天地神明の真祖龍   作:緋月 弥生

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もう一回連載してほしいというリクエストがあったので。
ただし作者のくせに元の内容を完璧に憶えているわけではないので、昔連載していたものと全く同じ内容ではありません。


第1章 祖龍降臨
プロローグ 運命の創まり


 狭い、暗い、息苦しい。

 え、ちょっと待って、ここどこ?

 マジで真っ暗で何も見えないし、何かに全身が覆われていて動けないんですけど!?

 落ち着け私。

 クールになれ。

 まずは冷静にこうなる前の記憶を思い出そう。

 

 えーっと、いつも通り自分の病室でゲームしてたらいきなり胸が苦しくなったんだよね。

 だからすぐにナースコールを押そうとして……そこから先の記憶が途切れてる。もしかして、私ってば死んだ?

 マジで? 全く実感ないんだけど。

 ないわー。

 確かに幼い頃から病弱で頻繁に入院してたけど、まさか17歳で死ぬとは思わなかったなー。

 ということは両親は今頃パニックになってるのでしょうね。もちろん娘が死んで悲しいとかじゃなくて、金かけて教育した会社の跡継ぎがいなくなった的な意味で。

 

 心残りは大好きなモンハンがもう2度と出来なくなったことと、私の最愛の妹だね。

 大丈夫かな……あの娘。

 私と同じくらいメンタル強いし、私よりも度胸あるし、しっかりしてるんだけど、コミュニケーション能力がゼロだからなぁ。

 願わくば、妹の優しさを理解してくれる親友が出来ますように。

 

 ……よし、お祈りは済ませた。

 次はこれからのことを考えよう。

 

 まず私ってば死んでるのに何で意識はあるの?

 もしかして、死んだと思ってるのは私の早合点とかじゃないよね? だとしたら嬉しいけどめっちゃ恥ずかしい。

 でも何も見えないし、何かに覆われてて動けないんだよね。

 

 しかも体にすごい違和感を感じる。

 何というか、今までの私の体とはまるで違うんだよ。

 特に両手と背中と腰と口元。ほぼ全部じゃんってセルフツッコミを入れてみる。

 それにしても、このままじゃ植物人間状態と大差ない気がする。

 うわー、精神崩壊からの発狂コースじゃないのそれ。体が死んだ後はこうして意識とか魂まで滅びるとかじゃないよね?

 流石にもうちょっと救いがないと、自称オリハルコンメンタルの私でも泣くわ。

 

 私の魂はまだ生きてるぞー……って、今ガツンッて音しなかった?

 したよね? したと思う。

 確実に頭を私の全身を覆ってる何かにぶつけた感触がしたもん。

 ……これってつまり、触覚は残ってるってことよね? 死んでるのに? もしかしてギリギリ生きてる?

 あ、私ってばもしかして棺桶の中にいるとか!?

 死んだと勘違いされた可能性はあるかも。

 

 よし。何はともあれ、まずはこの謎の空間から脱出できるか試してみよう。

 違和感だらけの体を必死に動かして、全力で暴れまわること数分。今度はバキッて音がしたかと思うと、私を覆っている謎物質にヒビが入って光が差し込んだ。

 キタコレ!

 やっぱり私が今いる場所が暗かっただけで、私の視覚に問題があったわけじゃないんだ。

 やっぱり仮死状態からの棺桶ルートが正解だったのかな?

 

 私の体もまだ生きてるぞー!

 ヒビが入った箇所を狙って渾身の頭突きを放つ。

 すると再びバキバキという音が鳴り響いて、一気にヒビが広がった。強烈な光に目を閉じながら、私は最後の一撃を繰り出す。

 今までで一番大きい破壊音が鳴り響いて、私の頭がようやく外へと飛び出した。

 

 やった、脱出成功!

 私のお葬式をするのはまだ早い……ぞ…………?

 

 私の視界に飛び込んできたのはお葬式じゃなくて、それこそテレビや映画でしか見たことがないような深い森だった。

 樹海と言っても良い。

 上を見れば好き勝手に伸びた大木の枝葉が青空を遮っていて、無数の木漏れ日が森の中を照らしてる感じ。

 少し遠くには川があるらしくて、水が流れる音がここまで聞こえてきてる。

 それにしても、この森の木ってめっちゃ大きくない? 日本でこれだけ立派な大木がある場所なんて屋久島くらいでしょ。

 

 ……ないわー。

 もう風景的に間違いなく圏外だし、スマホを持ってても地図アプリとか使えそうじゃない。

 このままだと餓死しちゃう……って、ちょっと待って。

 

 思わずため息をついた時に目に入った私の両手。

 それはもう明らかに人間の手じゃなかった。だってティラノサウルスの前足のような、鋭い鉤爪がついているんだから。

 慌てて自分の体を改めてよく見直す。

 まず全身が信じられないほど綺麗な白い体毛と鱗で覆われていた。腰からは長い尻尾が伸びてて、さらに首を曲げて後ろを見ると背中に大きな翼がくっついてる。

 試しに背中に力を入れてみると、一対の翼がバサバサと動いた。

 あー、うん、これ、間違いなく私の背中から生えてるね。

 

 なるほどねー。

 ずっと体に違和感があったのは、私が人間じゃなくなってたからだ。

 そっかそっかー、ようやく理由が分かってすっきりしたよー。

 あっはっはっ。

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

 さっき聞こえた川の音に向かって全力でダッシュ。

 もう走ってる感覚も明らかに人間じゃないけど、それを無視して綺麗な水が流れている川を覗き込む。

 日光を浴びてキラキラと輝く川面に映ったのは、純白のドラゴンだった。

 私が口を開くと川面のドラゴンも口を開けて、ズラリと並んだ鋭い牙が目に入る。

 

 明らかに地球の生態系には存在しないドラゴンの姿に、私はもの凄く見覚えがあった。

 だってこの白いドラゴンは私が一番好きな「モンスターハンター」というゲームに登場しているモンスターなんだから。

 

 ――祖龍ミラルーツ。

 その名は『運命の創まり』を意味して、全ての龍の祖、祖なるものと謳われる白き王。

 純白の鱗と体毛に全身が包まれていて、禍々しくも神々しい壮麗な翼を備え、王冠の如き4本の角を冠する伝説の存在。

 存在そのものが天災とまで言われて恐れられる古龍種の中でも頂点に位置していて、しかも“公式”によって厳戒な情報規制が行われ、あらゆるメディアからその存在を秘匿されていた『禁忌のモンスター』の一柱。

 その『禁忌』の中ですら、間違いなく最強だと言える「モンハン世界」の神。

 最新作である『ワールド』や『アイスボーン』で新しい古龍が出たけど、その中に『禁忌』クラスのモンスターはいない。

 つまり未だ最強の座から退かない、シリーズを通しての裏ボスだ。

 

 頭の中で湧き出るミラルーツの情報を整理しつつ、私はゆっくりと後ろを、つまり私がさっきまでいた場所を振り返る。

 そこには、割れたタマゴがあった。

 ついでに割れてないタマゴも2つあった。

 

 ……ふむ。

 病院のベッドの上で感じた苦痛と途切れた記憶。割れたタマゴ。ミラルーツの体になった私。とても日本とは思えない広大な大自然。

 これらの情報から推理すると。

 

 私は病気で死んでから、ミラルーツとしてモンハン世界に転生したってことだね!

 しかも今の(ミラルーツ)は生まれたばかりで、全てのモンスターの始祖であるミラルーツが生まれたばかりってことはまだ他のモンスターは存在してないから、これから私が祖龍として様々なモンスターを産み出すってことか!

 うんうん、なるほど。

 私が大好きなモンハン世界を始祖であるミラルーツになって作るってことかー。

 いやー、あはは。

 

 何その無理ゲー。

 

 慣れないミラルーツの体でテクテク歩いてタマゴの場所まで戻ると、私はもう一回タマゴの中に入った。

 きっと夢でしょ。

 寝て起きたらまた病院のベッドの上で目を覚ますよね、うん。

 

 ――そして数時間後。

 寝て起きても未だミラルーツのままだった私はこれが夢じゃなくて現実だと無理やり理解させられて、数年ぶりに涙を流した。

 シュレイド王国、竜大戦、イコールドラゴンウェポンと、古代モンハン世界の嫌なワードが頭に浮かぶ。

 

 どうせモンハン世界に転生するなら、ちゃんとゲームの時代にハンターとして生まれたかったよ。

 あと転生特典とかない?

 ないよね、うん、知ってた。




これはこの作品が昔連載していた頃に、白蛆様によって書かれた三次創作作品です。
恐らく私の原作である作品よりクオリティ高い。
↓↓
我等が真祖を、語り継げ。
https://syosetu.org/novel/152124/

できる限り早めの更新をします。

大切なものは――

  • 更新速度ではない、質だッ!
  • 質ではない、更新速度だッ!
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