも敵わない体力モンスター!?
……いや本当、スゴいんです。
外見からは想像できないパワフルさなんです。
~主な出演~
・恋のムーンドロップ(ソロボーカル)
・LINA(1年生)
身長:148cm
入部:20XY年月日
ちっちゃい! カワイイ! 妹に欲しい!
……はい、横で本人が睨んでますので真面目に紹介。
お昼はいつも豆の缶詰とサンドイッチ2個だけ……お腹空かないのかな?
~主な出演~
・New☆Face(ソロボーカル)
→EX.Members
・Clarissimo
生徒会役員、LucaとOricoのデュオユニット!
元は生徒会内部の文化祭企画で舞台に上がる予定だったんだけど───
そこに何と! ウチの部長が出しゃばって2人をプロデュースしちゃった! アイツ一体なに考えてんの!?
2人の意外な美声に惚れちゃえ! デュオ曲の"Wonderful Wandering!"はサイト内ギャラリーから聴けるよ!
~主な出演~
・Wonderful Wandering!(20XY年の文化祭で初披露)
・(ゲスト出演)
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↑↑※未完成部分※↑↑
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*
───虹ヶ咲/EndGame
果林(168cm)「……終わったのね、私たち」
彼方「そうだねぇ……終わったんだねぇ……」
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※未完成部分※
※※※※※
果林「忘れらんないわよね、多分」
彼方「そう。忘れないよ、きっと」
彼方「お前もそう思うよね?」
柴犬「……」
彼方「何か言えよー、うりうり」ワシャワシャ
柴犬「……」←超嫌そうな顔
果林「やめなさい、かわいそうに」
※※※※※
※未完成部分※
※※※※※
*
彼方「んふ、何か飲みたくなーい? 今日は特別に驕ったげるよ彼方ちゃん」
果林「ホント? じゃあモンスターのボトル缶で」
彼方「……高いんだけど」
果林「当たり前じゃない。アンタもどうせ赤いのにするんでしょ?」
果林「合わせて500円、お揃いだし丁度良いし、最高よね」
彼方「…………へへ」
彼方「果林ちゃんってホント良い性格だよねー」
果林「…………ふふ」
果林「お褒めに与り心から不愉快よ」
彼方「うへへ」
果林「んふふ」
彼方「ドデカリン」
果林「三年寝太郎」
彼方「───!」
果林「───!」
彼方の握られた拳が勢い良く飛ぶ
パシッ
彼方「えっ」
果林の掌がそれを軽々と受け止める
果林「……んふふー」ニヤーッ
彼方「な、なにす───」
果林「はい、私の勝ち」グイッ
彼方「え!? ……うわっ!?」
そして果林は、そのまま彼方の腕を引き込み……
バランスを崩して倒れ込む彼女を受け止め───
そのまま、きつく抱き締めた
彼方「……」
彼方「まけてねーし」
嫌に震えた声の一瞬あと
果林の耳に、誰かさんの鼻を啜る音が入った
to be continued→
↓↓暫定年表↓↓
―虹ヶ咲/Zero―(上原歩夢、中学3年生)
04月09日:彼方「 パ ン ケ ー キ ! ! 」
04月14日:果林&彼方、中庭にて馴れ初め
06月15日:部長、かすみと初対面@横浜市(血まみれ)
07月15日:部長、都筑区の浜崎公園にてかすみと再会、真実を告げる
03月24日:同好会の初MV、撮影開始
―同好会結成1年目―(上原歩夢、高校1年生)
04月09日:近江彼方、果林の謀略で2年連続の保健委員に
04月21日:スクールアイドル同好会、ひとまず結成(部員3名)
05月12日:同好会の初MV配信
05月15日:朝香果林、スクドル同好会に正式入部
05月16日:宮下愛と上原歩夢が天王寺璃奈と出会う
→愛が璃奈を友達認定、何かと構い始める
05月30日:虹ヶ咲学園、体育祭
06月10日:歩夢、保健委員会にて居眠りする彼方を嵌める
06月11日:部長による彼方の勧誘が開始。彼方は当初にべも無く突っ返すが……
06月18日:自分の魅力を正面から評価される事に弱い彼方、遂に折れて8月半ばまでの条件で仮入部
06月24日:歩夢、璃奈に愛の過去と彼女の友達認定の法則を語る
(少し璃奈の愛に対する警戒が解け、知らずに愛のデリケートな過去を刺激していた事に罪悪感を持つ)
08月07日:スクールアイドル同好会、沖縄へ飛び立つ
08月10日:璃奈の前に退学処分になった坂下が再び現れ、虐めが再開する
08月13日:スクールアイドル同好会、沖縄より帰還
08月14日:愛、父親の墓参りで不思議な体験をする
08月16日:同好会にて沖縄遠征の慰労会を兼ねた彼方のお別れ会が開催
08月22日:愛、知り合ったばかりのエマと横浜までパンを食べに
08月25日:沖縄MV配信
08月26日:彼方の元に実家の妹から運命の電話が掛かってくる
08月27日:エマ・ヴェルデ、同好会に出現、入部
09月01日:①近江彼方、同好会に正式入部
②愛、璃奈と久しぶりに会うが、何か様子がおかしい事を訝しむ
→以降、璃奈は同好会の部室に顔を出さなくなる
09月04日:菜々の趣味が部長にバレる→部長、即座に勧誘する
09月09日:菜々、周囲の勧めと監査を通して興味を持っていたので仮入部を始める
09月20日:愛、璃奈を文化祭で一緒に回らないかと誘う→何とか合意を得られた
09月27日:①文化祭1日目(部長と歩夢、密かにデート)
②璃奈、愛と文化祭を回る→一緒にタコ焼きを食べてる最中、急に璃奈が泣き出す
09月28日:①文化祭最終日(スクドル同好会初のライブ)、菜々が同好会への正式入部を決意
②愛、部長に相談して、璃奈のために銀座のマンションの一室を貸す約束を取り付ける
→璃奈は暫くの間、1人ではなく部長と歩夢と一緒に登校する事となる
10月04日:中川邸事件、勃発
10月05日:菜々、人生初の無断休校
10月06日:菜々、再び登校して親の指示で入った生徒会を脱退
10月08日:菜々、紆余曲折の果てに同好会へ正式入部
10月13日:中間試験(菜々、人生初の赤点補習)
10月20日:①部長と愛の調査で、璃奈を虐めているのが坂下という数年前に退学処分になった元中等部の生徒と明らかになる
②坂下の名前は徹底的に学園内に周知され、璃奈は生徒会とスクドル同好会の庇護下に入る
③ダンス部から坂下に情報が流れ、流石に分の悪さを感じたか、以降、璃奈への呼び出しは無くなる
11月12日:修学旅行
11月15日:修学旅行最終日
12月03日:期末試験
12月13日:冬休み初日
12月25日:メイドカフェでのMV配信
01月04日:メイドカフェに菜々の父親と同僚が捜査のため来訪
04月03日:坂下の兄、虹ヶ咲OBの坂下頼人、都内の潜伏先のマンションにて覚せい剤取締法違犯の容疑で警察に身柄を拘束
04月05日:部長、坂下の居場所を突き止める
―同好会結成2年目―(上原歩夢、高校2年生)
04月10日:中須かすみ、桜坂しずく、同好会に入部
04月13日:生徒会採用面接にて遥と栞子が出会う
04月15日:遥と栞子の両名が晴れて生徒会役員となる
04月18日:宮下愛、2人の男を引き連れ坂下と接触、2度と璃奈に近付かない約束を取り付ける
04月25日:虹ヶ咲学園、開校以来初の在校生からの逮捕者を出す
04月30日:生徒会による部活動の査察開始。チア部は半年間、ダンス部は1年間の活動休止処分
05月02日:歩夢から全てを聞かされていた璃奈、愛を呼び出して頬にキス、同好会への入部を宣言
→璃奈が走り去った後、あまりの事態に愛は気絶する
07月08日:生徒会役員就退任式。前会長は生徒会長を退任、矢澤虎太郎が新生徒会長に就任
08月05日:恒例(?)の夏MV撮影開始→今年は
08月25日:生徒会トリオ、屋上設備点検のためにルーフトップステージへ
→矢澤、栞子と遥にステージで何かしらやらないか提案する
→遥─彼方─部長の経路で伝わり、部長が2人のユニットを考案、プロデュースを名乗り出る
09月27日:文化祭1日目
09月28日:文化祭2日目
→スクールアイドル同好会ライブ
→Clarissimoライブ
11月12日:修学旅行初日
→部長、歩夢、愛、菜々は香港に
→矢澤、遥、栞子、しずく、かすみ、璃奈はホノルルに
11月15日:修学旅行最終日
03月15日:朝香果林、近江彼方、エマ・ヴェルデ、虹ヶ咲学園を卒業する(副部長は歩夢が引き継ぐ)
近江遥、生徒会室にて矢澤に愛の告白→晴れて生徒会カップル成立
03月16日:同好会は以降の新規部員は募集しない事を発表、来年度で同好会の解散が決定
―同好会結成3年目―(上原歩夢、高校3年生)
05月02日:秋葉原電気街にて矢澤と菜々が再び顔を合わせる→2年越しの和解
→同好会に矢澤と遥の関係が伝わる
05月某日 :卒業した筈の近江彼方がゲストIDを用いて生徒会室に襲来、矢澤に詰め寄る
07月08日:三船栞子、新生徒会長に就任。鍛えた必殺笑顔のギャップで生徒の支持を総ナメ
→矢澤、1年間の生徒会長生活に終止符
12月30日:スクールアイドル同好会、ラストMVを公開(Clarissimoゲスト出演)
01月01日:スクールアイドル同好会、解散
01月03日:解散記念の宴会明けの朝、相棒の左手薬指に光る物を見る愛
→歩夢「えーと、うん。……わたし、五十嵐歩夢になります……」
愛 「野郎ぶっころしゃぁあ!!」
歩夢「ヤメテ!!」
→ちなみに宴会だったのは最初だけで、途中から歩夢達の受験に向けた勉強合戦に発展(かすみは早々に寝落ち)
03月15日:五十嵐若葉、上原歩夢、宮下愛、中川菜々、矢澤虎太郎、虹ヶ咲学園を卒業
→五十嵐若葉:東京芸術大学音楽部に進学、作曲家の道へ。後に上原歩夢と入籍
→上原歩夢 :慶應義塾大学看護医療学部に進学、看護士の道へ。後に五十嵐若葉と入籍
→宮下愛 :慶應義塾大学経済学部に進学、後に教員免許を取得。松濤の天王寺家で璃奈と暮らし始める
→中川菜々 :早稲田大学文学部に進学、中川家を出る。後にユウキセツナ名義で作家として活動を開始
→矢澤虎太郎:学習院大学法学部に進学。卒業後は警視庁警察学校へ入校予定
―同好会解散1年目―(上原歩夢、大学1年生)
06月08日:スクールアイドル同好会、フルメンバー再結集しての正真正銘ラストライブ
ガチのメモ書き(未完成)でした