もしもお嬢様を1mmも理解してないゲーマーがセシリアに憑依したら 作:まみま
後今日刊ランキング確認してみたら78位にいましたわ。一重に皆様のおかげですわね!
そして来たる代表戦の日。わたくしは鈴さんの要望もあり、クラスは違いますがセコンドとして彼女側のピットにいましたわ。当然ベガ立ちは欠かしませんことよ。
「鈴さん、わたくし達はこの一週間ずっとIQを磨いてきました。今やあなたのIQは500は下りませんわ。そのIQをぶつけてくるのです」
「ええ、任せなさいセシリア。この圧倒的インテリジェンスを以ってあいつを沈めてくるわ」
『それでは両者、規定の位置についてください』
「よし、1+1は?」
「無限大!」
「行ってきなさい!」
IQ500に恥じない素晴らしい答えを弾き出した彼女は、甲龍のスラスターをふかして大空へと飛び立つ。ああ、この距離からでもIQの高さを感じますわ……見てるだけで頭良くなりそう。
『試合を開始してください』
双天牙月を構える鈴さん、雪片弐型を構える一夏さん。
2人は一直線にお互いに向かっていき……激突の寸前に鈴さんがヒラリと身をかわす。大振りの一撃を外した一夏さんの背中に攻撃を叩き込み、反撃が来る前に龍砲で牽制をしつつ距離をとった。
『なっ!』
『悪いけどチンパンみたいな攻撃はしないわよ!』
見ているだけでIQが引き上げられるのを感じるような戦いですわ。この試合のために情熱を燃やし、IQを磨いてきた彼女は一時的にわたくしと同等のIQを持っていますわ。IQを打ち砕くにはそれ以上のIQか最強のチンパンをぶつけるほかありませんが、一夏さんはまだ
『ほらほらほらほら! その程度のチンパンじゃ私のIQは打ち崩せないわよ!』
『クソッ!』
一夏さんは消耗戦を避けるため、一度引いてリセットするつもりのようですが……甘いですわね、対策済みですわよ。
鈴さんは練習の通りに双天牙月を真っ直ぐに投げつけ、自分自身もその軌道を追うように急加速しますわ。そして一夏さんが双天牙月を弾くと同時に両肩から龍砲を発射、一撃振った後の無防備な体を二発の衝撃が捉え、吹き飛ばしてアリーナの壁に叩きつけましたわ。
「これは勝敗が決するのも時間の問題ですわね」
しかし油断してはいけないのも事実。わたくしあそこから負けたらお嬢様になる自信がありますわ。
『ッ!? 上空から高エネルギー反応!』
「何ッ!?」
言うが早いか、彼らの間を割るように上空からピンクのビームが降ってきましたわ。そのまま地面に着弾し爆発を起こしたそれは、今までわたくしが見たどんなIS兵装よりも高威力……少なくとも、観客を保護するためにアリーナに貼られたシールドを破るなど、今のIS科学では不可能なはずですわね。
すぐにISを展開し、ハイパーセンサーによって上空を探ると、
「わたくしは観客の応戦へ向かいます! 先生方は避難のアナウンスを!」
一緒にピットにいた鈴さんのクラスの担任に言い残し、ブルー・ティアーズのスラスターを唸らせて観客席へ向かいますわ。入り組んだ通路を抜け、観客席へ行こうとすると通路とギャラリーの間の扉が閉ざされていました。
「向こう側に誰かいらっしゃいますか!?」
「いっぱいいるよ! 避難したいけどここの扉が開かないの!」
「なるほど! じゃあ少し……離れていてくださいね!」
向こう側の人が退いたのをハイパーセンサーで確認し、全力の蹴りで扉を打ち破る。逃げ道を得た生徒達が扉へ殺到します。
「落ち着いて1人ずつ! こっちにきたISはわたくしが抑えますわ! 落ち着いて! 落ち着いて!」
扉を抜け、観客席の上空へ飛び立つと、ちょうど黒いISがこちらへ腕を向けてビームを放とうとしていた。
「させませんわよ!」
即座にBTを展開、下からの攻撃で腕をカチ上げると、極太のゲロビは空の彼方へ消えていきましたわ。敵はビーム兵器を搭載した巨大な腕を再びこちらへ向けますが、チャージを始めるよりも先に肉薄してその顔面に銃剣刺突を喰らわせます。
「まさかチンパン通り越してゴリラになってしまうとは、IQを下げすぎるのも考えものですわね?」
浅く刺さった銃剣をレーザーライフルから取り外し、蹴りでさらに深く叩き込みますが、動きを止めることはありません。やはりこのISは無人機、道理で生体反応がないわけですわね。
「一夏さん! 鈴さん! こいつは無人機です! どれだけバラバラにしても問題ありませんわ!」
『こっちもちょうど気づいたところだ! セシリアの方は一人で大丈夫なのか!?』
「わたくし、全一お嬢様ですわよ?」
レーザーライフルをISの胸に何発か撃ち込みながら敵の上空を取りますわ。わたくしは外しませんが、相手の外した攻撃が観客席に降っては犠牲者が出てしまいますから。
「しかし硬いですわね……Q○Zジ○ギくらい硬いですわあいつ」
明確なダメージになっているのは頭部に刺さった短剣くらいで、何発か当てたレーザーも装甲を少し溶かすだけにとどまっていますわね。容易く頭部装甲を貫けたところから見て、あの頭は弱点ではない。そしてどうやら操縦者が存在しないためにシールドに割くエネルギーが少ないようで、攻撃によってエネルギーを削り切ることもおそらく不可能ですわ。
ならばおそらく胸部にあるISコアを抜き取るか破壊するほかに止める方法はないと見ましたわ! そしてどうやらあの胸部の装甲はわたくしのレーザーライフルやBTでは抜けない。ならば……
「感謝しますわ、鈴さん」
鈴さんとの特訓で使っていた近距離ブレード『葵』。これを装備したままで助かりましたわね。葵を構え、胸元に狙いを定めて突きを放ちますわ。イメージはE○8の下格ですわ。
しかしその一撃は腕を盾に塞がれ、反対の腕でカウンターを仕掛けてきますわ。
「まずは腕をもぐところからですわね?」
左右の敵を倒さないとHPが減らないタイプの敵ですわねこれ。そうと決まると、BT4機とレーザーライフルの一斉射撃を左腕の肩関節部に集中させますわ。狙い通り関節部は装甲が薄く、容易く左腕を吹き飛ばすことができましたわ。
近づいて塞がれても反撃はない。こうなればもう怖くないですわね。全速力で肉薄し、葵を振るいますわ。これも右腕で塞がれますが……
「隙だらけですわね?」
再びBTの一斉射撃によって右腕肩関節部を攻撃、もぎ取るには至りませんでしたが問題はありませんわ。目の前にある前腕を蹴り飛ばし、レーザーによって弱った関節部に渾身の突きを突き刺すと、こちらの腕も自由落下していきましたわ。
「さて、だるま状態ですわね? ここから勝てるのは格ゲーの世界だけですわよ」
両腕を失った敵ISの胸に突きを喰らわせ、そのまま地面へ叩きつける。
そうまでしてもまだ装甲に塞がれ、コアを傷つけるには至らないようですわね。地面に押しつけたままBTの射撃と剣撃を合わせ、何十秒か攻撃を重ねてようやく胸部装甲を貫通させることができましたわ。
「じゃあ、これは貰っていきますわね」
気分はヤー○ムの狩人、内臓攻撃よろしく右腕を突っ込み、ISコアを握って引き抜きますわ。これがなければどのようなISであっても動くことは不可能。目の前のそいつもご多分に漏れず、先ほどまで足掻いてバタつかせていた足を力なく地面に放り投げていましたわ。
「BOTじゃプレイヤーに勝てないってことですわよ。さて、鈴さんの方は……あら、上手くやってますわね」
アリーナの中へ行った一機も、ちょうど今一夏さんが右腕を雪片で切り飛ばしたところでしたわ。しかしそれに合わせる形で左腕のカウンターが一夏さんに刺さり、地面に横たわる一夏さんに対し敵ISがビームのチャージを開始……
『狙いは?』
「完璧ですわ」
もちろん、それを許すわたくしではありませんわ。そんな甘い追撃にカットが来ないと思って? BTによる一斉射撃で今度はあちらのISの前腕部の関節を破壊、こちらを向くそいつの胴にレーザーライフルを食らわせましたわ。
「とどめはお譲りいたしましょう」
『そりゃどーも!』
最後は一夏さんの雪片が敵ISの胸を切り裂いてYou winですわ。
全く、こんなのを遣すなんてわたくし達も舐められたものですわね。
画して、クラス代表戦はトラブルにより幕を閉じましたわ。