釣りバカ提督は今日も一人で。 作:匿名
○月□日 天気:曇り時々晴れ
『努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのなら、それはまだ本当の努力とは言えない』
何処かで誰かがそう言った。
私はその言葉を信じて、今ここにいる。ただ一つ気がかりなのは、その言葉が本当なのかというところだ。彼はここ一ヶ月間、すごい努力をしている。でもそれはまだ報われていない。少しくらいなら報われてもいいと思うのに、世界はまだ彼に厳しい。
なんとかしてもっと彼の力になれないだろうか。いつでも直向きに、ずっと頑張る彼は幸せになるべきなのに、私はまるで彼の役に立っていない。かといって何をしてあげられるかも分からない。今日彼のいいところを褒めてみたけど、上手くいったのか怪しい。
……もう、私の馬鹿。弱気になってちゃダメ。せめて彼の気を紛らわせることを、何か……。
○月 △日 天気:晴れ
今日は彼とお喋りをした。彼の趣味についてだ。これが彼のためになっているのかは分からないけど、適度な息抜きは大事だと思う。
……最近彼のことばかり考えている。何故かは分からない。でもずっとその調子だと絶対に仕事にも支障が出てしまいそう。早々に何とかしないと。
今日は仕事の話も少しだけ。
最近、哨戒での会敵の数が極端に減っている。なんだか変な感じ。でも本部から来た報告書を見る限り、この付近全体で敵の目撃例も減っているみたい。逆に北部ではかなりの規模の艦隊が現れたりしてるらしい。深海棲艦も戦略が変わってきているのかもしれない。要注意。
○月 ☆日
少し前の話だけど、彼へのイジメが少し酷くなってるみたい。鈴谷さんにご飯にイタズラされたとか。もちろん普通のイタズラでもそうだけど、ご飯にイタズラするのはもっと許せない。……でも、正直彼女にも思うところは色々あると思ってる。彼女には彼女の過去がある。私がそれに口出ししても意味はない。彼の力で変えてこそ……って言うのは、私の言い訳になってしまうのかな?
彼の気を紛らわせるためにも、少しずつ釣りについても勉強している。今度隙を見て行ってみたくなってきた。釣るなら"マメアジ"。彼も比較的簡単に釣れると言っていた。釣ってきたら南蛮漬けにでもしてみようかな。
*月 ○日
最近気づいたけど、潮ちゃんと彼がとても仲良くなっているみたい。二人だけの時はよく笑顔で話しているし、釣りも時々一緒に行っている。あの子はとてもいい子だし、彼も上手くやったんだと思う。とりあえず一安心。
それになんだか数日前から、彼の目の色が変わった気がする。元々初めて会った時はいい目をしていると思ったけど、今はその時よりも数段澄んでいて、どこまでも見通せそうな目になっている。なんだかカッコ良かった。彼が頑張っているのに、私はやっぱり役に立ててないことが多い。あと一歩は近くて遠い。それとも私は逆向きにエスカレーターを登っているのかな? いつまで進んでもゴールにつけなさそう。。。
たまには誰かに相談してみるのもいいかも。
*月 □日
今日、彼は本部に出頭していた。これはチャンスだ。隙を見て少しだけ彼の部屋から釣り道具を借りた(←ここ重要)
すぐに返すから、ちょっとだけ。釣りに行くのは明日になるかな……ちょうど休みをもらえてて良かった。何か食べに行ってもいいけど、釣りもしてみたい。確か餌をまず買わないとダメなんだっけ? 近くの釣具屋さんを調べておこう。
にしてもとても楽しみだ。彼があれだけハマっていることなら、楽しいに決まっている。最低限一匹でも釣れれば万々歳だ。
さて、誰にもバレないように早くに起きて行かないと。今日は早めにお休みなさい。。。
「……赤城さん。電気消してもいいですか?」
「あ、いいですよ。早いとこ寝ちゃいましょう。明日休み貰っちゃってますけど、ゆっくり寝たいですから」
「それもそうですね。それでは、おやすみなさい」
「加賀さんもおやすみなさい……」
これからも物語の展開のため、ちょくちょくこういうのを入れていく予定です。ある程度長くなったら、まとめみたいな感じで入れようかな、と思っています。
こっからストーリーを本格的に組み上げていけるように、少しプロット書くので間が空くと思いますが何卒ご了承ください。のんびり待っていただけると幸いです。