私、霊能力者になっちゃいました 〜≒僕、妖狐になっちゃいました〜 作:SimonRIO
「っはぁ!・・・っ!はぁ、ハァー・・・」
とんでもない夢だった。
淫夢かと思ったらガチで殺しにきてるような夢・・・というよりも私は心の何処かでは同性同士で愛し合う事でも望んでいるのか?ってくらいに色んな意味でヤバい夢だった。
「あ〜もう、全身汗でベトベトして気持ち悪いな・・・」
昨日の帰り道といい、あまりの恐怖からか豪雨に打たれたような汗をかいていたので一先ず風呂場でシャワーを浴びる。オジサンが割としっかりリフォームしてくれたおかげか、建物の外観そのものは古いが設備は近代的で意外と不自由する事がない。
「・・・!」.。゚+.(・∀・)゚+.゚パァー
「アハハ・・・随分と今日は豪勢に作ってくれたんだね、オジサン。私、今は迷惑かけてばかりだけどさ何時かきっとオジサンに楽させてあげられるような仕事に就くから、だからもうちょっと待っててね」
「・・・」((-ω-。)(。-ω-))フルフル
「『そこまで心配してくれなくても俺はやっていける』って・・・私にとってはオジサンが唯一の家族なんだから、私なりにの親孝行だよ」
朝ごはんを食べ終え、洗濯や掃除を一通り終える辺りでスマホに電話が入ってきた。
相手は翼だ。何かあった時の為にと一応教えていたのだが・・・もしかして何かあったのだろうか?
「もしもし!翼、大丈夫!?」
『えっと・・・その、ね?僕の家、皆一週間くらい出かけに行っちゃったみたいで・・・その、不安になっちゃって・・・』
「待ってて!すぐそっちに行くから!」
私は急いで翼への弁当を準備して、オジサンに用件を伝えて駆け出した。翼の家へは一度今回と似た理由で訪問した事がある。
家そのものは普通なのだが、そこに住む家族が翼をまるで居ないもののように扱っていると知ってからはより翼からの連絡を聞き逃さないようにしていた。何だって彼・・・今は彼女だが、学校の件も含めて大人しくて優しい子がそんな目に合わなくちゃならないんだと憤慨する。
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「ハァ、ハァ・・・お、お待たせぇ・・・」
「あ、綾ちゃん?そんなに急いで来なくても大丈夫だよ?」
「へ、へへ・・・心配だから、ついね〜」
電車に乗ってる時を除いて全力疾走で駆けつけた私を見て翼も白狐さんも黒狐さんも皆ドン引きしている。友人に対する愛が重いって?軽けりゃそれはただの薄っぺらい友人関係だ、そんなの私はまっぴらごめんなのである。だから一途にただひたすらに東奔西走するのは私からしたら普通なのだ。
『ふ、ふむ。実は先までは椿の祖父の家へ世話になろうという話をしていたのだがな・・・』
『向こうは人が多く祖父にも迷惑をかけたくないと言うので困っておった所だったのじゃ』
やはり翼は良い子だ。夜中まで遊び歩いて、学校で暴力騒ぎを起こす私なんかと比べたらあまりに出来すぎた子だよ。もし可能であるんなら私の家族にしたい、弟みたいな感じで可愛くて放っておけないんだもの。
でも、それとこれとは話は別。自身が無理してより自身を追い詰めてしまうのはちょっと容認出来ないかな〜
「はぁ。翼、こんな時くらい別に親戚を頼ったって怒らないと思うよ?ってかこんな扱いされてるなんて知ったら全力で助けてくれるかも――」
「僕は綾ちゃんみたくそこまで気軽に行けないよ・・・」
『の?』
「う〜ん、こりゃ困った。食料に関してはまあ何とかするとして、一週間も帰ってこないとなると家事全般すら大変でしょうに」
どうしたものかと頭を悩ませていると、ピンポーン!と家のチャイムが鳴り響く。
「あれ?誰か来たの?宅急便かな?」
『宅配便か?なら放っておけば良い』
「翼の家族宛てとかだったら後々面倒でしょうが、っと」
翼を引き止めようとする白狐さんの頭へチョップを食らわせる。全く、過保護なのは別に悪くないけどその思いやりがどんな結果を招くのかくらいは考えて欲しい所だね。
『いや、行かなくても良いと言っておるじゃろ。それよりも我らと――』
「言わせるかァ!発情期の犬かこの2人は!?」
なんというべきなのか、私が翼と2人の間に入って妨害しているのにも関わらず私の腋や股の下から器用に手を伸ばして翼を引き止めてしまっている。おかげで私はエラいくすぐったい目に合ってるんだよねえ!
『ええい、邪魔するでない綾!動きずらいではないか!』
「うひっ!?そこあまり触んな、ぁ・・・!」
「だから白狐さん!君達から逃げる為にも、僕は受け取りに行きたいの!」
もみくちゃになってると、今度はイタズラ小僧がやってるのかってくらいに連続でピポポポ・・・とチャイムが鳴らされまくる。
え、ちょっと怖いんですけど。宅急便の人もうちょい落ち着いて?
『うるさいのぅ!』
そして黒狐さんは怒鳴んない!普通に耳にビリビリきてうるさかったんだけど!
「うっ・・・!そ、それでも連打してるって、やっぱり宅急便じゃないよね?」
『そんな事は最初から分かっとる。しょうがないのぅ』
ようやく翼から離れた2人は玄関の様子を見に行ってくれた。あーもう、朝からなんか疲れた・・・
「で、翼はなんで布団にくるまってるの?」
「だ、だって・・・家の前にオバケとか居たら怖いもん・・・」
「あー、多分それくらいならあの2人で何とかなりそうだと思うけどね〜」
私が心配してるのはそういうのじゃない、翼の貞操があの駄狐達に食われないかが心配なんだよ!本当頼りになる時は頼りになるのに、どうしてこう翼の事となると2人ともダメダメになるんだか・・・
『大丈夫じゃというに、全く』
『椿が怖がっとるから、普通に入って来てくれんか?翁よ』
そう言うと白狐さんは部屋の窓を開けた。普通に、ねぇ〜・・・おい、ウソだろ。
「なんじゃい、居留守使おうとする方が悪いわい。全く、じぃを怖がるとは失礼じゃぞ、翼よ!そしてお前さんは・・・なるほど、翼の友人か!」
「お、おじいちゃん!?」
「え、え、えぇぇ!!?」
いや窓から入ってきますか普通!?っていうかよくよく考えたら、この部屋2階にあったよね?何?ハイパー運動神経なおじいちゃんなの!?
「おじいちゃん。今、どうやって2階に入ってきたの?」
「うん?そりゃこうやってこうじゃ」
「わぷっ!?」
すると翼のおじいちゃんの身体が突風に包まれて見えなくなり、部屋中に強風と何処から来たのか枯葉が吹き荒れた。
そして風が止んで姿が見える様になると、そこには山伏みたいな修験装束を着て、長い歯を持つ下駄を履き真っ赤な顔に高く伸びた鼻で背中からはカラスの翼――正しく「天狗」と呼べる姿があった。
「「・・・きゅう」」
『おぉ、2人とも!どうした!?』
そりゃ目の前で普通の人が妖怪に変身するってイリュージョン見せられたら脳がキャパオーバーするっての・・・っていうか翼のおじいちゃんが天狗って、色々訳が分からないよ・・・
ここまでをたった一晩で思いついて、勢い任せに完徹して書いてしまいました(汗)
何卒宜しくお願い致します・・・