ー路地裏ー
「てめえ、クソアマ! ふざけてんじゃねえぞゴラァ!」
路地裏からは粗暴な男の大きい声が聞こえる。
「ふざけんてなよ、女!その綺麗な顔をぶっとばすぞぉ!ええ!?」
「やいやい騒ぐでない愚か者。品性の足りん輩は因縁の付け方にも品がないの」」
「ああ!?」
声がした方にソウゴとスバルの2人は来る。
そこにはいつかの日に会ったチンピラ3人と、1人の少女がいた。
チンピラ達がまだこんなことをしていたのかと、スバルは呆れて思う。
スバル「おい、お前ら!まだそんなことしてんのか!」
スバルの声に4人の意識はスバルに向かう。
「お前は・・・いつかの日の・・・」
スバル「覚えててもらって光栄だよ。で?お前らもうそういうのから足洗って、真面目にやったらどうだ?」
「そんなことてめえに言われたかねえ!」
スバル「おいおい、俺だって就職してんだぜ?」
ソウゴ「とりあえずその子から離れたら?」
「もういい、やっちまうぞ!」
チンピラの1人がソウゴに襲いかかる。ソウゴはそれをかわして、チンピラに足を引っ掛ける。
「うわっ!?」
足を引っ掛けられ、チンピラは顔から地面に思いっきり突っ込んでしまう。
それを見て、ナイフを持ったチンピラが掛かる。
が、それも普通に避け、背中を押し地面に叩きつける。
ソウゴは最後の1人、大柄な男を見る。
ソウゴ「残りはあんただけだね?」
「・・・ちっ!」
チンピラは軽く舌打ちをして、仲間の2人を担ぎ上げる。
「覚えてろー!」
その捨て台詞を吐いて去っていく。
ソウゴ「大丈夫だった?」
ソウゴは少女の元に駆け寄り安否を確認する。
「別に。貴様がおらずとも妾には問題は無かった。」
スバル「おいおい、助けてくれてたのにそりゃねえんじゃねえのか?何?別に助けてもらわなくても、自分は強いから平気って感じか?」
「違う、単純な事よ。この世界は妾の都合の良いようにできておる。故に妾に不利益は起こらん。妾が救われたのは妾のおかげである。」
スバル「ええ・・・?」
ソウゴ「まあ、大丈夫なら良いんだけどさ。じゃあ俺達、ちょっと用事あるからまたね。行こうスバル。」
スバル「お、おう。」
そして2人が路地裏から出ようとした所、
「ん?お前さん達は・・・・・」
老人の低い声が聞こえた。
その声の主はーー
スバル「ロム爺!」
ロム爺「おお!やっぱりお前さん達か!久しぶりじゃの!元気にやっておるか?」
スバル「おう、最近就職したんだぜ、俺。」
ロム爺「そういえば前とは違う格好じゃな、屋敷の使用人にでもなったか?」
スバル「まあな。」
スバルとロム爺が話してる時、ソウゴはある事に気付く。
ソウゴ「そういえばフェルトは?」
スバル「ああ、そういや。ソウゴから聞いたけどラインハルトに一緒に保護されたんだろ?」
ロム爺「そうなんじゃが、どうもフェルトに会わせてくれなくての。儂もどこにおるのか知らんのじゃ。」
スバル「へぇ〜・・・」
ロム爺(アストレア家、か・・・)
スバル「まあ、何か分かったらロム爺にも教えるよ。こっちも探しとくわ。」
ロム爺「ふむ、お前さん達に頼むとするか。フェルトの事で分かったら儂にも教えてほしい。礼ならするぞい。じゃあの!」
スバル「おう、またな!」
ロム爺は手を振り、路地裏を後にした。
スバル「んじゃソウゴ、俺達も行くか。」
ソウゴ「そうだね。」
「ーーーソウゴ?」
スバルがソウゴの名を呼んだ時、少女は反応した。
「おい貴様。もしや貴様がトキワソウゴか?」
ソウゴ「えっ?そう、だけど。」
「ほうーーーということは、貴様があの腸狩りを倒した者か。」
スバル「おお、やけに有名人みたいになってるなソウゴ・・・」
ソウゴ「いやぁ・・・」
「ふむ、しかしこんな所で会えるとはな。面白い。」
少女はソウゴに体を急に密着させる。
ソウゴ「ゑ」
「どうじゃ貴様、妾の忠実な僕にならんか?」
スバル(おっと、羨ましいシチュだ!どうするソウゴ!?)
ソウゴ「ごめん、無理。」
「なっ!?」
その発言で少女はソウゴから離れ、後ろを向き持っていた扇子で口を隠し、
(ば、馬鹿な!妾の誘いにのらない男がいるはずがない!)
ソウゴ「?どうしたの?」
少女が戸惑っていていたが、ソウゴはその理由が分かっていなかった。
「やっと見つけた。」
その時、通りから声が聞こえた。
そこには白いローブを着ているエミリアとウォズ、甲冑の男がいた。
エミリア「ちょっと!ちゃんと待っててって言ったでしょう!?」
スバル「いやー、悪かったって!」
ウォズ「我が魔王も私を置いていくなんて酷いな。」
ソウゴ「ごめんごめん。」
スバル「で、エミリアたん。その人誰?」
エミリア「えっと、この人はね、迷子の子を探してるらしいからそれを手伝ってるの。」
ウォズ「そして迷子探し中に私とも合流したわけだ。」
ソウゴ「へぇ、そうだったんだ。」
スバル「そういうエミリアたんの優しい所も好きだけどさ、どうみてもその人格好からして怪しいだろ。」
「おいおい、俺そんなに怪しいかあ?だとしたら参ったなこりゃ。」
ソウゴ「あんた迷子探してるの?だったら俺も手伝うよ。」
「おっ、いいのか?すまねえな。んじゃあ、早速ーーー」
「その必要は無い。」
そこで先程の少女が男の前に出てくる。
「ふむ。妾の行く先で待つとはなかなか気が回る。殊勝な心がけじゃな、アル」
ソウゴ「あんただったの・・・・・ん?」
ソウゴが少し呆れ気味に言うと、ある事に気付く。エミリアがスバルの後ろに隠れていたのだ。
ソウゴ(どうしたんだろ。)
「まあ、すぐ見つかったわけだけど、探すの付き合ってくれてありがとよ。」
スバル「ああ。じゃあ、そろそろ、俺達も行くか!」
ソウゴ「そうだね、じゃあ!」
「おお!じゃあな!」
スバル「行こうぜ、エミリア。」
エミリア「・・・・・・うん。」
ソウゴ達は、路地裏を後にした。
エミリア「ねえ、2人とも。さっきの女の子とは何かあったの?」
ソウゴ「えっ?いや、特に・・・」
スバル(ありましたよね。)
ソウゴ「あの子と何かあったの?」
エミリア「・・・・・いいえ。何もなかったらいいの。」
ソウゴ「?そっか。」
スバル「・・・?」
「へぇ〜!!じゃああの兄さんが腸狩りを倒したソウゴって人か!」
「そうじゃ。あやつは面白い男じゃ。妾が国王になったあかつきにはあやつを妾の陣営に引き入れようぞ。あの娘には勿体無い。」
「いやぁ~!しっかし驚いたな~!まさかあの兄さんがその人だったなんてな!でも、あんたがそこまで興味を抱くってことはすごいんだろうな。なぁ、プリシラ・バーリエル様。」
プリシラ「ふふふ、明日が楽しみになってきたのう。そうは思わんか?アルデバラン?」
アルデバラン「ははは、姫さんに興味を抱かれるとは。ソウゴはとんだ幸せ者だな。」
プリシラ「ふむ。そうじゃな」
プリシラは扇子で口を隠して、そう言いながら笑う。
プリシラ(それに奴には。)
プリシラ(何か面白い物を持ってるようじゃからの。)
プリシラ「面白い事になりそうじゃ。」
ウォズ「この本によればーーーーー」
暗闇の空間を背景に、ウォズは逢魔降臨暦をパチンと音を鳴らして開く。
ウォズ「ついに明日、ルグニカの王を決める王選が始まる。」
ウォズ「だが当然、それは平穏に済むはずも無く、新たなる波乱の幕開けでもあった。」
ウォズ「未来の運命は果たしてーーー?」
ウォズは、本を閉じた。
おまけ
アルデバラン「おいおい、俺そんなに怪しいかあ?」(金尾ボイス)
スバル「エボルトオオオオオオオオ!」
グランド早い段階と言っても白鯨戦辺りぐらいです。
我が魔王がそんな誘いに乗るわけないだろ!