私、霊能力者になっちゃいました 〜≒僕、妖狐になっちゃいました〜   作:SimonRIO

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第参話 どうやら妖怪のせいだったようです

 

結局、口うるさく言われた事で翼は渋々布団から出てきた。どうやら尻尾にも感覚があるらしく、出てくる時に挟んでしまったのか一瞬だけ痛そうな顔をしていた。難儀だな〜・・・

 

「何しているの?」

 

『うむ・・・お主がいじめられていたのが、どうにも腑に落ちなくてな』

 

『お前、いじめられる原因が何か分かるか?』

 

やはり教室や職員室での異変に2人も気づいていたらしく、色々問いただしてくるが翼は自身に非があると思ってしまってるせいで一言も話してくれなかった。そりゃ自分が悪いって思ってりゃ、話したくもないよね・・・

 

『ふぅ、言いたくないなら構わんがな。子供達を管理する立場の人間ですら、お主へのいじめを見て見ぬふりとは何処かおかしいとは思わんのか?』

 

「いや、でも・・・だって、最近の先生ってそうだよ?」

 

「『『・・・』』」

 

やばい、すごい気まずい。思いっきり白狐さん地雷踏んづけてくれましたね。これはまずいですよ・・・非常にまずい。

 

『ま、まぁ・・・とにかくの。クラス全員というのは変じゃろ?見て見ぬふりをする奴はおるだろうが、そういうのすら無く全員がというのはおかしいじゃろ?』

 

「白狐さん、それかなり苦しいからね?」

 

「でもそれは、全く言い返せない女々しい僕に対して、皆調子に乗って――」

 

『それでも、全員がというのはおかしいのだと、白狐がそう言うておるんじゃ。観念しろ、きっと妖怪の仕業だ』

 

「なんだって?妖怪がどうして現代社会でそんな陰湿な悪さをするんだよ?」

 

『とやかく言うな。妖気を捉えたから行くぞ!』

 

そう言って白狐さんは黒狐さんと共に保健室から出ていこうとする。あ、お2人が解決してくれそうな感じですか?ならもう安心だね!私達は安全な所に隠れてれば良いもんね。

 

「行ってらっしゃい」

 

「気をつけて〜」

 

『何を言うておる、お主達も来るんじゃ!』

 

「い〜や〜だ〜!!怖い〜!!」

 

「やっぱりかぁ〜!!」

 

ですよね畜生!任せっきりにしちゃダメですか!

引っ張る黒狐さんに反抗して必死にベッドにしがみつくが、そこへ白狐さんが何事かをコソコソと話す。

 

『黒狐よ、あんまり無茶はさすな。怖がっているのなら、無理に我らの仕事を手伝う事はさせなくてもいいだろう』

 

おお!仏陀よ、貴方様に感謝します!いや、白狐さんは稲荷の神様だからお稲荷様と呼ぶのが正しいかしら?

 

『それならば其方の少女の記憶を消して、椿に夜の営みの相手を存分にしてもらう形にした方が・・・』

 

『おぉ、白狐よ。良い事を言うな!よし、そうし――』

 

「「行かせていただきます」」

 

サラッとやばい事口にしましたよこの駄狐達!やっぱり神様なんていなかったね。いや、目の前にいるけどアレを神様とは認めたくない。

 

保健室から出て、クラスの方へ白狐さんがスマホを傾けると彼には似合わないポップで可愛らしい音が流れた。

 

『・・・やはり糸のような妖気がこの学校中に張り巡らされとるの。どうやら操るタイプの妖怪じゃな』

 

「そんなタイプの妖怪ってのがいるの?てっきりマンガの中だけの話かと思ってた・・・」

 

『白狐よ、この妖気の質はもしや――』

 

『うむ、黒狐よ。恐らく危険度Aランク、久々の大物じゃな!』

 

あ、なんか一気にフィクション臭くなった。妖怪の強さとかでランク分けされてるって聞くと、目の前の出来事が全然怖くなくなるな。なんでだろうな〜?

 

「えっと、なに?そのランクって。そういえば朝も懸賞金がどうのって言ってたよね?」

 

「翼の言う通り、確かに気になるね。どうせ関わらなきゃいけないんだから教えられる事は今の内に教えてよ」

 

『むっ、そうじゃな。しかし、話すと長くなるから少し待ってくれんか?』

 

2人が警戒した様子で四方八方へスマホをゆっくりと傾けていくと、黒狐さんが突然バッと動いた。

 

『おっ!キャッチしたぞ、本体の妖気!』

 

『よし黒狐、その妖気を手配書アプリに照合しろ!』

 

事が動けば早いようで、現代的な発言をチラホラしながら黒狐さんが叫んだ。

 

『ふむ「電磁鬼」か!コイツは厄介じゃのう!』

 

咄嗟に怖くなったのか翼が2人の影に隠れようとするも、その前に捕まって尻尾を引っ張られてしまった。

 

『こりゃ!ちゃんと説明してやるから聞け!』

 

「キャン!尻尾つままないで〜!」

 

可哀想に・・・こんな駄狐達に惚れられてしまったせいで妖狐にまでされちゃって・・・今からでも稲荷像破壊しに行ってやろうかしら。

 

『良いか。我々は人間界で悪さをする妖怪を捕まえて、妖怪センターに引き渡しているのじゃ』

 

「そんな警察みたいな組織があるんだ。じゃあランクっていうのは・・・」

 

『悪さをする妖怪の悪意度、それを危険度として定めておるのじゃよ』

 

「その「電磁鬼」がAランクだって分かった事はそいつらを見つける方法もあるって事なんだね?」

 

『綾とやら、人間にしては意外と頭が働くの。全くその通りじゃ。さっきまで使っておった妖気を感知するアプリをセンターの手配書アプリと連動させる事で、そこに登録されている対象の妖気を即座に検索してくれるのじゃ』

 

なるほどね〜こりゃ仕事がスマートで助かるだろうな〜・・・私達は絶対戦いたくないけど。

 

『白狐が殆ど説明しおったが、それで見つけた妖怪が「電磁鬼」という悪鬼の一種だ。そいつは相手のスマホに妖気を含ませた文面を送り、それを見た人物を意のままな操るという奴じゃ』

 

それを聞いて、私はふとある事を思い出した。

 

「え?それって、メールの文字が全部文字化けして読めないとか・・・そういうタイプ?」

 

『何じゃと!?お主、アレを読んだのか!まさか操られぬ者がおるとは・・・』

 

「いや、だって全然読めなくて気持ち悪かったからすぐ消して迷惑メールに登録したんだけど」

 

なんか私は知らない内に「電磁鬼」による支配の手を逃れてたらしい。すると疑問に思った翼が質問を投げかけた。

 

「でも、その文面はどうやって広めてるの?最近はSNSでも犯罪が増えているから、知らない人からのメッセージなんて確認もしないで消しちゃうと思うけど」

 

『そこが不思議じゃの。何故全員が操られたのか、全員同じ文面を見るなんて有り得ん事じゃの』

 

『白狐よ、今人間のネット情報で調べてみたが「架空請求」やら「幸せ通知」という物があるみたいだぞ』

 

どうやら、2人の使う妖怪用のスマホは普通に私達が使っているスマホみたいに調べ物をしたりも出来るようだ。「架空請求」に「幸せ通知」ね〜・・・騙されて嫌な思いをした記憶しかないよ!

 

『黒狐よ、何じゃそれは?』

 

『うむ、どうやら――』

 

「偽の文章を送り付ける事でその人が興味を示すように仕向ける悪質な行為だよ。私はそれに結構引っかかったから、名前を聞いただけでも嫌な気分になるね」

 

「そりゃそうだよ・・・」

 

翼が私に同情の目を向けてくれておかげで吹っ切れそうな怒りがかなり和らいだ。あっぶね〜、また暴走する所だったよ・・・

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