進撃の鋼龍   作:かずwax

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クシャル君が弱いという意見がかなり出ていますが、思い出して下さい。
彼、クシャルダオラになって一日も経ってません。
戦闘なんて未経験の一般人な上に、慣れない身体。

※いきなり本来のクシャルダオラの戦闘力と同等で戦える訳ありません(重要)



そんなわけで今回は対リヴァイ兵長(=ハンター)戦です!



3話 モンスターハンター(ガチ)

「何だってんだあれは?巨人には見えねえが」

 

 

突如現れた男に本能的な恐怖を感じ、ビビりながらもどこか既視感を覚えた。

 

どこか見覚えのある顔だ。

 

下手に動いては刺激を与えてしまう、なので身じろぎ一つせずじっと目付きの悪い男を観察する。

 

 

 

剃り込まれた髪に鋭い三白眼、‥あ、思い出した!

 

 

確かアイツは『リヴァイ兵長』だ!

 

 

進撃の巨人のキャラの中でも屈指の実力と人気を誇る俺でさえも知ってる超有名人!

むしろ何ですぐに思い出せなかったのかが不思議なくらいだ!

 

えっと確か人類最強って言われてるんだっけ?

うん、実際対峙して納得だわ。オーラが違う。

隣に並ぶハンジと比べると同じ人間だとは思えない威圧感だ。

 

何というか対峙したら死を予感させるその圧倒的な存在感はもはや人間が発するそれではない。

きっとハンターに出くわした時のモンスターの気持ちってこんな感じなのかもしれない。

 

‥それにしてもリヴァイ兵長って思ったよりも小さ、うぉ!?

 

 

「ちょ、リヴァイ!?何やってんの!?」

 

「ああ、すまんな。手が滑った」

 

 

ひぃ、嘘付け!あからさまな棒読みじゃんか!

 

 

恐る恐る俺の背後にそびえ立つ木の方に視線を向けると、そこには突き刺さったというよりめり込んだ感じのカッターがあった。

 

リヴァイ兵長が俺の顔目掛けてぶん投げたカッターです。

 

マジでビビる!だってプロの投手の真っ青の剛速球だったんだぞ!バッター全員三振確定レベル。

 

あれか。コンプレックスを俺が心の中で指摘しそうになってるのを感知して攻撃してきたのか?

当たりだけどどんな勘してるんだよ!?心の中でも見えてんの!?

すごいタイミングで投げてきんだけど!?

 

 

幸い鋼龍の反射神経でなんとか避けれたけど、顔すれすれに通り過ぎるカッターは冷や汗ものだった。身体の防御力を考えると避ける必要はなかったのかもしれないが、あまりの速度に思わず避けてしまった程だ。

 

いや油断はだめだ。相手はあの人類最強リヴァイ兵長。

実際の戦闘を見た事はないが、万が一があるから攻撃は避けるに越した事はない。

 

 

 

警戒する俺に向かって一歩踏み出すリヴァイ兵長。

しかし彼の前に何かが立ちはだかる。

 

 

「ブレードをしまってよリヴァイ!あの子は敵じゃないよ!」

 

 

ハンジだ。

 

俺を庇うようにリヴァイ兵長の前に立って説得してくれているらしい。それは非常にありがたいが正直効果ないと思う。だってハンジを見るリヴァイ兵長の目は氷そのもののように冷ややかだから。

 

 

「黙れ。頭にクソでも入ってんのか?今にも襲われそうになってた奴のセリフじゃねえだろうが」

 

「そうなんだけど!いやでも攻撃はだめだ!あの子は貴重な、んぐ!」

 

「うるせえぞクソメガネ。勝手な行動をしただけに飽き足らず、それでも懲りねえのか?どうやら拠点までの帰りは縄でぐるぐる巻きにされて引きずられたいらしいな」

 

 

うわぁ痛そう‥。

 

必死に説得していたハンジの脳天に向かってリヴァイ兵長のげんこつが容赦なく振り下ろされた。

おそらくあの二人は同じ格好をしているし仲間だと思うのだがそれにしても容赦ないな。

 

 

「~っ」

 

 

かなり痛かったのかハンジは頭を押さつつ地面にうずくまっている。そしてそれを冷たく見下ろすリヴァイ兵長。何でか分からないがその光景は悪さをした子供におしおきした母親を連想させるものがあった。

 

 

図々しい事この上ないがもう二、三発くらい殴ってくれないかな?

多分それくらいじゃ懲りないと思うし、連行する時はマジで縄で縛った方が良いと思う。むしろこちらからお願いします。

そのクソメガネ、目を離すと知らない巨人に勝手に付いて行って危ないから。

 

 

「手間かけさせやがって」

 

 

痛みに呻くハンジを素通りし、ゆっくり俺に近づいてくるリヴァイ兵長の前。その両手には太陽の光に反射してなのかギラギラと光るカッターが二つ。

 

 

「あれが何なのかはさっぱり分からねえが、まあいい。削げばいいだけだ」

 

「!」

 

 

ひいい!マジだ!あの目マジだ!

完全に人殺しの目をしてるよ兵長!

 

俺を睨む兵長は完全に殺る気モードだ。一瞬でも気を緩ませてはいけない。

緩めば最後、一瞬で仕留められてしまいそう。そんな雰囲気だ。

 

 

 

「兵長!」

 

「「!」」

 

 

睨み合いが続けていた。そんな最中に聞こえた可憐な声。

その声の後すぐさまギュルルというワイヤーの音が複数響き、兵長の近くに複数の人影が現れた。同じ服装をしていることから察するに彼らもどうやら調査兵団のメンバーらしい。

 

 

「ハンジさんは見つかりましたか、って何ですかあれ!?」

 

 

やってきたのは四人。

その中の一人である女性がリヴァイ兵長に話しかけていた途中で俺の方に向き直り悲鳴に近い声をあげた。残りの三人の男達も彼女ほどではないが、三者三様の驚いた表情で俺を見ている。

 

予想はしていたがやはり傷つく反応だ。しかし少し安堵もしている。

俺への反応を見るに調査兵団の誰もがハンジのような変人ではないらしい。

 

 

良かった!やっぱりあのメガネが際立っておかしかっただけなのね!納得だ!

 

 

「ぺトラ、お前は援護に回れ。オルオ、エルド、グンタはアイツの注意を引け。俺が仕留める」

 

 

クシャルダオラという未知の生物である俺を見て明らかに動揺している新参四人に対してリヴァイ兵長は的確に指示を出している。

 

 

ちなみに『ぺトラ』と呼ばれた人物はどうやらやってきた四人の中の紅一点の名前らしい。

オレンジの近い茶髪は可愛らしい顔立ちによく似合っていて、ヒロインといった感じの見た目だ。服装からして彼女も調査兵団なのだろう。

そのおかげで可愛らしさと凛々しさを併せ持った彼女はあの中で一際輝いて見える。あんな可愛い子が命がけで巨人と戦っているなんて信じられない。最初に出会っていたのが彼女だったら良かったのにと、場違いな感想が頭を過る。

 

ちなみにぺトラの以外の残りの連中はムサイ野郎×3だ。

 

 

‥ん?ちょっと待って?そういえばリヴァイ兵長さっきなんて言った?

『仕留める』的な物騒な発言が聞こえたんだけど‥?

 

 

 

「分隊長ぉ!ご無事ですか!?」

 

 

「!?」

 

 

悪い思考を遮るように少し遠くから聞こえる男の叫ぶ声と蹄が地面を踏みつける音。

 

そっちに顔を向けると馬に乗った男が森の中からやって来た。

コイツも俺の姿を見てギョッとした表情をしていたが果敢にも踏みとどまらずこちらに向かって馬を走らせている。

男の姿を確認したハンジは痛む頭を押えつつ嬉しそうに声をあげた。

 

 

「おお、モブリット!わざわざ私の馬を連れて来てくれたんだね!どうやって帰ろうか考えていた所なんだ。ありがとう、助かったよ!」

 

「分隊長、呑気な事言ってる場合ですか!何ですかあれ!?」

 

「あはは!興味深いだろう!?人類が今まで出会った事のない全く未知の生物だよあの子は!新種の巨人を探してた時に偶然出会ってねー」

 

「笑い事じゃないですよ!また一人で飛び出していくから追いかけてみたら、これですよ!あんた何したらあんな生物に出会うんですか!?」

 

 

顔も名前もモブっぽい男ではあるが中々の容赦ない言葉でハンジに突っかかっている。

どうやら彼がハンジの部下らしい。容易に想像出来るが相当苦労しているようだ。

ストレスで胃に穴が空くのは時間の問題だろう。彼の無病息災を祈るばかりである。

 

ていうか今が逃げるチャンスじゃね?

向こうが二人のやり取りに気を逸らしてる内に空へトンズラを‥!

 

 

「おい、どこに行くつもりだ?」

 

「!?」

 

 

音を立てずに翼を広げた俺に迫る一閃。

慌てて翼を折り畳んで回避し、横に飛んで距離を取った。さっきまで俺がいた場所にリヴァイ兵長がおり、攻撃を避けた俺を睨んでいる。

 

いつの間に目の前まで接近してたんだよ?

俺という平和ボケした一般人の精神がハンデがあれど、クシャルダオラの感覚でもすぐ気づけないなんてどういう事だ。アイツホントに人間か!?

 

考えてる場合じゃない。

 

頭の中でツッコんでいてる最中でもリヴァイ兵長は俺に向かってカッターを振り下ろしてきてるから、すぐさま身体を捻って避けた。どうやら本格的な戦闘に突入したらしい。周りの空気が緊迫していてピリピリしている。

 

ちらりと周りを見ればこちらに視線を向けるだけで動きはない。

それはまだ幸いだが、どうしたものか。

 

 

現在も続く攻撃を躱しながら考える。

 

 

調査兵団のカッター攻撃は避ける必要はおそらくない。

現にハンジの悪ふざけで振り下ろされたカッターはこの身体には通らなかった。

カッターは折れてしまったというのに、こっちは傷一つついていない。

つまり調査兵団の攻撃手段であるカッターの連続切りは俺には通用しないという事になる。しかし油断してはならない。

 

今相手にしているのは人類最強と呼ばれるリヴァイ兵長だ。

あのメンバーの中で一番強いのは間違いなく彼だ。

 

クシャルダオラの本能か何かは知らないが、兵長が現れてからずっと頭の中で警鐘がガンガン鳴りっぱなしで鳴り止む気配がない。

一人だけ威圧感すごいもん。人間の中に化け物が混じってると思うくらい違和感がある。

 

だからこそ彼のカッター攻撃が効かないと高を括るのは危険だ。

あの人外のような気配なら万が一があるかもしれない。ここは回避に専念した方が良いだろう。

というよりも現状、リヴァイ兵長の動きを目で追うのがやっとだという始末だったりする。

防戦一方と言った方が良いだろう。

 

 

反撃に出たい所だが、相手は人外に近いが人間だ。

巨人と違って明らかに脆い人間の身体に下手に攻撃すれば間違いなく死ぬだろう。

 

身を守るためとはいえ、俺に人を殺せるのか‥?無理だ!

巨人を殺した時だって怖くておかしくなりそうだったってのに、人間なんて殺したら俺は間違いなく精神が壊れる!

 

 

攻撃出来ないなら取れる選択肢は一択だ!空へ逃げる!

でも、リヴァイ兵長が許してくれないだろう。

ネズミ一匹逃さない程の隙のない攻撃を仕掛けてきているから。

今飛び立とうすれば間違いなく阻まれてしまう。そもそもその動作すらする暇さえ与えてくれない。

 

 

くそ!どうすれば‥!

 

 

「デカい図体でちょこまかと避けんじゃねえ」

 

 

必死こいて頭を動かしつつスレスレで攻撃を避けまくってたら、苛立ったような声が聞こえてきた。

 

 

避けるには決まってるわ!

あんたの攻撃当たったらなんかヤバそうだし!‥ん?

 

 

「チッ」と面倒臭そうに舌打ちしたリヴァイ兵長に半ばヤケクソな状態でツッコみをしていると、ふと彼の動きに変化があった。

 

 

逆手に持ち替えている。

 

 

何だ?何で逆手に‥ !?

 

 

気づいた時にはもうリヴァイ兵長の姿は消えていた。

代わりにガガガと金属がぶつかり合う音が俺の身体のあちこちから聞こえてくる。

 

 

攻撃されてる!

 

 

ようやくその事に気づいて直後、音のした腹の部分に顔を向ける。何もない。

すると今度は首の部分から金属音が聞こえてきたので慌てて顔を向けるもやはり姿が見えない。

 

音が聞こる度にそこに視線を向ける。

何度も同じ事をやってもやはり兵長の姿が見えなかった。

 

 

リヴァイ兵長のスピードに俺の目が追いついてない!

 

 

体中に金属音が鳴り響く度に焦りは募っていく。

幸い傷らしいものはまだ身体にはないが、悠長としている暇はない。

 

姿が見えなきゃどうにもならねえ。

 

目を凝らして見ればようやくリヴァイ兵長の残像らしきものが俺の周囲を飛び回っているのが確認出来た。それでもすぐさま視界から消えてしまうため本当に残像を捉えるだけでも精一杯だ。どんな動きしたらあんだけ早く動けるんだよ。

 

 

! 

 

次の瞬間、俺の目の前にカッターを突き立てたリヴァイ兵長の姿が映った。

それはまるでスローモーションのように俺の目に向かってくる。

 

 

っ!?

 

 

反射的に瞼を閉じると何か硬いものがぶつかる音と感触が瞼に広がった。

すぐさまがむしゃらに顔を大振りに動かすとリヴァイ兵長の気配が俺から離れたので、目を開けた。

兵長は近くの木に飛び移っていたので、地面を飛んで彼から距離を取る。

 

 

危ねえ!明らかに俺の目を潰そうとしてた!

 

 

自分の心臓がバクバクいってるのが聞きつつ、体勢を整える。

 

 

ラッキーな事にリヴァイ兵長の力でも俺の身体には刃が通らないみたいだ。

その事実は俺を大いに安心させたが素直に喜んでいられない。

 

だって今度は急所に狙いを定めてきやがったからな!

 

普通、攻撃が通らないと分かると焦ると思うんだが、何という切り替えの早さ。

とんでもない冷静さと判断力をお持ちのようだ。

 

 

幸い反応出来たから良かったものの、下手すりゃあのまま目ん玉潰されてただろう。考えるだけで恐ろしい‥!

目玉潰されるのも時間の問題だから一刻も早くここを離脱しなくては!

でも今飛ぶのは無理だ!奴と距離が近すぎる!飛ぼうとした隙に目玉潰される!

 

 

となると距離を離さないと‥。

 

 

考えるが早いが、俺は回れ右してリヴァイ兵長に背を向けて駈ける。

恥とかそんなものない。今の俺じゃ対応出来ない。

姿すら捉えられない相手に無謀な戦いを挑むほど勇猛な性格じゃない。

 

それにこのままリヴァイ兵長を相手にしていたらまずい。

目玉は潰されても殺される事はないかもしれないだろうけど、捕獲される可能性は大いにある。

そうなるとあの変態メガネに嬉々として好き勝手身体を弄られる訳で‥解剖される未来しか思い浮かばない。

 

つまり死ぬよりも酷いに遭う可能性大!絶対イヤだ!

是が非でも捕まりたくない!

 

 

 

「!?」

 

 

 

 

「行かせるか!」

 

 

 

 

森の中に逃げ込もうとする俺の前にぺトラさん含めた四人が立ちはだかった。

かく乱のためか俺の身体の周辺を飛んでいるため、うっかり踏み潰しそうで思うように動けない。

 

そうこうしている内に背後からリヴァイ兵長が近づいてきていた。

カッターを逆手にして構えている様子からしてさっきの超高速連続攻撃をしかけてくるのは明白だ。それだけは何としても避けなければ!今度こそ目玉潰される!

 

 

かくなる上は‥!

 

 

 

「! なんだ!?」

 

 

 

意を決して俺は地面を強く蹴ってその場で飛び上がり滞空する。

すると踏み込んだ地面から発生した風が渦を巻いて俺を包み込んでいき、そのまま俺を中心に竜巻が巻き起こった。

強風のためか周りの木々が激しく揺れており、かなりの風圧が発生していると分かる。しかしこれだけでは心もとないと判断した俺は更に風を強めて、視界が風で見えなくなる程の巨大な竜巻に仕上がっていきクシャルダオラの巨体を覆い隠した。

 

 

よし!初めてにしては上手くやれた。

これこそがクソモンスとは呼ばれたクシャルダオラの風!

ハンターたちにウザいと評される竜巻だ!

 

 

空を飛んだ時もそうだが、この身体はクシャルダオラの能力をきちんと備えているみたいだ。俺があれこれ悩む前に身体が使い方を分かっているのか思いのほかあっさりと風を操作できるのはありがたい。

 

正直人間相手に使うかどうか悩んだが、巨人と生身で戦うような奴は人間とは言わん!

それはハンターと言う。ハンター相手なら身を守らなくてはならない!

 

殺されないように防御するのみだ。

 

 

 

「何これ!?動けない‥!」

 

「クソ!何なんだこの風は!?目を開けていられない!」

 

「立っていると吹き飛ばされるぞ!地面に伏せろ!」

 

 

 

よし!効いてる!

 

 

竜巻の外から聞こえる声に俺は満足げに頷いた。

 

おそらくあまりの風圧に身動きが取れないのであろう。

地面に伏せるか、何かにしがみついて飛ばされないようにしているはず。

こんな状況下ではあの飛び回るためのワイヤーも使えまい。

 

最初からこうしてれば良かったわ。

 

 

 

若干の後悔をする俺に対して、竜巻の外では前代未聞の突然の事態にパニックになっているのか戸惑う声や怒声が行き交っていた。その声に身を守るために竜巻を発生させた張本人として少し罪悪感が生じ、心の中で合掌する。

 

ごめん、俺のせいで混乱させちゃって。

 

 

 

「うっひょおおおおおおおおおおおお!こんな事まで出来ちゃうの!?身体が吹き飛ばされそうだぜぇ!」

 

 

「分隊長、危険過ぎます!せめてしゃがんで下さい!」

 

 

 

案外そうでもねえわ。この状況下で楽しんでる奴いるわ。

 

 

約一名、場違いな発言してる奴いるけどそれは触れないでおこう。

部下の人、ご苦労様です。

 

 

荒れ狂う竜巻のせいで調査兵団の様子は見えないがそれは向こうも同じだ。

俺の姿は奴らからは見えていないはず。

 

 

さて、連中が身動き取れない内にさっさとトンズラするか、てぇ!?

 

 

 

 

うぇえええええええええ!?

 

 

 

 

上に向かって飛び上がろうと竜巻の上空を見上げた俺は情けなくもあんぐりと口を開けてしまった。

 

 

だってリヴァイ兵長が竜巻が渦巻く上空からこっちにむかって落下してきてるんだぜぇ!?漫画だったら間違いなく俺の目ん玉飛び出てるわ!

 

 

うおおおおおおおおお!マジかよ!どうやって入ってきたんだよ!?

近づくどころか立っていられない程の風圧の竜巻を作り出したというのに!?

 

 

焦る俺はふと、ある事を脳裏に過る。

 

 

それは俺が人間であった頃、ふと何気なくネットをしていた時に見つけたクシャルダオラの情報だ。

 

クシャルダオラの真上からなら風圧を和らげらげるとかってあったと思う。でも荒れ狂う嵐の上空から攻めるのだから相当な判断力と機動力がなくては不可能だと書いてあったはずだが‥リヴァイ兵長恐るべし。完全に人間のレベル超えてるよあれ。

 

そうこうしてる内にリヴァイ兵長は竜巻の流れに合わせてどんどん俺がいる中心まで降りてきている。

 

 

まずい!このままじゃ接近を許してしまう!

ここは風ブレスで追い払うしかない!

 

 

出来るだけ加減した風ブレスを数発リヴァイ兵長に向けてお見舞いするも、どんな身体の構造してたらあんな動き出来るのか、ブレスに当たるか当たらないかギリギリの距離感で身体を捻って躱している。しかもワイヤーなしでだぞあれ。

 

 

「覚悟はいいか、クソトカゲ」

 

 

「!」

 

 

再びブレスを吐こうとする俺の目の前にリヴァイ兵長がいる。

慌てて目を閉じようとするも違和感に気づいた。兵長は俺の目を見ていない。

ブレスを出すため大きく開いた口を睨みつけ、そこにカッターを突き立てようとしていた。

 

 

今度は口が狙いか!

 

 

考える間もなく勢いで口を閉ざすとすぐさまガキィンと目の前で金属の破片が煌めいた。

俺の口に躊躇なくねじり込もうとしたカッターの破片である。あと一歩遅かったら口内がズタズタの多量出欠になっていたかもしれない。

 

恐怖で小さく息を漏らし、半ばパニック状態で口の先に降り立っていたリヴァイ兵長の事なんぞお構いなしにそのまま勢いよく顔を横に払うと衝撃に耐えられなかったのか兵長は俺の顔から振り落とされ、そのまま竜巻の中に突っ込んで姿を消してしまった。

 

 

一瞬やっちまったと後悔が過ったがすぐさま思い直す。

普通の人間だったら死亡確定だがあの人外の場合、絶対無事だろうと確信出来てしまう。恐ろしい事だ。だが幸いこれあのハンターと距離を離せた今が好機。この竜巻の上空から逃げっ!

 

 

 

「!?」

 

 

 

意識するよりも先に視界が突如竜巻が渦巻く上空に切り替わっていた。

混乱する暇も与えられず、バランスを崩した俺は後ろに引っ張られていく。

 

 

何で!? あ!

 

 

 

いつの間にか俺の首にワイヤーが絡まっていた。

絡まっているワイヤーの先を見れば、それは竜巻の外に続いている。‥リヴァイ兵長が飛び込んだ方向と同じだったりする。まさか!

 

 

驚いている間にワイヤーに引っ張られ、俺の身体は竜巻に近づいていく。

更に悪い事に俺自身空中にいた事で、ワイヤーによってバランスを崩してしまいパニックに陥りながら身体が傾いていく。

 

 

何だこれは!?俺を引っ張り出そうとしてるのか!?

超重い鋼龍を引きずり出そうなんてそんな芸当が出来る人間なんているとは思えない!

いや、いる!一人だけいる!ひとの形をしたモンスターが!

間違いない!あのワイヤーの先にいるのはリヴァイ兵長だ!

 

ヤバい!このままだと外に投げ出される!

 

 

慌てて体勢を立て直そうとするも手遅れ。

既に頭の一部分が竜巻の外に引きずり出されてしまった。

そしてその頭に向かって高速回転してくる何か。これはヤバッ!

 

 

咄嗟に伸ばした手で高速回転してきたものから頭を守る。

 

 

 

 

 

ガキィンと響く金属音に金属の破片

 

 

 

「っ!チィ、クソトカゲが」

 

 

 

防御用の手に上に誰か乗っている。

 

 

正体はやはりリヴァイ兵長。

 

根本からポッキリ折れたカッターを持って忌々しそうに俺を睨みつけていた。

その眼力にビビる。人間の時にこんな風に睨まれたら恐怖で心肺停止してしまいそうだ。

 

あとすみません。

腹立つ気持ちは分かるけど、人の手を踏んで八つ当たりしないで下さい。

 

 

忌々しそうに俺の手を何度か踏みつけた兵長は、ようやく飛び降りて近くの木に向かってワイヤーを伝って着地していた。その様子を見届けて俺はほっと息をつく。

 

 

 

あ、危なかった‥!

まさかクシャルダオラの弱点である頭を狙って来た時はマジで死ぬかと思った‥!

 

 

流石のリヴァイ兵長でも鋼龍の鋼鉄ボディを傷つけられないみたいだが、弱点への攻撃は避けなくては。奴の事だ。もしも、が十分あり得る。

 

 

木の枝に立ってこちらを見下ろすリヴァイ兵長に注意をしながら、この後の事を考える。

 

 

これからどうする?

逃げたくても兵長がそれを許してくれない。

唯一の対抗手段であった竜巻も難なく攻略してくるし、マジで何なの?

 

こうなったら腹を括って持久戦に持ち込むか?

あのカッターの補充がなくなるまで目と口を守ってれば向こうが勝手に消耗してくれる。

そうなれば俺の勝ち同然だ‥ん?

 

 

パラりと何かが頭から落ちてきたので、手に取ってみるとそれは見覚えのある金属で出来たっぽいトゲのようなものだった。

 

 

頭から落ちたけどこれって、まさか‥!

 

 

慌てて頭に手をやり、その感触に背筋が凍りそうになった。

 

 

角が欠けてる‥!

さっきの一撃でやられたんだ!何てこった!

これじゃ風のコントロールが‥!

 

 

すぐさま自身が作り出した竜巻に目をやると見るからに威力が弱まってるように見える。

竜巻を維持しようにもコントロールが効かないのか、徐々に緩やかになっていく。消えるのは時間の問題だ。

 

 

慌てて身を守るため試しに自身の身体を覆うように円を描くように風を発生させる。これは何とか出来た。どうやら角を失っても完全に風の操作が出来なくなる事はないらしいがあまりコントロールが効かないみたいだ。おまけに作り出した風のバリアーは想像していたよりも風圧が弱く、身体を覆いきれていない。

 

 

まずい、これはかなりまずいぞ!

 

 

冷静になるためにも周囲を見渡し状況を確認する。

徐々に威力を弱まっているとはいえ竜巻はまだ驚異的な風圧だ。

 

 

その風圧によって身動きが取れないのは六人。

 

ある四人は竜巻が起こす風圧に身体を吹き飛ばされないように地面に伏せて耐えている。

ある人は「ひゃああ!」と奇声を発し、嬉しそうな表情で吹き飛ばされそうになるのを、木にしがみついたもう一人に腕を掴んでもらっている。

 

誰がどうなってるとか説明しない方が良い。てか、したくもない。

 

そんな状況下の中、リヴァイ兵長は風圧をもろともせず地面に伏せていた四人の元に降りた。兵長の登場に四人のの表情は風圧の中でも分かるくらい安堵の色になる。

 

 

「お前ら、角だ。どうやらあのクソトカゲの弱点は角らしい。それを狙え」

 

 

バレた!よりにもよって一番バレちゃいけない人に弱点ばれた!

苛立ってたくせによく見てたな。観察眼もずば抜けてんのかよ!

 

ハンターだ!間違いない!

リヴァイ兵長こそこの世界のハンターだ!

何が人類最強だよ!生物最強じゃないか!

もういっその事“ヤヴァイ兵長”に改名しろ!

 

 

 

俺の脳裏にある光景が過る。

 

それはズタズタにされ死骸となった俺の上に立つリヴァイ兵長の姿。

俺を切り刻んだカッターを苛立ち紛れに拭きながら「チッ、汚ねえな」と呟くそのさまを何故かはっきりと思い浮かんだ。

 

 

このままだと冗談抜きでそうなりそうで怖い!

身体が震えてきそうだ。

 

 

「出来るだけ注意を引きつけろ。その隙に俺が奴を仕留める」

 

「「「「はい!」」」」

 

 

いや「はい!」じゃねえよ!冗談じゃねえ!

 

 

 

バレた以上、確実に角を狙ってくる。

しかも抜け目なさそうなリヴァイ兵長の事だ。

角だけじゃなく、目も口も同時に狙ってくるだろう。

 

 

竜巻が弱まって、足止めしてた四人はこれで参戦するし、何より一部とはいえ角を折られて風を上手くコントロール出来ない。状況は最悪だ!

 

 

 

俺はこのままやられるのか‥?

 

 

 

 

「待って!待ってよ皆!」

 

 

 

その時、半ば空気と化していたハンジが俺の庇うように大きく手を広げて詰め寄って来るハンターどもの前に立ち塞がった。少し遠くで部下の人が「分隊長、近すぎです!」と叫んでる姿が見える。

 

 

「この子は敵じゃない!巨人から私を助けてくれたんだ!それなのに得体の知れない生き物だからっていう理由だけで殺すのかい!?そんなのあんまりじゃないか!」

 

 

ハンジ‥。

 

 

武器を持った相手を前に必死に説得しようとしてくれている後ろ姿を見て目が潤んできた。

ただのクレイジーサイコパスかと思ってたけど、俺の勘違いだったみたいだ。

案外良い奴なのかもしれない。

 

 

俺のために、ありがとう‥!

 

 

 

「それに気づいているかい!?この子は貴重な研究サンプルなんだ!きっと人類の未来に大いに貢献してくれるに違いない!だから殺されては困る!大いに困る!」

 

 

ハッキリ言いやがったなクソメガネ!

そうだよね!そんな事だろうと思ったよ!だけどせめてもう少しオブラートに包めや!

他に言い方なかったのかよ!?普通に傷つくわ!

 

 

背を向けて立つハンジに怒りたいやら、泣きたいやらで動けない。

 

俺を庇うハンジを見てどうしようかと迷っているのか兵長とハンジの顔を交互に見ながら戸惑っている四人。しかし肝心の兵長だけはハンジを見据えながら関節を鳴らしている。その表情に迷いはなかった。

 

 

 

!?

 

 

 

 

「‥どうしたの?」

 

 

クシャルダオラの研ぎ澄まされた五感がある事を捉え、そちらに顔を向ける。

ハンジは不思議そうに俺を見上げてきたがそれ所ではない。

 

ここに向かって複数、いやかなりの数の何かが走ってきている。

音からして馬の蹄っぽい。‥という事は。

 

 

 

「「「「!」」」」」

 

 

 

俺の聞こえている音がハンジたちにもようやく聞こえたのだろう。

音のする方角に顔を向けている。程度はあるが全員安堵の表情をしている。

 

 

 

 

ドドドドドドドドと激しい音が徐々に近づいてきてくる。

 

 

 

 

 

 

「総員、立体機動に移れ!」

 

 

 

 

 

森の茂みから一斉に飛び出す馬に跨った集団。

その先頭を走る個性的な髪形をした金髪男の指示によって後ろのいた連中が一斉にワイヤーを木に突き刺し馬から飛び降りる。

 

 

 

「エルヴィン!」

 

 

ハンジが先頭を走る金髪男に向かって声を張り上げている。

どうやら話に出てきた『エルヴィン』というのはあの金髪の事らしい。てことは、ハンジの仲間なのは確定でアイツも調査兵団。金髪男の後ろにいる人数を考えると、どうやら調査兵団の本隊が来てしまったようだ。だってざっと見ただけで百は超えてそうな数だもの!

 

 

何でここに?竜巻とか咆哮で派手に目立ってしまったから本腰入れちゃった感じ?勘弁してくれ!

ただでさえリヴァイ兵長っていう過剰戦力によって生命の危機に瀕しているのに、その上調査兵団という名のハンター集団の本隊と戦えってか?冗談じゃねえ!

 

 

「エルヴィン!待って!待ってよ!攻撃しないで!」

 

 

ハンジの必死な声も虚しく調査兵団もといハンターどもは俺に向かってきていた。その両手には散々目にしたカッターが握られて。全方位からだ。逃げ場がない。

 

 

 

くそ、仕方ねえ!ハンジ、耳塞げよ!

 

 

 

胸を張る勢いで大きく息を吸い込む。

 

 

 

「! 全員、耳を塞ぐんだ!」

 

 

俺の様子に次の動作が何か気づいたハンジは両手で耳を塞ぎながら声を張り上げている。

その直後、大きく口を開き、

 

 

 

 

「GYAOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!」

 

 

 

 

腹から力の限り出した咆哮はこの空間に振動する。

それに合わせてか森全体から一斉に羽ばたく鳥たちは壮観で戦いであるのも忘れて少し魅入ってしまったがすぐさま我に返って辺りを見渡した。

 

 

うわぁ‥。

 

 

思わずそう呟いてしまいそうになる程、現場は騒然としていた。

 

俺の咆哮に耳を塞ぐのは予想通り。

人間は耳を塞いでその場にうずくまっていたが問題は人間じゃない方、つまり馬だ。

もはや暴力と呼べるかもしれない咆哮を直に聞いてしまったためか、酷い有様になっている。怯んでその場に動けないものはまだ良い方で、気絶して倒れ込んだり、極度の興奮状態で暴れまくったりしている馬までいる。そしてそれに巻き込まれる人間。阿鼻叫喚という言葉がふさわしい混乱具合に陥っている。

 

 

咆哮恐るべし。巨人には効かないが人間なら効果抜群だ。

最初からこうすれば良かったとふと思ったが後の祭り、次回鉢合わせしたら咆哮しよう。

次回なんてないのが一番良いんだけどさ。

 

 

 

混乱の絶頂の最中と言えど、誰もが(俺除いて)動けずにいる。

 

 

 

「チ、喚いてんじゃねえよ。クソトカゲ」

 

 

と思ったけどふらつきながらも立ち上がる男が一人。

その名もリヴァイ兵長その人だ。

アンタもうホント人間じゃないよ。マジでハンターって名乗った方が良いって。

 

 

 

よろめきながらもワイヤーを木に突き刺して急接近しくるも、咆哮のせいで本調子じゃないのかさっきと打って変わって姿がはっきり見える。

 

 

何度も接近させてたまるか!喰らえ!

 

 

迫るリヴァイ兵長に向けて衝撃波のように激しい風圧を発生させる。

 

 

 

「っ!」

 

 

 

あ、ヤベ‥。

 

 

角が折れててコントロールが効かないからか予想以上の風圧が発生してしまい、モロに喰らった兵長が豆粒サイズに見えるくらい遠くまで吹き飛ばされていった。

 

 

し、死んではいないだろう。彼に至っては、うん。

そういう事にしておこう。

 

 

ちなみにさっきの風圧の二次災害が調査兵団に及んでいるらしく、一部の人や馬が吹き飛んでいったり、地面や木に叩きつけられたりと酷い有様だ。

 

 

 

ご、ごめんなさい!

角折れててコントロール効かないんです!

こんな状況にしといて申し訳ないけど放置して俺逃げます!さいなら、ん?

 

 

 

トンズラしようと身を翻した俺はとある人物と目が合う。

特徴的なヘアスタイルの金髪男、確か「エルヴィン」だったか。

怒涛が飛び交うこの混乱状態の中、そいつは何かをする訳でもなくただじっと俺の方を見つめている。

 

 

 

??? 何だアイツ? 

 

 

 

逃亡を忘れ、金髪さんと謎のアイコンタクトをしていると背筋にゾクリとした冷たい何かが走り、それの正体を見つけるため慌てて後ろを振り向いた。

 

 

‥ひっ!?リヴァイ兵長だ!

豆粒に見えるくらいはるか遠くに飛ばしたのにもう戻って来た!?

 

 

目が回りそうな程、アクロバティックな動きをしつつ森の中を進んでこちらに向かってくる。その様は鬼気迫る迫力が有り余っていた。

 

 

何つう悪鬼みたいなおっかない顔してんだよ!?

とてもじゃないけど子供に見せられない程の凄まじい怒りの形相だ!

何で!?俺何かした!?

砂塵巻き上げて吹き飛ばしただけじゃん!

 

 

もうやだ!こんなとこさっさと逃げる!

 

 

 

今だにじっと俺を見つめる金髪さんを尻目に俺は大きく翼を羽ばたかせ、上昇していく。

 

 

 

「待って!」

 

 

 

 

げ‥この声は。

 

 

声のする地面に視線を向けると予想通りと言うかハンジが俺に向かって走って来ていた。その背後にはハンジを止めようとしているのか部下の人が必死に声をかけている。

 

 

 

「ちょっと待ってよ!君の事全然知らない!私は君の事を知りたいよ!」

 

 

そう叫ぶハンジはワイヤー越しに木を登って俺に近づいてくるから、捕まらないようにそれより早く空へ羽ばたく。

 

 

「思い留まってくれないかい!?私の仲間が君に攻撃したことは謝るから!私、君と仲良くなりたいんだよ!」

 

 

悲痛な叫びに思わず、ハンジの方に顔を向けそうになるも我慢して上空だけを見つめ羽ばたき続ける。

 

 

うるせえ、俺だって出来る事なら仲良くしたいさ。でも無理。

ハンジ以外全員俺の事殺る気だったし、とてもじゃないが仲良くやれる気がしないわ。悪いな。

 

 

 

「ねえ行かないでよ!短い間だったけど私たち上手くやってきたじゃないか!」

 

 

 

‥なんか、破局寸前のカップルみたいになってきたんだけど気のせい?

これ以上聞いてたら調子狂う。さっさとズラかろう。

リヴァイ兵長ももうすぐそこまで迫って来てるし。

 

 

一際大きく翼をはためかせ、ハンジを振り切って森を抜け出した。

この高さまでくればもう追ってこれないだろう。

 

 

「あー‥やっぱり行っちゃうかぁ‥・」

 

 

寂しそうなハンジの声が聞こえ、俺も少し寂しい気持ちになって気分が重い。

 

騒がしい上に、トラブルばかり運んでくる奴だったが、自身でさえ戸惑ったクシャルダオラの俺に怖がらず接してくれたのは純粋に嬉しかった。初見で俺を怖がったりしないで接してくれる奴はハンジを除いてもう二度と出会えないだろう。

 

 

‥もし今度会えたら、仲良くなれると良いな‥なんて。

 

 

そんなガラにもない湿っぽい事を考えていた俺の下から明るい声が聞こえてきた。

 

 

 

「ま、仕方ない。次また会えば良いんだし!今度はその身体じっくり調べさせてもらうから!また会おうねー!」

 

 

既に俺に会う前提だよアイツ!

しかも懲りずに俺の身体で実験する気満々!

 

 

ちらりと顔を向けると晴れやかな笑顔で俺に手を振るハンジの姿は超腹立たしい!

 

 

 

前言撤回、二度と会うかあああああああ!!

 

 

 

「ギャオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 

 

 

俺の怒りの咆哮ははるか遠くまで響いた。




リヴァイ戦、並びに調査兵団大集合の回でした!
クシャル君はどこまでも不憫ですw





見切り発車といえどストーリーは既に二十話近く考えている今日この頃。

しかし自分かなりの豆腐メンタルなので、低評価や批判が続くとあっさりエタるのでご注意下さい!

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