お楽しみください!
仮免講習から数日。
インターンはしばらく様子見となり、学校での普通の生活に戻った。
銀時は何時ものように学校に行くための準備をしていると、部屋のドアがノックされた。
「俺だ。入るぞ」
「消太か。どーした?」
ドアを開けたのはイレイザーだった。
何か話があるようで訪ねてきたらしい。
「エリちゃんが目を覚ましたらしい。召集がかかったから今から行くぞ」
「おー、ようやくか。ってか消太は個性の事もあるし分かるけど、俺必要なくね?」
「いや、エリちゃんたっての希望らしい。随分懐かれたようだな」
話を聞くと、どうやら、エリの意識が回復したようで病院の方から連絡が来たようだ。
イレイザーはエリの個性が暴走しないように、銀時はただ単にエリが会いたがっているらしい。
「マジで大したことしてねーんだがなァ…ま、分かった。準備はできてっから行くか」
結局2人で向かうことに。
なんやかんやで少し嬉しそうな銀時。
やはり心配だったのだろう。
・
場所は移って病院。
面会の受付を済ませた2人はエリがいる病室へ通された。
「失礼します」
「うーす。っと…元気そうじゃねーか、エリ」
病室の扉を開けて中にはいると、エリが銀時に駆け寄り抱き着いた。
どうやら、今日銀時が来るのを聞かされていたらしい。
「銀さん…会いたかった」
「おう。仕方ねーから会いに来てやったぞ」
銀時はそう言ってエリの頭を少し乱暴気味に撫でた。
エリは嬉しそうに身をよじっている。
何か、髪の色も相まって親子のように見えなくもない。
「顔が緩んでるぞ、銀時パパ」
「はァ!?ゆ、緩んでねーし!全然嬉しくなんかねーし!…ってかパパじゃねェ!」
イレイザーが茶化すように言うと、銀時は捲し立てるように否定した。
どうやら自分でもらしくないことをしている自覚があるようだ。
「その状態で言われても説得力ないぞ」
「ちっ…エ、エリ、そろそろ離れ「やだ」勘弁してくれ…」
数分後、検査のために来た医者と看護師にも微笑ましいものを見るような視線を向けられた。
結局、銀時はエリの昼ごはんが来るまでずっと抱き着かれたままだった。
昼食をとった後、銀時とイレイザーはエリの個性についての話を聞き一段落ついたようで、病室に戻ってきている。
「銀さん…ルミリオンさんと緑のおにいちゃんは…?」
「ん?あの2人は今日は来ねーよ。どォした、会いてーのか?」
「うん。私のせいでいっぱい怪我させて苦しい思いもさせちゃったから…ちゃんと、『ありがとう』って言いたいの」
エリは治崎との一件で自分を守って戦ってくれたミリオと緑谷にお礼を言いたいらしい。
「ふっ…そォかい。ならしっかり言ってやんな。あのアホ2人なら泣いて喜ぶだろーよ」
「うん!」
エリのお見舞いを終えた銀時とイレイザーは帰路に着いた。
まだ、銀時の前以外だと感情表現が乏しいエリだが、それもいずれ改善していく事だろう。
あの時、エリが緑谷に伸ばした手は…少女の覚悟は、確かに治崎の施した呪縛を解くに足る一歩なのだから。
・
エリのお見舞いの翌日。
ヒーロー基礎学の時間は仮免試験の前から引き続きで必殺技の開発だ。
生徒達はそれぞれ必殺技を作るために思い思いの行動をしている。
銀時はと言うと、イレイザーと少し遅れて体育館に到着した。
「なーんか、あいつらと会うの久々だな」
「お前が色々とやらかすからだろうが」
「はっ。俺ァ悪いことはしてないね。むしろ感謝してほしいぐらいだぜ」
「極道相手とは言え、なにもしてこない内に爆弾を投げ込むやつがあるか」
「ボランティアだよボランティア。ゴミ掃除なんだから結果的に良いことしてんだろ」
「お前は本当に…はぁ…」
銀時は警察が仕切っていたにも関わらず、突入前にジャスタウェイを投げ込むという暴挙を行ったせいで、警察に呼ばれて指導を受けていたらしい。
さらには個性破壊の銃弾を撃ち込まれたという事で、病院で検査をしたため学校に行けていなかったのだ。
イレイザーは全く悪びれもしない銀時の態度に頭を抱えてしまっている。
そんなイレイザーをよそに、銀時は誰かを探す素振りをしている。
「また爆豪と組み手か?」
「んなめんどくせェ事しねーよ。ちょっくら俺の怨みを地獄に流してくるだけだ」
銀時の視線が緑谷に向いていることに気がついたイレイザーが念を押すが、止めるつもりはないようだ。
「…やりすぎるなよ」
「ん?止めねーのか?」
「止めない。あれはアイツが悪いからな」
「そりゃあ何よりだ」
そう言うと銀時は1人で生徒達の方に歩きだした。
緑谷のいるところに向かう途中で銀時に気がついた生徒が数名寄ってきた。
「おーう。真面目にやってっかー?」
「あっ!坂田先生!」
「先生学校に全然来ないから心配してたんですよ!」
「悪ィ悪ィ。色々あったんだよ」
なんだかんだ慕われている銀時。
生徒に囲まれて少し話したあと、また歩きだす。
そして、ようやく緑谷のもとへたどり着いた。
肝心の緑谷は青山となにかしていて、銀時に気づいていない。
「み~どり~や君!」
「うん?…あっ!坂田先生!やっと学校来れたんですね!」
銀時が声を掛けると緑谷は振り向いたのだが、どうやらあの時の事を忘れているらしい。
銀時は返事を返すことなく緑谷の肩を片手で掴んだ。
緑谷はどんどん掴む力が強くなっていることに抗議するが…
「さ、坂田先生?なんかちょっと痛いんですけど…っていだぁっ!?」
「はっはっは!忘れちまうなんていい根性してるじゃねーか!…陰毛小僧コラ」
意味が分からない様子だった緑谷だが、この銀時の言葉で全てを思い出し顔から血の気がひいていく。
緑谷が僅かに抵抗しようとしたが全く意味がなく、銀時の鼻フックによって体をつり上げられた。
「ひっ…!ちょ、ちょっとまっぶぇっ!?い、いふぁいいふぁい!お、おろひてくだふぁい!」
緑谷は痛みに耐えかねて抗議の声をあげるが、銀時には届かない。
そして遂に、あの新八直伝の必殺技が繰り出されることになる。
「これが最後のチャンスだ緑谷ァ!!!雄英高校校訓28条を言ってみろォ!!!」
「え゛っ!?ほ、ほうふん!?えっと…」
答えなんぞ初めからないのだが、銀時は緑谷が全て言い終える前に思い切り振りかぶってぶん投げた。
「そんなモン!あるわけねェだろボケェェェェェ!!!!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!!?ぶべっ!!!」
緑谷は物凄いスピードでセメントスが個性で作ったコンクリートの柱に顔面からダイブした。
「い、いだい…。む、無茶苦茶すぎるよあの人…」
緑谷は顔を手で擦りながら悪態をつくが、続けざまに頭に金属製の何かが当たりそれが手元に落ちてきた。
「いってて…なんだこ…れ」
手に落ちてきたのは銀時が愛用している爆弾…ジャスタウェイだった。
緑谷は全てを理解したが遅く、ジャスタウェイは力強く発光を始める。
そして大爆発。
「ちょまっ…ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
体育館に緑谷の叫びが木霊した。
「地獄流し完了!いっぺん…いや、ひゃっぺん死んでこい」
これぞ、銀時が緑谷の報復のためだけに作った必殺技。
その名も、
『鼻フックデストロイヤーファイナルドリームfeat.ジャスタウェイ』
生徒及び必殺技開発に携わっている教師陣がドン引きしていた事は想像に難しくないだろう。
緑谷への報復完了しました!笑
こーゆう話は書いてて楽しいです!
また次回もよろしくお願いします!
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