遊戯王ではない!デュエルモンスターズだ!!   作:なにかの波動に目覚めたトマト

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今回も短めです


トリプルフィーバー

 素良が居なくなっても舞網チャンピオンシップは続く。と言っても残りの1回戦を処理するだけだった。アユもフトシもタツヤも無事に2回戦、3回戦と駒を進めて行っている。

 

「……見えた!スサノーOでダイレクトアタック!!」

 

 ジュニアユースクラスも2回戦に突入する。

 権現坂の対戦相手は姿を晦ます手品が売りのデュエル塾で、権現坂は心の眼で何処に隠れているのかを見抜く……いや、おかしいだろう。ツッコミどころが多すぎる。なんでデュエルで心の眼が必要なんだ。デュエルで必要なのは心じゃなくて肉体の眼だろうが。

 

『見事!権現坂選手、相手のトリックデュエルに惑わされる事なく己の心の眼で見抜き2回戦を突破しました!』

 

「誰もツッコミを入れないのか」

 

「……なにが?」

 

 権現坂の勝利に喜びを見せる遊勝塾の面々。コレだからアクションデュエルは嫌なんだと思いつつも次は俺の出番だ。

 

「遊矢、次のお前の対戦相手は勝鬨勇雄だ。LDSに続くプロ排出量2番目の全寮制の武闘派デュエル塾……」

 

「遊矢兄ちゃん、怪我しないでね!」

 

「大丈夫だ、アクションカードさえ取りに行かなければ向こうはリアルファイトに持ち込まない」

 

 アクションカードを取りに行こうとすれば勝鬨は攻撃してくる。

 梁山泊塾は中々にバイオレンスな塾……普通はジャッジの1つでも入ってくるのだがアレはアレで有りなんだと認める……カードゲームで怪我人が、それこそ担架で運ばれないといけないレベルの怪我をするのは普通におかしい。やっぱり遊戯王世界は異常だったりするわけだ。

 塾長やタツヤ達は怪我をしない事を祈る……俺がデュエルで確実に勝つと思っているのか、勝ってこいとか楽しんで来いとかは言ってこない。

 

「む、遊矢か」

 

「2回戦突破、おめでとう」

 

「なんのこれしき……まだまだ俺の不動のデュエルの本領は発揮していない」

 

 選手入場の入口付近で権現坂と出会う。

 権現坂はまだ本気を出していない。スサノーOだけで今のところはどうにかなっており、他の超重武者のシンクロや付け焼き刃に近いエクシーズなんかを残している……やっぱり権現坂は男前だな。

 

「それよりも遊矢、お前の対戦相手は」

 

「去年の準優勝者だろ?……凄えのが相手だけども、大会で優勝する以上は誰が当たってもいいんだよ」

 

「っふ、遊矢らしいな。ならばお前のデュエルを見せてもらうぞ!」

 

「そんな他人に見せる事が出来るレベルのデュエルじゃねえよ」

 

 俺のデュエルはOCG次元じゃ極々普通のデュエルをしているだけなんだ。

 権現坂はやる気を見せてくれるのだが、そこまでのものじゃないしどうしたものかと思いつつも試合会場に向かう

 

『さぁ、2回戦第2試合!コレまた好カードが組まれました!武闘派で知られる梁山泊塾!前大会準優勝者で1回戦では圧倒的なまでの強さを見せつけた勝鬨勇雄選手!対するは開会式で優勝宣言をした後に1回戦で圧倒的なまでの強さを見せつけ勝利した榊遊矢選手!果たして、いったいどの様なデュエルを繰り広げるのか、見ものです!!』

 

「ハードル上げるなぁ……」

 

 ニコはこれから面白いデュエルが巻き起こるとハードルを上げてくる。

 エンタメデュエリストならばカッコいいエンタメデュエルをしてくれるだろうが、生憎俺はデュエリストとは程遠い存在だ。面白くもなんともない普通のデュエルをするだけで終わる可能性が圧倒的なまでに高い。

 

「待っていたぞ、この時を!!」

 

 周りが、観客達が盛り上がりの歓声を上げている中で勝鬨は俺を指差す。

 はて?コイツと因縁なんかあったっけ?梁山泊塾なんてデュエルマッスルを重視するデュエル塾とは交流を持っていない気もするが……

 

「貴様の父はエンタメデュエル等というものを掲げている。だが、デュエルの本質は笑顔にあらず!闘争にある!」

 

「また父さんか」

 

 あの似非奇術師、ホントにロクな事をしやがらないな。

 勝鬨は俺もエンタメデュエルをすると思っているのだろうが、俺はエンタメデュエルをするつもりはない。俺は極々普通のデュエルをするだけだ。

 

「勝鬨、勘違いをするな。俺はエンタメデュエルもしないしなによりもデュエリストとは程遠い存在だ……どんなに頑張ってもデュエリストにはなれないんだ」

 

「なに?」

 

 デュエルモンスターズを良くてeスポーツの一種程度の認識しかしていない。

 eスポーツどころか社会を動かす、それこそ戦争の道具として利用する事が出来るとんでもない代物……カードゲームなのに……こんな事を思っているからデュエリストとは言えないんだろうな。

 

「ここは言葉を交わす場所じゃない、決闘をする場だ。お前にはお前の信念や道があるんだろう。俺は基本的には否定はしない……見せてみろよ」

 

「いいだろう!地獄の研鑽の成果をお前に見せてやろう!」

 

『試合開始前の宣戦布告は終わった様ですのででは早速アクションフィールド、オン!』

 

 勝鬨を相手に宣戦布告をし終えるとアクションフィールドが展開される。

 アクションフィールド【仙界竹林】、原作通りである……ここ無駄に広いから何処にアクションカードが紛れてるのか探すの難しいし、何よりも相手はバリッバリ武闘派の梁山泊塾だからな。アクションカードを取りに行こうとすればリアルファイトでボコられる。一応はデュエルマッスルを鍛えているとはいえバリバリのデュエルマッスルは相手には出来ない

 

『戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが!』

 

『モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い!』

 

『フィールド内を駆け巡る!』

 

『見よ、これぞ、デュエルの最強進化形』

 

『アクショ〜ン』

 

「「デュエル!」」

 

 ニコと観客達が協力してアクションデュエルの口上を言ってくれた。

 期待されているなと思いつつも手札と順番を確認する。先攻は俺から……手札は微妙である。

 

「俺のターン!俺は魔法カード、成金ゴブリンを発動!相手のライフを1000回復してカードを1枚ドローする……魔法カード、テラ・フォーミングを発動!デッキからフィールド魔法を手札に加える!俺はチキンレースを手札に加える!」

 勝鬨

 

 LP4000→5000

 

 

「遊矢の奴、最初からガンガンと飛ばしているな」

 

「相手は準優勝者、なにが出てきてもおかしくはないわ」

 

 柚子と塾長がなにか言っているっぽいけれども気にせずにデュエルを続ける

 

「フィールド魔法、チキンレースを発動して効果を発動!ライフを1000ポイント支払い3つの効果の内の1つを選ぶ!俺はデッキからカードを1枚ドローする効果を選ぶ!」

 

 遊矢

 

 LP4000→3000

 

 う〜ん……微妙だな。

 

「カードを1枚セットしてカップ・オブ・エースを発動!コイントスをして表ならば俺が、裏ならばお前がデッキからカードを2枚ドローする……コイントスの結果は表!よって俺はデッキからカードを2枚ドローする!」

 

 カップ・オブ・エースの効果が成功したので手札が5枚になった。

 だがまだまだ微妙な手札なのでデッキを回さなければならない。

 

「魔法カード、プレゼント交換を発動!お互いのプレイヤーは、それぞれ自分のデッキからカード1枚を選んで裏側表示で除外する。このターンのエンドフェイズに、お互いはそれぞれ相手となるプレイヤーが除外したそのカードを自分の手札に加える」

 

 取り敢えずは仕込む、仕込みまくる。とあるカードを選んで裏側表示で除外する。

 残りの手札は4枚……まだまだだな。

 

「俺はもう一度カップ・オブ・エースを発動……結果は表!コレで手札は5枚、カードを2枚セットして新しいチキンレースを発動!新しいチキンレースの効果を使ってカードを1枚ドロー……」

 

 遊矢

 

 LP3000→2000

 

「……よしっ、カードを更に2枚セットしてターンエンドだ!」

 

 微妙だった手札だったがカップ・オブ・エースのお陰で割といい感じの方向に向かった。

 

「エンドしたのでプレゼント交換の効果で裏側表示で除外していた互いのカードを交換する……受け取れ!」

 

「……っ、このカードは!!」

 

 勝鬨に向けてカードを投げた。

 器用に二本の指でキャッチした勝鬨は受け取ったカードを見て表情を変える。それどころかプルプルと震えている。

 

「自分を……自分を何処まで侮辱すれば貴様は気が済むのだ!」

 

「俺は至って真面目だよ。真面目にデュエルを楽しもうとしてるんだ」

 

 受け取ったカードを見れば誰だって侮辱していると思ってしまうがコレも立派な心理フェイズの1つだ。

 勝鬨は乗る……というよりは乗ってこないと勝負する事は出来ない。チキンレースの効果で俺にダメージを与える事が出来ない。

 

「ならばこのターンで終わらせてやる!自分は沼地の魔神王を手札から墓地に送る事で効果を発動!融合のカードを手札に加える」

 

 自分のターンだからガンガンに飛ばしてくるな。

 沼地の魔神王で融合をサーチしたという事は既に手札にキーカードは握っているな。

 

「魔法カード融合を発動!手札の地翔星ハヤテと天昇星テンマを融合!天翔ける星 地を飛び 今ひとつとなって、悠久の覇者たる星と輝け!融合召喚!来い!覇勝星イダテン!」

 

 覇勝星イダテン

 

 レベル10 光属性 戦士族 融合 レベル5以上の戦士族モンスター×2

 

「覇勝星イダテンの効果を発動!覇勝星イダテンが融合召喚に成功した時、デッキから戦士族・レベル5モンスター1体を手札に加える!天融星カイキを手札に加える。更に自分フィールドに光属性のモンスターのみの場合地翔星ハヤテを特殊召喚!更に地翔星ハヤテの効果を発動!このカードが召喚または特殊召喚に成功した場合、手札から戦士族・光属性・レベル5モンスター1体を特殊召喚する!現れろ天融星カイキ!」

 

「おぉ、流石だな」

 

 通常召喚権を一度も使わずに融合モンスターを並べるだけでなく、融合素材を並べた。

 

「天融星カイキの効果を発動!LPを500を払って発動!自分の手札またはフィールドから、戦士族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。自分はカイキとハヤテを墓地へ送り再び現われろ!覇勝星イダテン!」

 

 勝鬨

 

 LP5000→4500

 

 2枚目のイダテンが飛び出してきたか。

 イダテンのサーチ効果は名称ターン1なのでこれ以上はサーチすることは出来ない……が、ヤバい状況である事には変わりはない。イダテン打点が3000と地味に強く、更には手札を墓地に送れば攻撃力がアップの至れり尽くせりな効果だ。

 

「おっと、バトルフェイズに突入する前に言っておくぞ」

 

「チキンレースがフィールドにある場合ライフが下回っている者はダメージを受けない、であろう」

 

「よくご存知で……さぁ、どうする?3000の壁を並べて終わりか?」

 

「笑止!自分には貴様から受け取ったこのカードがある!ハーピィの羽根帚を発動!相手フィールドの魔法と罠カードを全て破壊する!無論、お前のチキンレースもだ!!」

 

「フフフフ……ハーッハッハッハッハ!!」

 

「な、なにがおかしい!貴様のフィールドはガラ空きになったのだぞ」

 

「いや、おかしいんじゃねえ。ここまで俺の予想通りに動いてくれたから、面白くてな……」

 

 如何にもなカードを5枚ガン伏せ状態ならば誰だって警戒する。その上で相手からハーピィの羽根帚を送られたのならば普通は怪しむ……が、チキンレースという厄介なフィールド魔法があるのでどうにかして破壊しないといけないと思う。サイクロンを握っていればそれでいいが残念な事にサイクロンは握っていなかった……そう、ここまでなにもかも俺の計算通り、このデッキ博打要素は強いけれども決まれば凄く面白い。

 

「この瞬間、破壊されたジャックポット7の効果を発動!このカードが相手のカード効果によって墓地に送られた時、このカードを除外する!この効果によって除外された自分のジャックポット7が3枚揃った時、自分はデュエルに勝利する」

 

「ま、まさか!」

 

「そう、セットカード5枚の内の3枚はジャックポット7!カードの効果処理にチェーンは無し!よってジャックポット7の効果が3枚発動し、除外……お楽しみはここまでだ!!」

 

 決まった。何時もの決め台詞を言えばジャックポット7の効果が処理される。

 強欲な壺が上に乗ったスロットが出現したかと思えばスロットが回転して777とスリーセブンが揃い、大量のコインが勝鬨を飲み込み爆発を起こす……なんで爆発?

 

 

 榊遊矢 WIN ジャックポット7の効果による特殊勝利

 

 

『き、決まったぁああああ!!遊矢選手、モンスターと罠カードを1枚も使うことなく魔法カードのみで勝鬨選手を完封!強い、強すぎるぞぉおおお!!』

 

「ま、ざっとこんなもん……」

 

 相手の手札を確認するタイプのカードが中々に手札に来なかったからな、サイクロンとか使われてたら神の宣告使わなきゃいけなかった。

 割と危ないラインを渡っているもののなんとか勝鬨を倒す事が出来た。勝鬨の方をチラリと見れば勝鬨は膝をついていた。

 

「そんな……たかが1枚のカードで」

 

「たかが1枚、されど1枚だ。ハーピィの羽根帚を渡したのはわざとなんだから使ってくださいって言ってるも同然だろう」

 

「っ……」

 

「面白いデュエルをやらせてくれてありがとうな……とっても楽しかったぜ」

 

「嫌味か、貴様は!!」

 

「コレぐらいは遊勝塾じゃ日常の光景だ、バーロー……腕磨いて挑んでこい。次は別のデッキで相手してやるからな」

 

「次こそはお前を倒す!」

 

 そうそう。この程度でへこたれていたら1人前のデュエリストには程遠い……と言っても俺はデュエリストですらないけども。

 ともあれ勝鬨を無事に倒す事が出来たので俺は2回戦を勝ち抜いて次に駒を進める……

 

「楽しいデュエルはここまでか……」

 

 素良が今どうなっているのかは知らないけれども、記憶の解析はされているのは確かだろう。

 そうなると柚子や瑠璃の情報がバレてアカデミアは侵攻してくる。精鋭部隊らしいオベリスク・フォースを引き連れてだ。デュエルで負ける事は無いだろうが……瑠璃がこの次元にいて観客席に居るならば観客席を襲ってくる……いや、あの素足マフラーの事だから舞網市全体をバトルフィールドに変えるつもりなんだろうな。

 

「備えねえとな……はぁ、こんなデッキを作ったりするから俺はデュエリストとは程遠いんだろうな」

 

 勝鬨に無事に勝利したのに喜ぶことが出来ない。楽しいデュエルが暫くは出来ないと落ち込む俺であった。





 まだまだ続く舞網チャンピオンシップ。

 裏では壮大なる陰謀が渦巻くのだがそれを知るものは少ない

 そんな中現れるは1人の来訪者

「魔法カードのみで相手を倒すとは中々にやるな!今度は私と勝負だ!」

「嫌です」

 OCG次元産トマトは普通に断る。

 次回遊戯王ARC-V【月光現る】にガッチャビングデュエルアクセラレーション!

モコミチ達とデュエル

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