遊戯王ではない!デュエルモンスターズだ!!   作:なにかの波動に目覚めたトマト

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前回までのあらすじ

歌声で世界を変えてみせるわ!(殺意)


妖仙ロストドロー

 

 舞網チャンピオンシップ二日目。

 ジュニアクラス、ジュニアユースクラス、ユースクラスの3つのクラスは激闘に継ぐ激闘を繰り広げていた。

 

「ごめん、なさい」

 

「お前が気に病む事ではない。勝負の世界には勝者と敗者、2つが存在しているのだから」

 

 レオ・コーポレーションの怪しげな一室で赤馬零羅は赤馬零児に謝った。

 期待をしてくれていた筈の兄の前でみっともない姿を見せてしまい、敗北してしまった事を。尊敬する兄の顔に泥を塗ってしまった。

 勝負の世界の厳しさを零児は知っているが、弟である零羅に厳しくすることはしない。

 

「相手はあの遊勝塾だ……次を期待している」

 

「……!うん」

 

「遊勝塾か……ジュニアクラスの3人とも融合、シンクロ、エクシーズを使いこなしているな」

 

 零羅が浮かない顔から明るい顔に切り替わると、ユートは巨大なモニターに映るデュエルの結果に圧倒される。

 この次元ではエクストラデッキを用いた召喚方法を身に着けるのも一苦労だというのに、他を圧倒する程の実力を見せつけている。遊勝塾のジュニアクラスのタツヤ、フトシ、アユの3人はそれだけ強かった……OCG次元産のトマトが鍛えているから抜き出ても仕方がない事だ。

 

「彼等もまた我らの槍の候補に」

 

「待ってくれ!彼等までも巻き込むというのか!?」

 

 今回の舞網チャンピオンシップはただの大会ではない。

 裏で渦巻く陰謀をユートは知っている。アカデミアの脅威と戦う為の槍の選別をしているのだが自分達よりも幼い3人のデュエリストを槍にしようとしている事について問いかける

 

「まだ幼いデュエリストを戦場に向かわせるわけにはいかない。せめて、ジュニアユースクラスのデュエリストを」

 

「……そうなると一番槍は彼になるか」

 

 モニターに映し出されるのは遊矢の顔。

 自分と同じ顔を映し出されたユートはやや眉を寄せる。遊矢の事は瑠璃がポツリと呟いていた事をユートは何度も聞いている。本人が預かり知らぬ事とは言え、ズァークが原因でまともに対面する機会は無かったがアカデミアの魔の手から瑠璃を守ってくれたというのは知っている。

 

「赤馬零児!」

 

 彼ならば力になってくれるとユートが思っていると、鬼も逃げ出すかの様な形相で黒咲が現れる。

 ちょうどモニターに遊矢の顔写真が写っているのでビシッと黒咲は指を指した。

 

「何故あの男と、榊遊矢と当てなかった!!」

 

 対戦相手は原作通りならば素良だったが、素良は狙いを遊矢一択に絞っているので大会に出ていない。よって名もなきモブと対戦カードを組まされているのだがそれが黒咲にとって不満でしかなかった。

 

「あの男はアカデミアの尖兵だ!」

 

「彼がアカデミアの尖兵ならば今頃はスタンダードはエクシーズ次元と同じ様になっている」

 

 次元転移をサラリとやってのけ、次元戦争について把握している。

 スタンダードの住人は呑気に普通のデュエル大会を行おうとしているのでなにも知らない……それなのに遊矢は色々と知っている。黒だと黒咲は主張をするのだがそれならば既にエクシーズ次元、ハートランドの様に戦火に包まれ火の海に成り代わっていると零児は語る。

 

「彼について謎が多いのは確かだ。それを調べる為に沢渡を当てた」

 

 誰かに教えを受けたわけでもないのに融合、シンクロ、エクシーズ、儀式、ペンデュラムと全ての召喚を操るだけでなく幾つものデッキを多彩に操りデュエリストとしての腕はピカ一だが、どうやってそこまで腕を磨いたか謎なのは事実。遊矢の底を測る為に黒咲をぶつければどちらかが負ける。遊矢を一番槍にしたい零児は今ここで遊矢と黒咲を敗退させるわけにはいかない。遊矢の事を十二分に理解し、ある一定以上の実力を持っている沢渡をここでぶつける。

 

「瑠璃は……瑠璃は無事なんだろうな?」

 

「それについては問題はない。瑠璃と柊柚子の両名は常に監視している」

 

 遊矢と戦えない事に不服な黒咲。こうなってしまえばまともに話を聞かないので時が過ぎるのを待つしかない。

 ユートはこの次元にいる瑠璃と柚子を心配する。零児は万が一を想定して2人の忍者を雇っている。彼等もまた槍の一員である。

 

「我等にとっての槍を選別する。ジュニアクラスは切り捨て、ジュニアユース、ユースコースにのみ絞る」

 

 零児の判断は正しいというか遊矢の逆鱗に触れる触れないのギリギリのラインを歩いている。

 ジュニアクラスは最悪LDSで育成してからと危ないことを零児は考えており、それはまさに遊矢の逆鱗に触れる事だった。

 

「…………すまない…………」

 

 スタンダードの住人はプロのデュエリストを目指して切磋琢磨している。

 嘗てのハートランドもそんな光景だった。この舞網チャンピオンシップも例年ならばプロを目指してデュエルをしていた。しかし今回は別次元のデュエリストを叩きのめす為のデュエリストを選別しようとしている。

 平和なこの次元を巻き込んでしまっていいものかとユートは悩んでいる。しかしもう止まる事は出来ない。引き金はもう引かれてしまい、次元戦争は赤馬零王の目的を果たすかアカデミアが滅びるまでは終わらない。せめてハートランドの様に戦火に包まれない様にと祈りを捧げる。

 

 ただ彼等は知らない。OCG次元産トマトである遊矢の恐ろしさを。

 

 

────────────────────────────────────────────────

 

 

 

 

「超重荒神スサノ-Oで攻撃!」

 

 ダブルホーンとグレートウォールを装備して隙の無い二段構えで権現坂は攻めに入る。

 権現坂の相手は嘗て俺がボコボコにした暗黒寺。ストロング石島をリスペクトするかの様にバーバリアンモンスターを使ってきて、更には権現坂のモンスターを奪うピンポイントメタまでやってのけた……が、この程度で転ぶ権現坂じゃない。タマーCの効果で奪われたビックベンーKを墓地に送ってスサノーOを召喚し、グレートウォールとダブルホーンで打点と攻撃回数を増やして勝利を収めた。

 

「権ちゃんのデュエル、前は無限ループだったから印象が変わってくるけど結構面白いね」

 

「いや……まだまだだな」

 

 俺が超重武者デッキを使えばもっと酷い事が出来る。

 素良は権現坂のデュエルを面白いと評価を下すけれども、まだ超重武者に頼りきりなところがある。悪いとは言わないし、それで勝てる相手は普通にいるが、上を目指していくのならばもっと他の事にも目を向けておかないと……地属性で機械族のカテゴリーは他にもある。組ませるととんでもない化け方をする……鍵はエクシーズ召喚にあり。

 

「じゃ、行ってくるわ」

 

「遊矢、頑張ってね!」

 

「相手はあの沢渡よ。何時もの様にケチョンケチョンに撃退してね」

 

「痺れるデュエル楽しみに待ってるぜ」

 

「応援してるね!」

 

「今日も面白いデュエル、楽しみにしてるよ!」

 

「遊矢、勝利を掴み取れよ!!」

 

 権現坂の試合が終わり少しだけ休憩の時間に入るのだが、次は俺のデュエルの番だ。

 観客席に何時までも居られないのでこの場所を後にしようとすると、瑠璃、柚子、フトシ、アユ、タツヤ、塾長から声援を受ける。俺にどれだけデュエルのファンが居るのかは知らないが、この6人、いや、権現坂と素良を含めれば8人も応援してくれるファンが居る。それだけで充分だ。

 

「遊矢、こんな大会余裕で勝ち抜けるでしょ」

 

「こんな大会ね……案外、面白い奴が出場しているかもしれねえぞ」

 

 デュエリストのレベルの低さを知っているからか素良はつまらなさそうにしている。

 そんなに面白く無いのならばお前も出場してくれればいい……まぁ、そんな事をしたらクロワッサンとデュエルをさせられるんだろうが。

 

「遊矢……いや、言葉は交わさん。デュエルの結果のみがここでは全て」

 

 観客席を後にしてスタジアムの中に入ろうとすると権現坂と遭遇する。

 権現坂はなにか言おうとしたが直ぐにやめた。この場ではデュエルが全て、結果が全てだ。言葉を交わさずアイコンタクトだけを交わす。

 

「じゃあ、勝ってくるわ」

 

 相手はあの沢渡、油断はならない。でも俺だってなにもしていないわけじゃない。

 リンク召喚が使えなくて使いたくても使えないコンボが多々あるけれども、それでも色々とデッキのネタには困りはしない。

 

『さぁさぁ、1回戦も残すところ後僅かとなりました!』

 

 ニコはノリノリになっているので俺はスタジアムに出る。

 歓声が鳴り響く……いやぁ、満員御礼なのは良いことだけどもこういう場は馴れないな。楽しくデュエルを出来ればそれに越したことは無いんだがな。

 

『出ました!ペンデュラム召喚の開祖!エクシーズ、シンクロ、融合の全ての召喚を巧みに操り圧倒的な強さで6連勝を果たした榊遊矢選手!選手宣誓ではとてつもない事を言ったが果たして優勝なるか!!』

 

「優勝はなるかじゃない。優勝する為にここまで足を運んだんだよ」

 

 プロになればなにかと有利になる。その為にプロデュエリストになる。

 きっと俺はあの笑顔笑顔、鬱陶しい父さんの様な華やかしいデュエリストにはなれない……いや、そもそもで俺はデュエリストなんかじゃない。ホントにデュエリストならば……あんなデッキを持ち歩く事はしないだろう。俺は何処まで行ってもデュエリストにはなれない。

 

『さぁ、榊遊矢に対する相手はっと、おおっとコレは!』

 

 編笠を被り、青と白の縦シマラインのマントを羽織り、草笛を吹いて現れる三枚目。

 下の服が中学の服だからなんとも言えないのだが、インパクトだけは確かにあり周りが静かになっている。

 

「聞こえる、聞こえる……オレを呼ぶファンの声が聞こえるぜ!!」

 

「沢渡お前、こんな場外パフォーマンスすんじゃねえよ。デュエリストならデュエルで魅せろよ」

 

「沢渡だと?ノンノンノン!違うぜ、オレ様は沢渡じゃねえ!」

 

 バッと編笠とマントを捨てる沢渡。

 

「ネオ・ニュー・沢渡様だ!今日のオレ様は一味も二味もちげえ!!」

 

「お前……毎回そんな事を言ってて俺にボコボコにされてるじゃねえか!」

 

「舐めんじゃねえぞ!今日こそはお前の無敗神話を崩壊させてやる」

 

「いやいや、俺も負ける時は負けるからな」

 

 ここぞという時の勝負には絶対に勝っているけども負ける時には負けているんだぞ。

 デッキの相性とか色々とある。塾長の代わりにデュエルを教える際に色々とデッキを使って瑠璃と実戦形式で講義してる時は負けてるんだよ……ギリッギリの負けだから地味に悔しかったりする。

 

「公式戦は負けなしだろうが!6連勝して勝ち上がりやがって……ネオ・ニュー・沢渡の力を見せてやる」

 

 沢渡はそういうとデュエルディスクを腕に装着し、デッキをセットする。

 場外パフォーマンスはもう終わりの様なので、俺もエクストラデッキとデッキをデュエルディスクにセットする。

 

『アクションフィールド、オン!未来都市ハートランド!!』

 

「……なに?」

 

 夕日の荒城が来ると思ったのだがまさかのハートランドがやってきた。

 俺を試しているのか?それとも疑っているのか……黒咲は俺をアカデミアの人間だと思っている。次元戦争について色々と知っているのはレジスタンスかアカデミアかのどちらかで、それ以外で知っている人間はあのマフラーぐらいだろう。

 周囲がアクションフィールドに切り替わる前になんとか観客席で応援をしてくれている瑠璃を見つけるとありえないと言った様な顔をしている。

 

「ほぉ、中々にサイバーな未来溢れる舞台じゃねえか……バエるな」

 

「……」

 

「おい!なに観客席を見てやがる!対戦相手はこのオレ様なんだぞ!!浮ついた気持ちでデュエルに挑んでくるんじゃねえ!」

 

「……悪いな」

 

 赤馬零児はハートランドを見せることで俺を試している。

 普通に夕日の荒城でデュエルをしたかったのだが、この舞網チャンピオンシップはレオ・コーポレーション主催で好き勝手に出来る……海馬社長はそんな事をしようとしていないのに……いやまぁ、デュエルで負けたら自殺するとか言い出すからあれもあれで大概なんだけども。

 

「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」

 

 ハートランドを見て露骨な反応を見せてしまえばそれこそ赤馬零児の思うツボだ。

 黒咲は全くと言っていいほど話を聞こうとしないし、茄子は瑠璃と柚子が居るせいで会いにくい。素良も俺にのみ標的を絞っているから暴れていないが、アカデミアの手先である事には変わりはない……マジでどうしたものかだが今はデュエルに集中する

 

「モンスターとともに地を蹴り宙を舞い」

 

「フィールド内を駆け巡る!」

 

「見よ!これぞデュエルの最強進化系」

 

『アクショーン』

 

「「デュエル!!」」

 

 沢渡、俺、沢渡、俺、ニコの順番でアクションデュエルの前口上を終えると、フィールド内にアクションカードが巻かれる。

 ちょっと近未来的なSFっぽい見た目な街で何処にアクションカードが隠されているのかやや気になるが、困ったらアクションカードに頼るデュエルは極力しない。手札コストとして使うのが丁度いいんだ、アクションカードは。

 

「先攻はオレからだ……フッフッフ、ハーハッハッハ!!」

 

「どうした?手札事故でも起こしたのか?」

 

「ノンノンノン!オレ様はカードに愛された男だ!初っ端からこのコンボが出来るとはカードはオレの事を愛してくれているな!」

 

「ならさっさと見せてみろ!」

 

「いいだろう。いくぞ!永続魔法、修験の妖社を発動!このカードは妖仙獣を召喚、特殊召喚する度に妖仙カウンターを1つ置くことが出来る!」

 

「……よし」

 

 帝とか飛んでくるかと思ったが、普通に妖仙獣だった。手札を確認し、これならば勝つことが出来ると小さくガッツポーズを取る。

 ただ沢渡が相手だから油断はならない。何時もならば座ってデュエルをするところを、立ったままデュエルしているところがこのデュエルがマジだという証拠である

 

「先ずは妖仙獣 鎌壱太刀を通常召喚し効果を発動!妖仙獣モンスターを1体更に召喚する!妖仙獣 鎌弐太刀を召喚し更に妖仙獣 鎌弐太刀の効果を発動!コイツも妖仙獣モンスターを召喚する効果を持つ!妖仙獣 鎌参太刀を通常召喚!」

 

 修験の妖社 妖仙カウンター0→1→2→3

 

 妖仙獣 鎌壱太刀

 

 風属性 レベル4 獣戦士族 攻撃力1600

 

 妖仙獣 鎌弐太刀

 

 風属性 レベル4 獣戦士族 攻撃力1800

 

 妖仙獣 鎌参太刀

 

 風属性 レベル4 獣戦士族 攻撃力1500

 

「見事なまでに並んだな」

 

 流石は沢渡と言ったところか、妖仙獣モンスターを軽々と3体並べた……が、それまでだ。

 こいつらはターンの終わりに手札に戻る効果を持っている。妖仙カウンターを積み上げるには丁度いいかもしれない。アクションカードに頼りさえすれば攻撃を防ぐ事が出来る……なんて甘い考えだったら即座に1キルしてやる。

 

「このコンボの鍵を握るカードだ!命削りの宝札を発動!自身の手札が3枚になるまでドローする!トリプルデスティニードロー!!」

 

「だが、そいつを使うターンは特殊召喚も出来ずにダメージを与える事も不可能だ!」

 

「修験の妖社の効果を発動!妖仙カウンターを3つ取り除きデッキから妖仙獣モンスターを手札に加える!オレは妖仙獣 左鎌神柱を手札に加えて左側のペンデュラムスケールセット!更に妖仙獣 右鎌神柱を右側のペンデュラムスケールにセッティング!!」

 

『おぉっと!コレはまさかまさかのペンデュラムモンスター!?しかし、命削りの宝札の効果でこのターンは特殊召喚は出来ない、ペンデュラム召喚も特殊召喚の一種!実に残念です!!』

 

 妖仙獣 左鎌神柱

 

 ペンデュラムスケール3

 

 妖仙獣 右鎌神柱

 

 ペンデュラムスケール5

 

 ペンデュラムカードを出した事により周りがざわめく……と言ってもアクションフィールド内部に居るので俺と沢渡には聞こえない。

 

「カッコよくそこでペンデュラム召喚を決められないのか、お前は」

 

「舐めんなよ!妖仙ロストドローコンボは既に完成してある!カードを2枚セットしてターンエンドだ!」

 

「妖仙ロストドローだと?……」

 

「エンドフェイズ時にカードの効果を発動する。妖仙獣達は手札に戻っちまう、そうすれば命削りの宝札の効果で墓地に送られてしまうが遊矢、お前ならば知っているよな?エンドフェイズ時に複数の効果を発動する場合、発動するカードの順番を選ぶ事が出来るって事をよ!オレは先に命削りの宝札の効果を処理し、手札0の状態で手札を破棄!その後、3体の妖仙獣モンスターを手札に回収するぜ!!」

 

「くっそ、またややこしい裁定を……普通は手札に回収してからだろう」

 

 ルールの穴を突いたコンボを沢渡は見せつける。

 命削りの宝札がデメリットになっていない……めんどうだが流石だな

 

「さぁ、お前のターンだ!ハーハッハッハ!オレを捕まえてみな!!」

 

「テメエ、やり逃げかよ!!」

 

「るせぇ。お前相手に後から呑気にアクションカードを拾いに行ってたら間に合わねえんだよ」

 

 沢渡に感心していると俺のターンが回ってくるのだが沢渡は俺に背中を向けて走り出した。

 俺を相手に攻擊の瞬間にアクションカードを発動していたのさ!は出来ないので全速力でアクションカードを取りに行っている。間違ってはないが見る人が見ればやり逃げだ。

 

「俺のターンドロー…………お楽しみはここ──」

 

「おおっと、そうはさせるか!この瞬間、トラップカードを発動させてもらう!和睦の使者!このターン受けるダメージは0になる」

 

「っ……テメエ、ふざけんじゃねえぞ!どうして俺に気持ちよく1ターンキルをさせねえんだ!!」

 

「シャアラップ!!毎回毎回1キルされる身にもなれや!」

 

 沢渡を確実に葬り去る事が出来る手札だというのに、沢渡はセットしていたカードで妨害してきた。

 和睦の使者が使われてしまった以上は、このターン沢渡にダメージを与えることが出来なくなってしまう……人の決め台詞も邪魔しやがって……まぁ、いい。それでもどうにか出来るのが遊戯王の醍醐味だ。

 

「俺はカッター・シャークを通常召喚し、効果を発動!自分フィールドの水属性モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターと同じレベルでカード名が異なる魚族モンスター1体をデッキから守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン効果を発動できない。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はエクシーズモンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない」

 

「ほぅ、今回はエクシーズデッキで来たか!だがしかし、エクシーズだけでオレ様の牙城を崩すことが出来るかな?」

 

 この野郎、和睦の使者でダメージ受けないからって調子に乗ってるな……まぁ、いい。ボコボコにするのには変わりは無いのだから

 

「俺はカッター・シャークを選択し、ランタン・シャークを特殊召喚!更に魔法カード、テラフォーミングを発動し、フィールド魔法ゼアル・フィールドを手札に加えてゼアル・フィールドを発動!」

 

「うぉ、眩しい!」

 

 フィールド内に眩い光の柱が出現した。

 夜景で綺羅びやかなハートランドには似合うかどうかは分からないがとにかくコレで本来ならば1キル出来るコンボが揃った。沢渡もアクションカードを拾って笑みを浮かべている……回避でも拾ったんだな。

 

「カッター・シャーク、及びランタン・シャークはエクシーズ召喚する際にレベル3もしくはレベル5として扱う事が出来る!俺はカッター・シャークとランタン・シャークでオーバーレイ!レベル5として扱う2体のモンスターでエクシーズ召喚!現われろN・As・H Knight(ネフィル・アサイラム・ヘット・ナイト)

 

 N・As・H Knight

 

 エクシーズ ランク5 水属性 水族 レベル5モンスター×2 ORU2 攻撃力 1700

 

「エクシーズ召喚に成功した瞬間、ゼアル・フィールドの効果を発動!自分のエクストラデッキ・墓地からエクシーズモンスター1体を選び、対象のモンスターの下に重ねてオーバーレイユニットとする!俺はエクストラデッキのNo.86 H-C ロンゴミアントをN・As・H Knightのオーバーレイユニットに!」

 

 沢渡からの妨害札は無し……いい感じだぞ

 

CX(カオスエクシーズ)N・As・Ch Knight(ネフィル・アサイラム・カオス・ナイト)の効果を発動!N・As・H Knightの上に特殊召喚!」

 

 CX(カオスエクシーズ)N・As・Ch Knight(ネフィル・アサイラム・カオス・ナイト)

 

 エクシーズ ランク6 水属性 水族 レベル6モンスター×3 ORU4 攻撃力2000

 

「CX N・As・Ch Knightの効果を発動!オーバーレイユニットを1つ取り除く事によりNo.101~No.107のいずれかのNo.エクシーズモンスター1体を、自分フィールドのこのカードの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。尚、この効果で特殊召喚したモンスターは次の相手エンドフェイズに破壊される」

 

「どうせそいつも踏み台にするんだろう!お前の魂胆が丸見えだぜ」

 

「当たり前だろうが。CX N・As・Ch Knightの上に俺はCNo.101 S・H・Dark Knightをエクシーズ召喚扱いで特殊召喚し、更にエクストラデッキのCX(カオスエクシーズ) 冀望皇(きぼうおう)バリアンの効果を発動!このカードは自分フィールドの、CNo.101~CNo.107のいずれかのCNo.モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。俺はCNo.101 S・H・Dark Knightの上にCX冀望皇バリアンをエクシーズ召喚!混沌の具現たる軍神よ、切なる望みを我が元へ!集え、七皇の力!CX冀望皇バリアン」

 

 CX冀望皇バリアン

 

 エクシーズ ランク7 光属性 戦士族 レベル7モンスター3体以上 ORU5 攻撃力0

 

「冀望皇バリアンの攻撃力はエクシーズ素材の数×1000になる!」

 

 冀望皇バリアン

 

 攻撃力0→5000

 

「攻撃力5000だと!?」

 

「どうだコレがエクシーズの真髄だ!」

 

「っく、攻撃力5000には驚かされたがこのターン、オレはダメージを受けねえ!フィールドにモンスターも居ねえ!」

 

「ああ、そうだよこんちくしょうが……と、思うじゃん?」

 

 俺の真の狙いはそこじゃないんだよ、沢渡くん。

 俺の本当の狙いは其処にあるんじゃないんだよ。

 

「冀望皇バリアンの効果を発動!自分の墓地のNo.モンスター1体を対象として発動できる。相手エンドフェイズまでこのカードはそのモンスターの元々のカード名、効果と同じカード名、効果を得る。俺は墓地にいるNo.86 H-C ロンゴミアントの効果をコピーする!」

 

「何時の間に墓地に……そうか!N・As・Ch Knightの効果で墓地に……だ、だからといってどうしたってんだ!そのロンゴミアントがデッキ破壊の効果を持ってるわけじゃねえんだろう」

 

「ああ、持っていない……ロンゴミアントはエクシーズ素材の数によって効果が増えるカードで5枚ある時は……相手フィールドのカードを全て破壊する」

 

「ぬぅぁ、ぬぁにぃいいい!!」

 

「最果てより光を放て……其は空を裂き、地を繋ぐ! 嵐の錨!ロンゴミニアドォオオオ!!」

 

「グァアアアアアア!!」

 

 沢渡のフィールドは一瞬にして聖なる槍の輝きの前にひれ伏すしかなかった。

 修験の妖社は粉々に破壊されてしまっている。

 

「カードを2枚セットし、ターンエンドだ!」

 

「っちぃ、攻撃力6500の化け物だと、ふざけやがって……なんてな!オレの手札には既にそいつを除去する事が出来るコンボが揃ってるんだよ!オレのターン、ドロー!妖仙獣 鎌壱太刀を通常召喚……ってあれ……エラーだと!?」

 

「バリアンでコピーしているロンゴミアントの効果は全部で5つだ。オーバーレイユニット1つ以上、このカードは戦闘では破壊されない。2つ以上、このカードの攻撃力、守備力は1500アップする。3つ以上、このカードは他のカードの効果を受けない。4つ以上、相手はモンスターを召喚・特殊召喚できない。5つ以上:1ターンに1度、発動できる。相手フィールドのカードを全て破壊する」

 

「反則だ!イカサマだ!インチキ効果も大概にしろ!デメリットかなんかある筈だろう!」

 

「相手のエンドフェイズ時にエクシーズ素材を1枚取り除く……しかぁし、妖仙ロストドローなんてコンボを決めた沢渡ならばコレがどういう意味か知らないとは言わせない」

 

「っ、エンドフェイズ時に発動する効果の処理が複数ある時は自分で順番を選べる!って、事は……」

 

「毎ターン、ロンゴミアントの裁きを受ける!!お楽しみはここまでだ!!」

 

「クソぅ、妖仙獣でペンデュラムでお前を超えてやろうって言うのに…………ターンエンドだ!!」

 

「エンドフェイズ時に先にバリアンの効果を発動しロンゴミアントの効果を発動せずに俺のターン、ドロー!コレで俺のショーの幕引きだ!バリアンでロンゴミアントをコピーして沢渡にダイレクトアタック、最果てに輝ける槍(ロンゴミニアド)!!」

 

「がぁあああああ!!」

 

 沢渡

 

 LP4000→0

 

「クソ……一回戦負けかよ」

 

「楽しいデュエルだったな」

 

 俺のワンショットキルにより沢渡は敗北した。

 沢渡は大の字にねそべっており、負けたことを心底悔しんでる。

 

「妖仙ロストトルネードとか色々とコンボを組み立ててたのに台無しにしやがって」

 

「馬鹿を言うな。俺の1キルを和睦の使者で妨害しやがって、ワンショットじゃ盛り上がりに欠けるだろうが」

 

「お前、自分がエンタメデュエリストになれないって言ってる割にはその辺を気にしてるじゃねえか」

 

「1キルはいい文明なんだよ……いい勝負だったな」

 

「何処がだよ、人の事を徹底的にリンチしやがって」

 

「増Gもヴェーラーも握っていないお前が悪い」

 

 欲しいカードを常に手元に引き寄せる事が出来るのがデュエリストなんだろうが。

 

「オレ様に勝ったんだ……とっとと優勝してプロでもなんでもなりやがれ……オレも後で追いついて何時かお前を追い抜いてやる」

 

「その日が来るのを楽しみにしてる」

 

 まぁ、俺もデュエルの腕を磨いておく。

 

「……」

 

「どうした?」

 

「いや、なんでもない」

 

「嘘だな、こういう時は絶対になにかある……柚子がまた泣くぞ」

 

「美少女を泣かせる極悪人だよ、俺は」

 

 ハートランドがアクションフィールドになっている事で瑠璃は動揺している。

 素良もなんでといった顔をしており俺と目が合うとハッとした顔になり柚子になにかを聞くと観客席を後にする……ここからどう動くんだか。




ハートランド……どうして彼処をアクションフィールドに

嘘でしょ、なんでハートランドが……ねぇ、柚子ちょっと聞きたい事があるんだけど

どうかしたの?

この大会を運営しているのって何処のどいつ?

LDSの親会社のレオ・コーポレーションの筈よ。この前、遊矢が撃退した赤馬零児の会社の

赤馬零児……ふ〜ん、そういう事か

素良……貴方、もしかして

やらなきゃいけない事が出来たよ。ちょっと行って来るね

あ、待ちなさい!

次回遊戯王ARC-V 【番外デュエル】にガッチャビングデュエルアクセラレーション!!

エクシーズの残党……遊矢には悪いけど、潰させてもらうよ。

モコミチ達とデュエル

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