「ら~ん~一緒に帰ろ~」
いつも通りモカが教室まで来てあたしを迎えに来た。
今日はあたしとモカの2人だけ。ひまりはダンス部の練習、巴は商店街のお祭りで太鼓を叩く為の練習、つぐみは家の手伝いがあるからと先に帰っていった。
「ねぇ~蘭~?帰りに山吹ベーカリー寄ってい~い~?今日は新作のパンが出る日なんだ~」
モカが言った。
「いいけど、急がないとその新作無くなっちゃうんじゃない?」
「それは大変だ~急げ急げ~」
そう言うとモカはあたしの手を取り急に走り出した。
「ちょっ、モカ!急に走らないでって!」
「でも急がないとパンが無くなるって言ったの蘭でしょ~?走らないと間に合わないじゃ~ん~」
結局山吹ベーカリーまで走ることになった。
「あっモカ、蘭いらっしゃい今日は2人だけ?」
山吹ベーカリーに着くといつも通り紗綾が出迎えてくれた。
「うん、今日はみんな用事があって」
「ねぇ~紗綾~新作パンどこ~?」
「ごめーんモカ達が来る前に来たお客さんが買ってっちゃって今日の分は無いんだ」
「よよよ~新作パンが食べられないなんてモカちゃん悲しい~」
「あはは、また明日来てくれたら用意しといてあげるから」
「ほんと~?さっすが紗綾~モカちゃんのことよく分かってますなぁ~」
そんな2人のやり取りをあたしは見ていた。そんなあたしを見てモカが言った。
「あれ~?蘭ってば笑ってる~?」
「いや、2人のやり取りを見てたらいつも通りだなって思ってただけ」
そんなやり取りをした後モカは自分の分をあたしは巴への差し入れにパンを幾つか買って山吹ベーカリーを後にした。
「トモちんの太鼓凄かったですなぁ~」
巴に差し入れを渡しに行った帰り道モカが言った。
「うん巴の太鼓を叩いてる姿カッコよかった」
「モカちゃんもあんな風に叩けたらなぁ~」
ふいにモカが言った。
「巴に教えて貰ったら?」
「ん~考えてみる~」
「そう」
「蘭ってばそっけないな~モカちゃん悲しくて泣いちゃう~」
「はいはい」
「あ~またそっけな~い~」
「別にそっけなくないし」
「またまた~モカちゃんには蘭がそっけないことなんて丸分かりなのだ~」
そんな他愛もない話をしながらあたしとモカは帰路についた。そんな話をしていたらいつの間にか分かれ道の所まで着いていた。
「じゃ~ね~蘭~また明日~」
「うんまた明日」
いつも通りモカと別れてあたしは家まで歩く。いつもと変わらない道を。また明日もきっとこんな風に帰るのだろう。
そうこれがあたしの『いつも通り』の日常だから。