私、霊能力者になっちゃいました 〜≒僕、妖狐になっちゃいました〜   作:SimonRIO

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第拾玖話 添い寝?絶対させません!

 

風呂場で散々暴れたせいで、私達は若干のぼせながらも自室へと戻ってきた。里子が私の胸について辛辣なコメントをしたのがきっかけで始まったとはいえ、暴れる時はもう少し加減をして欲しいと思う。

 

因みに椿は後半ほとんど私と里子の乳くりあいを、手で隠しながら恥ずかしげに眺めていた状態であった。流石に私がタオルすら巻かずに大人気なくはしゃぎすぎたからだろうか。

 

『おぉ、長風呂だったな2人とも』

 

『中々焦らしてくれるな、全く――って、閉めるなコラ』

 

私達が自室への扉を開いた瞬間に、白狐さんと黒狐さんの姿が見えたので慌てて閉める。そういえば、今日のセンターの帰り道で椿が「何でもする」発言をしてしまった事を思い出した。

 

このままでは、椿の貞操が危ういと思った私は何か他に手はないかと考える。

 

「風呂での様子からして里子は危ないだろうし、だからといって椿のお爺さんの部屋に行くのもな〜」

 

「おじいちゃんがあんな状態じゃなければなぁ――って、わひゃぁ!?」

 

すると突然扉が開き、そこから黒狐さんが椿の首根っこを掴んで引きずり込んだので私もすぐに彼女へ掴まって一緒に引き込まれる。

 

「ひぃぃ!た、助けて綾ちゃん!ぼ、僕はまだ心までは女の子じゃないんだし、2人に身体の関係を求められても困るよ〜!」

 

「椿に何さらしてくれとんじゃあ!」

 

私が椿に掴まって寝そべった状態から放った蹴りを顔面で受けつつ、黒狐さんは彼女を面白がっている目で見ている。

 

『げふっ!――ふふ、そうかそうか。それならば、女の子の心になったら良』

 

「言わせるか、金的ィ!」

 

『にゃおぅ!!――そ、それに、何でもすると言ったのは椿だろ?』

 

私の攻撃を耐えながら、それでも執拗に言葉で責めたてる黒狐さんに椿が真っ赤な顔をして言った。

 

「あっ、いや、ち、ちが・・・。そ、それでも・・・この一線だけはダメです!」

 

その言葉を聞いた黒狐さんは、椿の予想外の反抗に驚いたのか一瞬目を見開かせる。そして、すぐに普段の顔で彼女の頭を撫でた。それを見て更にもう一撃加えてやろうかとすると、白狐さんに止められる。

 

『止めんか黒狐に綾。どちらにせよ、今の椿の身体では我々を受け入れられんわ。焦るな』

 

「そら見た事か。白狐さん、助かった――」

 

『言っただろう。がっつかずにじっくりと、椿を理想の女にする方が良いとな。力尽くでは意味がないわ、ジワジワと――』

 

「天誅!!」

 

前門の虎、後門の狼とはこの事を言うのだろう。

咄嗟に私は白狐さんの脛にも鋭い蹴りを入れた。

 

『ぬぉう!?な、何をする綾!あ、あんまり騒ぐと霊狐が起きてしまうぞ!?』

 

「もう・・・2人とも油断もスキもありゃしない」

 

「あっ、そうだ。レイちゃん大丈夫?」

 

白狐さんの言葉で、夕方に私達を助けてからずっと椿に小さくなりくっついて眠っていたレイちゃんの存在を思い出した。未だにレイちゃんはスヤスヤと眠っているが、それを不安そうに見た私と椿へ白狐さんが安心させようと説明してくれる。

 

『心配するな。あれ程巨大な鬼の魂を取り込んだのだ、身体に馴染ませる為に寝ているだけだ。明日の朝には起きるじゃろう』

 

「そっか、良かった〜」

 

「いきなり寝ちゃうから心配したよ・・・本当に良かったね」

 

すると白狐さんが突然、私のお腹をさすってきた。どうやら、さっきの栄空とかいう坊さんを取り逃した際に受けた異常が心配なようだった。

 

『ところで綾、先程の小次郎とかいう使い魔がやられた際に痛そうにしていたのは大丈夫か?かなり辛そうに見えたのじゃが・・・そして、あの女の事を知っておったのか?』

 

「夢で1回会った事があるってだけで、実際に会ったのは今回が初めてだよ。それとお腹の方はとりあえずは平気かな、痛みももう引いたし。でも、どうして小次郎が攻撃されたのに、呼び出した私の方も痛くなったんだろう?」

 

そう言う私に、黒狐さんが分かりやすく説明をしてくれた。相変わらず椿にベッタリ寄り添っていて、油断した瞬間に何かしないか不安になる。

 

『そう俺を警戒するな、綾。お前のそれは、きっと「使い魔」特有の現象だ。そもそも「使い魔」は霧散している魂の欠片を1箇所に集めて、そこに妖気を流し込んで形を作る、極めて特殊な妖術だ。何故、人間であるはずの綾にそんな力があるのかは分からんがな』

 

「えっと・・・つまり?」

 

『お前の妖気で作る分身みたいなものだから、そいつが攻撃をくらえば妖気が乱れて術者である綾本人にもダメージがいく、と言えば分かるか?』

 

「OK、把握しました」

 

なるほど、かなり分かりやすい。前に白狐さんの方が妖怪について詳しそうだとは言ったものの、黒狐さんも中々妖術とかについて詳しいようだ。

 

ふと見ると、椿の耳と尻尾が落ち着きなく動いている。何か悩んでいたようだけど、きっと気のせいだろう。

 

『椿、どうした?尻尾と耳を同時に動かして』

 

「なんでもないです黒狐さん。あっ、そうだ!携帯の充電、もう終わった?」

 

「それにしても、この充電器やっぱり妖怪の所で使ってるって事もあるからか変わってるね」

 

「まさかこれも、妖怪で「充電器」なんて言うんじゃないでしょうね?」

 

携帯を食べているかのように咥えている充電器を見て、椿のダジャレで思わず私はプッと噴き出す。

 

「プクク・・・有り得るかも、それ」

 

『ん?誰から聞いた、椿?その通りだ』

 

「うっそ白狐さん、マジで?一体どんな原理で充電してんの?」

 

『此奴はな綾。特殊な電磁妖気を身に溜め、また自ら繋いだ物にその電磁妖気を送る妖怪じゃ』

 

「すっご〜・・・何でもアリだね、妖怪って」

 

感心する白狐さんとは裏腹に、椿は適当に言った事が図星で当たってしまったせいで引きつった笑顔を浮かべていた。確かに普通はこういう物まで妖怪だとは思わないだろう、私も思わなかった。

 

「ま、まぁいいや。えっと、アプリは――っと。ちゃんと使えるようにしないとね」

 

『待て椿、そんなのは明日でいいだろう。なんだか意図的に避けていないか?』

 

「避けられてるかどうかは置いといて、確かに今急いでやる必要はないでしょ。いい加減に眠くなってきたし・・・ふあぁ」

 

「ギクギクッ!そ、そんな事ないですよ、綾ちゃんと黒狐さん」

 

「なんで口でギクッて言っちゃうのさ、椿」

 

『全くその通りだ。とにかく安心せい、椿はまだ未熟だから身体までは求めん。添い寝するだけじゃ。』

 

そんな事を言う白狐さんと黒狐さんへ視線をやると、いつの間にか私の着ているような甚平の寝間着へと着替えていた。椿のパジャマがピンクで可愛らしい事もあってか、傍からはやたらと彼女だけ浮いて見えてしまう。

 

「う〜本当に何もしない?」

 

「手を出したら・・・怒るからね」

 

椿が布団の中に潜るのをジーッと見る2人から守りながら、校長室の時みたく隙間を埋められない前に私も続いて椿の隣へ入った。

 

更に私達は布団から2人へ顔を向けて警戒する。

 

「良い?な、何もしないでよね」

 

「ぜっ・・・たいに、2人とも椿に手を出さないでよ」

 

そして2人が入ってくるのを待ってから、私達はしばらく妖術について色んな事を聞いたり話したりした。椿は2人の力だからともかく、私の妖術についてはあれこれ何がどうなのかとか、これがこうなのかといった推測を立てたりとしていて楽しい。

 

そうやっている内に白狐さんや黒狐さん、そして椿の3人が狐だからなのか、良い匂いに包まれてだんだんと眠気が強くなってきた。

 

『やっぱり、椿は良い匂いがするな』

 

「わかるわかる・・・すっごい落ち着くよね」

 

「ちょちょちょ?綾ちゃん・・・?」

 

椿のうなじに顔を埋める黒狐さんに、負けじと私は彼女の胸元へ顔を埋めた。

 

『いやいや、やはり肌の味が何とも堪らん』

 

「ん〜ホントだ。採れたての桃みたいな感じがするね〜」

 

「う、うう・・・ふぅぅ」

 

椿の二の腕を舐める白狐さんを見て、私も真似してそのまま彼女の胸元をペロリと舐めた。

 

なんというか、2人の性癖について最初こそ理解すら出来なかったが今だと結構共感出来そうな所もあるような気がしてくる。

 

必死に声を抑えて我慢する椿の姿に、もっと弄ってあげたいという気持ちが膨れ上がっていく。

 

『我慢するな椿。甘い声くらい聞かせろ』

 

「んぅ・・・あっ!」

 

『おぉ、何とも愛らしい表情だ。堪らんなこれは』

 

『ほんとだな白狐よ、これは堪らん』

 

「ふにゅ〜・・・椿、もっと〜・・・zzz」

 

「うぅぅ、見ないで見ないでぇ!あうっ!?綾ちゃん、尻尾をそんな風に触らないでぇ!」

 

結局、私は2人と一緒になって睡魔で意識が落ちるまで椿を弄り倒してしまったのであった。私からは狐の尻尾がこんなにも気持ちいいのが悪い、とだけ言い訳しておこう。

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