Q.(投稿)出来ましたか?
A.出来ませんでした…
という訳で、あけましておめでとうございます!
平成34年もよろしくね!
「うわ…………ヤバい、凄い霧だ」
フリューゲルの大樹の近くにいたソウゴが、霧に包まれた周辺を見て言った。
「恐らく、ヴィルヘルム氏の攻撃がトリガーになったのだろう。目を抉り取られて激昂した、といったところか」
「ど、どうしよう。これじゃあクルシュ様達が何処にいるか全然分かんないわ」
「…………居場所は分かんないけど、どうにかしてクルシュ達と合流を……」
「総員、退避ーーーーッ!」
ソウゴの言葉はクルシュの怒号に遮られる。すると何処からか轟音がした。
「この音は…………」
「白鯨の攻撃。恐らく、以前見た大きな霧の攻撃かもしれない」
以前白鯨から逃げていた際、白鯨がソウゴ達に向かって大きな濃い霧の攻撃をしたことがある。それかもしれないとウォズは推測する。
「どうにか攻撃を避けつつ、彼女らとの合流を急ぐほかないだろう。いつでも変身出来る様にベルトも装着しておいたほうがいい」
「それしかないか」
ウォズの提案に乗るソウゴ。ソウゴはライドストライカーのウォッチを起動し、バイクに乗ってジクウドライバーを装着する。後ろにはエミリアとビヨンドライバーを装着したウォズの2人も搭乗し、ソウゴはバイクを発進させる。
その後、しばらく3人は何も見えない霧の中をバイクで進む。
その時だった。
「ッ!? 何だ!?」
突如として、軋るような嬌声が響き渡った。その嬌声にソウゴは思わずブレーキをかけてバイクを止める。
「恐らく白鯨の鳴き声だろう」
「何だ鳴き声か…………」
ただの鳴き声だと知り、再びバイクを発進させようとするソウゴ。その時、エミリアの異変に気付いた。
「? エミリア、頭痛いの?」
「う、うん…………なんだか、気分がちょっと悪くなってきて…………」
エミリアは少し苦しげな顔で片手を額に当てていた。
「この霧のせいかな」
ソウゴが漂う霧を見渡した瞬間、彼の耳に声が聞こえた。
「何か、人の叫び声が聞こえた気がする」
「奇遇だね、私もだ」
「……クルシュ達に何かあったのかな」
「先を急いだ方が良さそうだ」
そうして、ソウゴは再びライドストライカーを発進させた。
「うぅうぅぅあぁーーーー!」
現在、クルシュ率いる討伐隊は混乱状態にあった。
白鯨から霧が発生し、鳴き声が上げられた後、沢山の兵達が突如狂気に侵されたかのように自傷行為に走り出すものや、泡を吹いて白目を剥いて痙攣するものが続出しはじめた。数名の正気な状態の人間は自傷行為を止めようと奮起していた。フェリスも無事だったようで、自傷行為に走った人間の傷を治療している。
「動ける者は負傷者を大樹の傍に! 多少の実力行使はやむを得ん!」
クルシュが事態を収拾させる為に、大声で指示を飛ばす。それによって、無事な数名は自傷行為をして暴れる者をどうにか抑え込みながら負傷者を大樹へ運び始めた。
しかしこれによって、戦力は完全に半減した。実はこの事態が起きる前にも、白鯨の襲撃に遭い、数名の者が白鯨の霧に巻き込まれたのだ。
一方、当の白鯨は獲物を喰わんと霧の中を潜航していた。潜航している際、その胴体を横合いから
「はぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーッ!」
飛びかかるヴィルヘルムの斬撃が縦に割った。刃を突き立て、白鯨の横腹をヴィルヘルムが駆け上がる。白鯨も無数の口から弾幕のように霧を放出し抵抗するが、人域を踏破した身のこなしでヴィルヘルムはそれを避けていく。
討伐隊も再集結し、ヴィルヘルムを援護するように魔石砲の射撃を再開する。
刺突が白鯨の額に突き刺さり、めり込む刃にヴィルヘルムの動きが止まる。
が、即座に三本目の剣を見限ると、手放した剣の柄を思い切り蹴りつけて飛び上がり、抜き放った五本目を握って双剣で白鯨の背中を切り刻む。
(…………少々、手応えがなさすぎる)
ヴィルヘルムは白鯨の尾鰭を刻みながら思う。
(この程度の魔獣に妻が……剣聖が後れを取ったとは考え難い。機先を制せたことや、最初の時点で霧で分断されなかったことを考慮しても……)
そう考察をするヴィルヘルム。だが、その考察は、身を回す白鯨によって中断される。
「!!」
白鯨は首を上に向けると一気に上昇しだす。それによってヴィルヘルムの体は下へと向く。
「降りる前に、もう一つ貰うぞ!」
体をくねらせて空へ泳ぐ魔獣を、軽快な動きでヴィルヘルムが駆け下りる。
体重移動と、刃を突き立てる強引な姿勢制御、長年の戦闘経験が彼の体を生かし、背鰭の一つを根本から叩き斬る。
「────ッ!!」
白鯨の絶叫を聞きながら、ヴィルヘルムが吹き飛ぶ背鰭を足場に落下する。 高度からの落下は普通に考えれば墜落死をするが、ヴィルヘルムは地面に激突する寸前に足裏の背鰭を蹴り、勢いを殺し地竜が受け止める。
「ーーーーーー」
地竜に乗ったヴィルヘルムは急上昇を続ける白鯨を目で追いかけ、白鯨の尾を視界に捉えた。切り取られた背鰭の部分から滴る血が雨のように降り注ぐ。
このまま白鯨が逃亡するものとは思わないが、魔獣が上空へ向かった狙いは今のところ不明だ。討伐隊は不安げに空を見上げ、大樹の根元に集まる負傷者勢の状況が危ぶまれる。
「くる」
小さく、空を見上げるヴィルヘルムが呟いた。 目を細めて、両手の剣を握り直す老剣士の姿に全員の警戒心が跳ね上がった。
そしてそのまま待ち構えてーーーー後悔する。
白鯨の行動など待たず、すぐさま散開すべきだったのだと。
「ーーーー霧が落ちる!」
誰かが言った。その言葉に周囲の地竜たちは一斉に駆け出す。
──空を一面、覆うような勢いで膨れ上がる霧が、大地へ落ちてきている。
雲そのものなそれは、回避するには範囲から逃れる以外にない。障害物ごと飲み込むそれに抵抗は無力だ。
駆け出し、間に合えと祈りながら走るしかない。
頭上を見上げることすら恐ろしく、音のない終焉が真上から迫る圧迫感だけがある。
懸命に地竜の背にしがみつき、姿勢を低くして限界まで駆け抜けるしかなく。
霧に押し潰される大地の上、間に合わずに呑まれる複数の影がある。
懸命に、その形相に恐怖と怒りを刻み込んだ人間が、頭から霧に呑まれて消える。
地竜ごと消失し、地面に落ちて霧散する後にはなにも残らない。誰の記憶にも、名前すらも残らない。
その数も明らかに、先の攻勢のときより数をずいぶん減らしてしまっている。
その時に、討伐隊の誰かが気付いた。
――濃霧の向こう側から、大口を開いた魔獣がヴィルヘルムに迫るのを。
「ぬ――!?」
ヴィルヘルムは背後に迫る脅威に気付いた。だが、それはすでに間に合わないタイミングでの反応に過ぎなかった。
音もなく接近した白鯨の口腔が、大地ごとヴィルヘルムとその地竜を呑み込む。
地を削り、五メートル四方の地面が丸ごと抉られ、全て白鯨の口の中だ。
主戦力が失われる事態に状況は悪化の一途をたどり、
「嘘、だろ……」
先程の誰かがヴィルヘルムを地ごと呑み込んだ白鯨が咀嚼を始めているのを見た。
見上げた上空にはいまだ、空を陰らせる魚影があり、
――三体の白鯨が哄笑を上げて絶望を掻き立てる。
高く、遠く、重なり合うように響き渡る哄笑。
全身に無数の口を開き、そこから鳴き声を発し続ける存在。数多の旅人を食らい、数え切れないほどの命を無に帰してきた怪物。
ただの一匹ですら人々に絶望を与えるのに十分な脅威を持つそれは増えて抗おうとする人間たちを嘲笑う。
頭上に浮かぶ白鯨の巨躯を見上げ、誰かが膝を着く音が小さく届く。次第にそれは連続し、武器を取り落とす音も続いた。
見れば、討伐隊に参加していた騎士のひとりがぐったりと肩を落とし、下を向いて顔を覆いながら蹲っている。肩を震わせ、喉を嗚咽が駆け上がるのを止めることはできない。
万全の装備を持ち込み、機先を制して火力を叩き込み、これでもかと攻勢をかけた上で、この状況だ。
精神汚染による兵力の半減は深刻で、残った主戦力もまた新たに出現した白鯨の奇襲により粉砕されてしまった。
残る力を結集しても、それは最初のこちらの戦力の半分にも満たない。その上で相手にしなくてはならない魔獣の数は三倍――勝ち目など、あるはずがない。
誰もがそれを悟り、自分たちの命が、目的が、ここで潰えるのだと思い知らされた。
魔獣の恐ろしさとおぞましさ。そしてその魔獣に奪われた大切な絆。その絆に報いることのできない、自分たちの無力さに、どうしようもなく。
積み上げてきたものが崩れ落ち、支え続けてきた心が折られたとき、その場に膝を屈することを誰が責めることができるだろうか。
理不尽で、動かしようのない現実が迫るとき、誰に諦めを否定することができるだろうか。
しかしそれでもーーーー希望は残っていた。
「クルシュ!」
クルシュは背後から誰かに呼ばれたことに気付く。振り返ると、そこには、
「トキワ・ソウゴ!」
「お待たせ。今、どんな状況?」
やって来たのはライドストライカーに乗っている常磐ソウゴとウォズとエミリアであった。
ソウゴの問いにクルシュは答える。
「あれを見ろ」
クルシュは視線を上に向け、ソウゴ達もそれに続いて上を向いた。
「ふ、増えてる…………」
「何でぇ…………?」
ソウゴとエミリアは完全に困惑した表情で言う。
「恐らく、他に群れがいたか、白鯨が分身をしたか、のどちらかだろう」
こんな状況だか冷静に分析をするウォズ。
「…………藁にも縋る思いで聞こう、トキワ・ソウゴ…………卿は、この事態を覆すことが出来るか?」
真面目に、藁にも縋る思いで彼女は聞く。それに対するソウゴの答えは、
「出来るよ。行ける気がする」
何処から来るか分からない自信を口にする彼。
「…………そうか」
クルシュはその一言だけだ。
「陣営の建て直しは任せろ。エミリアは予定通り、負傷した兵の護衛を」
「はい!」
そうして、エミリアは負傷者がいる大樹へ向かうため、地竜にのるクルシュの後ろへ。
「頼んだぞ、トキワ・ソウゴ」
「うん、任せといて」
そうして、クルシュとエミリアを乗せる地竜は走り去った。
2人は哄笑を続ける白鯨の群れを見上げる。
「ウォズ、行こう」
「あぁ」
2人はライドウォッチを取り出し起動。
『Zi-O!』
『GRAND Zi-O!』
『GINGA!』
そしてドライバーにセットする。
「「変身!!」」
同時に叫んで、ベルトを回す、もしくは倒す。
『グランドタイム! 祝えッ! 仮面ライダーァァァァァァッ! グ・ラ・ン・ドッ! ジ・オォォォォォォッ!』
『投影ッ! ファイナリータイム! ウォズ・ギンガファイナリー! ファイナリィィィィィィ!』
仮面ライダーグランドジオウ、仮面ライダーウォズ・ギンガファイナリー、ここに参戦!
「よし、まずはこれ!」
ジオウはまず仮面ライダーブレイドのライダーレリーフに触れ、ライダーズレコードを起動する。
『ブレイド!』
【A.D.2004】
『SPADE TEN!』
『SPADE JACK!』
『SPADE QUEEN!』
『SPADE KING!』
『SPADE ACE!』
『ROYAL STRAIGHT FLASH!』
巨大邪神
そして現れた10、J、Q、K、Aのラウズカードのエネルギーをそのまま降下して通り抜け、キングラウザーを
そして、現在、3体の白鯨の内、1体の頭上に2004の赤い電子数字と共に黄金のゲートが出現し、開かれる。するとそこから、先程の仮面ライダーブレイド・キングフォームが現れる。
「ウェェェェェェェェェイッ!」
劇場版・仮面ライダー
振り下ろされたキングラウザーは白鯨の横腹に黄金の切り傷を刻んで行く。
「ーーーーーーッ!!」
数々の敵を葬ったその技は白鯨にも効果的面のようで、絶叫を上げている。
「次はこれ!」
次に、ジオウは仮面ライダービルドのレリーフに触れる。
『ビルド!』
【A.D.2017】
「勝利の法則は、決まったぁ!」
『Are you ready⁉︎』
金と銀の二重螺旋で拘束した仮面ライダーブラッドにキックを放たんとする仮面ライダークローズビルド。
そして、ロイヤルストレートフラッシュによってダメージを受け、大きくその口を開ける白鯨の前に、2017の赤い電子数字と共に黄金のゲートが出現。そして、開かれる。
「「ラブ&ピース!! フィニィィィィィィィィィィィッシュ!!」」
劇場版・仮面ライダービルド Be The Oneのクライマックスを飾る必殺キック、ラブ&ピースフィニッシュを放つ仮面ライダークローズビルド。金銀の二重螺旋で拘束された仮面ライダーブラッドを巻き込む形で白鯨の口内に突入をする。
その直後、白鯨はもがき苦しむだしたのようにその体をうねらせはじめる。しかも、見てみれば、白鯨の体がぼこぼこと蠢いてた。そして、白鯨の尻尾からーーーーーー
「「ハアアアアアアアアアアアッ!!」」
未だに仮面ライダーブラッドをキックしていた仮面ライダークローズビルドと、白銀の竜、ベストマッチドラゴンと、ヴィルヘルムを背中に抱えた黄金の兎、ベストマッチラビットが突き破って出現した。
そしてクローズビルドは、ブラッドをキックしてようやく地面に着地。背後にいた仮面ライダーブラッドは断末魔を上げ爆発四散。それと同時に、白鯨の一体も断末魔を上げ盛大に爆発四散した。
一方、クローズビルドはベストマッチラビットに降ろされたヴィルヘルムに駆け寄る。
「未熟…………ッ。油断を…………」
直後、ヴィルヘルムは眠ったように目を閉じた。
「うぉぉ!? おぉいアンタァ! 大丈夫かぁ!? しっかりしろ! 死ぬなぁ! 生きるォ!」
「馬鹿! 縁起でもないこと言うな! 気を失ってるだけだ」
クローズビルド内で合体している万丈龍我と桐生戦兎が会話をする。
「よぉし! まずは一体目!」
白鯨が爆発四散した様子を見てガッツポーズをするジオウ。そんな彼の前に、クローズビルドがヴィルヘルムを抱えて飛んできた。
「えぇ? どうしてヴィルヘルムが?」
「どうやらあの怪物に喰われてたらしい。今は気を失ってる。傷はジーニアスの力で回復しておいた」
「く、喰われてた!? そうなんだ…………ありがとう、とりあえずヴィルヘルムは大樹の方に」
「了解!」
そう言ってフリューゲル大樹のある方角へ飛んで行くクローズビルド。
「さぁ、2体目だ。焼きフカヒレにしてあげようじゃないか」
いつの間にかギンガワクセイフォームに変身していたウォズが前に出る。どうでもいいが、焼けたフカヒレはフカヒレステーキである。
『ファイナリー・ビヨンド・ザ・タイム!
ベルトを操作して必殺技を発動。すると、空から次々と大量の疑似惑星弾、エナジープラネットが降り注ぎ、白鯨に全て命中し、奴は苦しみの声を上げた。
『ディケイド!』
ジオウがディケイドのライダーレリーフに触れると、隣に2009の赤い電子数字と黄金のゲート。そして開くと、そこから仮面ライダーディケイド・コンプリートフォーム。
ディケイドはライドブッカーから一枚のカードを取り出し、右腰にあるディケイドライバーのバックルに装填。
『ATTACK RIDE!』
そして叩く。
『
するとクウガからキバまでの平成ライダーが最強の姿で出現する。それぞれは武器を構え、もしくは溜めの体勢に入り始める。
そして一斉に武器を振るうと、色とりどりの斬撃やら光線やらが乱舞し、飛び立ったライダー達は白鯨にキックを放ち、白鯨にダメージを与える。
『ファイナリー・ビヨンド・ザ・タイム! バーニング・サン・エクスプロージョン!!』
『オーズ!』
タイヨウフォームになっていたウォズがベルトの操作、ジオウはオーズのライダーレリーフに触れ、メダガブリューを出現させる。
『プ・ト・ティラーノ・ヒッサーツ!』
ジオウはメダガブリューを構え、破壊光線、ストレインドゥームを発射。破壊力200tの光線が白鯨の身にぶち当たる。それと同時に、ウォズが太陽型疑似惑星・エナジープラネット・ソーラータイプを白鯨へぶつける。
本物程ではないが、巨大な太陽が白鯨の身を焼き尽くす。反撃することは許されず、白鯨は断末魔を上げながら太陽の塵と化した。
そして、ジオウとウォズは上空に浮かぶ最後の一体を見上げる。
「行くぞ!」
「ああ!」
ジオウが黄金の粒子を体に纏わせ宙に浮かび、ウォズは彼に掴まる。そしてそのままどんどん上昇し、いよいよ最後の一体の真上へと到来する。
『フィニッシュタイム! グランド! ジオウ!』
『ファイナリー! ビヨンド・ザ・タイム!』
ベルトの操作をするジオウとウォズ。
『オールトゥエンティ! タァァァァァァイムブレェェェィィィクッ!』
『超ギンガエクスプロージョンッ!』
「これで最後だ、白鯨!」
ジオウはそう叫んだ。そして、再び召喚されたブレイド・キングフォームとクローズビルドとディケイド・コンプリートフォーム、そしてウォズと共に白鯨へキックを放った。
「「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」」
5人のライダー達のキックが、一斉に白鯨を貫いた。
「ーーーーーーーーッッッ!!」
白鯨は耳を抑えたくなるぐらいにとてつもない叫び声を上げる。全身を駆け巡る苦痛が、激痛が、その声を上げる原因であった。
やがて白鯨は、一際大きな叫び声を上げる。そしてそのままーーーーーー爆発、四散。
その光景を、クルシュが、フェリスが、ヴィルヘルムが、エミリアが、討伐隊の面々達が、目に焼き付けていた。
5人のライダー達が、昇りかけている朝日をバックに着地。内、3人は黄金の粒子となり消滅した。そして次々と、白鯨の肉片と思わしき物が、地面に大きく音を立てて墜落する。
ジオウとウォズが、朝日に照らされ佇む姿は、不思議と美しく見えた。
「トキワ・ソウゴ!」
白い地竜に乗ってこちらにやってきたクルシュが声を上げる。そして地竜から降り、2人に歩み寄る。
「ーーーーやったのだな。白鯨を」
「……あぁ!」
クルシュの問いに、ジオウは頷いて答えた。
「ーーーー感謝する。永く世界の厄災として君臨しつづけた、奴を打ち倒したことを」
「ふふ、そんな。俺は王様として、民の為に戦っただけだよ」
頭を下げるクルシュにそう言うジオウ。
「…………む?」
「ん? どしたの?」
頭を下げていたクルシュは、何かが迫る気配を感じ、顔を上げ周囲を見渡し警戒しはじめる。そして、瞬間、
「ーーーーーートキワ・ソウゴォォォォォォォォ!!」