Re:ゼロから始める魔王の異世界生活   作:きゃぷてん

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エボンの賜物なので初投稿です(バカの発言)

ぼちぼち再開して完結まで頑張ります。


2019:プリステラ事変①

それから時間は経った。

 

本来ならば、エミリア陣営はアナスタシア陣営からある事情により水門都市プリステラに招待されるはずだった。

 

が、そのある事情はこの世界線では無くなったため、必然的に行くことは無くなる。

 

だが、それでも異変は起こる。

 

————水門都市プリステラに憤怒と色欲の魔女教大罪司教が出現したのだ。

 

事態を聞きつけた常磐ソウゴ達は水門都市プリステラに急行することとなる。

 

 

「ここが……」

 

常磐ソウゴ達、水門都市プリステラに現着。

 

「水門都市プリステラのようだね」

 

ソウゴの言葉に続けるようにウォズがそう言った。

 

現着、といってもわざわざ正面から入った訳ではない。中の方までテレポートしてきたのだ。

 

言ってしまえば、敵がいる地に堂々と踏み込んだ訳である。それだけの余裕がこっちにあるということだが。

 

「話だと憤怒と色欲の大罪司教が来たと聞いているが……ここには居ないようだな」

 

周囲の様子を確認しながらゲイツが言った。

 

「にしても、凄く静かね。人1人もいない」

 

「既に魔女教によって市民が殺された後か、何処かへ避難したか……そう考えるべきだろうね」

 

「なるべく後者の方だと願いたいな」

 

ツクヨミに返答したウォズの言葉に、ゲイツは眉を顰める。

 

「……人が避難してる場所があるみたい。場所を教えるから、皆はそこに行って」

 

「ソウゴは?」

 

「俺は……魔女教大罪司教の所に」

 

エミリアに返事しながら、ソウゴは遠くを見据えていた。

 

 

足音が響く。

 

しばらくがそれが続いて、ふと止まった。

 

常磐ソウゴは目の前にいた相手を見据える。既にジクウドライバーは彼の腰に装着されていた。

 

「1人でここに来るなんて、随分と命知らずの馬鹿もいやがったもんですねぇ。それか、自分1人で十分だって過信しやがる頭お花畑で脳みそすっからかんの……」

 

「まずはアンタから倒す」

 

『ジ・オウ!』『グランドジオウ!』

 

「変身」

 

『グランドタイム!』

 

『祝え! 仮面ライダー! グ・ラ・ン・ドッ! ジ・オーウッ!』

 

ソウゴは目の前の大罪司教……その名もカペラ・エメラダ・ルグニカの言葉を遮り、打倒の宣言。その後、すぐさま変身した。

 

『エグゼイド!!』『ステージ・セレクトッ!!』

 

ジオウはまず、エグゼイドのレリーフに触れる。すると周囲の景色が一瞬で変化した。

 

被害が出るのを避けるため、場所を変更したのだ。

 

「お?」

 

軽く驚いたのか、カペラは怪訝そうに周囲を見渡す。

 

『カブト!!』

 

ジオウの手にゼクトマイザーが顕現。

 

発射口からカブトムシ型のマイザーボマーが射出されて、高速で相手に迫る。

 

「!!」

 

マイザーボマーは弾かれた。が、他数個は地面に着弾したらしく、煙を上げた。

 

『鎧武!!』『ソニックアロー!!』

 

煙の中からネオンイエローの矢が飛んでくる。間一髪で回避、しかし頬を掠めた。その後何本も飛び始めてきた。

 

『バナスピアー!!』

 

カペラが蟷螂の腕で矢を弾いていた時、地面が抉られる音がした。それから更に、連続で地面が抉られる音がする。巨大なバナナ型のエネルギーが、迫っていた。

 

カペラは背中に翼を生やしその場から離れることで回避するが

 

『トリガー!! マキシマムドライブ!!』

 

『SHOOT VENT!!』

 

『キング!! ギリギリスラッシュ!!』

 

「はあっ!!」

 

金色の追尾弾と炎弾が直撃した後、金色の刃が大罪司教の肉体に迫った。それはカペラの胴体を貫く。刀身のエネルギーが爆ぜると、身体が弾け飛んだ。

 

それだけ見れば倒されたかのように思えるが、カペラの肉体は生々しい音を立てながら再生を始めていた。

 

「随分とシケた反応をしやがりますねぇ。自分は最初から分かってますよって、すました態度取る自分かっこいいとでも思ってやがるんですかー?」

 

『ディケイド!!』『ゴースト!!』『ビルド!!』

 

それから、三つの銃が現れる。銃口に光が収束し、カペラに向けて光が放たれた。

 

「あ゛?」

 

攻撃を素直に受け、身体に穴が空く。だがしかし、違和感があったのか、少々怪訝な顔をしたカペラ。

 

『ウィザード!!』『グラビティ!!』

 

その後すぐ、身体に圧迫感が。

 

「ちいっ……」

 

一気に地面に叩きつけられたカペラは、身体を再生させながら重力に抗おうとしていた。

 

しかしその間に

 

「一気に決める」

 

『フィニッシュタイム!』『グランド・ジオウ!』

 

『オールトゥエンティ・ターァイムブレーェイク!』

 

ベルトを操作し、ジオウの身体全体に黄金のエネルギーが宿った。

 

そのまま更に宙に飛び、蹴りの態勢へ。ジオウは必殺の一撃を放つため、高速で直進。

 

その一撃を喰らい、カペラが爆発四散する。かに、思われた。

 

「!!」

 

瞬間、ジオウは別の空間に転移された。

 

そこは、何もない暗黒であった。

 

「ここは……」

 

周りを見渡すジオウ。

 

「初めまして、常磐ソウゴ」

 

その声に反応し、直ぐにサイキョージカンギレードを複数召喚して、迎撃体制に入った。

 

「誰だ」

 

「今はまだ名乗らないと言っておく。それよりも……まずは、そいつらの話だ」

 

「………………!!」

 

目の前にいた黒いフードの男の言葉に、ジオウは周りに現れた新たな気配に気づく。

 

いたのは、仮面ライダー達。

 

中には平成ライダーの歴史に存在しない者もいた。それは令和に生まれたライダーだとすぐに察する。

 

オーディン、エターナル、ワイズマン、ゲンム、エボル、アークゼロ、ストリウス、リガドΩ、エルド、ゼイン、カリエスC3。

 

知ってる者は知ってる名前だ。

 

「……このライダー達は?」

 

「そいつらはオーマジオウの力を受けた……名付けてオーマライダーだ。力の膨大さのせいで自我らしき自我は失っているがな。

 しばらくはそいつらと遊んでもらう。数は揃えてるからな。そこそこの時間稼ぎにはなると思うぞ」

 

「……何で俺をここに」

 

「何で、か。お前さ、強すぎるの。オーマジオウの力の前じゃ大体のやつは雑魚になるからな。っと、こういう発言は一部の奴らを怒らせちまうか?」

 

「?」

 

「ああ、こっちの話だから気にするな。

 話の続きだが……強すぎるから他の奴らはすぐに殺せてしまう。それじゃあ盛り上がりに欠けるから、こうして他の奴らと分断した。でもって、こいつらを足止めにな」

 

「………………」

 

自我を失っているとは言っていたが、相手はこちらを警戒するように見ていた。相手も自分達と同じ程の強さと察するくらいの知能はあるらしい。

 

野生動物が群れを作ってると考えた方が良さそうだ。

 

並行世界の存在とは言え、こんなのが野生でホイホイ存在してるのは普通に恐ろしい話だ。

 

「ついでにさっき魔女教の女を逃したのは俺だ。何のためかと聞かれれば、利用価値があるからだ。

 じゃあ、俺はこの辺で。楽しんでくれよ」

 

それだけ残し、男は消え去った。

 

「………………」

 

それを見届けた後、ジオウは周りを再び見た。それから、ライドウォッチを取り出す。

 

『オーマジオウ!』

 

ベルトのウォッチを取り外し、そのまま入れ替えて操作。

 

『キング・タイム!』『仮面ライダー! ジ・オーウ! オー! マァー!』

 

一度通常形態に戻ったジオウに、オーマジオウの幻影が重なる。それが晴れたのち、オーマフォームに変身した。

 

 

場面は変わり、エミリア達の元へ。

 

彼女達は、民間人が避難した場所にいた。

 

「では、各方面からの情報を整理しようか」

 

ウォズが一同の顔を見た後に告げる。避難場所にいた人間から、得られた情報を収集していたのだ。

 

「まず、事の発端は……魔女教大罪司教の憤怒担当を名乗るシリウス・ロマネコンティと、アナザーブレイドとの戦闘。

 突如として始まったそうだと聞いている。それからしばらくして、互いに撤退。その後、色欲の大罪司教が都市の占拠を発表。

 それで、今は市民の避難や人員の手配に取り掛かり、都市の奪還を目指している……というところだね」

 

「でも……ソウゴが魔女教を倒せば」

 

「ああ、事件は全て終わる」

 

エミリアの言葉を引き継ぎ、ゲイツが断言した。

 

少なくとも、この場にいた一同はそう考えていた。これまでのソウゴの戦績を踏まえた上でこことである。

 

そんな時

 

『皆、聞こえる?』

 

「! この声は……」

 

「ソウゴ……!?」

 

突如脳内に聞こえてきた声にエミリアが驚き、声を上げた。どうやら他一同も同じ状態なのか、頭を触るなり何かしら反応を見せている。

 

「ソウゴ、大罪司教はどうなったのかしら?」

 

『大罪司教とは別の敵が現れてさ、そいつが倒す直前で逃した。

 で、今はその別の敵の作戦でそっちの方に戻れなくなった。どうにかはするつもりだけど、なにかあればその時はお願い。ベアトリスの本もあるし、心配はないと思うけど』

 

「……我が魔王が戻れないとは、余程のことがあったように思えるが……」

 

『相手がオーマジオウの力を持ってるやつを数体用意してきてたんだよ。平行世界から調達したっぽい』

 

「オーマジオウの力を……!? その相手は何者なんだ!?」

 

ウォズの問いに答えたジオウの回答に、ゲイツが驚愕を見せながら問い返した。

 

『ごめんだけど、そこは分かってない。とにかく、俺は今からこいつらを相手にする。

 皆はどうにか、魔女教大罪司教と戦って。頼んだよ』

 

言葉を残した後、ジオウはそれ以降何も喋ることはなかった。

 

その場に、しばらくの間沈黙が訪れる。それを破ったのはウォズであった。

 

「まさか……我が魔王が封じられるとは」

 

「同レベルをぶつけて足止めという考え方自体は間違いではない。実際、こっちに駆けつけるまでどれだけかかるか……」

 

ゲイツも表情には焦りが出ている。こんな形で対策をされるとは思わなかったのもある。

 

「……悩んでても仕方ないわ! 今は私達で、この状況をどうにかしましょう!」

 

その暗い雰囲気を打ち消すように声を上げたのはエミリアだった。

 

「エミリア様の言う通りだなぁ。なんなら俺達でこの事件を解決して、元気よく大将を出迎えようぜ」

 

ガーフィールは不敵に笑い、空けていた片手に拳を打ちつける。既にやる気は十分のようだ。

 

「……ふっ、そうだな。俺達で、魔女教大罪司教を迎え撃つぞ!」

 

ゲイツの宣言に一同の表情が引き締まる。この場にいる全員の意思が同じであることは、間違いなかった。

 

 

「さて、と」

 

ジオウはサイキョージカンギレードを顕現させ、手に取る。そして

 

「来いよ」

 

その挑発と同時に、オーマライダー達が駆け出した。

 

 

「……なーんですかここは」

 

一方のカペラ。彼女もまた、真っ暗な空間にいた。

 

「およ?」

 

周囲の様子を見ていると、人影を見つけた。

 

「怨念慕情の変態メス肉もいやがるじゃないですか」

 

その人影の正体は、シリウス・ロマネコンティ。憤怒の大罪司教だ。

 

彼女は戸惑ったように周りを見渡していた。それが随分と滑稽に見え、クスクスと嘲笑うカペラだが

 

「よ、初めまして」

 

何者かに肩を叩かれた。そして、いつの間にかカペラの隣にはシリウスもいて

 

「アイツのご所望でな、お前達は傀儡になってもらう。ペラペラ喋りすぎでうるさいしな」

 

「何を————」

 

シリウスから言葉が紡がれる前に、2人の意識は途切れた。

 

「さて……ちょっとは、面白くなるかな」

 

男は懐からアナザーウォッチを取り出した。

 

『KUUGA……』『GHOST……』

 

カペラとシリウスに、それぞれアナザーウォッチを埋め込む。

 

「さ、いい具合に力を成長させてくれよー?」

 

アナザーオーマジオウ覚醒にはジオウ、もしくはアナザージオウが各アナザーライダーを倒す必要がある。

 

しかしただ倒すだけではダメなのだ。実際それだけなら、すぐに倒せば良いという話になる。

厳密には、アナザーライダー達が最強形態になった状態で倒されなければならない。

 

以前に現れたアナザーキバも、ドガバキには辿り着いてたものの、エンペラーにまでは至ってないので条件未達成だったのだ。

 

 アナザーオーズの場合はスーパータトバの段階もあるが、プトティラに至ればOKである。

 

そして最強形態になるには外界からの刺激が必要である為、この世界にばら撒く必要があったのだ。

 

「「——————」」

 

2人は最早呻き声を上げるだけ。

 

身体と能力さえあれば良く、自我はあろうがなかろうが、といったところ。とういうか、ない方が良いのだ。どうせ、こちらに協力なんてするような連中じゃあないし。

 

そのままアナザークウガとアナザーゴーストはその場から去っていく。男は、軽く首を回す。

 

「さて……俺も、舞台に出るとするかな」

 

何処からか出現させた銃を、その手に握っていた。

 

 

複数のタカウォッチロイドが空を旋回し、プリステラ水門都市にて索敵を行っている。

 

内蔵されたカメラから得られる情報を、コダマスイカアームズから中継することで映像として映し出していた。

 

とある場所を索敵中に、異変が起こった。

 

ゆらりと、橙色の光が現れる。黒い霧の中から現れたのは、異形。アナザーゴーストだ。

 

もう一箇所。そこには、まず二つの人影がいた。1人は細身で、もう片方は大柄だった。

 

そんな2人の後ろに、巨大な異形が現れる。赤い虫のような異形だ。アナザークウガである。

 

更にもう一箇所には、大剣を持った重装甲の剣士……アナザーブレイドが彷徨っている。

 

アナザーライダーがいる中で、1人だけ怪人がいた。それは虫のような見た目をした何か……ベルゼブブインベス。以前に、ライが変貌させられた姿である。

 

現在水門都市プリステラは、彼らが牛耳っている状態なのだ。

 

 

「アナザーライダー達が勢揃い、か」

 

「しかし、レグルス・コルニアスがアナザーブレイドとは……あの時もレグルスの星が関わっていた。改めて思うと、妙な縁だね」

 

映像を見終わって、呟きを溢したのはゲイツだった。その後、ウォズが肩をすくめながら言い放つ。

 

「まずは敵を迎撃する隊と、ここを防衛する隊で別れよう」

 

一同に向けて告げていたのはウォズだった。

 

「それならウォズ、お前は防衛側につくべきだ。お前のテレポート能力なら、いざという時に大勢の人間を避難させることも出来るだろう」

 

「……確かに、人命を優先するならその判断は正しいね」

 

人命を優先するゲイツの判断をウォズは肯定する。赤の他人の命に対して余り興味はないウォズだが、そんなことでの内輪揉めは避けたいので肯定したのである。

 

「後はツクヨミもだな。時間停止能力を使えば相手を足止めができる。相手が何かしら対策してる可能性もなくはないが、何もできないなんてことはない筈だ」

 

「そうね。分かった、ベストを尽くすわ」

 

「そして迎撃には、少なくともベアトリスは必須だ。仮面英雄暦の力があれば、大抵の敵には対応できる」

 

「本だけじゃなくて、ベティーの力も十分あることを忘れないで欲しいのよ。陰魔法なら、ベティーの特権かしら」

 

「ふっ……その調子なら期待できるな。ガーフィール、お前も迎撃を頼めるか?」

 

「任っせなぁ! きっちり勝ってきてやるよ!」

 

「私も出るわ! ここまでソウゴ達と特訓したんだもの、力にならせて!」

 

「よし。なら後は……」

 

ガーフィールとエミリアの出撃を決めた後、ゲイツは視線を移す。

 

そこにいたのは、クルシュ陣営とアナスタシア陣営。

 

クルシュ、フェリス、ヴィルヘルム。

 

アナスタシア、ユリウス、リカード、傭兵団"鉄の牙"の面々。

 

他には、白竜の鱗という名の傭兵団もいた。彼らはキリタカという名の商人の私兵である。

 

陣営のメインメンバーとも言える彼らもプリステラに集っていたらしい。

 

実はフェルト陣営とプリシラ陣営もいるにはいるそうだが、現状音信不通だという。

 

「フェリスとアナスタシア様は待機させるべきとして……残りの面々を、迎撃か防衛のどちらに割り振るか吟味すべきでしょうな」

 

切り出したのはヴィルヘルムだった。

 

「防衛ってなら、へータローとティビーは付けた方がええんとちゃうか。お嬢の護衛も必要やしな」

 

「うちもそれには異論はないよ」

 

提案したのは鉄の牙団長ことリカード。団長である自身と、副団長であるミミは少なくとも迎撃に出なくてはいけないとして、その中でへータローとティビーに任せるのは彼らを信頼してのこと。

 

アナスタシアも特に反対意見はないらしい。

 

「宜しいでしょうか」

 

1人の男が手を挙げる。それはヴィルヘルムだった。

 

「あの細身の剣士の相手は……私にさせていただけないでしょうか」

 

「ヴィルヘルムさん……?」

 

ヴィルヘルムの申し出に、エミリアは眉を顰めた。

 

「理由は?」

 

「……私の考えが正しければ……彼奴は、私が斬らなければならない相手なのです」

 

「…………」

 

「……身勝手な頼みであることは承知しています。他の連中を相手にすべきならば、その指示に……」

 

「私が許そう」

 

「!」

 

「……クルシュ様」

 

「ヴィルヘルム、あの剣士の相手は任せる。先の言葉に対しても、深く聞くつもりはない」

 

それからクルシュは他一同の顔を見渡して

 

「異論のある者はいるか?」

 

それから、異論を唱えようとする者はいなかった。

 

「……ありがとうございます」

 

その様子を見て、礼を言ったのはヴィルヘルムだった。

 

それから、更に話し合いは進み……やがて、メンバーが決定された。

 

「決まりだな。さて……行くぞ」

 

それから、迎撃のために動き出した。

 

 

水門都市プリステラを揺らがす現状。当然、"剣聖"ラインハルトが動かない筈がなかった。

 

直前まで色々あったのだが、それは省略させていただく。

 

「よっ。元気してる?」

 

耳に入り込んだのは、男の声。足を止めてすぐさま振り返ると、そこにいたのは黒い法衣を纏った男だった。

 

魔女教かと思ったが、彼らに共通する衣装とは違うことに気づく。衣装が違うだけで、魔女教ではないとは言い切れないが。

 

「……ってしてないか。親父さんと一悶着あった後、だろ?」

 

「何者だ」

 

「ん〜……この事件に一枚噛んでる実行犯の1人、ってとこだ。ちなみに魔女教じゃあねぇよ?」

 

まるでこちらの考えを読んでいたかのように、否定の言葉を投げかけてくる。

 

ひとまずは、それを信じておくとして。

 

「何が目的か、教えて貰えると幸いなのだけれど」

 

「目的、ね。世界征服のお手伝い……なんて言ったら信じるか?」

 

「少なくとも、それが本当なら阻止させてもらうつもりだ」

 

「……クックックッ」

 

悪役のテンプレートな笑い方、とでもいうべきものをする男。

 

「……お前の足止めは俺が担当だ。安心しろ、頃合い見たら素直に引くよ」

 

『ベイクマグナム!』

 

懐から取り出したのは、赤い銃と小さな玩具。ベイクマグナムとブレイクッキーゴチゾウだ。

 

マグナムにゴチゾウをセットし、操作を行う。

 

『セット! チェンジング!』

 

「何気にこれを言うのは初めてだな。————変身」

 

『ファイヤー!!』

 

フィンガースナップと同時に、トリガーを引く。

 

ベイクマグナムを模した弾丸が放たれる。それは顎を開くと、上から男に噛みついた。

 

再度顎が開かれ、男の周りにオーブンの電熱線らしきものが現れる。

 

男に黒いボディスーツが纏われた後、クッキーの生地が降り注ぎ、こんがりと焼け上がる。

 

『ビヨンドバイオロジー!! ベイク!!』

 

クッキーにヒビが入って、砕け散る。現れたのは、仮面ライダーベイク。仮面ライダーガヴと仮面ライダーヴァレンに立ちはだかった戦士だった。

 

「……!!」

 

ラインハルトは、目の前の相手がソウゴと同じ仮面ライダーであるのだと察する。

 

「ほっ」

 

ベイクがマグナムのトリガーを引くと、"サクッ"というチョコチップクッキーで出来た文字型エフェクトが出現。

 

食欲がそそられる————ような暇は当然なく、それがラインハルトに向けて飛ばされた。

 

「——————」

 

三文字とも、全て手刀で弾き飛ばす。そのまま、地面を踏みつけ駆け出した。

 

「そうこないとなァ!」

 

剣聖の拳を受けるのと、その言葉を放ったのと、弾かれたエフェクトが爆発したのは同時のこと。

 

攻撃の衝撃で後方へ飛ぶが、空中で体勢を整えてマグナムから弾丸を連射。それを次々に弾く剣聖。

 

「さぁてと! 張り切って! やってこうかァ!」

 

アクロバティックに着地した後、ベイクはラインハルトとぶつかり合った。




ゼインくん、使う側から使われる側になるの、哀れ(・ω・`)

エミリアが特訓する回は現在書いてる最中ですわよ
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