遊戯王ではない!デュエルモンスターズだ!!   作:なにかの波動に目覚めたトマト

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コンマイ語って難しいから、あってるかどうかわかんない。



榊遊矢の目指せさいつよデュエリスト講座!

「それで、どうなっている?」

 

 遊矢がストロング石島相手にソリティアをし勝利をした頃、レオ・コーポレーションの本社。

 社長である赤馬零児はLDSのイメージキャラクターであるストロング石島が指名した榊遊勝の息子である遊矢との一戦を見ていた。イメージキャラクターでチャンピオンがプロでもなんでもない奴に負けるのは色々と問題なので一応のチェックの為と単純に面白そうだとデュエリストの血が騒いだ為に見ていたのだが遊矢がイグナイトを使った事により場面は急転した。

 

「このエネルギー反応!シンクロでもエクシーズでも融合でもありません!」

 

 最近になり融合、シンクロ、エクシーズを教えだしたレオ・コーポレーションが経営するデュエル塾LDS。

 財力にものを言わせ、最高の設備や環境を用意しており人気No.1のデュエル塾で、生徒が昨年はジュニア、ジュニアユース、ユースの3つの部門を総なめにしたほど。

 そんなLDSが、レオ・コーポレーションが全くといって知らない、聞いたことの無い召喚のエネルギーを感知した……

 

 

いや、召喚のエネルギーってなんだよ?

 

 

 

 

 リアルソリッドビジョンシステムを使ってのデュエルだけども、召喚のエネルギーってなんだよと思うが気にしてはいけない。

 シンクロ召喚のエネルギーで動く永久機関とかあるのが遊戯王世界なんだからツッコミを入れていたらキリが無い。

 

「ルールの方も変わっており、フィールドにペンデュラムゾーンと呼ばれるゾーンが出現しました」

 

 見知らぬ未知のカードならばまだしも未知の召喚方法に加えて、ルールの書き換えまで行ったので驚くしかない。

 零児の側近こと中島はルールブックやフィールド等を確認し、何時の間にか変わっていると言う……のだが、それだけである。

 

 

 デッキに入ってないカードを創造したり、カードのテキストを書き換えたりして使用しても特に怒られない、それが遊戯王世界。

 

 

 シュトロームベルクの金の城と7カードはどうなんだって?怒られるかどうかの基準はデュエリストとしての誇りを汚したらダメであり、それ以外は特に怒られないんだ。

 

 

 

 

「このペンデュラム召喚を行った彼の情報を!」

 

 ルールの書き換えを気にしない零児。

 ペンデュラムの解析をしたいので先ずはと遊矢の情報を目の前にある管制室の巨大なモニターに映し出す……おい、個人情報勝手に見るな。

 

「榊遊勝の息子の榊遊矢。

一昨年舞網チャンピオンシップのジュニアクラスで準優勝した柊柚子の幼馴染みで、本人は舞網チャンピオンシップに出場はしていない。今年の公式戦の成績は、たったの2試合だと!?」

 

 遊矢のプロフィールを見て、驚く零児。

 

「牙を隠していたのか?」

 

 目立った経歴もなく今年の公式戦、2連勝こそしているものの相手の内一人は同じ塾の柚子。

 ジュニアクラスで準優勝した柚子に勝てる実力、榊遊勝の息子、晴れ舞台で見せた4つの異なる召喚からの1ターンキルから推測し、今まで本気を出そうとしていなかったデュエリストだと結論付ける零児。

 

「社長、どうなさりますか?」

 

「ペンデュラム召喚に関するデータを」

 

「それなんですが、ペンデュラムスケールにセットしては破壊を繰り返していましたので、断続的なエネルギー反応しかなく、最後のペンデュラムでのエネルギー反応ぐらいしかサンプルが」

 

「っく……」

 

 雑な説明しかしていないペンデュラム召喚。

 一刻も早くそれがなんなのかを調べたいものの、スケールにセットしては破壊してエクストラを肥やすのを延々と繰り返すのがイグナイトの基本であるために観測しようとした途端にペンデュラムスケールから居なくなる現象が起きてしまったのだ。最後のペンデュラム召喚の時だけでもエネルギーの観測がちゃんと出来たのが救いだが。

 

「社長、榊遊矢からペンデュラムカードを回収しますか?」

 

「それはならん。彼はあの榊遊勝の息子であり、ペンデュラム召喚を造り出した張本人だ。

更に加えればエクシーズ、シンクロ、融合の3つの召喚を、いや、ペンデュラムも加えれば4つの召喚を1ターンで使っていて、それでも余力を残している」

 

「余力、ですか?」

 

 1つの召喚法を極めるだけでも一苦労な筈なのに、これだけやってもまだまだ全力じゃないとはとても思えない中島。

 

「墓地に眠るカードは数少ない上に、墓地から使えるカードも無い。だが、まだ手札は残っている」

 

 ストロング石島とのデュエルではあえてエクシーズ、シンクロ、ペンデュラム、融合の4つを出すのを優先した。

 だが、遊矢の手札は残っていた。手札が1枚でもあればそこから形勢逆転出来るのがデュエリスト。遊矢の手札は残っており、まだやろうと思えば色々と出来た筈だと結論付ける。

 

「彼の持つペンデュラムカードは確かに魅力的だが、それを取り上げれば彼自身が弱くなる。

彼は我々の求めている槍となるには充分な強さを持っているデュエリストだ。カードを取り上げ、私達が弱くするわけにもいかない」

 

「では、そのままに?」

 

「中島、公式戦のデュエル、柊柚子ともう一人は誰だ?」

 

LDS(うち)に所属している沢渡で、1ターンで敗北しております」

 

「LDSの生徒か……面白い」

 

 良からぬというか傍迷惑な事を考える零児のメガネがキラリと光る。

 ペンデュラムとはどの様なものなのか、榊遊矢の全力はいったいどれ程のものかを試そうとしているのだが、さっさと辞めておいた方がいいぞ、零児。

 

 

 常に安全地帯に座りっぱなしにいるお前の事を苦手としており、これから先、どんどんとお前に対する好感度が落ちていくイベントがあるのだから。それよりも今すぐにお前が直接向かえば良いだけなんだ!

 

 

 なんだったら遊勝塾の向かい側にLDS直営のカードショップを開いて、そこでデュエル教室的な事をやり、遊勝塾を閑古鳥にし経済的に追い詰めれば楽にペンデュラムカードを手に入れられる!

 

 

 そんな世界からか超天新龍オッドアイズ化したズァークからかの叫びは零児の耳には響かない。

 

 

 

 

 

 

 まぁ、向かい側に遊勝塾を潰す為だけに店を作ったりすれば天ノ河リュウセイの如く店を潰しに遊矢くんがデュエルをしにくる。無論、賭け金は遊勝塾とペンデュラムカードである。

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ……ふふふふ」

 

 遊矢が未知のペンデュラム召喚を使い、更にエクシーズ、シンクロ、融合の異なる召喚でストロング石島に勝利した翌日。遊勝塾には沢山の入塾希望者がやって来た。

 その光景を見て私は笑みが止まらない。おじさんが居なくなる前のあの頃と同じ、いや、それ以上の入塾希望者がやって来たのよ!!

 この人達が入塾してくれれば、衰退の一途を辿っていた遊勝塾(の経営)が復活するための大きな一歩が踏み出せるわ!!

 

「遊矢兄ちゃん、何処でなにやってんだよ。皆、痺れるぐらいに待ってるのに」

 

「それを言うなら、痺れを切らすぐらいでしょ……でも、遊矢お兄ちゃんなんでいないの?」

 

「用事があるって言ってたから遅れるって……なんの用事かしら?」

 

 主役の遊矢が遊勝塾に来ていない。

 遊勝塾のモットーであるエンタメデュエルのデモンストレーションをするためにも、遊矢の力が必要なのに。

 

「柚子、このままだと入塾希望者達が痺れを切らす。ここは俺とお前の熱血エンタメデュエルで」

 

「ダメよ。皆、遊矢を待っているんだから」

 

 遊矢が居ないから、自分とデュエルをしようと提案をするお父さん。

 今回の主役は遊矢、主役が不在のエンターテイメントなんて絶対にありえないわ。

 

「あ~なんか思ったよりも多いな」

 

「遊矢、遅いぞ。いったい何処に行ってたんだ!」

 

「ちょっとニコのところに……それよりも多いな」

 

「ああ、全盛期を上回る程の入塾希望者がやって来た!!

それもこれもお前が見せた、あのペンデュラム召喚と3つの召喚のお陰だ!!」

 

「……」

 

「遊矢?」

 

 遊矢を称えるお父さんだけれど、余り良い顔をしない遊矢。

 鞄からカードが入ったクリアケースを取り出し、待ってくれている入塾希望者達の前に出た。

 

「やっとか!」

 

「待ってたぜ!」

 

「昨日のデュエル、凄かったぜ!!」

 

 遊矢が登場し、大喜びをする入塾希望者。っと、私もいかないと!

 

「お待たせしました!今から遊矢と私、柊柚子の」

 

「ストップ、ストップだ。柚子、詐欺るのはダメだって」

 

「エンタメデュエルをお見せって、なにをしてるの?」

 

「なにをじゃない、なにをじゃ。はい、榊遊矢の目指せさいつよデュエリスト講座!どんどんぱふぱふ~」

 

 遊矢とデュエルをし、大きく盛り上げて入塾希望者達の熱を上げようとしたらそれを止める遊矢。

 実技じゃなく講義がはじまり、遊矢はアクリルケースに入った紫色のカードの融合のカードを取り出す。

 

「はい、柚子。この紫色のカードとこの魔法カードの説明をしてみろ」

 

「ええっ!?」

 

「いいから、とっととしろ。お前自身がちゃんと勉強をしてるかどうかの確認だ」

 

 ちゃんと勉強をしてるかどうかって、渡されたの一昨日なんだけど?まぁ、良いわ。

 

「紫色のカードは融合モンスター!

メインデッキとは別のエクストラデッキのカードで、融合カードを使って融合モンスターに記載されたモンスターを手札やフィールドから墓地に送り、融合召喚する事ができる!」

 

「融合に対して昇天の黒角笛は使うことは?」

 

「……」

 

 昇天の黒角笛は特殊召喚を無効化するカウンター罠だったから……

 

「無効に出来るわ!!」

 

「あれは特殊召喚を無効で特殊召喚する効果の無効じゃないから出来ない」

 

「そ、そうなの!?」

 

「これ、融合の基本中の基本だぞ。

昇天の黒角笛は自分フィールド上にモンスターが居なければ特殊召喚出来るとかの主に自らを特殊召喚するチェーン組めない効果での特殊召喚を無効にするもので、融合は召喚までが効果処理で、召喚に成功した後だから無効に出来ない。奈落の落とし穴とかの成功時に使えるカードは使える」

 

 そうだったの……。

 

「因みにだが昇天の黒角笛はペンデュラム召喚には対応しているかいないか、どっちだ?」

 

「いきなり!?……ええと、ペンデュラム召喚はペンデュラム召喚をするって宣言をしてから召喚するもので、宣言をしただけでその時にはカードはなにも使っていないし、宣言をした時はもう相手はカードの発動のタイミングを逃しているから……ペンデュラム召喚に対して昇天の黒角笛は発動出来るわ!!」

 

 まさかのペンデュラムの問題が出てくるとは思ってもみなかったけれど、さっきの融合の件で学習出来たわ。

 ペンデュラム召喚はチェーンに乗らない特殊召喚の一種。だったら、使える筈よ!

 

「答えは発動出来る時もあれば発動出来ない場合もある……つまり、答えは時と場合による」

 

「ちょっと、それ卑怯じゃない!?」

 

 どっちを答えてもハズレじゃない!!

 

「ヴァカめ、遊戯王…じゃなかったデュエルモンスターズは大体そんな裁定が多いんだよ。

ペンデュラム召喚はチェーンの無い特殊召喚で、一度に同時の特殊召喚を行う。

ペンデュラム召喚で1体だけモンスターを召喚した時は発動出来て、ペンデュラム召喚で2体以上召喚した場合は発動出来ない。あくまでも昇天の黒角笛はモンスター1体の特殊召喚を無効にするだけで、モンスターの2体以上の特殊召喚を無効にできない」

 

 遊矢の引っかけ問題に引っ掛かっちゃった……。

 チラリと目をやると入塾希望者達や後ろで見ているアユちゃんやフトシくん、それにお父さんは煙を上げている。

 

「因みにだがペンデュラム召喚に対して奈落の落とし穴を使った場合は奈落の落とし穴の発動条件である攻撃力1500以上のモンスターのみ破壊されて除外され、1500以上のモンスターが複数いれば複数破壊され除外される。神の宣告とかの召喚無効系のカードを使った場合は全部破壊される……ついてこれてなくてもまだまだやるぞ~」

 

 今回は黒いカードとカイエントークンカードを出す遊矢。

 私の方をチラリと見たから、答えろって事なのよね?

 

「黒いカードはエクシーズモンスター。

レベルを持たないモンスターで、レベルの代わりにランクを持っていて……え~と……」

 

「なに、レベルが無いならばレベル0ではないのか!?」

 

「違うわ!……そう、それよ!

レベルが無いからレベルに関する効果、例えばレベル制限B地区や下克上の首飾りなんかの効果は受けないわ!」

 

 私の幻奏と相性が良いのは融合で、その次にエクシーズ。

 真っ先に覚えた融合よりは知識が薄いけれども、これぐらいならまだいけるわ。

 

「どやってるのは良いけど、召喚条件とかの説明もしてワンセットだ。折角俺がいれた合いの手が無駄になるぞ」

 

「エクシーズモンスターの召喚条件はランクと同じレベルのモンスターを2体以上フィールドに出して、オーバーレイすること!エクシーズモンスターによって2体、3体とエクシーズ召喚に必要な数が変わるわ!

エクシーズモンスターはほぼ全てが効果を持っているわ。でも、基本的にはオーバーレイユニットとなったモンスターを墓地に送ってから発動するものだから、オーバーレイユニットが無いと使えないから実質回数制限があるわ」

 

「ホントにそれだけで正しいか?」

 

「後、なにかあったかしら?」

 

「2体以上のモンスターを並べて、指定されている数を重ねてその上にエクシーズモンスターを乗せるのがエクシーズ召喚……中には2体以上と書かれているエクシーズモンスターもいて、その場合は3体でも召喚できて、モンスターを素材として要求しているからトークンでの召喚は出来ない……後は、エクシーズ素材となったモンスターはフィールドにいない扱いで、エクシーズモンスターの効果を発動し、仮にクリッターみたいなフィールドから墓地にの効果は使えない……フィールドから墓地に送られたは無理で、墓地に送られたはいける」

 

 あ、そうなの?知らなかったわ。

 

「はい、と言うことでここで問題です。

自分フィールドのモンスターを素材としてエクシーズモンスター1体をエクシーズ召喚する効果を持つ罠カード、ワンダー・エクシーズに対して昇天の黒角笛は使える?使えない?」

 

「ええっと、特殊召喚をする効果だから……使えないわ!!」

 

「正解!後でトリシューラプリンを奢ってやる」

 

「やった!」

 

「と言いたいが、ワンダー・エクシーズに対して使えないだけで昇天の黒角笛を使えるタイミングがある。それは何時?」

 

「え……」

 

 トリシューラプリンを奢って貰えると知り、喜んだのも束の間、追い討ちをかける遊矢。

 昇天の黒角笛を発動するタイミングって、何処にあるの!?

 

「外したらトリシューラプリンは無しだ」

 

「っく……」

 

 考えろ、考えるのよ私。

 トリシューラプリン、じゃなかった、入塾希望者達が見ているのよ。

 遊勝塾の先輩として看板娘として……そういえば、何時の間にかデュエルをせずにクイズ形式の講義になっているけれど、誰も文句を言わないわね。

 

「ヒント、使いますか?」

 

「っ……使うとどうなるの?」

 

「トリシューラプリンがメッセンジェラートに変わる」

 

「……ヒントを頂戴!」

 

「お前、今、入塾希望者前での講義だって忘れてないか?もうちょっと頑張れよ」

 

 トリシューラプリン……。

 

「このカードは罠カードで、発動すれば自分フィールドのモンスターを素材としてエクシーズモンスター1体をエクシーズ召喚する効果が発動される。エクシーズ召喚をする効果だがエクシーズ召喚が出来る様にもなる効果だ」

 

「できるとするじゃ違うわよ。

できるは任意でするは強制効果……頭が、痛くなってきたわ……」

 

「そんな時こそ甘いスイーツ、甘い物は頭にいいぞ(笑)」

 

 ひ、人の足元を見るなんて卑怯よ!!

 でも、ちゃんと答えがあるのよね……ワンダー・エクシーズはエクシーズ召喚する効果を持っている。エクシーズ召喚をする効果だから、任意じゃなくて強制効果。エクシーズ召喚出来るじゃない。でも、遊矢はするとも出来るとも言ってる。

 結果だけを見ればエクシーズ召喚が出来る効果を持っているけど、意味合いが違うってことで……なんだろう?

 

「これは罠カードだから、バトルフェイズ中に発動出来る。

バトルを終了したモンスター達でエクシーズ召喚するをエクシーズ召喚出来るって考えればよくて」

 

「もう答えを言って良いか?」

 

「……お願い」

 

「このカードはエクシーズ召喚が出来ないタイミングでもエクシーズ召喚が出来る様になるカードって目の付け所は良いけど、先ず大前提でここのエクシーズ召喚と特殊召喚は違うぞ」

 

「エクシーズ召喚って、特殊召喚の1つじゃないの!?」

 

「エクシーズ召喚は特殊召喚の1つでありエクシーズ召喚に分類されていて特殊召喚じゃない。しかし、特殊召喚でもある」

 

 ごめん、なに言ってるか分かんないわ。

 

「まぁ、凄くざっくりといえばだ。

ワンダー・エクシーズはエクシーズ召喚が出来ないタイミングでエクシーズ召喚を出来るようにするカードで、特殊召喚をする効果じゃない、似てるけど違うんだ。

ワンダー・エクシーズでのエクシーズ召喚はエクシーズ召喚扱いの特殊召喚じゃなくて正規のエクシーズ召喚で、そのエクシーズ召喚時に昇天の黒角笛は発動できる。これはバトルフェイズ中にシンクロ召喚ができる緊急同調にも当てはまる」

 

「あの、遊矢……そろそろ限界なんだけど?」

 

 私の頭が、オーバーヒートしそう。

 新しい召喚を覚えてデュエルの幅を広めようと思ってるのだけれど、これってそんなに難しいの!?

 

「じゃあ、3つ目シンクロだな」

 

 今度はシンクロモンスターと罠カードとハーピィの羽根帚を出す。

 

「えっと……」

 

「どうした?」

 

「シンクロ召喚はちょっと……」

 

 私のデッキと相性が良いのは融合とエクシーズで、シンクロ召喚とはそこまで。

 出来ないことはないけれど、シンクロに必要なチューナーモンスターを入れないといけないから下手をすればデッキを1から作り直さないといけない。

 

「分かるところまでで良い」

 

「う、うん……シンクロ召喚はチューナーとチューナー以外のモンスターのレベルを足した数値のシンクロモンスターを召喚出来る召喚法で、確かトークンも素材にすることが出来たはず……ごめんなさい、他はちょっと」

 

「……まぁ、齧りだけで良いか。

スターライト・ロードで出したスターダストのコンマイ語の説明をしたら、全員死ぬだろうし……大分初歩中の初歩なんだがな」

 

 もうやめて、私や入塾希望者達のライフは0よ!!

 

「最後におまちかねのペンデュラム。

ペンデュラム召喚はペンデュラムモンスターを赤と青のペンデュラムゾーンにセットして召喚する。

ペンデュラムモンスターにはペンデュラムスケールという数字が書かれていて、例えば昨日使ったイグナイト・マスケットのペンデュラムスケールは2、イグナイト・ドラグノフのスケールは7。

これらをペンデュラムゾーンにセットすると2から7の間までの数字、レベル3からレベル6までのモンスターを同時に複数召喚をすることができる」

 

「待ってました……そういえば、昨日の試合で魔力カウンターが乗ってなかったか?」

 

「ペンデュラムゾーンにあるペンデュラムモンスターは魔法カード扱いになる。

ペンデュラムモンスターをペンデュラムゾーンにセットするのは永続魔法の発動に近く、魔力カウンターが1つ乗せられる。そしてペンデュラムゾーンにセットしている時に使えるペンデュラム効果を使って破壊した。因みに、手札とかにあるペンデュラムモンスターはモンスター扱いで、ペンデュラム効果を持っていてもモンスターとしての効果を持っていなかったら通常モンスターで召喚師のスキルの様な通常モンスターを手札に加える効果を持ったカードでも手札に加えれる……お~い、生きてるか?」

 

「遊矢……デュエルしない?」

 

 本当なら結構な時間をかけてするはずの講座を一気に纏めてやっているせいか付いてこれる人が誰もいない。

 LDSですら融合、シンクロ、エクシーズの3つに分けているのに、それを同時にしかも短時間でやったら誰も理解することが出来ないわ。

 そう、こういう時こそデュエルよ、デュエル。折角最新のリアルソリッドビジョンシステムを入手したんだから思う存分に使わないと……あれ?

 

「え~ご説明の通り、ペンデュラム召喚をするにはペンデュラムモンスターが、シンクロ召喚をするにはチューナーが、融合召喚をするには融合のカードが必要です。当遊勝塾ではカードを取り扱ってません……はい、解散」

 

「なんだよ、期待して損した」

 

「ペンデュラムモンスターが無いとペンデュラム召喚が出来ないってズルなんじゃ」

 

「ストロング石島にズルしてまで勝ちたかったのかよ!」

 

 デュエルをしようと提案するも凍りつく空間。

 さっきまでの講座が皆には辛かったのかと思ったけれど、違う。確かにそれもあるけれど、皆、ペンデュラム召喚が目当てでここに来ていて、ペンデュラム召喚をするにはペンデュラムモンスターが必要だと分かれば手のひら返し。

 遊矢の事を卑怯だと罵倒しながら全員が出ていった。

 

「入塾希望者達が……」

 

「柚子、これで良いんだよ。ぶっちゃけあいつら、ペンデュラムが目的でエンタメデュエル云々はそこまで興味無さそうだったし」

 

 確かに、言われてみればそんな感じがしたけれど……。

 

「はぁ、仕方無いわよね。

おじさんは居ないし、遊矢はエンタメデュエルが苦手だし、私もまだまだ教えれるほどの腕じゃないし」

 

「そうそう」

 

 遊勝塾に騙す様な形で入って貰うのは良くないことよね。

 でも……これで赤字が更に続く。最新のリアルソリッドビジョンと電気代、どれぐらい掛かるのかしら?

 

「あ、そういえば、これ渡すの忘れてた」

 

「忘れてたって、通帳じゃない!?」

 

「今日、銀行に寄ってファイトマネーが振り込まれたかどうかを確認してきた」

 

 遊矢から手渡しされた預金通帳を開くと、そこには最新のリアルソリッドビジョンシステムを購入するのに必要な金額の半分ぐらい……いえ、これ下手な型落ちのリアルソリッドビジョンシステムを購入出来る額よね?

 ファイトマネーって言ってたから、多分、ストロング石島戦で勝利をした場合に貰えるものだけれど、凄い金額。

 

「父さんよりは少ないけど、遊勝塾の経費に使ってくれ」

 

「で、でも」

 

 こんなお金をポンっと渡されるのは流石に気が引けるわ。

 

「気にすんな、ストロング石島とのデュエルは遊勝塾の為にしたもんだ。

俺はエンタメデュエルは苦手だけど、さっきみたいにデュエルを教えることは出来るんだ。今は大きな事ができなくても、小さいことから一歩ずつ頑張って遊勝塾を復興させよう」

 

 だから、柚子も頑張れ。

 

 遊矢は微笑みながら私の背中を押してくれた。

 

「遊矢……ありが」

 

「遊矢ぁああああああ!!」

 

「ちょ、なんでここで塾長なんだよ!?」

 

 遊矢を抱きしめお礼を言おうとすると、先に飛び込んだお父さん……。

 

「ありがとう、遊矢!!

お前がエンタメデュエルが苦手だと聞いた時は色々と心配をしたが、お前は誰よりも遊勝塾を心配してくれていたんだな!!」

 

「……うん、あの、塾長?」

 

「最新のリアルソリッドビジョンも導入したことにより、タツヤくんの入塾も決まった!

目指せ、あの頃の遊勝塾!!全員、明日に向かって希望に向かって走るんだ!!うぉおおお、熱血だぁあああ!」

 

「あ、タツヤ入塾してくれるんだな……塾長、後ろ後ろ」

 

「後ろがどうかしっ……」

 

「柚子が凄い赤色の闘気を纏っている」

 

「お父さんのバカぁああああああ!」

 

 折角、折角、良い感じだったのに!!




OMKフェイズ(ギャグなので特に気にしない+時系列は気にしない)

遊矢「むさ苦しいおっさんに泣きながら抱きつかれるのは辛かった……」

柚子「感動するのは良いけれど、あの暑苦しさはキツいわよね。で、メッセンジェラートは?」

遊矢「結果的に俺が答えたから、俺の物だぞ」

柚子「そんな!?」

遊矢「冗談だよ、冗談。
メッセンジェラート以外にも色々とあるけど、それで良いか?」

柚子「他にもあるの?」

遊矢「マジョレーヌにシスタルト、ティアラミス、スイートミルクアップルベリーパイとろけるハニー添え、トリシューラプリン×2だな」

柚子「メッセンジェラートで良いわ……2つ余るわね」

遊矢「……あ~うん。何時もみたいに権現坂が来ると思って(後、タツヤも来るかなと思ってた)。そういや、権現坂は来ないな。何時もなら来るのに」

柚子「一昨日の遊矢とのデュエルで新しいなにかを掴む事が出来て、昨日の遊矢のデュエルで改めて遊矢の背中が遥かに遠い、だからこそ越えたいと思う事が出来る壁だって修行中よ」

遊矢「最後の修行中がなんかおかしいが、権現坂が強くなるんだったら前回のデュエルで出さなかったモンスターを出せるな」

柚子「ところで、余ったトリシューラプリンはどうするの?」

遊矢「トリシューラプリンが余るの前提なのか?
そうだな……賞味期限とかあるし、遊勝塾の面々でデュエルをして一番だった奴に渡すとして、もう一個は母さんにあげよう。母親孝行しないと」

柚子「そのデュエルって、遊矢も参加するの?」

遊矢「いや、参加しないけど……」

柚子「それなら、私が一番優勝する可能性があるわね」ニヤリ

遊矢「お前、トリシューラプリンどんだけ欲しいんだ?」

柚子「だって、トリシューラプリンなんて滅多に食べられないじゃない。あ~あ、無限にトリシューラプリンを食べれる装置があれば良いのに」

遊矢「赤帽子の家に乗り込めばって違う違う。
そんなのあれば直ぐにデブるぞ?トリシューラプリンはカロリーの塊で女の敵だぞ」

柚子「そういうことを言う遊矢が一番の敵でしょうが!!」


次回予告


新塾生のタツヤを交えて、新たな出発をする遊勝塾。

そんな中、現れるはそうこのオレ様、沢渡様だ!!遂に出てきたぜ、本編に!!

悪いな、遊矢。お前とのお友達ごっこ楽しかったぜ!ここからはオレのステージ!

このペンデュラムカードを使い、お前に勝利して華やかしい未来を勝ち取り沢渡世代を築き上げてやる!!

ペンデュラム召喚!!……あれ?

お前のやりそうな事ぐらいはお見通しだ。楽しかったぜ沢渡!お前とのお友達ごっこはよ!!

て、てんめぇええええ!!

柚子お姉ちゃん、なにあれ?

見ちゃダメなものよ……ていうか、沢渡、カードをちゃんと見なさいよ。

次回、遊戯王ARC-V【ゲス顔ペンデュラム】にガッチャビングデュエルアクセラレーション !!
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