「あなたは、どんな花が好きですか」
ドンドルマという大きな街で、花屋を営む青年のお話。

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少しだけ前置き
ドンドルマはMH2とMH4Gに登場した街の名前です。詳しく知りたい方はこの街の名前で検索してみてください。

2021年8月22日 追記
刃根さん(Twitter:@SS_sky87)からファンアートをいただきました!

【挿絵表示】



ドンドルマの街の花屋さん

 

 ────華やかな祝いの場には、鮮やかな赤色のドスビスカスを。

 

 白基調の美しさを引き立てたいならば、チャチャブランカを。

 花束にアクセントを加えたいなら、ランポスズランを。

 贈る相手にサプライズも付け加えたいなら、オオナズナを。

 花と食を一緒に楽しみたいなら、タンポポポの種を。

 

 少し値は張りますが、あなたの希望にできるだけ沿えるような花を見繕います。

 自分自身へのご褒美に。大切な人への贈り物に。日々に彩りを与えるために。

 もし、興味がおありでしたら、ぜひ店頭まで足をお運びください。

 

 ~ ドンドルマの街の花屋さん ~

 

 

 

 

 

「……ステキな宣伝文句を掲げてる割には、出てくる店員が不愛想すぎやしないか?」

「知らん。黙って花でも見てろ」

 

 鎖帷子に身を包んだ男の冷やかしを適当にあしらいながら、一人の青年が台の上で石臼を挽いていた。

 男の言う通り、その表情は冷たい。けれど、石臼を扱うその手は真剣そのもの。もの入れ部分には数十枚ほどの薄橙色の花びらが乗せられていた。

 

「おーおー、だってこんな華やかな店見たら、店員も明るいだろうって思うさ。ま、おまえの仕事の腕は確かだが」

「貶すのか褒めるのかどっちなんだ……ほら、できたぞ。金を払え」

 

 石臼によって細かく磨り潰された粉末を空き瓶に入れて、青年は鎖帷子の男にそれを手渡す。代わりに現金(ゼニー)が青年の手元に渡った。

 

「へへっありがとな。これで今度行く沼地の毒霧を吸っても安心だ」

「……効果を過信するなよ。その粉末自体に解毒効果はない。単純に呼吸器を癒すだけだ。身体に回った毒には専用の解毒薬を使うんだぞ。あと、その粉末は縫い目の粗い巾着袋に入れるな。狩場に行く頃には中身がぜんぶ零れ落ちる」

「分かってるって。世話焼きなんだからよう」

 

 おかんかよ、とぶつぶつ言いながら、男は粉末の入った瓶をポーチに入れる。

 その背には、長大な鉄製の刀が背負われていた。それを見れば、この街に住む者ならば幼子でも分かるだろう。彼はハンターなのだと。

 

「ま、おれみたいなやつにも落陽草の花粉末が手に入るってだけでありがたいってもんか」

「花屋の宣伝ならいいが、そっちの方はあまり大っぴらに言うな。在庫がすぐになくなる」

「それも分かってるさ。おれが損することはしねぇよ。じゃ、いつもの通りおまけで花を一本買ってやろう」

「……それ、あまり売り上げには貢献してないぞ?」

「他に何も買わないよかましだろ? ちりも積もれば山になるってな。それじゃ!」

 

 適当な花を見繕って追加で金を手渡した男は、軽く後ろ手を振って去っていった。

 青年はため息をついて、石臼の周りを軽く掃除してから花の世話へと戻る。

 

 店の裏の方で行っている落陽草の栽培とその花の販売は、それなりに生活の足しになっていた。

 本業の延長線上にあるもので少し複雑な気持ちになるが、わがままなど言っていられない。金が無くなれば、この花たちが安く買い叩かれてしまうことだってあり得るのだから。

 

 

 

 

 

 早朝に起きて市場に出向き、花を買い求める。商人と繋がりを作り、別の地方の花を入荷してくれないかと交渉する。

 店に帰って、数々の花の世話をする。水揚げは昼までに全ての花に施してやりたいので効率的に。その後は剪定、細かな手入れ。枯れそうな花は思い切って捨てないといけない。その辺りの選別にも気を遣う。

 

 客が来れば柔軟な対応を。治安がいいわけでもないので、花が盗まれないように目を光らせる。

 あのハンターのように薬屋としてここを利用する人もいる。落陽草の花の他にも、竜仙花やサボテンの花などが薬としての価値を持つ。そういった需要のために、花を細かく砕いて粉にして瓶詰めするといった作業をこなす。

 

 それなりに忙しい。が、もはやそれらは慣習と化している。

 昼間は手伝いを雇っているし、一人で何でもするというわけでもない。様々な人の手助けがあるから、このドンドルマという街でも数少ない花屋という商いを続けられているのだ。

 

 そして今日も、花を買い求める人々が店に訪れる。

 今相手にしているのは、今日が誕生日で母親と一緒に来店した少女だった。

 

「きれいなお花がたくさん! 店員さん店員さん、あのお花はなんていうの?」

「七色たんぽぽだ。服の色を染めるのに使ったりもする」

「あのずっしり大きなお花は?」

「グラビスカスだな。火山に咲くドスビスカス種で……。おっとその鉢植えに不用心に触るなよ。特製の紅蓮石の鉢植えだ。素手で触ると火傷するぞ」

「じゃあ、あのころころした実みたいなのは?」

「ムチューリップ……の球根だ。花は虫を引き寄せるから店に飾れない」

 

 質問攻めだ。すいませんとその子の母親が謝ってくるが、花に興味を持ってもらえるなら歓迎ですと返す。

 花たちを馬鹿にされたり、杜撰に扱われたりするよりはずっといい。この街にはそういう人もいる。そんな圧力から花たちを守るためにも、未来の客になるかもしれない人は大切にするのだ。

 

 その後も何十と質問を重ねられ、その末に彼女はようやく自分の好みの花を見つけ出したようだった。

 シマリリス。花の縞々模様が特徴で、女性に人気がある。定番だが、それは別に悪いことではないし、お気に入りの縞々模様を見つけるのは楽しい。

 それら数本で小さな花束を作って、球根も貰おうという話になった。母親はほっと胸を撫で下ろす。シマリリスは比較的財布に優しい。高い花はやや厳しかったのだろう。

 

 花束を受け取った少女は顔を綻ばせる。よい誕生日の贈り物になってくれただろうことは見て取れた。

 紙を一枚買ってもらって、そこに花の生け方と球根からの育て方をさらさらと書いて渡す。しっかり育てれば、日々の楽しみがひとつ増えるはずだ。

 

「あのねあのね、店員さん」

 

 去り際、とてとてと少女が駆け寄ってきた。何か言いたいことがあるらしい。しゃがみこんで視線を合わせる。

 

「どうした?」

「私ね、私、大人になったらお花屋さんになりたい!」

 

 とても純粋な、憧れを宿す瞳。幼いからこそ言える、無邪気な夢。

 ほんの少しだけ、逡巡した。

 

「そうか。んー……あまり、おすすめはしないな」

「えっ、どうして?」

「今は秘密だ」

「ええーっ。もしかして店員さん、この素敵なお店を独り占めしたいの!?」

「さてどうだろう。大人になったら、いや、また来てみたらその理由が分かるかも────」

 

 我ながらずる賢い商売をしているなと頭の片隅で考えながらはぐらかそうとしたそのとき、少女の背後をふっと影が覆った。

 幾重もの金属が触れ合う音。振り返った少女は怯えた表情を見せる。

 そこに立っていたのは、灰色の岩に身を包んだかのような大男だった。

 

「む? 私としたことが驚かせてしまったか」

「そりゃそうだろう……フルフェイスは流石に威圧感がすごいぞ」

「むむ? おおそうだった。待ちたまえよ……」

 

 頭の兜を両手でがたがたと動かし、それを取り外す。その間に、少女は母親の背後へと逃げてしまった。

 露わになったその顔は、身に纏う装備のイメージに相応しい強面だ。「おや?」と目の前からいなくなった少女を探した彼は、同様に戸惑う母親の後ろから顔を覗かせているのを見つけると素直に謝った。

 

「驚かせてしまってすまないね。お嬢さん」

「う、ううん……ハンターさん?」

「その通り。この店に花を買いに来たハンターだ」

「そんなに強くて怖そうな服を着ているのに?」

 

 少女の発言はとても直接的だった。確か、あの灰色の重装はバサルモスと呼ばれる竜のものだ。全体的に厳つい印象を与えるのは確かだろう。

 少女の母親が慌てるが、彼の方は言われ慣れているとでも言う風に朗らかに笑ってみせた。

 

「そうだとも。私はこんななりだが、花が大好きでね。お嬢さんが手に持っている花束も、とても可憐だ。似合っているな」

「えっ? あ、ありがとう……。……花が好きなハンターさんも素敵よ。私みたいにお気に入りのお花を見つけてね」

「そう言ってくれるのか。こちらこそありがとう。じっくり選ばせてもらうとしよう」

 

 自身の持つ花束を褒められて、警戒が緩んだのだろう。少女は少し顔を赤らめて、会釈する母親と共に小さく手を振って街中へ歩いていった。

 

「……とは言っても、選ぶ花は決まっているのだがね。今回は手に入ったかい?」

「ああ、やっと供給が安定してきた」

 

 彼が来店する理由はいつもひとつだ。迷うことはない。

 色とりどりの生け花や鉢植えが立ち並ぶ中で、やや目立たないところに飾られたそれらの内の一本を抜き取る。一本だけだ。

 下手に飾り付ける必要はなく、軽く包むだけでいい。それが彼の要望だった。

 

「はい、いつもの」

「ありがとう。やはりいつ見ても美しいものだ。星空を仰ぎ見るとはこのことだな」

 

 その花の名は、星見の花。

 花弁は深い紫色で、見る角度や周囲の光源によって赤みや青みが増す。特に夜空の下では月明かりや天候に応じて様々な色合いを見せるため、そういう名前が付いたのだという。

 市場に出回るようになったのはつい数年前のこと。遺群嶺と呼ばれる地域にしか生息が確認できていない貴重な花だ。

 

 昼は赤や黄色の暖色系の花たちが目立つので少し影が薄い。夜にここを訪れれば立場は逆転するが、一日中店を開けておくわけにもいかない。

 重ねて、かなりの遠方から訪れているため、あまり日持ちせずに萎れてしまう。今このときも、自然に咲いているものと比べると見劣りしてしまっているのだろう。

 

 けれど、初めて彼がこの店に訪れたとき、真っ先に選び取ったのはこの花だった。

 さんさんと日が照る店内で、彼は迷いなくこの花を選び、その日以降、入荷もまともに安定しないこの花を買い求めるためにこの店に通っている。

 その理由は────。

 

「……二年だ」

「うむ?」

「あなたがここに初めて来た日は、開店日とそう変わらない。で、今日で開店から二年経った」

「ふむ、そうだったか……まるでつい先日の出来事のようだ。時が過ぎるのは早いもの……という言葉は、あまりにべたかな」

 

 強面がにやりと口角を上げる。

 

「まだ続けるのか?」

「おうとも。この街に居続ける限り私はこの習慣を止めないし、この花が置かれている、その可能性がある限り、私はこの店に通い続けるだろう。────妻のため、いや、私自身のために」

「そうか」

 

 そっけなく返事をする。彼の答えはだいたい予想できていたからだ。

 彼の名はジドゥという。ハンターとしては中堅よりもやや上の実力で、数十年に渡ってこのドンドルマで活動している。この店が開かれるよりも、ずっと前から。

 ジドゥが買っていく星見の花の行く先は決まっている。それはこの街の外れにある。

 

 集合墓地。この街に住まう人々のもの。

 

 弔花だ。

 彼の、かつての妻への。

 

「エンシアは星空がとても好きだった。狩りから帰る竜車の上で、夜空をよく見上げていたものだ。これ以上に彼女に相応しい花もそうないだろう」

「その話はもう何回も聞いたぞ」

「ふむ、妻のことを思い出すといつもこの話をしてしまうのだよ。諦めてくれ」

 

 ふぅ、と嘆息した。見ての通りの愛妻家だ。

 彼の妻をこの目で見たことはない。当たり前だ。彼が花を必要とした時点で既に彼女は他界していたのだから。

 

 ジドゥとエンシア。ドンドルマで偶然狩りを共にしたことで二人は出会い、互いに惹かれ合い、そして結婚した。この街では珍しくもない話だ。

 狩りの腕前としては、ジドゥの方が上だったらしい。それは単純にハンター活動をしていた年数の差で、年若いエンシアは彼に追いつくべく頑張っていたのだとか。

 

「彼女は花も好きでな。狩場で美しい花を見つけたときにはよく愛でていたとも。狩人を生業とする者としては珍しかったかもしれんがね」

「それも聞いた。霞ヶ草の群生地の話も」

「ふむ。あの花の入手はやはり難しいかね?」

「……ある旅団と交渉はしているが、まだ無理だ。星見の花と同じで、生息地が特殊すぎる」

「構わんよ。あの天女の羽衣のような花に囲まれたエンシアの姿はまだ鮮明に思い出せるのでね」

「結局惚気じゃないか……」

 

 ある日、彼女は狩場で命を落とした。

 

 デデ砂漠と呼ばれる広大な砂漠での出来事だったらしい。

 ドスガレオスという砂の海を泳ぐ竜の狩猟に彼らは赴いていた。強敵だが、油断しなければ狩猟できる相手だった。

 実際、大きな怪我をすることもなく彼らはその竜の狩猟を終えた。むしろ砂漠の昼と夜の寒暖差に消耗させられ、帰る前に少し休憩をしようと小さな洞窟に立ち寄った。

 そこに、恐ろしい捕食者が潜んでいた。

 

 ネルスキュラ亜種。

 骸蜘蛛と呼ばれるそのモンスターの奇襲は、不幸なまでに確実に達成された。

 ジドゥは麻痺毒で体の自由を奪われ、エンシアは彼を助けるために無茶をして、その蜘蛛と共に砂の地面に引きずり込まれた。ジドゥはその一部始終を見ることしかできなかった。

 ジドゥが起き上がれるようになったとき、そこは既に静寂が訪れていた。何もかもが手遅れであることは、明らかだった。

 

 悲劇的な別れ。しかし、それは街の外に出る職業の人々にはよくある結末だ。ハンターであれば、特に。

 自分はその恐怖を聞かされても共感が難しい。生まれも育ちも基本的にこの街の中だ。見たことのあるモンスターなどランポスかランゴスタ程度のもの。

 あれらですら十分な脅威だろうに、ハンターたちを陥れるそのモンスターはさらにそれを捕食する側なのだという。なかなか想像ができない。

 

 他人から見ればありがちな事件であることは確かだが、当事者も受け流せるようなものかと言えば、それは全く違う。そうでなければ、ジドゥはここに二年もの間通うようなことはしない。

 

「またひとりで狩りに行くのか」

「うむ。今度はやや遠征となる。ドンドルマに戻るには月単位の時間がかかるだろう」

「……余計なお世話かもしれないが、仲間を募るべきなのでは?」

「ごもっともだ。ただ、仲間の死の記憶というのは厄介なものでね。ひとりでの狩りを選択してしまうのだよ。囚われていると分かっていても」

 

 結局は個人の受け取り方次第だ。

 すぐに気持ちを切り替えることができる人であれば、またパーティだって組めるだろう。あるいは、自身の生死すらも時の運として捉えるかもしれない。

 気持ちを切り替えることが難しい、それを公言するジドゥのような人は、元の自分に戻るのに時間がかかる。戻らないことだってある。仇討ちや自虐に走る人もいる。

 

 どれが良くてどれが悪いかなど、決められるようなものではない。十人に聞けば十通りの正しさが返ってくるだろう。

 ただそれでも、ジドゥのような人を見ると、ひとつ尋ねたくなる。

 

「前には、進んでいるんだな」

「もちろんだ。後ろ向きにはならないとも。妻が決死の覚悟で救ってくれた命だ。大切にしなければ怒られてしまうからな」

 

 彼は胸を張ってそう答えた。

 それならばいいと、少なくとも自分はそう思う。

 

 かつての伴侶を何年経っても想い続け、新たな人間関係を築くことを恐れるようになってしまったとしても。

 その歩みが本当に遅々としたものであったとしても、自分の思う「前」へ進めているのならそれでいいと思っている。

 

「では、そろそろお暇するとしよう。日が暮れてしまってはいけないからね……いや、この花としてはその方が望ましいかな?」

「ひやかしで店に居座るのは止めていただきたいとだけ」

「はっはっは。これは手厳しいな。さっさと退散させてもらおう。次に来るときもこの花があることを祈っているぞ」

「努力はする……気を付けて行ってこい」

「うむ。それではな」

 

 岩竜の重装を纏った大男は、そう言って去っていった。

 また長話になってしまった。疎かになっていた花の世話と、その補完のために増えるだろう残業時間に軽く呻きながら、いつもの業務へと戻っていく。

 

 

 

 

 

 ジドゥが星見の花を買っていってから数日後。

 とても珍しい案件が店に舞い込んできて、手伝いの人も含めてその準備に追われることになった。

 

 歌姫と呼ばれる人物と、彼女の舞台であるアリーナ。

 街の中心地区にあるその施設では、定期的に歌の公演が行われる。それに向けて花を用意してほしいというものだった。

 普段は歌姫の侍女や隣接するハンターズギルドの職員が手配するのだが、偶然が重なって手が空いておらず、民間のここに依頼が来たというわけだ。

 

 普段とは比べ物にならないほどに多くの花を仕入れて、管理し、捌いていく。相応の金は貰ったが、いつもの店を閉めるわけにもいかない。

 目が回るほどに忙しかった。しかし、この店の信頼にも関わる案件なので妥協はできない。

 歌姫の公演は何度か聞きに行ったことがある。その称号に全く名前負けすることのない、本当に美しい歌声だった。それを惹きたてる役割となれば、緊張もするだろう。

 

「白色系統一のデザインに変更を? なんだって今更……歌姫たってのお願いか。なら仕方ないな……。

 ……マネアネモネを使おう。近寄りがたい雰囲気を和らげたいならあれがいい。庶民向けの花で色の種類もある。デザインの再構成はこっちの方で何とかしよう。

 発注済みの白い花たちはどうするか? ……花束にして公演後に売れないか。破棄するのは忍びないんだ」

 

「土じゃない。海綿質の皮だ。あれをいつもの十倍ほど多めに仕入れたい。鉢植えの花は今からじゃ間に合わない。海綿質の皮は保水できるから、生け花に適している。……水袋で代用はできないからな。舞台が水浸しになるぞ」

 

 次々と舞い込む仕事を片端から処理していく。

 そんな中で、自身のかつての日々を思い出していた。

 

 使い走り人としてドンドルマのとある商館で働き、商業の基礎や読み書きを学んだ。

 当時から花が好きで、同年代の友達は異性の方が多かったように思う。ただ、自分がそれを生業にするとは皆思っていなかったようだ。

 そのまま商館の雇われ商人となったが、身分は低いままで、昇格には更なる努力と商いの才覚が求められた。正直、そこまでのものは持ち合わせていなかったため、昇格は半ば諦めていた。

 

 そんな自分が多くの人の憧れである個人店を持つに至れたのは、単純に幸運に拠るところが大きい。それと、この花たちのおかげだ。

 知り合った竜人族の商人が投資をしてくれた。郊外でも地価が高いドンドルマの、一軒の家を敷地ごと買い取るほどの投資を。当時は本当に困惑したことを覚えている。

 嗜好品を主に取り扱う商人だったが、この大きな街で花の流通が市場に留まっていることを憂慮していたらしい。店を構えられるくらい花好きな商人がいたらいいのだがという呟きを、咄嗟に拾ってしまったのが全ての始まりだった。

 

 花は日常の安定の上に買われるもので、市場に出回るだけいい時代だと思っていた。店を開いた当時は不安だったものだ。

 しかし、結果としてなんだかんだと続けられてしまっている。経営は厳しくないのかと問われれば、雇う人を絞っているからやっていけていると答える程度にだが。この職で食っていくことができている。

 

 ここまでお膳立てしてもらったからには、精いっぱいやるしかない。その気持ちで今までやってきたし、これからもそうだろう。

 とにかく、今の自分にできることを。睡眠時間をぎりぎりまで削って、元気ドリンコを飲んで眠気と戦う。そんな作業が連日続けられた。

 

 

 

 

 

 あっという間に月日は過ぎ去り、気が付けば、公演の最終日を迎えていた。

 かなりきつかったが、規模の大きな仕事に夢中になっていたのだろう。歌姫の侍女や職員は役人気質で経費にうるさく、もどかしい思いをすることもあったが、これはこれで良い勉強になった。

 

 観衆への受けはいい。それは花よりも歌姫の衣装や歌声に拠るところが大きいのだろうが、もとより花とはそういった雰囲気づくりの側面も大きい。何事もなかったことを喜ぶべきだろう。

 何より、お礼として舞台の最前列で彼女の唄を聞くことができた。

 礎の唄と、魂を宿す唄。ハンターたちには馴染み深く、そして涙を誘う唄なのだという。

 花を通じてしか広い世界を知らない身としては、連想できるものは少ないかもしれない。しかし、それでも胸を打つものがあることは確かだ。

 

 盛況のままに公演は終了し、撤収の仕事をある程度終わらせてから帰途に就く。

 本格的な撤収作業は明日からだ。相応に忙しくなる。今日は早めに身体を拭いて就寝しておきたい。

 

 ふと、舞台の傍にある石碑が目に映った。

 ふらりとそこへ立ち寄る。

 

 それは、狩場で命を落としたハンターたちへ捧げられた慰霊碑だ。近づいてみると、とても大きいことが分かる。

 ここに、死したハンターたちの骨や形見が納められているということはない。それをするには日々死んでいくハンターの数があまりにも多すぎるし、遺体が回収されないことも多々あるからだ。

 

 誰にも看取られず、誰の記憶にも残らないままに死んでいく名もなき狩人。彼らへのせめてもの手向けとして、この慰霊碑は鎮座している。

 だからあえて、歌姫の舞台の近くに置かれているのだろう。あの唄によって、彼らの魂を鎮めることができるように。

 

 巨大な石碑を見つめた。その表面には細かな文字がびっしりと彫られている。

 亡くなったハンターの名前だ。とはいっても全員ではない。この街に大きな貢献をした者や、村や町を救ったり、大物狩りを成し遂げた者だけがここに名を刻まれる。

 その数は年に十も増えないと言われていた。だが、ここには数多くの名が刻まれている。つまり、この石碑はこの街の歴史の長さの証明にもなっていた。

 

 いつも星見の花を買いに来る彼のことを思い出した。

 彼の最愛の妻の名は、ここには刻まれていないらしい。つまりはそういうことだ。だから彼は、手間をかけて街の外れに墓を一つ建てた。

 そういう方法を取ってもいい。ハンターが墓を建ててはいけないという決まりはない。本人が死した後に、それを想える誰かが街にいるなら、その者たちだけの場を作ることは咎められない。

 

 残酷なことかもしれないが、それでも、この石碑が存在する意味はあるのだろう。と、視線を石碑の下部へと滑らせる。

 辺りは暗く、篝火の明かりがゆらゆらと刻まれた名を照らす。

 

 

 

 石碑の最後に刻まれたそのハンターの名前は、『ジドゥ』だった。

 

 

 

「………………は?」

 

 

 

 

 

 あれから、ハンターズギルドに事情を聞きに行った。返事はすぐに帰ってきた。

 

 彼が受注したクエストは、砂漠の走竜ゲネポスの動向の調査と間引きだったそうだ。

 砂漠の近隣の村では、ゲネポスの増加と家畜荒らしが問題になっていた。最近になって彼らの親玉であるドスゲネポスの目撃情報が出始め、さらに人への被害まで報告されるようになり、村はハンターズギルドに助けを求めた。

 あまり裕福な村ではなく、報奨金は少なめしか用意できなかった。多くの狩人が敬遠する中で、ジドゥは迷いなくそのクエストを受けたのだという。

 

 別に、彼が善人だからということはないのだろうと、その話を聞いて思った。

 ただ彼はきっと、手を伸ばさずにはいられなかったのだ。彼自身が囚われているもののために。

 

 ゲネポスが人里に顔を出し始めた原因を調査し、場合によっては親玉も含めてその群れを狩る。そんな依頼内容を背負って、ジドゥは砂漠へと赴いた。

 その結果として現れた存在は。不運としか言いようがないと、ギルドの職員はため息まじりに言っていた。ジドゥがいなければ、村は滅んでいただろうとも。

 

 砂漠を闊歩していたのは、真黒な角竜。ディアブロスの亜種だったそうだ。

 それは、その地方で最も恐れられる竜のひとつなのだという。気性が荒く、縄張りに入った者をどこまでも追いかけ回す。その突進は、幾重にも築かれた石の障壁を一発で崩し去るほどに重く、速い。

 それが村の近くの岩地に棲みついてしまった。ゲネポスたちの人里下りはその予兆に過ぎなかった。

 

 終わりだ。あの竜の怒りは誰にも止められない。遠からずこの村を認識し、蹂躙しに来る。村から逃げてもゲネポスたちが腹を空かせて待ち構えている。完全な板挟みだった。

 村人たちは意気消沈していた。ジドゥはそんな彼らに対し、できるだけのことはやるから逃げる準備をしてくれと言って、得物のランスを担いで狩場に出向いていった。

 並のハンター一人ではどうにもならないだろうことは村人たちにも分かっていて、けれど見捨てられなかっただけましだ。感謝の言葉を述べて彼を送り出した。

 

 彼が砂漠に出向いてから一日後、凄まじい咆哮と僅かな振動が村まで届いた。やはりすぐ近くに悪魔はいたのだと、村人たちは家の中で身を震わせた。

 咆哮は何日間も止まなかった。本能的な恐怖を掻き立てるそれに、村人たちは消耗を強いられた。それがハンターと戦っているからなのか、別の竜種とやりあっているのかも分からなかった。

 

 彼が砂漠に出向いてから一週間が過ぎて、村には静けさが戻った。村人たちはそれでも家から出ようとしなかった。

 さらに数日が過ぎ、あれほど苦しめられたゲネポスたちの声まで聞こえなくなっていることに村人たちは気付き、互いに顔を見合わせた。

 そして、思い切って砂漠に様子を見に行った村の男衆は。

 

 ゲネポスに食い荒らされた黒い角竜の尻尾と、根元から折れた角。砕けた盾、そして切っ先が折れた槍を見つけ出したのだった。

 

 彼の話は、その砂漠の村からドンドルマまで訪れた行商人が伝えに来た。

 つい、三日前のことだったという。

 

 

 

 

 

 本来、ジドゥは石碑に名を刻まれるほどに功績を上げたハンターではなかった。竜から村を救うハンターもそこまで珍しくはない。

 ただ、その相手が熟練ハンターでも死亡率の高いディアブロス亜種であり、命を賭しての撃退という壮絶な最期を遂げたことが決め手になった。ジドゥはギルドに認められたのだ。

 だが、ハンターでない自分がそれを聞いてもあまり特別な感情は浮かんでこない。とても名誉なことだろうことは分かっていても、素直に喜ぶことはできなかった。

 

 思うことは、ただ一つ。

 

「……次も、星見の花を用意してくれと言ったのは。ジドゥさん、あなたじゃないか……」

 

 

 

 

 

 歌姫の舞台の撤収作業がひと段落した日の夕方。

 いつもより早めに店を閉めて、普段着のままで街を出歩く。とは言っても、向かうのは街の中心部ではなく外れの方だ。

 この街特有の上り坂の連続で息が切れる。やはり、ハンターにはなれないなと思った。花屋も体力勝負な面があるが、長い距離を歩いたり走ったりするのとは質が違う。

 

 夕焼けの赤色に頭上の雲が染まり始めた頃に、やっと辿り着いた。

 そこから、人づてに聞いた手順に従って敷地内を歩く。似たような標ばかりだが、そこに刻まれた姓名を確認すれば間違えることはない。

 

 しばらくして、無事にそれを見つけることができた。

 長らく放置されていたはずだが、守り人がしっかりしているのだろう。周辺の手入れは行き届いていた。本題を済ませるために肩から提げた鞄からそれを取り出す。

 

「最後の世話焼きだ。こんなことは滅多にしない。が、一応お得意様だったからな」

 

 星見の花を二輪、その碑の前に置く。

 その碑に刻まれているのはエンシアという名前だけ。しかし、たとえ別の場所にその名が刻まれていようと、彼の魂はここにあるように感じられた。

 

 ジドゥのかつての妻の墓地。

 彼女が好きだったらしい星空に因んだ花を、今回は二輪。寄り添うように。

 

 涙は流れないし、流すつもりもない。

 飲み友達でも何でもない、客と店員、ハンターと花屋というだけの関係だったのだから、そこまで強い感情は出てこない。

 

 いや、違うか。

 かつて、無邪気な少女から将来は花屋になりたいと言われたことを思い出した。たしかあのときには、止めておけとやんわりと返した。理由はそれとなくはぐらかしていた。

 その理由が、これだ。この街において、花屋という職業は。いや、花屋とハンターという一見何も接点がなさそうな仕事には、実は大きな繋がりがある。

 

 

 

 あの花屋の売上で、最も大きな割合を占めるのは、娯楽用の花ではない。

 献花だ。

 

 

 

 平均して、一日に一、二人のハンターが店に訪れる。ある程度は落ち着ている者が多いが、見ていて痛々しいほどに憔悴しきっていたり、突然泣き崩れる者もいる。

 事情は大抵の場合共通している。

 今は亡き、かつての仲間へ。弟子へ、師匠へ。つい数日前に失ったという人もいれば、ジドゥのように十年以上前の相手に思いを馳せて花を買い求めに来る人もいた。

 

 この街に弔いにふさわしい色や花の種類といった風習はあまりない。皆、思い思いの花を買っていく。

 ハンターの割合が多いこの街らしいと言えるだろうか。あいつはこの色が好きだった。この香りが好きだったとか言って、思い出に耽りながら花を買う。

 

 そんな彼らの赴く先は、決まってあの場所だ。

 歌姫の舞台の仕事を終えて、傍にある慰霊碑に立ち寄ったとき。自分はその地面付近をあまり見なかった。

 

 その慰霊碑の前には、歌姫の舞台と遜色ないほどの。

 たくさんの花が。色とりどりの花が。手向けられていて。

 

 その内の何割かは、見覚えのある、自らの店の花たちだった。

 

「…………」

 

 花屋は、しんどい。

 店に投資した竜人商人の憂慮とは、これのことだったのだ。

 

 

 

 じっと黙祷を捧げて、その墓地を後にした。

 再び来ることはないだろう。後のことはここの守り人、墓守が管理してくれるはずだ。

 それに、言い方は悪いがこんな境遇のハンターはいくらでもいる。そういった人々が毎日訪れるのがあの店なのだから。一人一人に感情移入などしようものなら、とてもではないがやっていけない。

 

 花によって育てられた感受性は失われたのか、別の何かに変わってしまったのか、自分でも分からない。

 ただ、少なくともあの少女のように純粋な者には、それはあまりに酷だろう。だからはぐらかしたのだ。

 あのとき約束したように、もう少しあの子が成長して、世間のことを知れるようになったときに、また来て同じことを言ってくれたならば、本当のことを話そう。

 

 自分は、花屋を辞めるつもりはない。

 ハンターという職業との繋がりを知ってしまった以上はという責任感もある。何より、花が好きだという感性だけは否定したくないから。

 しんどくて、重いけれど。まだなんとか抱えられる。音を上げるには早すぎるし、これからもそうだ。

 

 一人で、石造りの街を歩き続けた。

 

 

 

 

 

 店に戻る頃には、すっかり日が暮れてしまっていた。

 少し花の手入れをしてからさっさと寝てしまおうと思っていた矢先、店の前に人の影があることに気付く。

 まさか、盗人か何かか。なんでこんな時にと泣き言を言いたくなる気持ちを抑えて、できるだけ気配を殺してその人物の様子を探る。

 

 ……どうやら、ただ店の前に突っ立っているだけのようだ。しかし、その理由が分からない。

 閉店の看板は店の前に出している。花を買いに来るなら明日また来ればいいのに、急ぎの用事でもあるのだろうか。

 

 と、月明りがその人物の身に纏っているものを照らした。服ではない、防具だ。武器は持っていないようだが、その鎖帷子はどこか見覚えがある────。

 

「…………お前、何しに来た?」

「ん? おぉ戻ってきたか! 久しぶりだな。元気にしてたか?」

「挨拶はいい。お前、なかなかの不審者だったぞ」

「ま、まじか。それはなんかすまん……」

 

 申し訳なさそうに謝るその男は、以前、落陽草の花の粉末を買い求めにこの店に来ていたハンターだった。

 最近姿を見せていなかったから、ひょっとして死んだのかと思っていたが。粉末を買った後に赴いていた狩りは無事に終えることができていたようだ。

 

「要件は何だ。いつものを買いに来たなら明日来ればいい。今日の夜に狩りに出るとかなら用意してやらないこともないが……」

「いや、今日のは違うんだよ。どちらかというと相談っつーか……」

「……? 歯切れが悪いぞ。結局何がしたいんだ」

 

 この男が何をしに来たのかが全く分からないが、とにかく閉店後にここに尋ねてくるくらいの重要性はあるのだろう。そうでなければ軽く怒る。

 らしくもなく恥じらう様子を見せる彼に、若干の気持ちの悪さを感じつつもじっと待っていると、鎖帷子の男は意を決したかのように口を開いた。

 

「ぷ、プロポーズするときにいい花を教えてくれないか」

「…………はぁ?」

「だから、プロポーズだよ! 女の子への! お前ならそこら辺の知識もあるだろ!」

 

 一秒ほど思考が停止した。

 

 彼はプロポーズと言ったか。好意を伝える告白ではなく、結婚を申し込むための。つまり彼は交際している相手がいた。全く知らなかった。

 ようやく事情を飲み込み始める。大方、日中にそんな理由で店を訪ねるのが恥ずかしかったからこの時間に来たのだろう。

 普通に迷惑だが、その心理は分からなくもない。

 

 いや、待て。ある閃きから過去の記憶を蘇らせる。

 

「ひょっとして、お前が落陽草の花を買いに来たときに、毎回のように他の花を一本買っていってたのは」

「……うるせえ」

「そういうことか。そういうことだったんだな」

「……そうだよ! あの子への贈り物だよ! くそっ死ぬほど恥ずい……!」

 

 暗闇の中でも、彼が顔を真っ赤にしていることが分かった。

 売り上げに貢献するというのは口実でしかなく、その実、交際相手が喜ぶような花を見繕っていたのだろう。むしろ、それが店に来る理由だったのかもしれない。

 それが努力と言えるのかは分からないが、とにかくそういった行動が実を結んで、彼はついに結婚を申し込むまでに至ったのだ。

 

 ……ああ。

 

 ああ、まったく。つい先ほどまで、しんみりとした気持ちでいたのに。

 花屋はしんどいだとか、死とか弔いとか、そういったことを考えて歩いていたのに。

 

「…………ふっ、ははっ」

「おまっ、おまえ笑ったな!? なんだよ、男のハンターがこんなことやっちゃ変かってか……!」

「いや、そんなことはないさ。ただ、悩む暇も与えられないなと思っただけだ」

 

 首を傾げる彼を傍目に、店の裏口の鍵を開ける。

 そうだ。花屋にはそういう側面もある。悲しみや苦しさに囚われて、楽しんだり笑ったり、喜ばせようとする人たちまで暗い気持ちにさせては商売人失格だ。

 

「いいだろう。昨日入荷したとっておきを見せてやる。ここの花の中ではトップクラスに高いし、花言葉に不穏なものもあったりするが、ロマンチストなお前ならこれを選ぶ勇気があるんじゃないか?」

「う、受けて立ってやるよ……ちなみに、その花の名前は?」

「『モノブローズ』。荒野に咲く、深紅の一本棘を持つ薔薇だ」

 

 その挑戦を助けよう。雰囲気づくりに一役買ってやろう。上手くいったなら、その門出を祝ってやろう。

 その先にハンターとしての悲しい別れが待ち受けていたとしても、それすらも支えてやるのだ。その意味合いを変えて、寄り添えるように。

 

 それが、花というものなのだから。

 この街の花屋は、それができる場所なのだから。

 

 

 

 グラビスカスの花言葉は、『艶美』『わたしを見つめていられるなら』。

 灼熱の火山の中で強かに咲き誇り、熱波に目を焼かれそうになっても向き合える者だけが、手に入れられる花だから。

 

 霞ヶ草の花言葉は、『繊細』『また、あなたに会えますように』。

 天空山の近隣の村に訪れた旅人が、村を去るときに贈られる。その地の伝承に記されたとある龍の唄に因んで。巡って廻って、また戻ってこれますようにと。

 

 星見の花の花言葉は『祈り』『遠くにいるあなたへ』。

 遺群嶺の頂上に棲まうとされる彗星の龍は、遠く夜空の星にすら手を届かせるのだという。そんなおとぎ話と、夜にこそ美しく在るその奥ゆかしさを紡ぐ。

 

 モノブローズの花言葉は『孤高』『あなたと添い遂げたい』。

 誇り高き一本角の竜の在り方。その竜に纏わる、ある狩人の英雄譚と悲劇。相反するふたつの謂れのどちらを選び取るかは、その花を手に入れた者次第。

 

 

 

 ────あなたは、どんな花が好きですか。

 

 

 

 

 





本小説には現状で判明しているモンハンの花のほとんど(フロンティアを除く)を登場させています。
本文中に出すタイミングを完全に見失っていたのですが、主人公の名前はレインで、鎖帷子の男の名前はヴィクスです。
新大陸の花にもレインは興味を持っていますが、あちらは生態系保護の関係から輸入制限がかかっているため、現状入手を断念しています。

よろしければ、感想や評価をしていただけると嬉しいです。
花についての知識がほとんどないままに書いてしまったので、何かご指摘があればこっそり教えていただけると幸いです。
それでは、読了をありがとうございました。


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