遊戯王ではない!デュエルモンスターズだ!!   作:なにかの波動に目覚めたトマト

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アニオリとOCGをオーバーレイ!!(ワンキル)


笑顔のデュエル

 ユートとは少し違う。けど、何処か優しく暖かい人にデュエルディスクを貸して意識を失った。

 目を覚ますと、そこには一人の男性しかおらず、デュエルディスクには紫色のモンスターカード、融合モンスターカードがセットされていた。

 

「さっきの彼を、何処にやったの!!」

 

「……はぁ。お前、デュエルディスクを見ろ」

 

「デュエルディスク……私のデュエルディスク!」

 

 大きく呆れた顔をする男の腕にあるデュエルディスクは私のデュエルディスク。

 

「デュエルは俺の勝ちで終わったよ」

 

 彼はそう言うとデュエルディスクを外して私に返す。

 

「1ターンキル、しかも手札二枚で」

 

 デュエルのログを確認し、目を見開く。

 最初の先攻で手札二枚でドローするカードを一切使わずに彼は勝利している。

 

「手札一枚でもデュエルは逆転できるだろう」

 

「そうだけど……ううん、そうね」

 

「取りあえず、デッキだけは返してくれ」

 

 彼は敵ではない。

 ユートと似ているのか、さっきのユートとそっくりなデュエリストと雰囲気が異なるせいかそう感じた私は彼にデッキを返した。

 

「助けてくれて、ありがとう……貴方は何者なの?」

 

「何者と言われても、俺は俺だ」

 

「そうじゃなくて、どうして融合カードを持っているの!?」

 

 ハートランドには、エクシーズ次元にはエクシーズモンスターしかない。

 融合に関するカードは何処のカードショップにも置いておらず、それを持っているのはアカデミアだけ。でも、この人は私を拐おうとしたアカデミアの兵士を簡単に倒し、意識を失っていた私を優しく起こした。悪い人じゃないのは確かだけど、融合を使っている……どうして?

 

「逆に聞くが、融合を使っていたらダメなのか?この辺りじゃ、禁止カードになっているのか?」

 

 禁止カードにはなってない。デュエルモンスターズのルール上はなんの問題も無い。それはそうだけど

 

「アカデミアが融合モンスター達を古代の機械(アンティークギア)を使ってハートランドを滅茶苦茶に」

 

「それがシンクロや儀式モンスターでも融合を憎むのか?」

 

「それは……」

 

「お前が嫌悪して良いのは、アカデミアとかいうやつだろう。融合召喚を使う=悪なんて考えは間違いだ」

 

 彼の言うことは間違ってはいない……でも、どうしてもそう思ってしまう。

 少し鬱陶しく感じるぐらい過保護な兄さんと平和に過ごしていたのに、一瞬にしてハートランドは戦場に変わってしまった。

 

「直ぐに受け入れろとは言わない。だが、俺はそいつ等とは無関係とだけ認識してくれ」

 

「うん……私は瑠璃、黒咲瑠璃」

 

「遊矢だ」

 

「遊矢……」

 

 見た目だけじゃなく、名前もそっくりなのね。

 

「貴方は何者……ううん、違う。どうしてここにいるの?」

 

 ユートと瓜二つの遊矢。

 こんなに瓜二つならば兄さんや私、それにユート本人も気付く。レジスタンスでも話題になる……けど、話題にもなっていない。遊矢はレジスタンスの人じゃない。

 

「お前の声が聞こえて、お前に呼び出された」

 

「私の声?」

 

「助けてと強い叫びが聞こえた」

 

 強い叫び……確か、アカデミアのデュエリストと戦って追い込まれて負ける寸前にユートに助けて欲しいと心の中で叫んだ。

 

「尤も、呼んでいたのは俺じゃなくて別の奴だが……まぁ、結果的には助かったんだから、その辺の細かなところは気にするな」

 

「……うん、そうね」

 

 遊矢は見ていないけど、ユーリが危険なのを感じている。

 私は直接見たから分かる。ユーリのスターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン。今まで色々なモンスターをみたりしてきたけれど、アレはなにか違う。私の中のなにかが危険を感じている。

 ユーリの魔の手から遊矢は守ってくれた。

 

「第一、俺の方がユートより強いだろうから」

 

「うん……」

 

「柚子なら、この辺で調子に乗らないのってハリセンが来るんだけどな」

 

「柚子?」

 

「瑠璃にそっくりな子だよ」

 

 遊矢はデュエルディスクを取りだし、私にそっくりな女の子の写真を見せる。

 その子はとっても嬉しそうに準優勝と書かれたトロフィーを持っているけど、涙を流した跡がある。それは優勝出来なかった事を悔しがった跡。

 

「……」

 

「涙を拭けよ」

 

「え?」

 

「泣いているよ」

 

 私、泣いてるの?なんで……なんでなの?

 

「お、おい、泣くな。泣かないでくれ!!

ほんっと……違うか。泣きたいときは思う存分に泣いたら良いと思う。無理に笑うよりも、吐き出すものを吐き出した方がいい」

 

「ごめん、ごめんなさい……」

 

「謝らなくて良い。と言うよりは、俺に謝る理由は無いだろう」

 

 自分と同じ顔をした人物が悔しさで泣いたけど、それよりも嬉しい事があったと笑う姿を見て涙が止まらない。

 奪われた平穏を思い出してしまう。プロデュエリストを目指して頑張っていたのを、笑っていたあの頃を思い出してしまう。

 会ったばかりでなにも知らない私に泣いていいと言ってくれる遊矢の胸を借りて私は思う存分に泣いた。

 

「ありがとう、遊矢」

 

「気にするな。それよりも大丈夫か?」

 

「うん、もう大丈夫。走ることも出来るし、兄さん達のところに」

 

「そっちじゃない」

 

「?」

 

「心の方だよ」

 

「っ……」

 

 思う存分に泣いたけど、私の心の中に燻るものは多い。

 私が一人じゃなにも出来ないと思っている過保護な兄さんに対する事とか、さっきのデュエルで負けてしまった事とか……私にそっくりな柚子の笑顔の写真とか。

 

「瑠璃、時間はあるか?」

 

「まだ大丈夫だけど」

 

「じゃあ、デュエルをしよう」

 

「デュエル……」

 

「ああ、デュエルだ」

 

「私が遊矢と……無理よ、負けるわ」

 

「おいおい……とりあえず、デッキを選んでくれ」

 

「複数のデッキ?」

 

 幾つものデッキケースを置いていく遊矢。

 珍しい……2つぐらいデッキを持っている人は知っているけれど、こんなに多くのデッキを持っているのは珍しい。いや、それ以前にこんなにデッキを持ってて使いこなせるの?

 デュエリストにとってデッキは命も同然のもので、デュエリストがランクアップすればデッキはそれに応える。けど、こんなにあるのは……。

 

「どうも俺はデュエリストには向いてなくてな、1つのデッキに魂を込めるとかが無いんだ」

 

 デッキケースを見ていた私に遊矢は少しだけ気まずそうに答える。

 デッキはデュエリストを現す物で、兄さんは鉄の意思や鋼の強さを現すRR。ユートは何度破れても立ち上がる幻影騎士団を使っている……ここにあるデッキはさっきのレッドアイズとは無関係のものばかり。

 

「まぁ、とにかくデュエルをしよう。

自分のデッキを見ていて嫌な思いをしているんだから、物凄く強い俺のデッキを貸してやる」

 

「……うん」

 

 デュエルに誘われたからには受けるのがデュエリスト。

 適当なデッキを手に取り、エクストラデッキとメインデッキを確認。エクシーズモンスターを主体とするデッキで、完成度が……なにかしら?他とは違う気がする。彼が異質を現す感じ……なにかしら?

 

「「デュエル!!」」

 

 よく分からない違和感を抱きながらもはじまるデュエル。

 先攻は私からで、手札は余り良くない。

 

「私は魔法カード、トレード・インを発動!レベル8のモンスターを墓地に送ることによりデッキからカードを二枚ドローする。私はギミック・パペットーマグネ・ドールを墓地に送り、2枚ドロー!」

 

 ……よし、エクシーズの準備は出来た!

 

「私は魔法カード、ジャンク・パペットを発動!

このカードは墓地にいるギミック・パペットモンスターを選択し、フィールドに特殊召喚する。私が選ぶのはトレード・インで墓地に送ったギミック・パペットーマグネ・ドール!」

 

 ギミック・パペットーマグネ・ドール レベル8 闇属性 機械族 攻撃力1000

 

「更に私はギミック・パペットーギア・チェンジャーを通常召喚!

ギミック・パペットーギア・チェンジャーの効果発動!フィールド上のこのカード以外のギミック・パペットモンスターを一体選択し、選択したギミック・パペットモンスターと同じレベルになる!!」

 

「お、来るか」

 

 ギミック・パペットーギア・チェンジャー レベル1→8 闇族性 機械族 攻撃力100

 

 レベル8のモンスターが2体。

 エクシーズ召喚の準備は整った……けど、どれを召喚すればいいのかしら?

 ギミック・パペットモンスターはレベルが高くて、ランク8のエクシーズモンスターを召喚して戦うデッキ。ここまでは分かったけれど、問題はここから。

 私の先攻で遊矢のフィールドにはモンスターも魔法も罠も無い。ユートのダークリベリオンの様なエクシーズモンスターを召喚しても意味はない。

 

「なにがあるかしら?」

 

 エクストラデッキを確認する。

 このデッキのエクストラデッキには強力なランク8のモンスターが沢山いて、中には特殊勝利効果を持つカードまでいる。

 でも、このカードを出すには3体必要だから呼び出せない。召喚条件が2体のエクシーズモンスターを探していると、ふとあるエクシーズモンスターが目に入り、手札にあるカードを見る……あれ?これって、もしかして?

 

「お~い、早くしてくれ」

 

「あ、うん……2体のモンスターでオーバーレイ、エクシーズ召喚!!

打ちのめされ叩きのめされし屑鉄よ、今こそ思いを1つにしここに降臨せよ!!ランク8!廃品眼の太鼓竜!!」

 

 廃品眼(ガラクターアイズ)太鼓竜(ファットドラゴン) ランク8 地属性 機械族 攻撃力3000 ORU(オーバーレイユニット)

 

「うげっ……お前、それを先攻に召喚したってことは」

 

「ええ、私はRUM アストラル・フォースを発動!

自分フィールドの一番ランクが高いエクシーズモンスターを対象とし、このカードは発動できる。

私は廃品眼の太鼓竜を対象にし、二つ上のランクで同じ属性、同じ種族のエクシーズモンスターをエクストラデッキから廃品眼の太鼓竜の上に重ねてエクシーズ召喚扱いとして特殊召喚する!!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!」

 

「来るか!!」

 

「高次元の彼方より、地響きともにただいま到着!現れろ!超弩級砲塔列車グスタフ・マックス!」

 

 超弩級砲塔列車グスタフ・マックス

 

 ランク10 地属性 機械族 攻撃力3000 ORU3

 

「グスタフ・マックスの効果発動!

1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ取り除き相手に2000ポイントのダメージを与える!発射オーライ ビッグ・キャノン!!」

 

 グスタフ・マックスの巨大な砲身から弾が発射。

 遊矢の近くに落ちて、軽く吹き飛ばされるけれども遊矢は直ぐに立ち上がった。

 

「先攻はバトルはできないから、これでお前のターンは終わりだ!次のターンでグスタフマックスは倒させて貰うぞ」

 

 遊矢 LP4000→2000

 

「それは無理ね」

 

「な……え、もしかしてお前……」

 

 流石、遊矢。自分で作ったデッキの事だからよく知っているわね。

 

「私は速攻魔法!ビッグ・リターンを発動!

1ターンに1度と書かれた効果を持つカードの効果を、もう1度使うことが出来るわ」

 

「お前、お前、お前ぇええええええ!!」

 

 二度目のグスタフの発動を前に語彙力を失ってるけど、これを作ったのは貴方よ?

 

「トレード・インで来たのよ。いっけえ!発射オーライ ビッグ・キャノン!!」

 

 ふたたび放たれるグスタフ・マックスの一撃。

 遊矢はどうすることもできず、グスタフ・マックスの一撃を受けた。

 

 遊矢 LP2000→0

 

「ぐふっ……」

 

「えっと、大丈夫?」

 

 自分で言うのもなんだけど、凄く決まったわ。

 

「大丈夫だ」

 

 あ、普通に起きた。よかった……それにしても、なんて恐ろしいデッキなの。

 特殊勝利に加えて1ターンで最初の4000のライフを削り切るコンボまであるだなんて。

 

「瑠璃、1つ言って良いか?」

 

「なに?」

 

「次はライフ8000でお願い。

多分、ここにある殆どのデッキがライフ8000じゃないとダメっぽい」

 

「それは構わないけれど……」

 

 通常の倍のライフが無いとマトモにデュエルが出来ないだなんて、どれだけ殺意が高いの?

 初期ライフの設定を変え、再びデュエルをする私達。

 

「グラスジョーとヘッドギアでエクシーズ召喚!BK 番兵のリードブロー!!からのカイザーコロシアムを発動!!」

 

「酷い!」

 

 破壊耐性のあるモンスターを出してカイザーコロシアムでエクシーズをさせないパワーデッキと見せかけて、強烈なロックコンボを見せるBKデッキ。

 

「もう一回!!」

 

「デッキを変えてもいいぞ」

 

「じゃあ、次はこれよ!」

 

 負けた私は次のデッキを手に取り、デュエルを。

 

「私のターン、ドロー!」

 

「ホープゼアルの効果を発動!!エクシーズ素材を取り除き、このターンお前はカードの効果を発動できない」

 

「そんな……」

 

 開始早々にランク1のモンスターを並べたと思えばルール上ランク1でエクシーズモンスターを素材とするエクシーズモンスターを呼び出し、なにもさせてくれず一方的に蹂躙された。

 

「ロンゴミアントの効果発動!フィールド上のカード全てを破壊する」

 

 でも、次は星因子(テラナイト)モンスター5体でエクシーズ召喚したロンゴミアントで勝った。

 

「黒炎弾からの連続魔法で」

 

「……え、7000の効果ダメージ?」

 

「イエス」

 

 でも、その次、遊矢はまさかの1ターンキルをしてきた。

 他にもいっぱい、いっぱいデュエルをした……。

 

「よかった、楽しそうで」

 

 え、楽しい?

 

「デュエルモンスターズはプロ化したりデュエル塾が出来たり、養成校が出来たりしたけどさ……結局はカードゲームなんだ」

 

「カードゲーム……」

 

「殺しあいの道具でもなんでもないって事だよ。

デュエルモンスターズを作った人は俺達が遊んで楽しんで欲しいと思って作ったんだ……ジャンプ連載とかファラオの為とかそんなんじゃなくて、勝っても負けても面白い。

それがデュエル……まぁ、勝った方が良いに決まっているし、負けたら滅茶苦茶悔しいが、どっちでも面白い……それがデュエルモンスターズの筈……こんな事を言ってるからデュエリストになれないんだろうな」

 

 負ければ死ぬ、勝たなければ生き残れない。デュエリストにとってカードは命で安易に渡すものではない。

 そんな考えとは全く異なる考えを遊矢は持っており、この時間は忘れかけていた楽しいデュエルをすることが出来た。

 デュエルをする理由……それは楽しいから。楽しくて笑顔になるから遊矢も私もデュエルをはじめた。その事を、この時だけは思い出し、堪能した。

 

「……う~ん」

 

「どうしたの?」

 

「そろそろ帰らないといけないんじゃないかなって」

 

 あ、そうだったわ。

 

 何時の間にか夜は明けようとしており、日の出を迎えようとしていた。

 

「綺麗……でも……」

 

 ハートランドは……。

 

 差し込む日の光は美しいけれど、ハートランドを照らし出せば崩壊した姿しか見れない……取り戻さないと、私達の日常を。

 

「ねぇ、遊矢。レジスタンスに……遊矢?」

 

 遊矢が協力してくれるなら、この戦いは早く終わる。

 兄さん達の元に遊矢を連れて戻ろうと遊矢を誘おうとするけど、その前に遊矢は歩き出す。

 

「遊矢、何処にいくの?」

 

「ちょっと、気になる事があってな」

 

「気になること?」

 

 レジスタンスの拠点がある場所とは異なるところを歩いていく遊矢。

 この辺りには人気もなく、拠点に出来そうな場所でもない。

 

「……そこか」

 

「カード?」

 

 アクリルケースに入ったカードを手に取った遊矢。

 

「っ!!」

 

 そのカードを見た瞬間、戦慄が走った。

 さっきのデュエルで遊矢は融合とエクシーズ、それに儀式とシンクロ召喚を使っていた。けど、けど、これはその四つの召喚に使うカードとは異なるカードで、スターヴ・ヴェノムを見たときと同じものを感じる。

 

「そのカードを」

 

 使うのはダメ。

 そう言おうとする前に私のブレスレットと遊矢の持つカードが突如として光り出し、光が消えると遊矢はその場に居なかった。

 

「遊矢?」

 

 何処にいったの?

 

「瑠璃、瑠璃ぃいいいいいいいい!!」

 

 この声は!!

 

「兄さん!!」

 

 どうしてここに!?

 

「瑠璃、無事だったか!!」

 

「え、ええ……それよりも遊矢が」

 

「誰だそいつは、いや、それよりもお前が無事で良かった……全く、一人で出歩くな。お前はオレが居ないとちゃんと」

 

「兄さん!!」

 

「なんだ……いや、それよりも拠点に戻るぞ。ユートもお前の事を必死になって探して……ん?デッキケースが落ちている……」

 

 私の腕を掴み、拠点に帰ろうとする兄さん。

 デッキケースが落ちている事に気付き、拾い上げるけど直ぐに投げ捨てた。

 

「なにをしてるの!?」

 

「こんなカードは不要だ。瑠璃、帰るぞ」

 

 投げ捨てられたカード達に怒りを向ける兄さん。

 兄さんが投げ捨てたカードの中には簡易融合という融合カードの1つ……それに融合モンスター

 

「LL……」

 

 私の知らないLL(リリカル・ルスキニア)の融合モンスターカード……それにランク1のエクシーズモンスター達。

 

「瑠璃、無事だったか!」

 

「ユート……」

 

 やっぱり、似ているわ。

 

「ねぇ、兄さん、融合召喚は敵なの?」

 

「なにを言っている瑠璃、オレ達の平穏を壊したアカデミアを襲撃してきたあの日の事を忘れたのか!」

 

 あの日の事はちゃんと覚えているわ。でも……。

 

「瑠璃、一旦戻ろう。隼は一睡もせずにお前を探していたんだ」

 

 ユートに言われ、兄さんの目をよく見ると凄く目が充血している。

 

「分かったわ…」

 

 兄さん達と一緒に拠点に戻った後、もう一度、この場所に来たけれど遊矢は居なくなっていた。

 でも、兄さんが投げ捨てたカード達はそこにあった。

 

「デュエルを続けてたら、また会えるのかしら……」




OMKフェイズ

遊矢「くそ、なんでこんな事になったんだ……」

洋子「なんか言ったかい?」

遊矢「い、いえ、なんでもありません」

洋子「なんでもない……夕飯前に靴も履かずに家から消えて、朝帰りをしたのに?」

柚子「遊矢のバカっ!!心配、したじゃない……」

遊矢「柚子……え、待って。なんでいるんだ?」

洋子「あんたを寝ずに一晩中探してたんだよ!!
全く……でも、良かった。遊矢まで居なくなったら……」

遊矢「母さん……」

洋子「とにかく、今日はご飯抜きだよ」

遊矢「俺、昨日からなにも食べてないんだけど!?」

洋子「ほら、とっとと着替えて学校に行ってきな!!」

遊矢「ぐぉっ、そうだった……くそ、日常に戻った途端に気が緩んで眠気と空腹か襲ってきやがった」

洋子「これ、遊矢の分の弁当。遊矢は今日、飯抜きだからあんたが食べて」

柚子「おばさん、ありがとうございます!」

遊矢「俺、頑張ったよな、頑張ったのになんでこんな目に遭うんだ……」

柚子「おばさん達を心配させるからでしょ!!」

遊矢「ぐうの音も出ない正論です、はい」

柚子「でも、よかった……遊矢が無事で」

遊矢「柚子……ごめん」

柚子「ううん、良いのよ。それよりも、お弁当」

遊矢「え?」

柚子「昨日からなにも食べてないんだったら、授業はまともに受けれないでしょ。私は私のお弁当があるから、大丈夫よ」

遊矢「ゆ、柚子……いや、柚子様、ありがとうございます」

柚子「もう調子良いんだから。それよりも、何処でなにをしていたの?」

遊矢「ええっと……デュエルをしてました」

柚子「家を裸足で抜け出してまで、デュエル?」

遊矢「本当だって。デュエルディスクのログを確認してくれよ」

柚子「あ、本当だ……この瑠璃って誰?」

遊矢「黙秘権を行使します」

柚子「瑠璃って誰なの、答えなさい遊矢!!私の知る限り、遊矢の知り合いに瑠璃なんて女は居ない筈よ!」

遊矢「ちょっと色々とあったんだ。何時か話すから、今は聞かないで」

柚子「そういって一切話さないじゃない!教えてくれないなら、このお弁当は渡さないわよ」

遊矢「渡さないわよって、お前その弁当と自分の弁当の二つを食ったら太るぞ」

柚子「ゆぅ、やぁあああああ!!」ハリセンクズリュウセン

遊矢「ぐふぉう!!」

次回予告

手札事故が起きない限りは俺に勝てない権現坂、今日こそはと本気の俺に挑み勝利しようとする。

言っておくが、俺はまだエクストラデッキを残している。エクストラ無しの俺に手を焼いていたら、ペンデュラムモンスターとエクストラデッキを用いた俺には叶わないぞ。

今回は面白いデッキを作ってきた、見せてやろう……って、え、あ、もう原作開始してんの?

花鳥風月は守ったが、いったいどうなることやら。かくして、遊戯王ARC-Vの幕が開き見学者のタツヤそっちのけでデュエルがはじまる。

次回、遊戯王ARC-V 【お楽しみはここまでだ!!】にガッチャビングデュエルアクセラレーション!!
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