かぐや様は祝いたい/生徒会は祝いたい
藤原先輩が突然、携帯アプリで占いをしようと提案した。誕生日と性別を入れて診断するものらしい。そういえば私、石上くんの誕生日知らない…。人生にはイベント事があって、特に固定イベントなのは誕生日なのだ。高校生ともなると、それは意中の相手の気を引く大チャンスなのである。
四宮先輩の誕生日は1月1日。
「アレキサンドライトのような人間です。高貴でプライドの高い人間。赤くも青くもなることから、天使にもなり、悪魔にもなる。プライドを捨てましょう」と診断が下ると、石上くんが引きつった顔を浮かべた。石上くんからすれば、四宮先輩は悪魔だもんね。
続いて藤原先輩は3月3日。
『ろうそくのような人間です。周囲を照らす熱は少しずつ氷を溶かし、謙親。慈愛の象徴です。惜しまず愛を注げば願いは叶います」と診断した。強欲と自己愛の間違いじゃないの?
しかし、どうやら石上くんの誕生日も3月3日らしく、藤原先輩は激怒した。
「なんてことするんですかボケナス!祝ってもらう時、同時開催になるじゃないですかバカ!」
と罵詈雑言を浴びせた。横暴だ。…そっか、石上くんのお誕生日は3月3日なんだ。メモしとこう。
四宮先輩は、白銀先輩の番だと言うが、白銀先輩は拒否した。相性診断もあると言ってさらに興味を惹かせようとするが、それでも白銀先輩は拒否した。相性診断‼︎帰ってやろう!
そしてついに四宮先輩もプイッと拗ねてしまった。…なんで、そこまで…。四宮先輩なら白銀先輩の誕生日知ってそうだし…。白銀先輩もあそこまで拒否しなくても…、もしかして相性診断をもう試したとか?
「伝わらないもんだな」
白銀先輩がそんな言葉をつぶやくと、四宮先輩は思案したあと、エンジェルスマイルを浮かべ、またも石上くんを怯えさせた。
「あずちゃんは、お誕生日いつですか?」
「え?…ええと…。」
「?」
「く、9月3日です。」
その瞬間、場の空気が静まりかえった。
「過ぎてるじゃん‼︎どうして、どうして言ってくれなかったの⁉︎」
藤原先輩に肩を揺さぶられ、頭がクラクラした。
「いえ、自分で申告するものではありませんし。」
「まぁ、自分から『もうすぐ誕生日なんだ』
と言う人間なんていないだろうしな」
「っていうか、そんなこと言い出すヤツはロクでもないですよ。」
白銀先輩と石上くんの言う通りである。
「でも私だって祝いたいのに‼︎」
「まあまあ、藤原さん?東さんのお誕生日は今年で終わりという訳ではないですし」
「そうですね、来年!来年は絶対祝う‼︎」
おまけ
「9月3日生まれの人は誕生花であるマーガレットの意味のごとく「真実の愛」を持った人間です。努力家で…って、へー。3月3日の人と9月3日の人ってソウルメイトなんだ…。…何それ?……………あ、あった。…ソウルメイトとは、soul(魂)とmate(伴侶、仲間)を組み合わせた英語の造語で……意味は…。魂の伴侶⁉︎」
私は勢いよくパソコンを閉じ、ベッドに転がった。
「つ、つまり私と石上くんは、う…運命で結ばれ…っ!?」
自室でよかった。言葉をつなげるのは恥ずかしくなって、ベッドで悶える。だんだん落ち着いてきた。…冷静になって考える。だからなんだというのか。私と石上くんの相性がどうだろうと、どうにかない。自分の占いに書いてあった一文。『9月3日生まれのあなたは、自分の幸せが何かをわかっていないところがあります。』どうせわからないわよ、自分にとって何が幸せかなんて。
〔本日の勝敗 東玉枝の敗北〕と見せかけて
〔本日の勝敗 藤原千花の敗北(東玉枝の相性占いに含んで考えてもらえなかった為)
「へくちゅんっ!」