遊戯王ではない!デュエルモンスターズだ!! 作:なにかの波動に目覚めたトマト
遊矢に決勝で会おうとカッコつけて別れてやってきたのは氷河期を思わせるかの様な氷山地帯。
「うぅ……寒いわね」
本物の氷山を再現していない、アクションフィールドだからちょっと冷たいぐらいだけど半袖の私には寒い。遺跡エリアか密林エリアを選べばよかったんじゃないかと少しだけ後悔しつつもペンデュラムモンスターを探す。遊矢が色々と言ってくれたお陰で一日中ずっとペンデュラムモンスターを探さなくてもいいルールになったけどペンデュラムモンスターは多く持っていて損は無いわ。
「あった!」
氷山の上に乗っているペンデュラムモンスターを見つける。
先ずはコレで1枚目、もう1枚ペンデュラムモンスターを見つければペンデュラムモンスターを賭けたアンティルールのデュエルを行う事が出来る。早くもう1枚と対戦相手のデュエリストを見つけないと
「……デッキには入れないでおきましょう」
拾ったペンデュラムモンスターはデッキに加えていいルールだけれど、私のデッキとは相性が悪いペンデュラムモンスターだったのでデッキケースにしまう。さて……何処に2枚目のペンデュラムモンスターがあるのかし……あら?
「俺のターン、ドロー!俺は超重忍者サルトーBでダイレクトアタック!!」
アレは権現坂……フィールドにはまだ見たことが無い超重武者のシンクロモンスターがいた。
対戦相手のデュエリストは……分からないわね。けど、権現坂がデュエルを有利に進めているっていうか勝ったわね。
「俺の勝ちだ。ルール通りペンデュラムモンスターは頂くぞ」
「っく……」
ペンデュラムモンスターを差し出す対戦相手のデュエリスト。
まだバトルロワイヤルがはじまったばかりだから1回の負けで終わることは無い……多分だけど
「流石ね、権現坂」
「柚子か……デュエリストが目を合わせたのならばデュエルあるのみ!」
「ごめんなさい、まだペンデュラムモンスターを2枚ゲットする事が出来ていないのよ」
「むぅ……久しぶりに柚子とデュエルが出来ると思ったが誠に残念だ」
コレが例年通りならばデュエルを引き受けたけれども、ペンデュラムモンスターが無いからデュエルが出来ないわ。
権現坂は私とデュエルをする事が出来ない事を残念そうにするけれども、ルールだから仕方がない事だとすんなりと受け入れた。
「は、はっくしゅん!!!」
「大きなくしゃみ……デュエリストがそこに居るのならば」
「もしかしたらペンデュラムモンスターがあるかも!」
女の子の大きなくしゃみが聞こえた。もしかしたらそこにペンデュラムカードがあるかもしれない、僅かな希望だけどなにもないよりはマシよ。
くしゃみが聞こえたところに向かえばポニーテールの髪型の瑠璃が居た……いえ、違うわ。瑠璃じゃない、瑠璃より胸が大きいわ!
「瑠璃、この様な場所でなにをしている?」
「瑠璃?なにを言っている?いや、違う。なにが起きている?奴が勝ち抜くまで暇潰しにこのスタンダードのレベルを見ておこうとしたが」
「この次元…………むぅ、瑠璃ではないのか?世界には同じ顔の人間が3人居るというが、ホントに居たのか」
「む!よく見れば私に似ているな!」
瑠璃や私によく似た女の子は私に似ている事に気付く……この子、スタンダードって言った!?
「貴方はもしかして別の次元からやってきたの!?」
「ああ、私はアカデミアからエクシーズの残党を討伐しに来たんだ!」
「アカデミア?エクシーズ?……柚子よ、この者はいったいなにを言ってるのだ?」
「…………………」
権現坂はまだ瑠璃の詳しい事情は知らない。話せばどうしてなにも言ってくれなかった!きっとそういう筈よ。
権現坂が頼りにならないなんて思ってない、むしろ頼りになるデュエリスト……でも、でも、それでも遊矢は言わなかった。
遊矢は見た。アカデミアがハートランドを襲った焼け跡を。瑠璃は全てを見た、戦いの渦の中に居る。だから余計な人達は巻き込みたくないと思っている。
「わ、私がエクシーズの残党よ!!まさかこんなところでアカデミアと対峙する事が出来るだなんて思ってもみなかったわ!」
だから、今の私が出来ることをする!
彼女がアカデミアからの尖兵ならばここで私が倒す!瑠璃のデュエルディスクと違って人をカード化させるプログラムは入ってないけど、デュエリストならば負けた相手の言うことを聞いてくれる筈よ!
「ほぉ、貴様がエクシーズの残党か……自分と同じ顔の人間を倒さなければならないのは少々不愉快だが、エクシーズの残党ならばアカデミアの尖兵として貴様を倒す!」
「「デュエル!!」」
「け、けしからーん!この俺を放置して話を進めるのでない!」
「大丈夫よ、権現坂。終わったら全てを話すわ!」
とにかく彼女を倒さないといけない。
手札を5枚確認する。見た感じは悪くはないわ!けど、遊矢みたいに1ターンキル出来るかどうか怪しいわね。
「私は魔法カード、神の居城ーヴァルハラを発動!効果処理時に天使族モンスターを1体特殊召喚するわ!私はアテナを攻撃表示で特殊召喚するわ!」
アテナ
レベル7 光属性 天使族 攻撃力2600
「永続魔法エクシーズ・チェンジ・タクティクスを発動!更に幻奏の音女オペラを攻撃表示で召喚!」
「レベルが異なるモンスターではないか!?」
「いいえ、これでいいのよ!この瞬間、アテナの効果を発動!アテナ以外の天使族モンスターを召喚、特殊召喚、反転召喚に成功した場合、600ポイントのダメージを与えるわ!」
「っく……」
セレナ
4000→3400
「更に幻奏モンスターがフィールドに居るから幻奏の音女カノンを特殊召喚!コレで2回目のバーン!」
「レベル4のモンスターが2体、来るか!」
セレナ
3400→2800
「2体のモンスターでオーバーレイ!エクシーズ召喚!私達の戦いはここからはじまる!白き翼に希望を託せ!No.39希望皇ホープ!」
No.39希望皇ホープ
ランク4 光属性 戦士族 ORU2 攻撃力2500
「この瞬間、エクシーズ・チェンジ・タクティクスの効果を発動!希望皇ホープエクシーズモンスターを召喚に成功した時、ライフを500支払ってカードを1枚ドロー出来る!私は1枚ドローし更にカオスエクシーズチェンジ!希望皇ホープをCNo.39希望皇ホープレイの下敷きにして1枚ドロー!更にシャイニングエクシーズチェンジでSNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニングにランクアップ!更に1枚ドロー!」
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング
ランク5 光属性 戦士族 ORU4 攻撃力2500
柚子
4000→3500→3000→2500
とりあえずは高火力なモンスターを置いて手札補充が出来たわ。
エクシーズ・チェンジ・タクティクス、強力なカードなんだけども別に幻奏じゃなくても構わないって言ったらそこまでなんだけどもとにかく手札が潤ったわ。3枚ドローで攻撃力2500以上の上級モンスターが2枚、悪くはない盤面の筈……ただホープを入れた時点で一族の結束が使うに使えなくなるから盤面を見たり対戦するデュエリストに合わせてデッキを調整しないといけないのが難点ね。
「…………!」
「おい、貴様敵前逃亡か!?」
「なにを言っているのだ?柚子はアクションカードを取りに行ったのだぞ」
遊矢ならこの盤面をひっくり返してくるわ。その上で1ターンキルを行うわ。
だから万が一を想定しておいてアクションカードを早目に取りに行く。幸いにもこの場所がアクションフィールドのお陰でアクションカードを使うことが出来るわ。
「キャンディ・コート、悪くはないわね」
本来だったら置いてないであろうアクションカード、キャンディ・コートを拾う。
このカードは自分のモンスター1枚を魔法と罠の対象にならず、戦闘で破壊されないようにするという遊矢がアクションデュエルを苦手だったり嫌ったりする一番の理由とも言える効果を持つカードね。
「カードを1枚セットしてターンエンドよ!」
セットカードは貪欲な壺、万が一は普通に起こるからブラフでもいいからセットしておく……この状況で1番危険なカードは、効果を受けないという効果耐性を持っているカードですら簡単に除去できる相手のモンスターカードをリリースするルール効果な溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム。幻奏モンスター達を大量に並べて展開したけども、ラヴァ・ゴーレムでリセットされた事は何度も何度もあるからそれだけは注意しておく必要があるわ。
「いくぞ、私のターン、ドロー!私は月光翠鳥を攻撃表示で召喚!」
月光翠鳥
レベル4 闇属性 獣戦士族 攻撃力1200
通常召喚権を用いての通常召喚をした。ということはラヴァ・ゴーレムみたいな除去札は持ってない。
目の前に居る私にそっくりな子がホントにアカデミアからの使者なら融合召喚を使ってくる。
「融合を使わずに通常召喚権を用いての通常召喚をしたってことは融合サーチかしら?」
「どうやら多少は知恵が回るようだが残念だったな!この月光翠鳥は召喚成功時に手札のムーンライトカードを1枚墓地に送ってデッキからカードを1枚ドローする」
「むぅ、効率が良いカードだ!」
「その通りだ!私は月光黄鼬を墓地に送り、1枚ドロー!更に月光黄鼬はカード効果で墓地に送られたらムーンライト魔法、罠カードを手札に加える。月光融合を手札に加える!そして魔法カード、融合を発動!手札の月光紅狐とフィールドの月光翠鳥を融合!現れ出でよ!月明かりに舞い踊る美しき野獣!月光舞猫姫!!」
月光舞猫姫
レベル7 闇属性 獣戦士族 攻撃力2400
「この瞬間、月光紅狐の効果を発動!カードの効果で墓地に送られた時、相手モンスター1体の攻撃力を0にする。私はホープ・ザ・ライトニングの攻撃力を0にする!更に月光翠鳥の効果を発動!月光翠鳥以外の墓地または除外されているレベル4以下のムーンライトモンスターを守備表示で特殊召喚する!私は月光紅狐をフィールドに特殊召喚し、更に月光融合を発動!」
っく……分かっていた、分かっていたわ。
エクシーズ次元の瑠璃は割と普通のデュエリストって言っていたけど、全然普通じゃない。めちゃくちゃ強いデュエリストなのを。
だったらアカデミアからの尖兵である彼女はもっともっと強い。
「月光融合は手札、フィールドのカードでムーンライト融合モンスターを融合召喚するカード……しかし、相手のフィールドにエクストラデッキから召喚したモンスターが居る場合は更に1枚エクストラデッキまたはデッキから1枚だけ融合素材を持ってくることが出来る」
「っ……」
「私はエクストラデッキの月光舞豹姫とフィールドの月光紅狐と手札の月光彩雛を融合!現れ出でよ!月光の原野の頂点に立って舞う百獣の王!月光舞獅子姫!!そしてこの瞬間、月光紅狐の効果が再び発動出来る!私はアテナの攻撃力を0にし、更には月光彩雛の効果、月光彩雛はカード効果で墓地に送られた時に墓地から融合を手札に加える!」
月光舞獅子姫
レベル10 闇属性 獣戦士族 攻撃力3500
「さ、3度目の融合!?」
「ふっ……確かに融合する事は出来なくもないがこの時点で貴様の負けだ!月光舞獅子姫は1ターンに2度攻撃する効果を持っておりカード効果の対象にならず、更には効果では破壊されず、ダメージステップ終了時に1度だけ特殊召喚されたモンスター全てを破壊する!ミラーフォースの様なカードが来ようとも、貴様の負けだ!」
「…………なら、どっちを攻撃するのかしら?」
「ふっ、最後だからな。貴様に選ばせてやる!アテナかホープ・ザ・ライトニング、どちらかを選べ!」
「じゃあ、ホープで!」
「いいだろう、月光舞獅子姫の攻撃だ!」
「この瞬間、ホープ・ザ・ライトニングの効果を発動!オーバーレイユニットを2つ使う事で攻撃力を5000ポイントにするわ!」
「なに!?」
「更にダメージステップ終了時までは相手はカード効果を発揮できないわ!」
「謀ったな!貴様、それでもデュエリストか!」
セレナ
2800→1300
純粋な戦闘で月光舞獅子姫を倒す。
一応は手札にオネストがあってキャンディ・コートがあるから戦闘破壊を免れる事が出来るけども、これで場を凌ぎきったわ。
それよりも問題はここから……
「ならば月光舞猫姫でアテナに攻撃!月光舞猫姫は戦闘では破壊されない!更には攻撃時に相手に100ポイントのダメージを与える!」
柚子
2500→2400
「キャンディ・コートを発動!アテナを魔法と罠の効果対象にならず戦闘破壊に耐性を持たせて更にはオネストで攻撃力を一緒にするわ!」
「なっ、さっき手札に加えたカードはそんなカードだったのか!?」
「ええ、これこそがスタンダードで発展したアクションデュエルのアクションカードよ!さぁ、どうするの!?」
「…………ならば、私もそのアクションカードに賭ける!!」
どうやら貴女の手札にホープ・ザ・ライトニングを破壊する事が出来るカードは存在していないみたいね。
純粋な戦闘で倒すのは難しいけども、効果破壊耐性はついてる……でも、ホープ・ザ・ライトニングを破壊してくれたら破壊してくれたで貪欲な壺を発動する事が出来るのよね。そしたらアテナの効果ダメージで焼き切れるわ。
私や瑠璃によく似た女の子はアクションカードを探しに走り出す。
右を見て左を見て広大なフィールドの何処かに眠っているアクションカードを探すその目はまさに野生の獣の様な目、あっという間にアクションカードを拾うことに成功した
「っ…………………お前、名はなんだ?」
「……そういえばまだ自己紹介をしていなかったわね。私は柚子、柊柚子よ……貴女の名前は?」
「セレナだ……お前の名前をあの世に持っていく!そして覚えておけ!!私が倒されても第2第3の尖兵が居ることを!」
「セレナ…………私のターン、ドロー…………希望皇ホープ・ザ・ライトニングで月光舞猫姫に攻撃!攻撃時に効果を発動!ホープ・ザ・ライトニングの攻撃力を5000にするわ!」
「…………」
セレナ
1300→0
「ふぅ…………危なかったわ」
アカデミアからエクシーズの残党を倒すために送られてきたデュエリストなだけあってか、レベルが段違いだったわ。
遊矢が万が一を想定しておいて渡してくれたカードが無かったら今頃は負けていた……ホントのホントにギリッギリのラインを渡っている。
「…………殺せ…………覚悟は出来ている!!」
「……ほら、大丈夫?立てる?」
「……なんだその手は?」
負けたセレナは死を覚悟するのだけれど、私はセレナに手を差し伸べた。
「私達は殺し合いをしているんじゃないの……ただただ、楽しいデュエルをしているのよ」
「楽しいデュエル?……負けているのに楽しいだと?」
「ええ……セレナ、負けても悔いは無かったんでしょ?だったら楽しいって思いがあるはずよ!デュエルは楽しむ為に存在してる…………決して貴女達アカデミアが戦争の道具に使う為の道具じゃないのよ」
「戦争?……アカデミアはエクシーズ次元のデュエリストと戦っているのではないのか?」
「…………」
「セレナよ、見事な融合だった……この様な場でなければ是非ともデュエルを挑みたいと思うが今は大会中で優勝する事に専念をしたい……柚子よ、遊矢の様に1人で納得はしないでくれないか?」
「……ええ、そうね……もう隠しきれないみたいね」
事情の説明を求める権現坂にアカデミアとハートランドの次元戦争について語る。
途中でセレナが「嘘をつくな!」と怒っていたけれども、私は遊矢や瑠璃の言葉を信じる……それしか道が無いのだから。
「俺の知らぬところでその様な事になっていたとは…………」
「柚子、ホントのホントにアカデミアはその様な事を……」
「瑠璃なら戦場になったハートランドの写真を持ってるわ…………これからどうしましょう?」
「一先ずは遊矢と合流するのはどうだろうか?遊矢ならば今後の打開策を考えているかもしれん……しかし……」
「なんだ?」
「赤馬零児はセレナの襲来を見越してわざわざこの様なルールにしたのだろうか……」
「それは…………」
分からない。
でももし、アカデミアから尖兵が沢山送り込まれるのならば私達に倒させようとしている事に変わりは無いわよね……。
赤馬零児との再戦辺りで実名にしなければ……
モコミチ達とデュエル
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する
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しない