レヴィ・ア・タンという男   作:後生さん

8 / 8



あけましておめでとうございます!!!

いやぁ……あっという間の1年でしたね……(遠目)。
めでたいわけなので、いい加減リング戦終わらせようと思って頑張りましアタタッゴメンなさいやっと書き上がったので出そうと思っただけですッ!!!

楽しみに待って下さっていた皆様、長らくお待たせ致しました!相変わらずの急展開ですし、隙間時間に読める字数だと自負します。
さくっとどうぞ!














どうせなら寝顔に「俺がボス」って書いてやろうかな

 

 

 

 

 

────倒れ伏し動かない主の横で、男は佇んでいた。

圧倒的な重圧をその身から発してピクリとも動こうとしないその存在感は、悲しみとも怒りとも表現しているようには見えず、俺達にただ息を飲む緊張感を与えている。

 

 

 

レヴィ・ア・タン。

 

 

 

ヴァリアーきっての最強戦力。

ザンザスに忠義を尽くし、ボンゴレに留まらず数多のマフィアファミリーに恐れと警戒を抱かせる彼は、しかしながらこのリング争奪戦に於いては明確な殺意をもって挑んだ様には到底思えなかった。

確かにその力はさながら雷神が如く神経に轟かせる一撃で、死毒すら寄せ付けない強靭な肉体は驚異的だった。

最強たる片鱗を見せつけた男は間違いなく俺達にとって苦戦すべき相手で、今尚固唾を飲み込ませている。

 

 

 

──って、リボーンが言ってたけど。

 

俺からすればそんな冷静に考えられる状況じゃなかったってのが本音だから、改めて彼の異質さを聞いても、確かに強かったなぁ……って思ってしまうだけだった。

そりゃあ、あの人はヤバい!近付いちゃ駄目だ!そう感じてたんだけど、何でだろう。今は大丈夫な気がする。

 

 

「(…ランボを助けてくれたからかな?)」

 

 

情けだったのかもしれない。それでもランボは助かったし、最後の大空戦でも結局手出しはして来なかった。

ベルフェゴールとマーモンがクロームを人質にして指輪を要求した時に彼も居たらしいが、手を出すなと言われてその通りにしていたと聞いたし。ルッスーリアに大空以外の指輪をザンザスに届けられた際にも何も言わず近くで控えるだけだった。まるで、それが正しいと言ってるように。

 

そんな彼が動いたのは、ザンザスが氷漬けから解放され、身につけたボンゴレリングに拒まれ…ベルフェゴールとマーモン、ルッスーリアが降参してからだった。

一歩踏み出した瞬間のあの重圧には思わずへたり込んでしまって。…今もそうだけど。

 

一体何をするんだろう。何を思ってるんだろう。

レヴィの行動には誰もが予想出来なかった。

だってリボーンに至っても、もしかしたら暴れるかもしれないと思っていたから。こんな満身創痍な状態で、体力全開ではなから全力すら出していない男に勝てるわけない。皆がそう思った。そして、皆が動けなかった。

 

 

「──やっと終わったか」

 

 

その、一言を聞くまでは。

 

 

レヴィは無感情にザンザスを見つめていた。瞬きすらしない様子は、暴れるとか微塵も感じなくて…まるで思わず零れてしまったみたいな、そんな言葉だった。

 

 

「ど…どういうことだ…?」

 

「……レヴィ・ア・タン。お前、知っていたのか?」

 

「?リボーン、それどういう意味…?」

 

 

帽子の鍔で隠れた表情は分からないけど、リボーンの放った台詞には、レヴィも静かに此方を振り返って見据える。

やっぱりその瞳には、何も映ってはいなかった。

 

 

「先の大空戦、お前には確実にリングを手に入れられるタイミングがあった筈だ。それがザンザスに命令されたとしても、邪魔をするだけで自ら動こうともしなかった。それまではボスの手柄だと思慮深く判断しているようにも思えたが、確実にそうではないと思ったのは、ザンザスの過去を聞いてもまるで反応しなかった所だ」

 

「、!!…それは、不自然だな」

 

 

え、全然見てなかった…。

でも、確かに…レヴィは本当にずっと立っているだけだった。吠えるザンザスに何も言わず、助けもせず、その姿を目に焼き付けて…そうであるべきだと言わんばかりに。

 

 

「悔しいが、お前が動きさえすれば俺達なんてすぐにでも蹴散らせただろ。ヴァリアーの部隊で脅した時にでも力を出せば良かった。なのに、そうしなかった。それは、」

 

「ボスが継承者でないと知っていたからじゃないのか」

 

「!」

 

 

リボーンに被せてその続きを答えたレヴィに、俺達は息を飲む。仲間内で見せた感情のあった表情が嘘だったかのように、機械的に無機質な瞳には思わず身震いをした。

それはまるで…彼の存在意義が元々そうで在るみたいに、作り出されたものに見えてしまった。その瞳を見てると、自分でさえも分からなくなりそうで怖かったんだ。

 

だけど、その視線から何故か逸らせない。

 

レヴィの発する重圧にも負けているんだろう。それでも押さえつけてるわけではなさそうなのに、どうしてこんなに息がしにくいのか。俺は胸を手で押さえつけた。

 

 

「このリング争奪戦に最初から意味等無かった」

 

「れ、レヴィ…何を言ってるの!?」

 

 

ルッスーリアの悲鳴にも似た声にレヴィは目を細めて、画面を越えた先のスクアーロに向けて話す。

 

 

「スクアーロ。お前がボスの抱える執念を知っていたのと同じように、俺もその末路を知っていた」

 

「ッ、レヴィ…ならなんで言わなかった!誰よりもザンザスの傍に控えていたテメェならッ!!」

 

「リングを手にするまで、決して諦めないとお前も分かっていたから着いて来たんだろう」

 

「ぐ…そう、だけどよ…!」

 

 

ザンザスの執念は尋常じゃなかった。

執拗にボスの座を狙い続けた野心は有無を言わせない程強大で、それは関係の無い人達まで巻き込んでいて……俺はそれが許せなくて、抗える力が欲しくて、挑んだんだ。

 

 

「…だが少なからず、お前が本気を出すだけでまた違った結果になったんじゃないのか?」

 

 

ディーノの窺う素振りに、レヴィは淡々と答える。

 

 

「殺せと命令されていない」

 

「!?そっ、そういう本気かよ…!」

 

「逆に、なんだと思う?」

 

 

冗談を言う性格ではない、と思う。そして、分からせる様に溢れさせた殺気に、俺達は凍りついた。

 

 

『ッッ!!』

 

「意味の無い戦闘は好みじゃない。

ボスの望みで俺は此処に居る」

 

 

ボスがそう命じるならば。ボスがそれを望むのならば。

例えその先に何も無くとも──。

 

 

ザンザスに心からの忠誠を捧げた男の生き様に、気付けば圧倒されていて…目から涙が流れていた。

 

 

「…っ、?ぁ、あれ…、なんで…?」

 

「ツナ?!」

 

「あれ…っ、俺…なんで泣いてるんだろ…」

 

 

何が悲しかったんだろ、何が涙腺に触れて…。

 

止まらない涙を訳も分からず拭う俺を、レヴィが見ていた。感情の伴わない硝子玉みたいな、そんな濁りのない無色の瞳には、泣き続ける俺の姿が映っている。

何故かそれが更に俺の涙を助長させてしまうんだ。

 

 

「…沢田綱吉」

 

「ぅ、…っ?」

 

 

鼻水まで垂れ出した泣きっ面に、レヴィは呟く。

 

 

「──不憫な」

 

 

哀れみとも、同情とも取れない平坦な声。

もはやそれが俺に呟いていたのかさえも曖昧で…その言葉の真相を尋ねるにはあまりにも体力を消耗し過ぎていた。

やっとの思いでザンザスを倒して、そこから積まれた重圧と緊張感によるレヴィ・ア・タンとの対向。

 

 

「………ぁ…」

 

「!?10代目!!!」

 

「ツナ!!」

 

 

ふっ、と唐突に意識が一瞬飛んで体が崩れた。慌てて駆けつけて来た獄寺君と山本に申し訳ないと感じながらも、

今にも落ちそうな、薄くぼやけた視界で…思ったんだ。

 

 

「(…だめだ……)」

 

 

とても強い人だ。誰の助けも必要としないくらいに。

恐ろしくて、仲間にとってはとても頼もしい人で。

ザンザスの命令だけを心に刻んでいる、忠実な人。

 

 

「(──だめなんだ)」

 

 

いつの間にかレヴィの視線の先は、ザンザスへと向いていた。それが、さもレヴィ・ア・タンだと言うように。

 

 

口は開かない。

伝えられない。

 

 

それでも、

 

 

それは駄目なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いぃぃぃやっほおおおお終わったぜええ!!!!

ふううぅぅぅぅ〜〜〜〜〜!!!⤴︎ ⤴︎⤴︎

 

 

…いや失敬。あまりの喜びでキャラ崩壊するとこだった。

は?既にしてるって?うるせぇ!!!

俺はこの意味なんか溝に棄てたリング戦からやっと解放されてもたらされた自由を噛み締めてるんだよ!!!

シャバの空気が美味い!!ずっと外に居たけどね!!!

 

瞳を閉じて大の字で倒れているボスの横に突っ立っていた俺は、もはやせき止められない上から目線をボスに注ぐ。

だってこんな時でしか見下せないもんね。

あれ?悲しいな俺。…それにしても。

 

 

「──やっと終わったか」

 

 

流石に大手を挙げて喜ぶ訳にはいかず、しみじみと呟けば何か凄い勢いで俺に視線が集中したんだが?

 

 

「ど…どういうことだ…?」

 

「(ん?)」

 

「……レヴィ・ア・タン。お前、知っていたのか?」

 

「………(何が??)」

 

「?リボーン、それどういう意味…?」

 

 

突然のムービー始まったかと思ったわ。

鋭く射抜かれたリボーンの視線に、なんか真剣そうだなと困惑しながらも、自由を手に入れた俺に恐れは無い。

逆に堂々と見つめ返してやったわ。

 

 

「先の大空戦、お前には確実にリングを手に入れられるタイミングがあった筈だ。それがザンザスに命令されたとしても、邪魔をするだけで自ら動こうともしなかった。それまではボスの手柄だと思慮深く判断しているようにも思えたが、確実にそうではないと思ったのは、ザンザスの過去を聞いてもまるで反応しなかった所だ」

 

「、!!…それは、不自然だな」

 

 

何それ……あらすじ…??

 

呆然とする俺を置いて話は進んでいく。

 

 

「悔しいが、お前が動きさえすれば俺達なんてすぐにでも蹴散らせただろ。ヴァリアーの部隊で脅した時にでも力を出せば良かった。なのに、そうしなかった。それは、」

 

「(あー!なるほど)ボスが継承者でないと知っていたからじゃないのか(ってこと!?)」

 

「!」

 

 

アッ食い気味に言ってしまった。

いやまぁそうだよね!たまに思ってたんだよ、俺大丈夫かな?カッ消されないかな?って。こんなに堂々と (いやまぁバレない程度に努力はしたけど) 勝たない動きをしてたんだ。勘の鋭いリボーンにバレるのは寧ろ想定内。

 

 

まぁ、だから何?って話だよな。

 

 

驚愕に俺を見つめる主人公達に口を開く。

話したっていいだろ。スクアーロも言ってるし。

そうだ、言ってしまえ!ボスも寝てることだし!

 

 

「…このリング争奪戦に最初から意味等無かった」

 

「れ、レヴィ…何を言ってるの!?」

 

 

ルッスーリアに限らず、ベルやマーモンからも動揺が見えた。なんか未成年の主張みたいな展開だな。

面倒なので手っ取り早く納得させる為に途中で消えやがった画面の向こうのストロングSに向けて話す。

 

 

「スクアーロ。お前がボスの抱える執念を知っていたのと同じように、俺もその末路を知っていた」

 

「ッ、レヴィ…ならなんで言わなかった!誰よりもザンザスの傍に控えていたテメェならッ!!」

 

「(いやいやいやいや)リングを手にするまで、決して諦めないとお前も分かっていたから着いて来たんだろう」

 

「ぐ…そう、だけどよ…!」

 

 

何が不満なの!?あと傍に控えてたのはボスの圧ですぅ!俺の意思じゃありませーん!!怒るぞ!!

 

 

「…だが少なからず、お前が本気を出すだけでまた違った結果になったんじゃないのか?」

 

 

 

─────本気(・・)

 

 

 

ディーノの言葉に、俺はすん、となった。

本気か。本気って、あれか?

 

 

 

 

殺せってことか。

 

 

 

 

ああ、それな。

 

 

「殺せと命令されていない」

 

「!?そっ、そういう本気かよ…!」

 

「逆に、なんだと思う?」

 

 

教えてくれよ。

何に対して、本気を出せと言えるのか。

この人殺しが、何に本気になればいいのか。

 

 

『ッッ!!』

 

「(……落ち着け。そうじゃないだろ、誤解を解くんだろ。)意味の無い戦闘は好みじゃない。

ボスの望みで俺は此処に居る」

 

 

そうです。全てはコイツが悪いんです。

コイツだけが!!悪いんです。

何でもかんでもボスってだけで命令しやがって!!!

ブラック反対!!パワハラ反対!!

俺をホワイトに戻せこんにゃろう!!!泣泣泣泣

 

そして気付くと沢田君が泣いてました。

 

 

「…っ、?ぁ、あれ…、なんで…?」

 

「(え?俺の台詞…)」

 

「ツナ?!」

 

「あれ…っ、俺…なんで泣いてるんだろ…」

 

 

知らねーーーーーーーーーーーーよ!!!?!!?

えっ俺のせい!?!そんなわけないよな??

 

えぐえぐと涙を拭う沢田君はすっかり傷だらけで、それまでの出来事を思い返すと、慌てた内心も波を引く。

 

…そりゃそうだよな。俺とある種同じだ。

突然マフィアのボス候補とか言われて。こんな殺人集団と戦わされて。大事な人達危険に晒されて。

怖かっただろうにな。辛かっただろうにな。

………逃げ出したかっただろうにな。

 

 

「…沢田綱吉」

 

「ぅ、…っ?」

 

 

鼻水を啜った泣きっ面に、俺は吐き出す。

 

 

「──不憫な」

 

 

俺に向けたのか、彼に向けたのか分からない。

ただ言えるのは、彼が主人公であること。この先を俺は知ってるから、彼が、心も体も強くなることは分かってる。

仲間達と一緒に、転びながらも階段を駆け上がるんだ。

 

俺は、どうなんだろうな。

ザンザスに目を向ける。俺だって寝たいのに、そんな事も関係無く、隙だらけで寝てやがるボス。

 

…コイツを殺したら、どうにかなるんだろうか。

俺の人生に、平和が戻るんだろうか。

 

 

「……(馬鹿だな)」

 

 

くだらないこと考えてしまった。

 

うん、これも全てボスのせいだな!俺の順風満帆になる筈だった未来設計をぶち壊してくれやがったのが最初だし。

てかなんでこの人俺を幹部にしようと……??あっなんか今更感過ぎて頭痛が痛いみたいな事になりそう。

 

うーんボスの寝顔見ながら何考えてんだろうか俺…。

いい加減精神的にも休んだ方がいいな、そうしよう。

あっどうせボス何日か起きないだろうし、旅行とかも良さそうだな!許してくれるかしらんけど!!

 

何やら向こう側がバタバタする音を聞きながら、ちょっとした慰安旅行を計画してウキウキする俺でした。まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








如何でしたか?カップラーメンより早かったでしょ??
レヴィの慰安旅行何処にしようかな。あ、良かったら提案下さいまし!
大分お久しぶりに投稿しましたが、レヴィと周囲の思考の差に自分で笑いました。まぁクオリティはこんなもんですけどね。

今年もまた程度の低い投稿になるでしょうが、私は元気なので皆様もお元気に、健康に、コロナに気をつけてお過ごしください!
皆様にとって1日1日が思い出深い一年となりますように!!

次話もお気を楽にしてお待ちくださいませ!



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