私、霊能力者になっちゃいました 〜≒僕、妖狐になっちゃいました〜   作:SimonRIO

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第拾参話 止めて!ゴスロリは黒歴史だから!

 

美亜の呪術道具が脱走してくれやがったせいで、身体が幼くなってしまったばかりか元の姿にも戻れなくなってしまった私と椿。

記憶までは巻き戻っていないみたいだけれど、それでも感情は身体に引っ張られてか、椿はショックで我慢出来なくなって泣きまくってしまっている状況だ。

 

「えぐっ、ひぐ・・・うわぁぁん!!」

 

『お、落ち着け・・・椿よ』

 

『ぬぅ・・・こ、こういう時はどうすれば良いんだ!?美亜!それに綾も――って、そっちもか!』

 

「あ、やっべバレた!わたし、つばきなかせてないよ!」

 

『『いや見たら分かるわ!』』

 

そういや狐2人は今になって私の事にも気付いたんですかい。ま、それは置いとくとして・・・。

 

「というかみあ、つばきをなきやませるには!?」

 

「ちょっと、何で私に――あぁ、美弥子や美瑠がいるからね。全く、そうは言っても・・・ここまで泣かれていたら、そうそう泣き止ませられる物じゃないわよ」

 

「そ、そこをなんとか〜!」

 

私が両手を合わせてまで美亜に懇願している内にも、椿は皆が困ってる事で更に怖くなったからか泣く声が強くなる。

 

「うあぁぁぁん!うえぇぇぇん!!」

 

「よ、よしよし!つばき〜こわくない、だいじょうぶだから〜!」

 

「あぁもう、椿だけじゃなくアンタ達も落ち着きなさい。分かったわよ、その呪術道具を調べて何とか出来るか調べるから。だから椿、もう泣き止んでよ〜」

 

あ、ピタッて椿が泣くの止めた。おお・・・流石は美亜さん、伊達に美弥子と美瑠の姉さんしてないですわね。

 

「ほんとう?」

 

「えぇ、本当よ。だから、もう泣かないの」

 

「わかった!ありがとう、みあ"お姉ちゃん"!」

 

「んなっ!?」

 

な〜んて和やかにしてたらコレですよ!椿、本当に君は頭まで子供に戻って・・・ないね、あのイタズラっ子なほくそ笑み方は。あまりの妹オーラに美亜も顔真っ赤にしちゃってるし、程々にしてあげなよ〜?

 

「よし!それならいったんみんなのところに――びっ!!」

 

そうして歩こうとしたら、ウッカリ自分のブカブカになった服を踏んづけて盛大に転んじゃったよ、トホホ・・・えっ?椿?あの子は白狐さんに抱えられていますよ〜。

 

『あ、綾・・・お前も、大丈夫か?』

 

「ん、じぶんであるけるもん!」

 

『むっ、そっちはまだ怒っとるのか・・・』

 

「と〜ぜんだ!べ〜!!」

 

何だか、あまりにも狐2人が私にも親切にしようとするので、それが椿を嫁さんにしようとする2人の態度かと気持ち悪く思った私は、すぐさまブカブカだった服などを全部脱ぎ捨てて一目散に皆の元へとダッシュする。

 

「へへ〜ん!つかまえたきゃ、おいかけてこいっての〜!」

 

『ぬぉぉお!?綾!少しは恥じらいというのを持たんかぁ!!』

 

『椿も居るんだぞ!?その格好で行くのは流石に不味い!俺と白狐が変態扱いされる!!』

 

「う〜わ、なんて思い切り良過ぎるのよ・・・あの子。美弥子や美瑠ですら、あそこまでヤンチャっ子じゃなかったわよ」

 

――ちなみにその後、やっぱりというかスッポンポンで宴会中の地下ホールへ戻ったモンだから皆に大目玉を食らって、特に雪と里子に至っては鼻血を出してサムズアップしながら気絶しちゃったのは内緒の話だ。

 

◇◇◇

 

それから幼い頃に着ていた白いワンピースをオジサンに着せられた私は、まだまだドンチャン騒ぎをしている他の妖怪の人達に苦笑いしながら自分の座っていた席に戻った。

椿も巫女服を狐2人に一応の着付けをしてもらって、白狐さんの膝に乗せられて一緒に座っていたけれど、あの親子感は見ててホッコリ・・・というか羨ましくなってくるね。

 

まぁ、雪と里子に挟まれて頬をつつかれている状況で言うべき事でもないんだけど。

 

「きゃ〜!椿ちゃんに負けず、お人形さんみたいで可愛い〜!」

 

「綾のプニプニなほっぺ、最高。正に天使が舞い降りた、って感じ」

 

「や〜め〜ろ〜よ〜ぅ!」

 

そんな私の言葉は夢中な2人に届かず、とうとうチョコンと雪の膝に乗せられちゃったよ。あ、でも・・・雪女の血筋だからか、夏の暑さには丁度良いヒンヤリ感かも。

 

「いや〜はっはっは!椿と綾が妖魔人を3体も倒すとは!残るは2体!もう華陽は追い詰められたも同然じゃな!」

 

そして、椿の爺さんや達磨百足さんはベロンベロンじゃないですかい。私が全裸で戻った時にも大して気にせずワイワイやってると思ったら・・・はぁ、仕方ない。ちょっと雪や狐2人にも協力してもらって、酔い覚ましに少しビックリさせてやりますか。

 

「今の2人は百人力、いや二百人力じゃ!どんなやつでもかかってこいじゃ!!」

 

「こ〜んなすがたになってもですか?」

 

「いよっ!つばきのじっちゃん!」

 

「ぶぅっ!?」

 

あ、爺さんも達磨百足さんも酒を噴き出して固まってら。でも、ここまで気付かないなんてどれだけ酒を飲んだんだか・・・って、今度は楓と菜々子も私達の所にやって来たんですけど?

 

「姉さん達が、こんなに幼く・・・どんな変化っすか!?自分、気になるっす〜!!」

 

「いや、これへんげじゃないんだけど――」

 

「わ〜!同い年のお友達が2人も出来た〜!」

 

「ななこちゃん、それ"あくい"がありますよ!」

 

それと雪さんや、ここぞとばかりに写真を撮りまくるのは止めてくれません事?

 

「ふふ、これは2人の妹として売り出せるかも」

 

「ゆ〜き〜は〜さ〜・・・はぁ、もう」

 

そして、わら子も無言で手毬を取り出してウズウズしながら私と椿を見てくるんですけど。それ、ちょっと遊びたいとか考えてるの丸見えですよ?

 

・・・とまぁ、そんな感じで狐2人が椿の爺さんに説明している間、ずっと私と椿は皆に可愛い可愛いと弄られまくってました。

 

◇◇◇

 

「なるほどのぅ。そうなると、椿と綾が元に戻れるかどうかは美亜次第、という訳か・・・」

 

それから狐2人の話を聞いた椿の爺さんは、あまりに唐突なハプニングだったからか頭を抱えてしまっているよ。

 

「・・・待て、椿に綾。お前さん達、その姿で妖術は使えるのか?」

 

「えっと、あはは・・・すいません、わかりません」

 

「ちょっと、ためしにやってみますね。いくよ、あやちゃん!」

 

嫌な予感がしつつも、私は椿と一緒に普段使っているように、両手を前に出しながら妖術を発動してみる。

 

「きんきゅうさいくろん!」

 

すると、やっぱりというかチョビッ!なつむじ風しか手のひらからは出てこず、その風も弱すぎる為かすぐに消えてしまった。

 

「こくえんきつねび!」

 

そして、椿の方もポンッ!と小さな黒い火種が指先から、ライターのように一瞬だけ出てきただけだった。これはどうやら、身体が幼くなった事で私と椿の妖気が減ったどころか、妖術までもが弱くなっちゃっているっぽいね。

 

「う〜!こくこんどかい!」

 

もう1回と言わんばかりに、椿は少し涙目になりながら今度は尻尾をハンマーに変えていたけれど・・・それでもやっぱり、尻尾はピコピコハンマーくらいに小さなハンマーしか変化しなかったみたいだ。

 

「うわ〜ん!!これじゃあ、つっこみしかできないよ〜!!」

 

「ということは・・・わたし、ぼけたんとう!?」

 

『椿も綾も落ち着け!2人共、何を言っているか分からんぞ!?』

 

すいません白狐さん、ちょっと椿の混乱ぶりが面白くて悪ノリしました。そして、そんな私達の弱体化っぷりを見た爺さんも、とうとう真剣な様子で考え込みだしちゃったよ。

 

「ぬぅ・・・2人共、妖気まで少なくなっとるのか。"神妖の力"は身体に負担がかかるから止めた方が良いが、そもそも今の様子では使えんじゃろうな」

 

確かに爺さんの言う通り、私の中にも椿の中にも"神妖の力"は感じられない。というより、どうやら今の状態で使ったら確実に暴走するであろうという事から、無意識の内に力自体を身体の奥底へと追いやっているような感じだ。

 

「ふぅむ、こりゃ参ったの・・・」

 

「やっぱり、わたしとつばきがちっちゃくなっちゃったのはまずいよね・・・」

 

「うむ、このままでは幼女趣味の危ない連中まで引き寄せてしまうではないか!」

 

「「って、しんぱいするとこそこですか!?」」

 

な〜んて思ってたら椿の爺さん、変な所まで心配してたよ!それ今は気にするような所――かもね、うん。

 

わら子も雪も私が小さい頃にオジサンが着せていたゴスロリな服を持って、何か薄ら笑いしながらジリジリ迫って来てるんですけど!?止めて!ゴスロリは黒歴史だから!!可愛い可愛いって持て囃されてたの思い出すと結構恥ずかしいんだから!!

 

「何せ、今は美亜を信じるしか無いのじゃろう?先の不安は、もう本当にどうしようもないとなってからでも遅くはないしの。だから、今は無駄に不安がっていても仕方なかろう」

 

そう椿の爺さんは堂々と頼りげある感じに言ってくれたけども!私、今は少しだけでも2人を何とかして欲しいんですよ〜!!

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