私、霊能力者になっちゃいました 〜≒僕、妖狐になっちゃいました〜   作:SimonRIO

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第伍話 これまた心強い増援が来てくれたね!!

 

「さ〜てと・・・いい加減、一緒に来て貰うわよ!はぁっ!!」

 

「くっ!断固拒否します!!」

 

椿が峰空と屋上で戦っている下で、私は雪や三間坂さん達と共に、足元の氷を振りほどいた栄空へ立ち向かう。

 

「コイツでも食らって痺れてろ!稲妻雷霆蹴【飛翔】!!」

 

「ふん、そんな物で!」

「我々を止められるとでも!」

 

だけど、あれだけ半妖の皆から集中攻撃を受けていたにも関わらず、2人の栄空はそれぞれ簡単に私の放った雷撃の鳥を片手で叩き潰してくる。

 

「クソッ!なんつ〜馬鹿力して――うわっとと!」

 

「離れて、綾!凍らせる!うぐ・・・くぅっ!」

 

すぐさま雪は再び栄空2人を足止めしようと氷の妖術を発動してくれたけど、今度は雪本人が栄空の1人に首を掴まれて持ち上げられてしまった。

 

「雪!腕だけでも凍らせて逃げろ!」

 

「無、理・・・凍ら、ない・・・!」

 

「この野郎!雪を離しやがれ!」

 

「ふん。コイツを殺されたくなければ、大人しく我々に――」

 

「金華浄槍!!」

 

「ぬっ!?」

 

ひとまず、椿が浄化の槍で攻撃をしてくれたお陰で捕まっていた雪を何とか助けられたよ。

 

「余所見なんて〜ずいっぶんな態度よねぇ!!」

 

「くっ・・・!」

 

すると、峰空が更に1本の鞭を取り出して2本で椿に攻撃し始めた時、椿は尻尾も使って忙しない様子で相手の連撃に対処していく。

 

ただでさえ峰空との戦いで苦戦している中で手助けをさせてしまうなんて、椿には無茶をさせてばかりで申し訳無くなっちゃうな。

 

「雪!無事か!?」

 

「う、うぅ・・・」

 

「心配すんな、霊能力者の嬢ちゃん。今捕まっていた半妖の子は、俺が煙で何とか敵から引き離した。そっちは引き続き、逃げている人達を狙われないよう攻撃に集中しろ!」

 

「分かった、三間坂さん!」

 

そして私も、三間坂さんの煙に運ばれてきた怪我をした半妖の人達を受け止めて警察署の屋上に運んでから、今度は右手と左手それぞれで大技を発動するべく妖気を溜めていく。

 

「皆、一旦離れて!」

 

「むっ!?攻撃を止ませた・・・だと?」

「いきなり退いていくとは・・・まさか!」

 

「2人まとめて消し炭になりやがれ!――火雷神の気砲(ほのいかずちのかみキャノン)・ツイン!!」

 

そう叫び、私は両手から2本の炎と雷の極太光線を、皆が離れた事で一瞬だけ立ち尽くした栄空2人に命中させた。

 

「はぁ、はぁ・・・や、やったか?」

 

1秒、2秒・・・と5秒くらい極太光線を照射し続けた後、私は短時間に極度な妖気を消費した事による目眩と共に術を解除する。

 

「いやはや、今のは危なかった」

「ああ、あと1秒受けていたらタダではすまなかった」

 

しかし、モウモウと立ち込めていた砂煙が晴れた先には、上半身の鎧を溶かされつつも依然として身体にダメージを受けていない栄空2人の姿があった。

 

「クソ!5秒も撃ったアレを耐え切るなんて、どんなアホな頑丈さしてんだよ!?」

 

「膝をつく程に消耗するとは、勝負を焦ったな」

「それならば、この隙に捕獲を――ぬっ?」

 

「うぉぉお!綾ちゃんに続けぇ〜!!」

「皆!何としてでもアイツらを止めるわよ!!」

 

そんな疲弊した私に栄空2人が向かおうとした時、またしても半妖の皆が杉野さんや犬吠埼さんを筆頭に栄空へと攻撃を仕掛け始めた。

 

化け猫の半妖の凛が顔を引っ掻いたりと、様々な半妖の人が自分の得意とする物を使って相手に攻撃を畳み掛けていくけど、それでも強力な妖魔人である栄空には全く通用せず、接近戦を挑んでいた人達に至っては身体から発してきた変な衝撃波で吹き飛ばされてしまう。

 

このままじゃ半妖の皆も逃げている人達も危ない・・・こうなったら、とことん使える力で私がやるしかない!

 

「まだまだ!妖異変化"悲愴天・玄武"、展開!!」

 

「また姿を変化させたか。だが――ぐぅっ!?」

「消耗した状態で、いつまで持つと――がはっ!!」

 

「そんなのは分かってるよ!だから、その前にお前らを2人共ぶっ飛ばす!!」

 

屋上から飛び降りて突進しつつ、私は栄空2人の顔面に拳を叩き込む。そして、そのまま拳に浄化の力を溜めて一気に爆発させた。

 

「滅しやがれ!卜半細氷拳(ぼくはんさいひょうけん)!!」

 

超至近処理から浄化の力が込められた爆発で相手の2人が吹っ飛び、そこで"神妖の力"が限界にきて同時に展開していた"鈍色の狐"が解除されてしまう。

 

だけど、これだけの一撃を2人両方に上手く決まったなら――

 

「その焦り、余程あの妖狐が心配のようだな?」

「我々が、その程度で倒れるとでも?」

 

「なっ!?」

 

だが、その私の予想を裏切るように次の瞬間、私の真横に栄空が2人して拳を振りかぶっていた。

 

「がはっ!!」

「ぐぁっ!?」

 

その拳を腹に叩き込まれて吹っ飛んだ矢先、なんと同時に峰空から吹っ飛ばされてきた椿と背中合わせにぶつかって地面へと転がってしまった。

 

しかも、よく見ると椿の巫女服の所々は溶解液で溶かされたように穴が空いている。

 

「うふふ、どうかしら?亜里砂様に作ってもらった、私オリジナルの妖具"多種多鞭(たしゅたべん)"のお味は?」

 

「なっ・・・嘘でしょう?」

 

「ぐっ・・・オリジナルの妖具、だと?」

 

「あぁ、峰空の言う通りだ。これこそ、つい先日に私の"金剛不穢(こんごうふえ)"と共に完成した代物よ」

「だが、作り上げるには少々手間が掛かるらしくてな。そのお陰で閃空の・・・彼の妖具は間に合わなかったがな」

 

すると、その言葉と同時に峰空と栄空は悲しげな表情を浮かべ、閃空の死を悼むような姿を見せてくる。

 

だけど私と椿は、閃空と戦った時に"本来の人格"は寄生妖魔に封じられていて、それ本体がダメージを受ける程じゃなければ表面に出てこない事を知っている。

 

それでも、さっきまでの戦闘で"もしかしたら"と思ったのか、椿は峰空と栄空に視線を向けながら質問した。

 

「今聞く事じゃないかもしれませんが、答えてください。貴方達は・・・元々の、"峰空や栄空の人格"ですか?」

 

「あら、何を言っているのかしら?まさか、今の表情で私達の元の人格が出てきたと思ったの?」

 

「ふむ、もしや寄生妖魔だけを浄化出来る・・・と、そう思ったのか?」

「だが、それなら残念だったな」

 

しかし、その椿の言葉に峰空と栄空2人は一気に私達の目前に近づいてきて、それぞれ再び攻撃をしてきた。

 

「今の私も栄空も、元の人格なのよ!」

 

「なっ――ぐぅっ!」

 

「我々は、寄生妖魔ですら乗っ取れない程の強い"想い"を持ってして、身体の中の奴らを抑えている!」

「それ故、この戦いも自らの意志だ!」

 

「そんな!椿――うわっ!」

 

そんな一瞬の激しい連撃を私と椿は防御し切れず、また同時に吹っ飛ばされてしまった。

 

「ふふ・・・この鞭はね、様々な状態に変化出来るのよ。それに、何本も何本にでも分裂させる事も出来るわ〜」

 

「くっ・・・うわぁぁ!!」

 

「私の鎧は再生能力に加え、鎧自身が意識を持っている。さっきまで受けていた攻撃は全て覚え、それに対応した反撃を繰り出す。つまり、お前達に勝ち目は無いという事だ!」

 

「この野郎――が、はっ・・・!?」

 

そう言って放たれた相手の攻撃を私と椿は全力で避けようとするけれど、椿は峰空の何股にも分かれた鞭に捕まって空中に持ち上げられ、私も2人の栄空が鎧の口から発した衝撃波を全身に食らって膝をついてしまう。

 

「さて、そろそろ2人共グロッキーな頃合かしらね」

 

「それなら、さっさと捕まえて」

「此処に居る奴らを皆殺しにしてしまおう」

 

すると、身動きが取れなくなった私達に峰空と栄空が近づこうとした瞬間。空から柱のように太い炎を纏った矢と共に聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「椿様!!綾様!!」

 

「えっ?――きゃぁあ!!」

 

「この炎、この矢は――ぐぉぉお!!」

「まさか、四神の奴らと――うぉぉお!!」

 

その炎が峰空と栄空2人を焼いて吹っ飛ばし、それと同時に龍花さん達4つ子の守護とオジサンが私達の前に降り立った。

 

「すまん、綾!遅くなった!!」

 

「椿様も綾様も、大丈夫ですか!?」

 

「ええ、大丈夫です・・・それにしても、やっとですか」

 

「私も平気だ、オジサン!しかも、これまた心強い増援が来てくれたね!!」

 

さぁ、半妖の人達も一般の人達も避難出来たみたいだし、ここから一転攻勢で反撃といかせてもらいますか!!

 

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