そんな状況で書いたお話です。
短いですがよろしくお願いします。
僕が目を開けると、一番最初に感じたのは痛みだった。
「……い゛ッ!?」
「ベル!? おいみんな、ベルが目を覚ましたぞ!」
僕が目を覚めたと知ったヴェルフは、みんなに声を掛けた。
「ベル君!!」
「ベル様!!」
そんなヴェルフの声を聞いて、神様とリリがすぐにやってきた。
二人とも、心配そうに僕を見つめる。
「……大丈夫」
と自分で言った物の、嫌でもわかる。僕の右腕から感覚がない。
ちらっと視線を移すと、そこには血に染まった僕の右肩。そして、その肩より先に腕が存在していない事。けれどその痛みが和らいだせいか、意外と僕の思考は至って冷静だった。
「腕に関しては、ヘルメスがなんとしても治すって約束したんだ。だから、大丈夫さ!」
涙目の神様が必死で僕を励まそうとしている。
そんな神様を見ると、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
でもごめんなさい、神様……今の僕にはやるべき事がある。
僕にはわかる……身体の中に、溢れそうな力が湧き上がるのを……。
彼女達が、僕に託した願いを叶える為の力から伝わってくる暖かさが。
「……神様」
「なんだい?」
「僕にエリクサーをください」
「な、なにを言ってるんだい!? これ以上戦闘は無理だよ!」
予想通り反対された、その理由もごもっともだ。
例え僕がエリクサーを飲んで戦おうとしても、精々【
それでも———。
「———それでも、僕にはやるべき事があるんです」
「ないよ! キミはもう十分頑張ったんだ! もう無理しなくてもいいんだよ!」
「いいえ、あります。僕は託されたんです……彼女達に……彼女達は言いました……“私達の女神”救って欲しいと……」
「!!」
神様は言葉を続けなかった。そして、しばらく顔を俯き弱々しく「リリ君、エリクサーを……」とリリに指示した。
リリは指示された通りに、僕にエリクサーを渡す。けど、その手が確かに震えていた。
そんなリリに僕は優しく撫でた。
「ベル様……」
「絶対に……みんなで帰ろう……これは約束だ」
それを聞いたリリは強く頷く、彼女の震えも少し弱くなった。
「こちらも、ようやく傷が回復しました。これより、ウィリディスさんの援護に回ります」
「貴方の準備が終わるまでしっかりと時間を稼ぎます」
リューさんとアスフィさんが、そう言って飛び出していった。
でも、それと同時に———
《ズドォォンッ!!》
『!?』
何かが天井まで吹き飛ばされた音が聞こえて、嫌な予感を感じた。
「れ、レフィ君!!」
「レフィ様!!」
その名を聞くだけで、胸が騒ついた。
僕はエリクサーを即座に飲み干して、そして回復し始める身体を無理矢理起こそうとした。
「おい! レフィーヤの奴が怪我を負ったぞ!?」
天井を見上げると、そこには苦しそうな顔を浮かべる姉の姿が居た。
アンタレスの攻撃も直ぐそこまで迫ったが、なんとか間一髪でリューさんの魔法がレフィ姉を守った。
けど、新米冒険者の僕にでもわかる。これ以上の長期戦は、あんまりにも無謀だ。
「神様……リリ……僕を支えて欲しい」
「「!?」」
二人は少し驚くが、すぐに頷いた。
腕を生やすのは不可能だけど、致命的な傷は治った……流石は【ディアンケヒト・ファミリア】のエリクサーだ。
「ヴェルフ、あの“槍”を僕に」
「安心しろ、用意してある」
流石はヴェルフ、君はいつも頼りになるね。
神様とリリに手伝い貰えながら、僕は再び起き上がる。その間に、心の中に【
———「己の女神の為に自分の命を捧げた誇り高き少女達……」
《リィン……リィン……》
———「絶望に堕ちいた掛け替えのない女神を救う為に魂を捧げる少女達……」
《ゴゥン……ゴゥン……》
———「そして……そんな彼女達が僕に託した思い出の数々……」
《ゴゥン……ゴゥンッ!!》
「ベル……」
ヴェルフから“槍”を受け取り、その“槍”に【
さあ、反撃の時だ。
ここまで読んで頂きありがとうございます!!