多分大半の方が忘れているだろうと思いますが、湊くん好きの変態です!
悠君と湊君二人の恋が結末を迎え、幸せな日常が始まってこの物語を書き終わりましたが……。
正直、もう少しでもいいから二人のイチャイチャが見たいなと思ってしまい、この度久々に書いてしまいました笑
今回は、あのラストにあたっての功労者であるお嬢様たちに、悠君が御礼をしたいということだったのですが、その行動が思わぬ事態に発展してしまい……?
という話となっております!
今までとは違い、完全に付き合い始めてからの二人の関係性が見られるので、少し新鮮かもしれません。
とにかく、湊君がはっちゃけておりますので、そこに注目してご覧になっていただけますと幸いです!
これは、湊さんと正式に付き合い始めてから……少し、落ち着いた頃のお話。
「──と、いうわけで、何かお礼をさせて欲しいんだ!」
鬱陶しいセミの鳴き声が響きながらも、汗水1つすら垂れない冷房の効いた部屋の中。
眼前に並ぶ第二寮のお嬢様達(湊さんを除く)に向かい、俺は深々と頭を下げる。
「そ、そんな……我は何もしてないのだ!」
「そうね……私も逆に湊のことを任せてしまったから、お礼してもらわなくても良いのだけれど……」
遠慮するお嬢様達の声を聞きながらも、それでもと頭を下げる。
「まぁ、八坂さんもこう言ってくださってるわけですし、ご厚意に甘えましょうよ」
「……そうね。八坂さんがそこまで言うのであれば……」
旧家のお嬢様らしい黒髪の少女に手助けしてもらい、当面の目的を達成する。
そう。湊さんと正式に付き合い始めたあの日。
思い返せば、湊さんを見つけるまでの道中で、俺はお嬢様達に湊さん探しを助けて貰ったのだ。
だからこそ、何かお礼がしたいと思い、こうして休日の朝に第二寮を訪れているのだ。
……まあ、正直早く彼女に会いたいという名目もあるのだが……どうやら、湊さんは今買い出しに出かけているらしい。
買い物デートしたかった。うん。まじで。
「ありがとう……!それで、正直皆さんが好きなものが分からないから、せっかくだし一緒に買いに行きたいんだけど……」
「……いいわ。それなら買いに行きましょう」
「八坂さんは、いつがよろしいんですか?」
お嬢様達の同意を得ると同時に、スマホのスケジュールアプリを開く。
「ちなみに……今日明日とかって、空いてる?」
「あ……今日は、お父様と学園の方針で話し合う予定があるから……来週がいいわ」
「私は、新聞部の課外活動で美結さんと出かけるので、明日がいいですね」
「わ、我は今日なら空いてるのだ……!」
三者三様の予定を確認し、頭を整理するために顎に手を当てる。
まあ、なかなか予定は合わないよな……。
「一緒に行くとなると……なかなか難しいな」
「なら、1人ずつ行けばいいんじゃないかしら……?」
さも名案を思いついたかのように、西園寺さんはそう言ってのける。
でも……それは……。
「え、それって……」
「で、デートになってしまうのだ!?」
……そうなのだ。
女の子と1対1で出かける……これは、捉えようによってはデートになってしまう可能性がある。
というか、美結さんの件があった時点で、もし湊さんに知られてしまったら確実にデートということになってしまうだろう。
「うーん……大丈夫なのかな……」
「え、円卓の騎士は、その……大丈夫なのだ……?」
心配そうに見つめる東方将軍ちゃんをなだめながら、俺は西園寺さんの方に視線を向ける。
「でも、先生と1度出かけたのでしょう?」
「西園寺さん何で知ってるの!?……って、まあ、確かに那波先生と1度出かけてるしなぁ……」
「先生と、ですか……?」
「ああ、あの時先生にもお世話になったからな。水梅モールにお酒を買いに行ったんだよ」
お嬢様達の質問に答えながら、先日のことを思い出す。
あの日は、"先生と出かけるだけ"という意識があったため、特に何も考えてなかったが……よく考えたら、先生と出かけたこともデート扱いになってしまうのか。
でもまあ、そういう意味では、前例がある時点で今回は割と安心なのかもしれない。
「確かに、それなら大丈夫そうですが……」
「嫌な予感はするけど……円卓の騎士が良いならいいのだ」
彼女の言う嫌な予感を同様に感じながらも、スマホのスケジュールアプリに再度視線を向ける。
でも、ここで行けないと、どんどん予定が伸びるしなぁ……。
「じゃあ、今日は大垣さん、明日は貴船さん、来週が西園寺さんで大丈夫かな?」
うなずくお嬢様達を見てから、アプリに予定を入れ込んでいく。
それにしても、2人きりになるとさすがに緊張するんだろうなぁ。
「でも、そんなに私たちと出かけてしまうと、湊さんとの時間が無くなってしまうんじゃないですか……?」
「確かに、そこは思うところもあるけど……でも、皆さん知ってる通りほぼ毎日湊さんうちに来てるからね」
「あー……確かに、最近お姉様円卓の騎士の所に泊まることも多いのだ」
残り2人の「あー」という声を声を聞きながら、ここにはいない最愛の彼女の姿を思い浮かべる。
そういえば、昨日つけまくったキスマーク……大丈夫だったかな……?
「まあ、自分でも引くぐらい愛してるから大丈夫だよ」
「自覚……あるのね」
一瞬冷静になってしまった思考を振り払い、お嬢様たちへと意識を向ける。
とりあえず、御礼を買いに行くだけだし……まあ、大丈夫だろ。
「じゃあ、とりあえず大垣さん、行こっか!」
「ククク……円卓の騎士と共に魔王軍の進行なのだ!」
子犬のように後ろをくっついてくる軍服の後輩と共に、水梅モールへと歩き出す。
悠「(……これが軍服じゃなかったら、割とドキドキするんだけどなぁ……)」
そうして違う意味で緊張しながら、少しヤバそうな店で大垣さんの買い物(謎の紋様が印された眼帯)をするのだった──。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「ありえません……ありえませんありえませんありえません」
隣の席で悶え苦しむ元恋敵を眺めながら、いつものように昼のお悩み相談会を開催する。
「飛鳥さん、どうしちゃったのさ……!?」
「……裏切られました」
「どういうこと!?」
思った以上に抽象的でとんでもない発言に、思わず被せ気味に問いかける。
…………。
………。
……。
「──なるほど。休みにデートしようとしたら悠さんは予定があって、暇で水梅モールに行ったら……遭遇しちゃった、と」
「……はい。それもひなたさんとだけじゃなくて、翌日には柚子さんと!しかも昨日は風莉さんともですよ!?」
思った以上に情報量が多く、少し頭を抱える。
いやまあ、悠さんのことだし、絶対何か理由があると思うんだけど……。
「一気に3人と浮気なんて……どういうことですか……!」
「いやぁ……流石にそういうのじゃないと思うけどなぁ……」
彼を擁護するように、彼女にそっと語りかける。
大丈夫。私の知っている悠さんは、そんな人ではないはずだ。
「ぼ、ボクだってそう思いたいですよ!でも、皆さん嬉しそうにしてましたし……悠さんも皆さんの胸ばかり見てましたし……!」
そ、そんな人ではないはず……!
胸……いや、まだ勘違いだって可能性も──
「なにより!ひなたさんの頭を撫でて、猫みたいに可愛がってたんですよ!?……ボクだけの特権なのに……!」
……どうやってフォローしよう、これ。
というか、何気にとんでもないことしてるなぁ……あの人。
「あ、あはは……でも、悠さんにも何か事情があるのかもしれないし……」
「──でも、美結さんとはしっかりと浮気してたじゃないですか……?」
「あぅ……ごめん飛鳥さん、それを言われたらあたし何も言えなくなります……」
ぐうの音も出ない正論を振りかざされ、思わず口を噤む。
それは……ダメでしょ……。
「……あ、美結さんのことを責めてる訳じゃないですよ!?流石にもう許してますからね……?」
「割と目が本気だったよ……!?結構怖かったよ……!?」
「やだなぁ美結さん、今回"は"許してますから大丈夫ですって」
「……に、二度としません!ごめんなさい!」
言葉とは裏腹にとんでもない闇のオーラを放つ湊さんに、何度も頭を下げる。
こ、怖かったぁ……!
「……って、冗談ですよ美結さん。結局何もかも悠さんが悪いんですから……!もうっ!」
「あ、あはは……あたし、心臓がもたないよ……」
可愛らしく口を尖らせ、恋する乙女のように不貞腐れる"天敵"
これは当分……というかこれからずっとネタにされるんだろうなぁ……。
「でも、どうしましょう……お嬢様と出かけてたこと、問い詰めた方がいいですよね?」
「いや、まあ何となくは予想つくけど……気になるならそうするべきだと思うよ」
「うーん……」
いつも以上に悩む彼女を見て、思わず声をかける。
「湊さん?どうしたのさ?」
「いえ……これがもし本当だったら、自分の感情を抑えられる気がしなくて……」
「怖いよっ!?」
その表情からは想像がつかないような予想以上の答えに、ノータイムでツッコミを入れる。
「まあでも、悠さんだし……流石に大丈夫だと思うよ」
「そうですか……?うーん……」
そうして、彼女は少し考える素振りを見せ──
「……ちょっと、問いただしてきますね?」
怖いくらいに目の笑っていない笑みを浮かべ、ゆっくりとそう告げるのであった。
………………。
…………。
……。
「……ちなみになんだけどさ、その首筋の何個かの絆創膏って……」
「……?悠さんからですよ?」
少し話題を逸らそうと、ぱっと目に映った絆創膏について聞いてみる……が。
やっぱり、そうだよねぇ……。
「……なんか、最近毎日つけてるというか……日に日に多くなってる気がするんだけど……?」
「もうっ……だから"首はやめて"って言ったのに……」
"愛されまくってるじゃねぇか"と思わずツッコミを入れたくなる気持ちを抑え、窓の外を見上げる。
──ジリジリと日差しが照り付ける炎天下。
ただ、それよりも……隣にいる彼女の方が、異常なほど暑さを放っているのは言うまでもないだろう。
「(……こっちまで暑くなりそうだよ……)」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「ただいま戻りましたー!」
「お、湊さんおかえりー」
玄関から聞こえる恋人の声に、思わず胸を躍らせる。
今日はそのままうちにくると連絡があったから、今日もいっぱいイチャイチャできるな……!
──あの日以降、こうして湊さんは定期的に(2日に1回)家に来るようになっている。
「(……まあ、うちに来ない日は、ほとんど第二寮に会いに行ってるんだけど)」
今日も笑顔が素敵で可愛すぎるけど……なんか、笑顔が怖いような……。
「み、湊さん……?」
「なんです?どうしました?やましいこととかありました?」
可愛いを通り越して不気味になりかけている彼女から、何故か嫌なオーラが漂ってくる。
「いやいや、何言ってるのさ。やましいことなんて──」
そう言いかけている最中に、床にバッグを置いた湊さんが無言でニコニコしながら迫ってきた。
え?ちょっ、どゆこと……?
「ちょっ、湊さん……?」
「ん……?なんです?どうしました?」
目を線にして口角を不自然に釣りあげ、じわりじわりと詰め寄ってくる湊さん。
絶対これ怒ってるやつだけど、そんな中でも興奮してしまう自分が嫌だ──!
「ち、近いって……うわっ!?」
背後のベッドに気づかず躓いてしまい、そのままベッドの中へと倒れ込む。
すると、湊さんは女豹のように覆いかぶさってきて──
「──隠し事……してないですか?」
妖艶な笑みを浮かべながら、そう問いかけるのであった。
「し、してるわけないだろ!そんなこと!」
「ふーん……そうなんですかぁ……」
ジト目で俺の反論を流した後、イタズラな笑みを浮かべて俺の胸板の辺りをまさぐり始める。
ヤバい……絶対ダメだけど、めちゃくちゃ興奮する……っ!
「じゃあ──お嬢様達と水梅モールにいたのは?」
「──っ!?」
彼女の華奢で愛おしい手が首筋に触れると共に、核心的な質問を投げかけられる。
「そ、それは違っ……」
「違くないですよね?隠してましたよね?」
そのまま畳み掛けるようにしながら、顔も至近距離まで迫ってくる。
「また、ボクを裏切る気ですか……?」
「そんな……これは違うんだ!湊さん!」
一転して悲しそうな声色で問いかける彼女に、思わず呼吸が止まる。
また……不安にさせてしまったのか。
「結局悠さんも、普通の女の子が好きなんですよね?」
「そういう事じゃ──」
「ボクじゃ……ダメなんですかっ!」
「……っ!?」
一際大きい声で泣き叫ぶ彼女に、つい何も言えなくなる。
「あんなにボクを求めてくれたのに……嘘だったんですか……っ!」
「違うっ!俺は湊さんが──」
「そうですか……悠さんは、おっぱいに惹き付けられたんですね?」
「は、はぁ!?」
意味不明な超理論で話が変な方向に逸れ、理解が追いつかなくなる。
おっぱ……え?なんで???
「お嬢様達の巨乳にやられたんですね……!」
「なぜそうなる!?」
目をぐるぐるとさせながら半ばヤケクソに迫る彼女に、思わずツッコミを入れる。
いきなりどうした湊さん!?
「許せない……許せない……」
「湊さん!?怖いよっ!?」
「──あ、そうです!その手がありました!」
なにか閃いたようにそう告げると、彼女は俺の手を取ってその愛おしい胸に近づけ……。
「悠さんを、ボクに釘付けにすればいいんですね……?」
「いや、それは元からなんだけど……」
「悠さんは、胸が無い方がいいですよね……?」
「いや、湊さんの胸ならなんでも好き」
「お嬢様達の華奢な体より、ボクの──」
「湊さんの綺麗で繊細な体が好き」
「え……?」
「いや、言い方が変だな……湊さんの全てが好き。まじで好き。愛してる。一日でも会えないときつい。いやもう一緒に住んで欲しい。これからもずっと一緒にいよう。それから──」
「す、ストップストップ!ま、ままま待ってください……っ!」
ヤンデレ気味に詰め寄るつもりだったのだろうが……完全に形勢逆転してしまった。
まあ、湊さんへの愛なら誰にも負ける気ないからな。
「そ、それ以上言われると……心臓に……はっ!?危うく騙されるところでした!」
頭をぶんぶんと振り、余計な考えを捨てようとする湊さん。
可愛い……まじで俺の彼女可愛い。やばい。
「そんなこと言って、ボクを誑かすつもりなんですね!」
「だから違うんだって……」
「だったら、なんでお嬢様達と……?」
「あー……だからそれは──」
顔を紅一色にしながら、理由を求める彼女。
最初から話すつもりだったんだけど……まあ、いいか。
そうして、少し内容をかいつまみながら、事の発端から正直に話すのだった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「──つ、つまり……ボクの、勘違い……ですか」
「いや、まあ……俺も、勘違いさせちゃうようなことしてごめんね」
事の真相を教えてもらい、一気に思考がクリアになっていく。
もしかして僕、勘違いでとんでもなく失礼なことをしてしまったのでは……?
「そ、そんな……」
「でも、湊さん一筋の俺が、そんなことでブレるわけないだろ!」
「うぐぅ……むぅ……」
悠さんから正論を言われ、思わず言い返せなくなる。
た、たしかに僕一筋でこんなに愛してくれる悠さんが、今更浮気なんてするはずないよね……。
「それこそ……その、湊さんが今乗っかっているところを……その、確かめてみてほしいんだけど……」
「え……?今乗っ──っ!?!?!?」
瞬間。
僕のおしりの辺りに──なにか固いものが当たっていることに気がついた。
「(え?これ……え?悠さんの……アレ?)」
というかなんで僕、悠さんの上に跨ってるの……!?
しかもこれ、いわゆる"騎乗位"とかいうものなのでは……!?
「ひゃぁっ!?ゆ、ゆゆゆ悠さん!?い、いつから……!?」
「ごめん……迫ってくる湊さんがエロ過ぎて……」
「さ、最初から……!?」
再び頭の中がぐるぐると混乱し始め、正常な思考が出来なくなる。
ゆ、悠さん……こんな酷いことしちゃったのに……興奮、してくれてたんだ……。
「まあでも……お礼とはいえ、湊さんに辛い思いをさせちゃったよな……ごめん」
「そ、そんな……謝るのはボクの方で……」
こんなに迷惑をかけられているのに、それでも自分が悪いと謝ってくる悠さん。
こんなの、勘違いした僕が悪いのに……。
「じゃあ今日は、お互いに仲直りってことで……おいで?」
「……〜〜っ!?ま、まだ夕方ですよ……?」
「湊さんと愛し合うのに、時間なんて関係なくないか?」
「そ、それはそうですけど……〜〜っ!!!」
いつものように強引に納得させてくる彼に、思わず何も言えなくなる。
え、このまましちゃう……の?
ま、まあ……僕が襲ってるような体勢だし……そっか……えへへ。
「西園寺さんたちに、今日は泊まるって伝えといて?」
「よ、夜まで!?ゆ、悠さん……ボク、身体がもたないですよぉ」
「大丈夫だって、ほら……」
「……ぁ、やめっ……ふぁ……」
彼の上に乗ったまま上半身を抱き寄せられ、首筋にマーキングされる。
そのまま欲望をぶつけるように、何回も彼の唇が僕の体に触れる。
「く、首はやめてください……」
「なんで……?」
「だって……また、跡が残っちゃいますから……」
首筋に手を添えながら、口を尖らせてそう告げる。
クラスでも……というか学校でもかなり言われるので、恥ずかしいんですけど……!
「──よし、今日は首を重点的にやるわ」
「なんでっ!?」
「だって……湊さんが俺のものだってことを、世間に知らしめなきゃ」
「そんなぁ……んぅ……やぁ……んんっ……」
今度は耳を甘噛みされた後、そのまま思うがままに舐め回される。
へ、変態だぁ──!?
「こ、こうなったら……悠さんもボクのものだって、マーキングしますからね!」
「くっ……湊さん、俺今日やばいわ……」
「いつもやばいって言ってるじゃないですか……もうっ!」
いつものようにヤバいと連呼する彼に、そっと唇を近づける。
「湊さん……」
「ゆう、しゃん……んっ……」
お互いの唇が触れ合い、蕩けるように体を重ね合う。
そうして結局。
朝日が昇ってくるまで、僕達はお互いの体を貪り合うのであった──。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「……ということで、無事に仲直りしたみたいだよ〜!」
「「「…………」」」
「いや、なんで知ってるんですか!?」
数日後。
苦虫どころか劇薬を飲まされた様なお嬢様達を前にして、思わず僕は一人ツッコミを入れていた。
「甘すぎて……ちょっと、引くわ」
「こんなお姉様も円卓の騎士も……知りたくなかったのだ……」
友人たちのかなり引き攣った表情が、重たく心に突き刺さる。
いや、まあ……皆さんの立場だったら、凄く分からなくもないですけど……。
「でも本当に、何で美結さんは知っていたんですか?」
「ふっふっふ〜、それはね……悠さんに聞いたからです!」
「「「あー……」」」
でしょうね、というお嬢様sの納得の声とは裏腹に、僕は一人元ライバルへと問いかける。
「でもどうして、悠さんが……」
「いやぁ〜飛鳥さんとこの間話した後、"絶対これ何かあるだろうな"って思ったわけですよ!それで、悠さんに聞いてみたら案の定……って感じ!」
腕を組み、自慢気に話す浮気相手(未遂)……は、いつもの事だとして。
ボクの恋人……口、軽すぎませんか……?
「悠さん……」
「まあ、悠さんも悠さんなりの思惑があったみたいだよ?」
大戦犯の彼を庇うようにして、美結さんはフォローの言葉を告げる。
思惑……?
悠さん、何を考えて……。
「八坂さんの思惑……ですか?」
「んーとね、飛鳥さんとのイチャイチャエピソードが広まれば、誰も飛鳥さんを狙わなくなるから……って言ってたよ〜」
「彼氏アピール……ですね!」
「……〜〜っ!!!」
──正直。
大したことないだろうと勝手に考えていたから……反動がかなりやばい。
ゆ、悠さん……まさか、そんなことを考えてたなんて……っ。
「お姉様、円卓の騎士からそう言われてるけど、実際どうなのだ?」
「もぅ……そんな事しなくても、ボクは悠さんだけのものなのに……」
「「「……」」」
心の声が漏れてしまったようで、皆の驚愕の視線が集まってくる。
そんなアピールなんかしなくても、僕は悠さん一筋なのに……もうっ。
「なんか……湊も最近大胆になってきたわね」
「え……えっ?」
「八坂さんとのことを隠さなくなってきてますね」
「え……そんな、え?」
お嬢様達に指摘され、今までの自分を振り返る。
大胆……僕が、大胆……!?
「お姉様、前よりもどんどん可愛くなってるのだ!」
「なんでっ!?」
妹ポジションの東方将軍様に笑顔で褒められ、顔が熱くなっていくのを感じる。
別に何もしていないはずなのに……!
「(ど、どうして……!?)」
正直、男としての意識はあるので……今も、可愛いと言われることに慣れてはいない。
だからこそ、悠さんに嫌われないように……悠さんのために、可愛くならないと……と思っていたのに……。
「湊……八坂さんの色に、染まってきているわね」
「恋するお姉様、可愛いのだ!」
「湊さん……可愛いです!」
「……もぅ!悠さんの馬鹿ぁ〜!!!」
恥ずかしさで限界を迎え、クーラーの効いた部屋でブランケットに包まる。
自分でも気づかないうちに、僕は……悠さんのせいでこんなに変わってしまったなんて。
……これは、責任を取ってもらわないと……!
「愛されてるねぇ〜飛鳥さん」
「うぅ……からかわないでくださいよぉ!」
被ったブランケットからひょっこりと頭だけ出して、美結さんに軽く文句を言う。
次会った時、絶っっっ対!悠さんにも恥ずかしい思いさせますからね……!
~fin~
……さて、いかがだったでしょうか?
お嬢様たちに同情するくらい爆発してほしい2人でしたが、個人的にはこの嫉妬する湊くんが好きです()
本編も各ルートごとに性格が多少左右されているので、嫉妬しやすい方に少し流してしまいました……笑
キャラ崩壊は許してください!
さて、ここまで読んでくださった方、毎回毎回ありがとうございました!
久々に見たらUA58000を超えていたので、めちゃくちゃ驚いています。
ありがとうございます!
……と、前書き・あとがきの書き方を忘れて迷走していますが、ご容赦いただけますと幸いです。
また続きを書くかどうか迷っていますが、また何か浮かんだら二人の物語を書きたいと思います。
それこそ、学園を卒業した後の話とか気になるので、書くかもしれません笑
最近、ambitious missionのつばめ君が可愛すぎて悶絶していたのですが、湊君と同じ男の娘属性で美結ちゃんと同じ声というのがもう限界です。
単純に好きです。公式から追加もらえて感極まって即日クリア&グッズ購入してしまいました。そのレベルに好きです。はい。
……という、湊君以外のキャラを好きになってしまいましたが、湊くんへの愛を忘れないように頑張ります。
……男の娘×男の娘……“あり”ですね……笑