パァン!!(腹筋が弾ける音)
とりあえずスバル君はゲイツとウォズくらいに強くなろうね。
スバル「エミリア様の一の騎士!!」
ソウゴ「え?」
ウォズ「は?」
エミリア「なっ・・・・・」
スバルは自身をエミリアの騎士と名乗ったのだった。
マイクロトフ「・・・・・ふむ。騎士、ですか。」
ロズワール「いやぁー、少々物知らずな子でしてねぇー。」
ウォズ「物知らずにも程があるだろう・・・・・」
ユリウス「話の途中で失礼します。ですが、どうしても彼に聞かなくてはならないことが。」
ユリウスがそう言って未だに天に指差すスバルを見る。
ユリウス「君が真実、エミリア様の騎士を自称するのならばね。」
スバル「・・・・・そりゃあ、どういう意味で?」
ユリウス「君はたった今、自分が騎士であると表明した・・・・・恐れ多くも、ルグニカ王国の騎士団が勢ぞろいしてるこの場で!!」
ユリウスのその言葉と同時に、近衛騎士達は足で床を踏み鳴らし、剣を掲げる。
スバル「・・・・・・ず、ずーいぶんと揃った動きだな?今日の日の為だけに一生懸命練習したのかよ?」
ユリウス「そうだとも。王国の威厳を知らしめる為、我らは自覚と意識を日々高く持つ。君は、それと並ぶ覚悟があるのかな?」
スバル「うっ・・・・・俺は、エミリア様を王にしたい。いや、王にする!!」
ユリウス「そうするだけの覚悟が、そうするだけの力が自分にあると?」
スバル「か、覚悟なんて大層な代物じゃねーし?力不足なんて承知の上だ。けど、俺がエミリアを王様にする!!あの子の願いは俺が叶えるんだ!!」
ユリウス「・・・・・それは余りにも傲慢なことだと、自分でも思わないのかい?弱いことなど、恥じるべきことであって誇るべきことではない。君はこの場に立つ資格を得るために励んできたのか?我ら近衛騎士団の有り様を貶められる程、努めてきたのか?」
スバルはユリウスに淡々と自分に足りない物を突きつけられてゆく。
スバル「・・・・・それでも俺はエミリアを王にする!!」
ユリウス「・・・・・これ程否定されても、何故それでも君はこの場に立とうとする?理解に苦しむな。」
スバル「・・・・・彼女が、特別だからだよ!!」
ユリウス「・・・・・成る程、君がそこに立つ理由については納得した。だが、私は君を騎士として認めるわけにはいかない。」
スバル「何を・・・・・そりゃどういう・・・・・」
ユリウス「隣に立ちたいと望む相手に、そんな顔をさせるのは騎士では無い。」
スバル「あっ・・・・・」
スバルはユリウスにそう言われて悪寒を感じた。
後ろにいるエミリアの顔が、どんな顔をしているかを、怖くて見ることが出来なかった。
スバル「・・・・・き、騎士がそんなに偉いのかよ!!生まれで選ばれただけじゃねえか!!親の七光りなんかでかっこつけてんじゃ・・・・・」
ユリウス「ナツキ・スバル・・・・・それは美しくない。」
ユリウスはそう言って近衛騎士団の列に並び直す。近衛騎士達はスバルの事を睨みつけていた。
エミリア「・・・・・もういいでしょう?スバル。皆様、不要なお時間を取らせて申し訳ありません、すぐに下がらせます。」
エミリアは賢人会に頭を下げる。
マイクロトフ「エミリア様、少なくとも彼は、あなたが世に恐れられるような存在ではないと皆に示した。良い従者をお持ちですな。」
エミリア「・・・・・スバルは、私の従者なんかではありません。」
エミリアはそう、ばっさりと切り捨てた。
スバル「・・・・・くそっ!!」
スバルはそのまま大扉に目掛けて走っていく。扉番によって扉が開けられ、そのまま去って行った。
ソウゴ「スバル!!」
ソウゴも扉を出てスバルを追いかける。
ウォズもソウゴの後に続いた。
マーコス「では改めて、今後の王選について話し合いを・・・・・ん?」
マーコスが喋っていた所、突如広間に煙が蔓延する。
マーコス「っ!!何事だ!?」
皆々がその煙に困惑する中、ドタドタと足音が響く。
足音の主はそのままフェルトを担ぎ上げる。
フェルト「なっ!?」
ラインハルト「!!」
ラインハルトはそれに気づいたのか、所持していた鞘に収まった剣を使って煙を払う。
そしてその煙から現れたのは・・・・・
フェルト「ろ、ロム爺!?何で・・・・・」
フェルトがそう言うのも束の間、近衛騎士達がロム爺を包囲する。
ロム爺「ぐっ!!」
そして剣を突きつけられ、そのまま拘束されてしまった。
マーコス「何者かは知らぬが、王宮に忍び込んだ以上、死罪は免れんぞ!!」
フェルト「や、やめろ!!ロム爺を離せ!!」
フェルトがマーコスにそう言ってロム爺を助けようとするが、騎士達にそれを止められる。
マーコス「残念ながら従いかねます。フェルト様は王選を辞退された。私がフェルト様の命令に従う理由はございません。」
フェルト「っ!!」
フェルトはそう言われてふとロム爺の方を見る。ロム爺はフェルトに対して不敵な笑みを浮かべる。
フェルトはその笑みを見た後、何かを決意したかのように、ロム爺と同じく不敵な笑みを浮かべーーー
フェルト「分かったよ!!やってやるよ、王選!!王様を目指せばいいんだろ!?」
そのフェルトの発言にロム爺は驚愕を隠さないでいた。
ロム爺「な、何を言っておるフェルト!?」
フェルト「そのじーさんは私の家族だ。だから今すぐ離せ!!丁寧に扱えよ!?」
マーコス「・・・・・御意!!」
そしてロム爺に突きつけられていた剣が離れ、拘束が解かれる。
ロム爺「ふぇ、フェルト、儂は・・・・・」
フェルト「また後で、な!!ロム爺!!」
そしてロム爺は扉番によって外に連れて行かれた。
マイクロトフ「それではフェルト様、騎士ラインハルト。お2人にも王選に参加する意志があると判断してもよろしいのですかな?」
フェルト「ああ、いいぜ。ただし、これだけは言わせてもらう。」
そして彼女は広間に響くように言い放つ。
フェルト「私は貴族が、騎士が、王国が嫌いだ!!何もかも全部が嫌いなんだ!!だからこの国をぶっ壊してやろうと思ってる!!ーーーーーアタシが王様になったら、全部ぶっ壊してやる。お前らまとめて叩き落として、少しはこの国の風通しをよくしてやろうってんだ!!」
彼女は、自身が王になった時の願いを告げた。
国を壊すと言う発言に、場が騒然としない筈が無かった。
マイクロトフ「御身の主は苛烈なお方ですな。」
ラインハルト「いずれフェルト様のお言葉は、誰しもに届くようになります。」
マイクロトフ「成る程・・・・・何はともあれ、今度こそ全ての候補者が揃った。これよりーーーーー」
マイクロトフは立ち上がり、その場に響くように皆に告げた。
マイクロトフ「ーーーーー王選を開始する!!」
ルグニカの王を決める王選が今、始まった。
そして
「ーーーーー始まった。」
謎の男もその様子を何処からか見ていた。
「さぁて、どうなることやら。国を揺れ動かすこの一大イベント。当然、暗殺を狙う奴もいるって訳だ。」
その様子を男は首に掛けている二眼レフカメラで撮る。
「どう動く?魔王。」